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こんにちは、田中啓之(ひろくん)です。また、本日はAIディレクターの多田啓二(ただっち)さんと一緒にお届けします。
私は「3方よしAI共創コンサルタント兼おうちCEO」として、起業家のつまずきどころをAIと共に解決してきました。今回は、ビジネスの土台となる「ペルソナ設定」についてです。多くの人が陥る代表的な3つの勘違いを、現場で実際に使っている実践的ワークと、最新のAI活用(NotebookLMなど)のヒントを交えて詳しく解説しますよ。
この記事を読み終わるころには、あなたが次に作るべき“本当に響く”発信メッセージがハッキリ見えてくるはずです。
目次
- なぜペルソナ設定で迷子になるのか?🧭
- 危険な勘違い1: 理想が高すぎて誰も当てはまらない💔
- 危険な勘違い2: 属性ラベルだけのペルソナでは使えない📑
- 危険な勘違い3: 狭めすぎて動けなくなる罠🔒
- ペルソナ設計ワーク(私が現場で使っている3ステップ)🛠️
- AIを使ったペルソナ深掘りの具体プロンプト🤖
- 経験値を売る視点 — 商品はあなたの経験の見せ方だ🍣
- 実務で使えるテンプレートとチェックリスト✅
- よくある質問(FAQ)❓
- まとめと次の一歩✨
なぜペルソナ設定で迷子になるのか?🧭
「マーケティングではペルソナが大事って聞いたけど、作ってみたら逆に誰に向けて書けばいいか分からなくなった…」という声、めちゃくちゃ多いです。実は私も過去に経験があります。
理由はシンプルです。多くの人が「ペルソナを書くこと(作成)」を目的にしてしまい、「使うこと(実践)」を忘れてしまっているからです。
典型的な失敗パターンは次の通りです。
- プロフィールをただ埋めるだけ:名前や趣味を決めただけで、そこから具体的な行動プランに落ちていない。
- 理想像を高く設定しすぎて:実際の世の中にいない「完璧な顧客」を描いてしまい、現実の顧客とズレてしまう。
- あまりに狭く絞り込みすぎて:「この人以外は客じゃない」と思い込み、発信やテストが前に進まない。
大事なのは、「この人がどんな“深い悩み”を持っていて、どの瞬間にその悩みが『もう耐えられない!』と顕在化するか」を描けることです。
そこから逆算して、「伝える場所(SNSやブログ)」「伝える言葉(コピー)」「提供する体験(商品)」を決めれば、商品は自然と売れていきます。
危険な勘違い1: 理想が高すぎて誰も当てはまらない💔
まず一つ目。ペルソナを作るときに「自分にとって都合の良い完璧な理想像」を描きすぎるパターンです。
これは、俗に言う「理想の結婚相手を求める婚活の失敗あるある」と同じです。
「年収は〇〇万以上で、家事が得意で、優しくて、顔は有名俳優のようで…」
こんな条件を並べたところで、そもそもそんな人が実在する確率は低いですし、もし居たとしても「そんな完璧な人が、なぜあなたを選ぶのですか?」という厳しい現実に直面しますよね。
ビジネスでも全く同じです。売り手が理想を無限に設定してしまうと、その架空の完璧人間に届けるためのメッセージは、現実の誰にも刺さらずボヤけます。
重要なのは、理想のスペック(年収や性格)ではなく、「今、解決したい深い悩み」を起点にすることです。
具体的な解決策
- 紙やノートに「この人が本当に困っていること」を一文で書く。
例:「朝起きると仕事に行きたくない気持ちでいっぱいで、自分の人生がすり減っていると感じている」 - その悩みがどのくらい深刻かを評価する。
(例:生活に支障が出ている / 将来が漠然と不安 / 自己肯定感が下がっている) - あなたの商品がその人の人生にどんな“変化(ビフォーアフター)”をもたらすかをイメージする。
(例:小さな安心を与える / 副業で月5万稼げるようになる / 自信を回復する)
ここで大事なのは、理想像を消し去ることではなく、理想像を“悩み解決”のために役立てること。理想のスペックはあくまで付随情報です。核となるのは「悩み」です。
関連する画面の一例(資料表示の場面)。このスライドは「ペルソナの落とし穴」を視覚化したものです。

危険な勘違い2: 属性ラベルだけのペルソナでは使えない📑
2つ目は「年齢・職業・家族構成・年収」などの属性データ(デモグラフィック)だけで満足してしまうパターンです。
もちろん属性は大事ですが、それだけでは「実戦で使えない名刺」を持っているようなもの。そこには感情がないからです。
料理に例えるなら、「冷蔵庫にある食材(属性)」だけリストアップして、「誰が、どんな気分で食べる夕食なのか(文脈)」を無視して料理を作るようなものです。疲れて帰ってきた人に、こってりしたフルコースを出しても喜ばれませんよね?
何をすればいいかというと、属性から「いつ」「どこで」「どんな瞬間に」その人の問題が表面化するかを考えることです。5W1Hの「When(いつ)」を徹底的に深掘りするイメージです。
例えば「会社員の30代女性」という属性だけに頼ると、何を言えばいいか分かりません。
しかし、「月曜の朝、満員電車で他人のカバンに押しつぶされそうになった瞬間、ふと『このままあと30年、これを続けるの?』と涙が出そうになった」という場面まで描ければどうでしょう?
「満員電車が辛いあなたへ」「自宅で働く選択肢」といった言葉が、その瞬間に刺さることが分かりますよね。
行動に落とすためのチェックリスト
- その人は1日のどの瞬間に一番ストレスや痛みを感じるか?
- その時、どのSNSやメディアを一番見ているか?(通勤中の暇つぶしならXやニュース / 寝る前のリラックスタイムならInstagramやYouTube など)
- その瞬間に心の中でつぶやく言葉は何か?(「もう辞めたい」「誰か助けて」「もっと自由になりたい」など)
- 短期的にすぐ欲しいものは何か?(安らぎ、時短)
長期的に手に入れたい未来は何か?(自由なライフスタイル)
こうした視点を入れると、無機質な属性ラベルが「血の通った人間」に変わります。これができれば、どのメディアで、どんな言葉を投げかければ反応してくれるかが手に取るように分かります。
ここで、AIを使って可視化したノート画面の一部を紹介します。属性から「行動の瞬間」を掘るプロンプトを使った例です。

危険な勘違い3: 狭めすぎて動けなくなる罠🔒
3つ目は、真面目な人ほど陥りやすい罠。ペルソナを「たった一人」に絞り込みすぎて、「この人以外には売ってはいけない」と自縄自縛になり、テストや改善ができなくなるケースです。
マーケティングの教科書には「一人に絞れ」と書いてありますが、それは「メッセージを鋭くするため」であって、「市場を捨てるため」ではありません。
私の現場でよく提案するのは「3パターン戦略(同心円アプローチ)」です。
- コア層(中心の1人):あなたのサービスに強く興味を持ち、今すぐ必要としている人。
- サブ層(その周り):コア層と似た悩みを持っているが、緊急度は少し低い、または状況が少し違う人。
- 拡張層(一番外側):関心は低いが、きっかけがあれば振り向いてくれる可能性がある層。
この3層を意識して、まずは「コア層」にフォーカスした鋭いメッセージを作ります。次に、そのメッセージを少し抽象化してサブ層へ、さらに軽いタッチで拡張層へと広げていきます。
こうすれば、ターゲットを見失うことなく、かつ市場を狭めすぎずにテストを回すことができます。
また、ペルソナが固定観念(思い込み)にならないように、運用時は必ず「3つの検証指標」を用意しておきましょう。
- クリック率や反応(短期指標):興味を持たれているか?
- 資料請求やメルマガ登録(中期指標):信頼され始めているか?
- 購入や継続(長期指標):価値を感じてもらえたか?
この数字を見ながらPDCAを回せば、「狭めすぎて前に進めない」という悩みは解消できます。
「3パターン」を説明しているスライドの抜粋です。

ペルソナ設計ワーク(私が現場で使っている3ステップ)🛠️
ここからは実際に手を動かすフェーズです。私がコンサルティングで起業家に実際に提供しているワークを、そのまま公開します。やってみると、霧が晴れるようにターゲットが明確になりますよ。
ステップ0:用意するもの
- ノートまたはGoogleドキュメント
- タイマー(25分×3ラウンド推奨)
- ペンまたはキーボード
ステップ1:悩みを一文にする(25分)
次の問いに答えて書き出してください。
- 目の前の人が今、一番辛いことは何ですか?
- それが起きる「具体的な瞬間」はいつですか?
- その時、その人の感情はどう動いていますか?
書き方の良い例:
「毎朝7時、満員電車でドアに押し付けられながら、『自分の人生、このまま会社と家の往復だけで終わっていいのか』と不安で胸が苦しくなる」
ステップ2:解決ゴールを描く(25分)
その悩みが解決したとき、どんな生活が待っているかを具体的に書きます。ここでプロと素人の差が出るのは、「表面的な欲求」と「深い欲求」を書き分けることです。
- 表面的な欲求:残業が減ればいい、給料が少し上がればいい。
- 深い欲求:自分に自信を取り戻したい、家族に「パパ/ママすごいね」と言われて安心したい、誰かに必要とされたい。
商品は、この「深い欲求」に価値提供できるかが勝負です。ここが明確になれば、高単価でも喜んで選ばれるようになります。

ステップ3:小さく実験する(25分)
最後に、コア層へ向けた短い仮説を3つ作ります。いきなり完成品を作るのではなく、テストマーケティングのプランです。
- 仮説A:通勤中の人が読みやすい「短文の図解コンテンツ」が響くのではないか?
- 仮説B:夜の孤独な時間に寄り添う「SNSライブ」で共感を呼べるのではないか?
- 仮説C:「悩みチェックシート」のような無料プレゼントなら、資料請求が増えるのではないか?
これらをそれぞれ1週間ずつ小さな実験として回します。クリック率→登録数→購入率の順で数字を見れば、どれが正解かすぐに分かります。「最初から大きな予算をかけて失敗する」リスクをゼロにしましょう。
ワークに使えるテンプレート画像(Google NotebookLMで作った例)を載せます。

AIを使ったペルソナ深掘りの具体プロンプト🤖
AIが本当に役に立つのは、人間の思考の「深掘り」と「可視化」です。GoogleのNotebookLMやChatGPTを使って、あなたの思考を拡張していきましょう。
以下に、私が普段の業務でよく使う「本当に使えるプロンプト」を公開します。コピペして使ってみてください。
プロンプト例:悩みの深掘り用
1. 表面的な悩み(日常の不便)
2. 中程度の悩み(仕事や生活への支障)
3. 深い悩み(人生観や自己肯定感に関わるもの)
【属性】
35歳女性、会社員(事務職)、子供なし(既婚)、最近在宅勤務から出社に戻りストレスが増えている」
プロンプト例:瞬間の設定(When)を作る
さらに、それぞれの瞬間にスマホで見かけた時に刺さる『SNSの見出し(キャッチコピー)』を3案ずつ作ってください」
プロンプト例:具体的メッセージ化
文字数は100文字以内。不安を煽るのではなく、静かに感情に寄り添い、希望を感じさせるトーンでお願いします」
これらのプロンプトで得られたアイデアは、そのままA/Bテストの素材になります。
AIは無限に案を出してくれますが、私が常に意識しているのは「AIが出した案を実際に試し、リアルな反応で磨く」ことです。AIは壁打ち相手、決定するのはあなた自身です。

経験値を売る視点 — 商品はあなたの経験の見せ方だ🍣
最後に、とても重要な視点をお伝えします。
これからの時代、コンテンツや講座は「ただの知識」ではなく「あなたの経験」を売るものになります。
動画内でも「お寿司屋さん」の例で説明しましたが、私たちが高いお金を払ってカウンターのお寿司屋さんに行くのは、単に魚の切り身(情報)が欲しいからではありません。
大将が長年培ってきた目利き、技術、そしてその場のおもてなしという「経験の結晶」に価値を感じているからです。
同じように、あなたが商品として提供するのは、あなた自身の「経験点」です。
私がコンサルで教えているのは、AIで綺麗な資料を作ることより先に、「あなた自身がまず行動し、泥臭い経験を貯めること」です。実体験からくる言葉の重みや説得力は、今のAIにはまだ再現できない最強の差別化ポイントだからです。

経験をプロダクト(商品)化する3ステップ
- 小さな成功体験を作る(無料モニターやワークショップで、目の前の一人を喜ばせる)
- 受講者の変化を記録する(ビフォーアフターの声や感想をストックする)
- その声をもとに、さらなる体験を設計する(「私もそうなりたい」という人を次のコースへ誘導する)
経験はそのまま商品になります。だからこそ、失敗も成功も含めて、まず自分が動いて経験値を貯めること。これは絶対に損しない投資です。
実務で使えるテンプレートとチェックリスト✅
今日からすぐ使えるテンプレート(短縮版)を用意しました。コピー&ペーストして、スマホのメモ帳やAIへの指示に使ってください。
- 名前(仮名でOK):
- 一言で言うと:(深い悩みを一文で表現)
例:仕事と家庭の板挟みで、自分の時間がゼロだと嘆く30代 - その悩みが顕在化する瞬間(When):
例:日曜日の夜、サザエさんを見終わった後 - 短期的な欲求(What now):
例:今すぐ楽になりたい、愚痴を聞いてほしい - 深い欲求(Why / 真のゴール):
例:自分を一人の人間として認めてほしい - 心に刺さるキーワード(3つ):
- ベストな接触場所(Where):
例:Instagramのストーリーズ、通勤中のPodcast - 最初の仮説メッセージ(1つ):
- 悩みは「具体的な一文」で書けているか?(抽象的すぎないか)
- その悩みが起きる「瞬間(シーン)」を映像でイメージできるか?
- 3つの仮説は「1週間以内」に検証できるサイズか?
- 反応を見るための指標(クリック数、登録数など)を決めたか?
よくある質問(FAQ)❓
- Q. ペルソナは一人だけに絞るべきですか?
- A. 基本は「最初は一人に深く寄り添う」が正解です。ただし、最初から幅を持たせたい場合は、本文で紹介した「3パターン戦略(コア・サブ・拡張)」を使い、興味の度合いで層を分けて、それぞれの層の代表的な1人を想定するとスムーズです。
- Q. 属性(年齢や職業)しか書けないのですが、どうすればいいですか?
- A. 属性情報はあってOKです。大事なのは、その属性情報に必ず「いつ・どこで・どの瞬間に悩んでいるか」というストーリー(文脈)をセットにすることです。5W1Hの「When(いつ)」を想像して書き足してみてください。
- Q. AIだけでペルソナを作っても大丈夫ですか?
- A. AIはアイデア出しや整理には最強のツールですが、最終的な「魂」を吹き込むのはあなたの経験です。AIで作ったペルソナ案は、あくまで「仮説」です。必ずSNSなどで小さな実験をして、生身の人間の反応を見て修正してください。
- Q. ペルソナを決めるのがどうしても苦手です。練習方法はありますか?
- A. 自分の過去を棚卸しする「30日間の自分知りワーク」をおすすめします。毎日5分、自分がイラッとしたことや嬉しかったことを書き出すだけで、自分の価値観が見えてきます。「自分が救いたい過去の自分」こそが、最強のペルソナになることも多いですよ。
まとめと次の一歩✨
最後まで読んでくれてありがとうございます。今日のポイントをまとめます。
- ペルソナは「属性データ」ではない。
生身の人間の「深い悩み」と、それが溢れ出す「瞬間」を描くことが全て。 - 理想を追いかけすぎない。
完璧な顧客はいません。理想はあくまで補助、中心にあるのは「解決したい痛み」です。 - 狭めるのはOK、でも行き過ぎはNG。
3パターン戦略で、コア層から徐々に広げるイメージを持ちましょう。 - AIは優秀なアシスタント。
深掘りと可視化はAIに任せ、あなたは「実体験」と「決断」に集中しましょう。
明日からできるアクションはこれだけ!
- ノートを開いて、ターゲットの「悩みを一文」で書く(10分)
- その悩みが顕在化する「瞬間」を3つ書く(15分)
- コア層に向けた短いメッセージを1つ作り、SNSで1週間小さな実験をしてみる
最後に、今回の動画で使用した資料作成や、ペルソナをRPG風に可視化した「Persona Quest」の生成場面などのスクリーンショットをまとめておきます。デザインや構成の参考にしてください。
あなたのビジネスが、たった一人の「あの人」に届くことを応援しています!ひろくんでした。
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