高校生がAIで課題を攻略した方法|通信制高校×発達障害×国立大合格の本人が語る
- 中学時代に発達障害の診断があり通信制高校に進学した高校3年生・山崎巧くんが、AIを使って課題を攻略しながら国立大学合格を果たした実録
- 課題PDFをChatGPTに読み込ませ、回答を表形式で一括抽出する「最速攻略法」を画面共有でリアルタイム実演
- AIは「サボるため」ではなく「本当にやりたいことの時間を生み出すため」の道具——事業運営と学業を両立した高校生の本質的な視点
今日のゲスト:伊塾で塾長を務める高校3年生・山崎巧くん
今回のGPTモーニングライブに登場してくれたのは、秋田県のAI・企業教育塾「伊塾」で塾長を務める山崎巧くん(高校3年生)と、伊塾の運営者・高崎翔太さん。巧くんは中学時代に発達障害の診断があり、通信制高校へ進学した。それでも課題を誰よりも早く終わらせ、事業(伊塾の運営)も並行して走らせながら、国立大学への合格を勝ち取った。
「1人で頑張るあなたの親友」というコンセプトでAI活用支援をしている僕にとって、まさに「AIと共に成長した」ロールモデルが目の前に来てくれた回だった。学校の先生にもぜひ見てほしい——でも少しドキドキしながら——という気持ちで始めた配信だ。
AIを使い始めたきっかけ:先輩が卒業して「頼れる人」がいなくなった
巧くんがAIを使い始めたのは高校2年生に入ってからだ。1年生の頃は、数学で分からない部分を2つ上の先輩に聞いていた。ところがその先輩が卒業してしまい「来年大丈夫かな」と不安になったタイミングで、AIが出てきた。
「先輩が卒業したら、そこにAIが来た感じです」という言葉が、AIを道具として使い始める本質を表している。困ったから使い始める。これが一番自然な入口だ。最初はCopilot(当時のBing)を使っていた。ChatGPTも試したが、無料の3.5しか使えなかったので、当時はBingの方が精度が高かったという。
そして高校3年生になった今、AIは「最初の日に課題を全部終わらせて、残りの1ヶ月を事業に使う」という時間設計の中核になっている。AIなしでも元々「出た初日に取り組む」スタイルだったところに、AIが入って効率が数段跳ね上がった。
通信制高校の課題PDFをAIで攻略する「最速フロー」を実演
巧くんが画面共有で見せてくれた手順はシンプルだ。通信制高校の課題はPDFでオンライン提出・ダウンロードできる仕組みになっている。これを活用した最速フローがこれだ。
- 課題PDFをダウンロードしてChatGPTの有料プラン(GPT-4)にアップロード
- 「このPDFのすべてのテキストを抽出してください」と指示
- 「すべての回答を出してください」と追加プロンプト
- 表形式で回答一覧が出力される
- さらに「回答のみを一覧で」と絞ると、答えだけがずらっと並ぶ
英語はGPT-4で十分な精度が出る。数学・物理は精度がやや落ちるため、科目によってAIを使い分けていた。料理で言えば素材(科目)によって使う包丁を変えるのと同じ発想で、AIも「一択」じゃなくて使い分けが大事だ。
紙の課題の場合はスマホで写真を撮ってPDF化すれば同じことができる。ただし画像を含む問題(物理の図など)は画像ごとAIに添付して「この図に沿って」と指示する必要がある。
精度が8割でも「卒業には影響しない」という現実的な割り切り
AIが出す回答が必ずしも100点ではないことは、巧くん自身も承知していた。英語は8割程度の精度。それでも「卒業に影響しないレベルは出る」という現実的な判断ができていた点が面白い。
さらに面白い発言があった。「AIはわざと間違えてくれてるのかも」というものだ。宿題の書き写し系の課題では、AIが一部意図的に間違えを入れているんじゃないかと思うぐらい、程よい精度で出力されることがあるという。もちろんAIに意図はないが、その感覚は「AIを相棒として捉えている」証拠だ。
先生の反応はどうだったか。「また早いな」程度で、詳しく問い詰められることはなかった。むしろ問題になったのは、同級生に「もう終わった」と言うと白い目で見られることだったという。ギリギリにやる子が多い中で「もう終わったんだけど」と言うと関係が切れる——笑えるが、これが現実だ。
有料プランが使えない学生向け:無料AIの賢い選択肢
有料プランが使えない学生に向けて、巧くんが挙げた代替案も実践的だ。
- Gemini(無料版):ファイル読み込みに対応しており、GPT有料プランの代替になる場面がある
- Copilot(旧Bing):Web検索と連携できるため、歴史など時事性のある科目に強い
- DeepSeek:最近登場したモデルで、無料でも高精度な回答が出るケースがある
「一つのAIに詰まったら、別のモデルに替えてみる」という習慣が、AIを道具として使いこなすコツだと巧くんは言う。普段はCopilotでやってみて、つまづいたら別のツールへ切り替える——この柔軟さが彼のAI活用の核心だ。
また、歴史のような科目はAIに解釈の違いがある(中国・アメリカ・日本でそれぞれ違う歴史観を持っている)ため、「どの視点で答えを出すのか」を意識する必要がある。AIを使いこなすには、AIの「癖」を知ることも大事だ。
「サボり」ではなく「時間を生み出す」という本質——高崎さんの評価
先生側の高崎さんが最も面白い視点を提示してくれた。「これはライフハックだ。本当にやりたいことの時間を生み出すためにやっている」という評価だ。
巧くんはAI以前から、課題が出た初日に取り組む習慣があった。AIが来てからは、その効率が数段跳ね上がった。1ヶ月分の課題を最初の数日で終わらせ、残りの時間を事業活動(伊塾の運営)に使う。これは「ズル」ではなく、目的を持った時間設計だ。
「使う理由」がある人がAIを使いこなせる。巧くんの場合、「課題を早く終わらせて事業に集中したい」という明確な目的があった。AIは手段であって、目的じゃない。この順番を間違えると「とりあえずAIを使う」という使い方になってしまう。
発達障害×AI:本当の学びを支えるユニバーサルデザイン
巧くんは本を読むのが苦手で、動画で学ぶスタイルが合っている。1行目から2行目に視線が移れない「読み障害(ディスレクシア)」に近い特性を持っている。彼がAIに対して「表にしたら理解できる」と言っていたのが印象的だった。
AIは知識の「ユニバーサルデザイン化」ツールとも言える。車椅子の人に物理的なバリアフリーが必要なように、情報の受け取り方が違う人には、知識へのなだらかなスロープが必要だ。AIはそのスロープを個別に作ってくれる存在だ。
テキストを表形式や箇条書きに変換する、難解な文章を平易に言い換える、図の説明を文字で出力する——これらは全部「情報の受け取り方のバリアフリー」だ。AIが普及することで、情報へのアクセスが誰にとっても平等に近づいていく。
そして巧くんは、その恩恵を受けながら国立大学へ進学する。これは「AIに課題をやらせた話」ではなく、AIを使いながら自分の強みを最大化した話だ。
伊塾とは何か:不登校・通信制の子供たちのためのAI×企業教育塾
伊塾(イジュク)は秋田県のオンライン塾で、小中学生に「AIと企業」を教えている。不登校や何かしらの悩みを持つ家庭が多く、「うちの子は外に出られない」という親からの問い合わせに「うちは最適です」と答えられる塾だ。
巧くん自身が学生でありながら塾の経営に携わり、AIで課題を攻略しながら国立大へ進む。この姿そのものが、教育の未来を体現している。「学校に行く意味がわからない」という子供たちに見せたいロールモデルが、ここにある。
高崎さんの言葉を借りると、巧くんのやり方は「先生として見るとアウトな気がする」けれど、「ビジネスパートナーとして見ると最高のライフハック」だ。この2つの視点のギャップそのものが、AI時代の教育を考える上で一番重要な問いかけだと思う。
AI時代の学びとは何か——巧くんの3年間が教えてくれること
巧くんが3年間で見せてくれたのは、「苦手を無理に克服しようとしない」という戦略だ。数学・物理はAIに頼る。英語は教科書を見て自分で解く。自分の得意不得意を把握した上で、苦手はAIに外注して、得意に集中する。
これは「学習の放棄」じゃない。むしろ「自分の強みに集中する」という、AI時代に最も必要な思考法だ。偏差値ゲームで全科目を平均的に伸ばすより、「自分が何で勝負するか」を早い段階で決めて、そこに全力を使う。
AI時代において、「知っている」という価値は下がった。「どこから知識を引き出すか」「その知識を何に使うか」という編集力と目的意識が、人間に求められる本質的な能力になっていく。巧くんの3年間は、それを身をもって証明していた。
ChatGPTの有料プランと無料プランの現実的な使い分け方
有料プランを使えば話は早い。PDFをそのままアップロードして「全文抽出→全回答出力」という最速フローが使える。でも学生全員が月額料金を払えるわけじゃない。
無料でできる方法は今もたくさんある。Geminiは無料でもファイル読み込みに対応している場合がある。Copilotはネットから情報を引っ張ってくる力があるので、歴史・社会系の科目に強い。問題をテキストにコピーして1問ずつ丁寧に聞く方法も、精度という面では一括処理より高くなることが多い。
「高いモデルを使えば解決」ではなく、「今使えるツールでどこまでできるか」を考えることが、AI活用の本当の力だ。巧くんが高校1・2年生の頃にCopilotで試行錯誤していたのは、その訓練でもあったと思う。
「学校に行かなくていい」ではなく「学校以外でも育てる場がある」という時代
僕自身も子供が3人いて、3人ともある時期学校に行かない時期があった。その経験があってAIを研究し始めた部分がある。AIを触り始めてから気づいたのは、「AIが何でも教えてくれる時代に、学校教育って何のためにあるんだろう」という問いだ。
伊塾のような場所が存在することで、学校という場所が唯一の学びの場でなくなる。オンラインで通える。AIで課題も調べ学習も対応できる。外に出られない子でも、好きなことを伸ばせる環境がある。
巧くんのケースは「AIを使ってズルをした話」として読む人もいるかもしれない。でも本質は違う。「自分に必要な時間を作るためにAIを使った」という話だ。その目的意識こそが、AI時代を生き抜く力の核心だ。
よくある質問
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