売り込まずに選ばれる提案術:AIで「理想の未来」を売る方法

売り込まずに選ばれる提案術:AIで「理想の未来」を売る方法

  • 商品を売るのではなく「理想の未来」を売る視点の転換が、売り込まずに選ばれる提案の核心
  • GeminiのCanvasモードを使えば、ChatGPTで整理した内容をGoogleスライドに5分以内で変換できる
  • お客さんが気づいていない視点を提示することが、信頼と差別化の源泉になる

「売り込まずに選ばれる」の正体

これは営業が苦手な人が聞いたら「そんな都合のいい話が?」と思うかもしれない。でも本質はシンプルだ。相手が必要なものを、必要なタイミングで、必要な形で届ければ、売り込まなくても買ってもらえる。

ライブでゆきさんが言っていたのは「3つを聞く」ということ。①お客さんの痛み(何に苦しんでいるか)、②理想(どうなりたいか)、③そのギャップを埋めるために本人が考えていること。この3つを聞いた上で、「お客さん自身が気づいていない視点」をプラスして提案する。

料理に例えると、目の前のお客さんが「お腹が空いた」と言っているのをそのまま受け取るのではなく、「今日は仕事で疲れているんだな、だったらボリュームより回復重視のメニューにしよう」と一歩先を読んで提案するイメージだ。お客さんの言葉をそのまま受け取るのではなく、その言葉の奥にある本当のニーズを読み取る。これが「選ばれる提案」の出発点だ。

さらに言うと、商品は「目的」ではなく「手段」のひとつだ。最終的にお客さんが何を実現したいのか、どんな感情を得たいのか——そのゴールを把握した上で、「だったらこういう手段もありますよ」と提案する。これが受け取られやすい提案の形だ。

りんごジャムで学ぶ「理想の未来を売る」発想法

ライブ中で紹介されたエピソードが印象的だった。元ウェディングプランナーがりんごジャムを販売している、という話だ。

普通のりんごジャムの売り方:「長野県産りんご100%、無添加、美味しい」。これは商品の説明。でもそのお師匠さんは違う売り方をした。「アップルパイのようなジャム。これを塗るだけで高級ホテルの朝食のような気分が味わえる。1万円のホテルに泊まらなくても、○○円のジャム1本で毎朝体験できる」という提案だ。

これが「理想の未来を売る」ということ。商品そのものではなく、その商品を使った先の感情・体験・生活の変化を売っている。高級ホテルのコーヒーが1,200円、アップルパイとセットなら2,000円する。それが家庭で普通の食パンにこのジャムを塗るだけで味わえる——この価格比較と体験の想像が、購買の気持ちを動かす。

AIを使えば、この「未来のイメージ」を画像や動画や音楽で視覚化して届けることが誰でもできるようになった。「言葉で伝えるのが苦手」という人も、AIで生成した画像や動画でイメージを届けることができる。想像力とイメージ力がある人ほど、AI時代に強くなる理由がここにある。

お客さんが気づいていない視点を提示する——これが最強の差別化

「あ、知ってるよ」と思われることを言っても、「あなたから買いたい」にはならない。人が動くのは「それ、知らなかった。気づかなかった」という瞬間だ。

お客さんが自分で認識しているニーズを満たすだけでは、選ばれる理由が薄い。同じものを売っている人が他にもいれば、価格で比較されるだけになる。でも「お客さん自身が気づいていない視点や可能性」を提示できると、「この人から買いたい」が生まれる。

具体的には、3つのヒアリング(痛み・理想・ギャップ)を聞いた上で、本人が思いもよらなかった視点を一つ加える。「実はこういうアプローチもあって、そちらの方があなたには合っているかもしれません」という一言が、信頼と差別化を同時に生む。

これはスキルというより姿勢の問題だ。相手のことを本当に理解しようとする姿勢、相手に必要のないものは売らないという誠実さ、そして相手の可能性を自分より深く信じる力——この3つが揃うと、自然にこの「未知の視点提示」ができるようになる。

GeminiのCanvasモードで5分でスライドを作る

提案書や資料が苦手、時間がかかる、という悩みに対してGeminiのCanvasモードが使える。手順はシンプルだ。

①Geminiを開いてCanvasモードを選択する。②チャット欄に「○○についてのスライドを作ってください」と入力する。③Geminiがリアルタイムでスライドを生成し始める。④「Googleスライドにエクスポート」ボタンを押すと、すぐ編集可能な状態でGoogleスライドに変換される。

ライブで実際に見せてもらったところ、生成から出力まで約3分。しかも配色が統一されていて、そのまま使えるレベルのものが出てきた。完璧ではなくても「たたき台」としては十分すぎる。1時間以上かかっていた作業が、10分もかからずに完了する。これが今の時代の「提案書の作り方」だ。

さらにいいのは、Googleスライドにエクスポートした後、そのままPowerPoint形式でダウンロードもできること。会社のフォーマットがPowerPointでも対応できる。細部の調整は自分でするにしても、ゼロから作る苦労がなくなるだけで、発信のハードルが大きく下がる。

提案書づくりの2段階プロセス:深掘り→視覚化

より精度の高いスライドを作りたい場合は2ステップで進めるといい。

Step 1はChatGPTやGeminiで内容を深掘りすること。「○○についてのスライドを作りたいのでDeep Researchしてください」と指示して、ファクトチェック済みの情報を集める。ここで重要なのは、自分が伝えたいことを音声やテキストでAIに話しかけて整理してもらうことだ。

Step 2は整理した内容をGeminiのCanvasモードに渡してスライド化すること。テキストを貼り付けて「これをスライドにして」と言うだけでいい。ゼロから考えながら作るのではなく、AIと対話しながら内容を固めてから視覚化する。この流れが今の時代の提案書の作り方だ。

「伝えたい思いがあるのに、資料にすると伝わらない」という経験はないだろうか。実はそれは資料のせいではなく、伝えたい内容の整理が追いついていないことが多い。AIとの対話を通じて内容を整理してから視覚化すると、「なぜこれが必要か」の論理が明確になって、資料としての説得力が上がる。

Geminiの画像生成機能と日本語対応の現状

Geminiのスライド内には画像生成機能もある。ただし日本語プロンプトでの精度はまだ発展途上で、英語で指示した方が正確な画像が出やすい。「Japanese business person」のような英語表記の方が日本人らしい画像が出ることも多い。

完璧な画像は求めず、「テキストの補足として雰囲気を出す素材」くらいの位置づけで使うのがちょうどいい。必要であれば後からCanvaやその他の画像生成ツールで作った画像を差し替えればいい。ちょっとアメリカンな雰囲気になってしまっても、それはそれでご愛嬌だ。すぐに日本語対応も進むだろう。

Geminiの良さはスライド全体の構成・配色・流れをワンクリックで出してくれることにある。細部の調整は人間が判断する。この役割分担が一番効率的だ。「AIが大枠、人間が細部」という分担で動くことで、資料作りの負担が劇的に減る。

画像探しに時間をかけていた人には特に効果がある。「フリー素材で使えるものを探して、ライセンスを確認して、サイズを調整して」という手間が丸ごとなくなる。作る時間の方が探す時間より短くなっている今の時代、ここでも意識の切り替えが必要だ。

上司への報告書もAIで——言葉を選ぶストレスが消える

提案書だけじゃなく、日常の社内コミュニケーションにもAIは使える。上司への報告をどう書くか、お客さんへの返信をどう表現するか——言葉選びで時間とエネルギーを使うことが多い場面にこそ、AIが役立つ。

「とりあえず自分の言いたいことをバーっと喋って、AIに分かりやすく整理してもらう」というやり方だ。もやもやと悩んでいた内容が、AIとの会話を通じて整理されると、精神的なストレスも減る。1人で考える感じじゃなくて、一緒に考えてくれる感覚になる。

AIが出してくれた文章をそのまま使うのではなく、「自分らしいかどうか」を選び取ることが大切だ。5つ案を出してもらって、一番しっくりくるものを選ぶ。さらに自分の言葉に書き換えてみる。このプロセスを経ることで初めて「AIとの共作」になる。

AI時代に「選ばれる人」になるために磨くべき力

AIがコンテンツを作れるようになった今、「誰でもできること」はどんどんコモディティ化していく。では何を磨けばいいか。

ライブ中で出た答えは「イメージ力と共感力」だ。お客さんが気づいていない視点を見つけること、その視点を相手が受け取りやすい形で届けること。これはAIが代替しにくい、人間ならではの能力だ。AIは画像・動画・音楽でイメージを生成できる。でもどんなイメージを届けるべきかを判断するのは人間だ。

AIはツールとして使い倒す。でもその上に「あなたから買いたい」と思わせる信頼関係と独自の視点を乗せる。この組み合わせが、売り込まずに選ばれる人の姿だと思う。AIで提案書が簡単に作れるようになった今だからこそ、「何を提案するか」の中身の質——そこに差がつく時代になっている。

感情を動かす提案——「体験後の感情」を言語化する練習

りんごジャムのエピソードで出てきた「感情を売る」という発想。これを自分のビジネスに応用するためには、「体験後の感情を言語化する」練習が必要だ。

まずAIに聞いてみるといい。「私のサービスを受けた後、お客さんはどんな感情を感じているか教えてください」と。自分の商品・サービスの特徴を説明した上でこの質問をすると、AIが「安心感」「達成感」「自由になった感覚」など、自分では言語化できていなかった感情を引き出してくれる。

次に「その感情を映像でイメージさせるとしたらどんなシーンか」を考える。りんごジャムなら「家族と朝食を囲んでいる、ゆったりした朝の食卓」だ。このシーンをAIで画像生成して見せることができる。言葉だけでなく、画像・動画・音楽でイメージを届けられる時代に、「感情の視覚化」は誰でもできるスキルになった。

人は感情を味わいたくてものを買う。りんごジャムを買うのは「リッチな朝の体験」が欲しいから。AIのスキルを学ぶのは「苦手なことを手放して、本当にやりたいことに集中したい」から。この感情の核心を言葉にできると、売り込まなくても「それが欲しい」が生まれる。

よくある質問

GeminiのCanvasモードはどこから使えますか?
Gemini(gemini.google.com)にアクセスして、チャット入力欄の下にある「Canvas」ボタンをクリックすると切り替えられます。Googleアカウントでログインすれば無料で利用できます。スライド生成後は「Googleスライドにエクスポート」でGoogleドライブに保存されます。PowerPoint形式でのダウンロードも可能です。
Geminiで生成したスライドはそのまま使えますか?
たたき台としては十分な品質です。ただし配色や写真のチョイスは自動生成なので、自社ブランドに合わせて編集が必要な場合があります。GoogleスライドかPowerPointにエクスポートして微調整するのがおすすめです。完璧を求めずに「8割の出来でまず出す」という感覚で使うと、提案のスピードが格段に上がります。
「理想の未来を売る」提案は、どんな業種でも使えますか?
使えます。物販・サービス業・コンサル・コーチング、どの業種でも「お客さんがその商品・サービスを使った先にどんな感情・生活の変化があるか」を言語化することで応用できます。重要なのは商品の説明ではなく、体験後の感情をイメージさせることです。りんごジャムの例のように、商品に「体験できる世界観」の名前をつけるところから始めてみてください。
提案が苦手で口頭より資料で伝えたいのですが、AIはどう使えばいいですか?
まず音声やテキストで自分の考えをAIに話しかけてください。「こんな提案をしたいんだけど」と話すだけで、AIが内容を整理してスライドや提案書を生成してくれます。GeminiやChatGPTとの対話から始めて、出来上がった素材を手直しするアプローチが最も効率的です。まず「伝えたいこと」を音声で録音してAIに渡してみてください。
お客さんが気づいていない視点を見つけるにはどうすればいいですか?
まず「痛み・理想・ギャップ」の3つをしっかりヒアリングすることが前提です。その上でAIに「このお客さんの状況を説明するので、本人が気づいていないかもしれない視点や可能性を教えてください」と聞いてみてください。自分の経験とAIの知識を組み合わせることで、お客さん自身では気づきにくい視点が浮かび上がってきます。
営業が初めてで、何から始めればいいか分かりません
まず「商品を売る」という意識を一旦手放してください。代わりに「目の前の人に必要なものは何か」を考える癖をつけることから始めましょう。初回の会話では自分の商品の話を一切せず、相手の状況を聞くだけにしてみてください。必要な情報が揃ってから提案するという順番を守るだけで、自然に「売り込まずに選ばれる」に近づいていきます。
提案書をAIで作ると、オリジナリティが失われませんか?
AIが作るのはあくまで骨格です。どんな内容を盛り込むか、どの視点を強調するか、最終的にどう届けるかは人間が判断します。AIの出力をそのまま使うのではなく、「自分の視点で選び取って書き換える」プロセスを経ることで、AIとの共作になります。AIが作った10個の表現から「これが一番自分らしい」を選ぶ力を磨くことが、これからの時代のオリジナリティです。


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