ChatGPT Atlasにキャンバを操作させたら、AIが奪うものが見えてきた
- ChatGPT Atlas(Mac版)はブラウザ上でキャンバを直接操作できるエージェント機能を持つ
- AIが手作業を代行することで、人間はアイデアや指示出しだけに集中できるようになる
- AIが普及して「失うもの」は検索行動や人に聞く習慣であり、それは本質的には解放だ
10月30日木曜日——デザインの師匠・トミンさんとの朝ライブ
10月30日木曜日の朝ライブ。今日の共演者はデザインの師匠でもあるトミンさんだ。木曜日にライブをやるようになって何回目になるかわからないぐらい続いている。67回目あたりだと話していた。
今日のテーマはChatGPT AtlasにキャンバのデザインをAIに操作させる実験と、裏テーマというか表のテーマとして「AIで失う人間の習慣は何か」だ。AIをどんどん使い込んでいる2人だから話せる、実感値のある話が聞けた回だった。
ライブ冒頭ではトミンさんが「朝一のライブで自分のメイクの不足さに気づいて、ちゃんとできるようになった」という成長エピソードを話していた。朝6時に画面の前に座って話し続ける——それを67回以上やってきたという事実が、このライブの密度を物語っている。
ChatGPT Atlasってそもそも何?
ChatGPT Atlasは、Macのデスクトップ上に常駐して画面操作を代わりに行ってくれるエージェント機能だ。今のところMacの有料プランユーザーのみが使える。Windows版とスマホ版は今後リリース予定とのことだった。
Googleの画面上でキャンバを開いたまま、右側のAtlasに指示を入れるだけで、自分はマウスに触れずに変更が完了する。要するにChatGPTがブラウザを操作する代理人になってくれる仕組みだ。
これはRPA(ロボットが代わりに操作するツール)の機能がChatGPT単体で実現した、という意味でかなり大きな変化だ。従来のRPAは事前に操作手順を細かく設定する必要があったが、Atlasは自然言語の指示をもとにAIが状況を判断しながら動く。設定不要で誰でも使えるのが大きな違いだ。
実際にキャンバを操作させてみた——ノータッチで画面が動く
ライブ中に実験した内容はシンプルで、キャンバのスライドを開いたまま「11ページ目のウェブライタースクールという文字をウェブデザイナースクールに変えて」と指示した。
すると何も触れていないのに画面が動き始め、ページを複製してテキストが書き換わっていった。失敗もあったが、それでも「AIがアプリを横断して動く」という感覚は明確に伝わった。
トミンさんが「うわー、ただっちが打ってないんだよ」と言っていたのが印象的だ。本当に何もしていないのに画面が動く——これを実際に目の前で見ると、感覚としての衝撃が全然違う。テキストで説明されるより、動いているのを見る方がずっとリアルに伝わる。
料理に例えると、これはキッチンに立たなくてもレシピを渡すだけで料理が仕上がる状態に近い。人間がやるのは「何を作るか」の判断だけになる。
パソコンのスペックが限界に近づいてくる
Atlasはかなり容量を食う。Macのストレージが圧迫されやすく、M3あたりのスペックが推奨されている。ライブに参加していたトミンさんはすでにM5を発注済みと言っていた。
バキバキのMacBook Airでも、Atlasを使い始めると「そろそろ乗り換えどき」と感じるタイミングが来る可能性が高い。目安はCPU換算でM3以上。自分のスペックを確認しておくといい。
また、ZoomをしながらAtlasを使うとさらに重くなってくるという話も出た。AIエージェントはリソースをかなり使う。これからのAI活用を本格的にやっていくなら、パソコンへの投資を先に考えておくのが現実的だ。2年サイクルくらいで乗り換えが必要になってくるかもしれない、とトミンさんが言っていた。
AI活用に本気で取り組むなら、パソコンのスペックは「道具への投資」として前向きに考えてほしい。道具が足を引っ張ると、AIの恩恵が半減する。良い包丁があれば料理が楽しくなるように、快適なマシンがあればAI活用が格段に楽しくなる。
AIが普及して「失うもの」は何か
このライブの裏テーマは「AIで失う人間の習慣は何か」だった。
トミンさんの答えは「わからないことを人に聞く習慣」と「検索する行動」。確かに今は「とりあえずChatGPTに相談しよう」が先に来る。食べログなどリアルな口コミサービス以外は、検索という行為自体がどんどん減っている。
これは何かを失っているというよりも、自分が決断する前段階の情報収集がAIに移行した、という方が正確だと思う。人に相談するのは申し訳ない気がしてしまうような細かい疑問も、ChatGPTなら気軽に聞ける。その分、人に聞く時間が「本当に聞きたいこと」だけになっていく。
ご飯を食べに行く時の一連の流れ——調べて比較して予約する——もAIが代わりにやってくれるようになる。偶然出てきたものを選んでみるという「セレンディピティ」は少し減るかもしれない。でもその代わりに、自分の判断に使える時間が増える。
Atlasの実用的な使い方3選
ライブ中で語られた実際の活用例を整理する。
- Googleフォームの作成:指示を入れるだけでアンケートフォームを自動生成してくれる。質問項目の設定から完成まで、画面操作なしでできる。
- 旅行の最安値調査:期間・エリアを指定して飛行機と宿の最安値をリアルタイムで調べてくれる。複数サイトを横断して比較する手間がなくなる。
- スクショなしの画像分析:「何ページ目のここ」と指示するだけで画面内の画像を直接認識してくれる。いちいちスクショしてアップロードする手間がなくなる。
特に3つ目は、いちいちスクショしてアップロードする手間がなくなる点で業務効率が大きく変わる。トミンさんが「これがあると何がいいかって言うと、いちいちスクショして分析してもらわなくてよくなる」と話していた通りで、地味だけど毎日使うと体感差が大きい。
また、新しいAIツールが英語で書かれているものでも、ChatGPTに「このツールを使ってこういうことをしたい」と指示すれば、AtlasがそのツールをAIで操作してくれる。英語ツールへのハードルが一気に下がる。
AIツールは色鉛筆のように複数を使い分ける時代
ライブでも話題になったが、NanoBananaのような画像生成ツールは「生成する」用途と「画像を編集・修正する」用途で使い方が変わってくる。
1つのAIがすべてを解決する時代ではなく、目的に合わせて複数のツールを色鉛筆のように使い分けるのが主流になる。どのツールで何ができるかを把握しておくことが、これからのAI活用者に求められるスキルだ。
Atlas(エージェント操作)、Gamma(スライド・ドキュメント生成)、ChatGPT(テキスト生成・相談)、画像生成ツール(ビジュアル作成)——これらを場面に応じて使い分けられると、作業の質と速度が一気に変わる。最初から全部使いこなす必要はなく、1つずつ手に馴染ませていくのが現実的だ。
自分がよく使う業務フローを一つ選んで「このどこかにAIを差し込めないか」と考えてみてほしい。資料作成ならGamma、操作の自動化ならAtlas、文章の壁打ちならChatGPT——目的から逆引きしてツールを選ぶ習慣がつくと、AIの活用が一気に実用的になる。トミンさんとのこのライブが、その入口になれれば嬉しい。
デザインの師匠・トミンさんが語る「見た目」の大切さ
このライブの共演者であるトミンさんはデザインの師匠でもある。SNSのアイコン画像の洋服が夏用のままだと「暑苦しい人」という印象になるという話が出た。
季節・色合い・服装まで意識することで、SNS上の見せ方が変わる。アイコンを頻繁に写真撮影で更新するのは現実的ではないが、GeminiのバナーAI機能を使えば手持ちの服装の色を変えた画像も作れる。ここにもAIが活躍する余地がある。
「見た目って大事。季節と色合い大事なんで」というトミンさんの言葉は、デザインの話だけでなく、AIと人間が協力して「伝わる見せ方」を作っていくという話でもある。コンテンツの中身だけでなく、どう届けるかを考える余裕がAIによって生まれてくる。
Atlasの現時点での課題と今後の可能性
実演中にエラーが起きたり、11ページ目が消えてしまったりというトラブルもあった。まだベータ的な段階で、完璧ではない。速度も他のツールと比べると遅い部分がある。
でもトミンさんが言っていた通り、大事なのは「使える使えない」ではなく「こういうことができるようになってきている」という事実を知ることだ。今日使えなくても、3ヶ月後・半年後には格段に安定してくる。そのタイミングで初めて触るより、今から触って感覚を掴んでおく方が圧倒的に有利だ。
AIに苦手意識がある人も、操作が苦手な人も、Atlasのような「言葉で指示するだけで動く」ツールが当たり前になれば、使うハードルが一気に下がる。その未来は、もうすぐそこまで来ている。
このライブで実演中にエラーが起きた時、2人はあわてずに「ライブあるあるですね」と笑っていた。その余裕こそが、AIを日常的に使い込んでいる人の姿だと思う。エラーは当たり前。失敗しながら学ぶ。それを繰り返せる人が、AI時代のビジネスで強くなれる。完璧を求めて動けない人より、とりあえず動いて失敗から学ぶ人の方が、1年後には遥かに先に進んでいる。Atlasも、最初はそんな気持ちで触ってみてほしい。
エージェントAIが変える「仕事の設計」の考え方
Atlasのようなエージェント型AIが普及すると、仕事の設計そのものが変わってくる。従来は「自分がやること」を中心にタスクを組んでいたが、これからは「AIにやらせること」と「自分がやること」を最初から分けて設計する時代になる。
具体的には、繰り返し発生する定型作業——フォーム作成・資料の文字修正・情報収集・スケジュール調整——はAtlasに渡す。自分は「何を作るか」「どう判断するか」「誰に届けるか」という上流の部分に集中する。
料理で言えば、仕込みや片付けはキッチンスタッフに任せて、自分はメニュー開発と味の最終チェックだけに集中するシェフのような働き方だ。実際のAtlasはまだ精度に課題があるが、この方向性は確実に正しい。1年後・2年後にはこの役割分担が当たり前になっていると思っている。
今からこの設計思想に慣れておくことが重要だ。「自分がやらなくていいことはどれか」を常に意識しながら仕事をする習慣。これがエージェントAI時代のビジネスパーソンに求められる基本スタンスになる。
もう一歩踏み込むと、エージェントAIの登場で「監督する能力」が価値を持つ時代になっている。AIに指示を出して、出てきた結果を評価して、次の指示に反映する——このサイクルを素早く回せる人が、個人でもチームでも成果を出せる。プレイヤーからディレクターへ。この転換がAI時代に生き残るための最も重要なシフトだと確信している。
AIで「失う」ではなく「解放される」という視点
「AIで失う人間の習慣」というテーマで話していたが、振り返ると「失う」より「解放される」という表現の方が正確かもしれない。
検索する習慣が減るのは、「調べる手間から解放される」ということだ。人に聞く機会が減るのは、「気を遣いながら質問する煩わしさから解放される」ということだ。定型作業をAIに渡すのは、「やりたくない仕事から解放される」ということだ。
何かを「失う」ネガティブな変化というより、本来使いたかった時間と頭を取り戻す変化だと捉えると、AIへの向き合い方が変わってくる。トミンさんが言っていた「とりあえずChatGPTに相談しよう」というのも、人間関係に気を遣うコストを省いて、純粋に「答えを得る」ことに集中できているということだ。
ただし、偶発的な出会いやセレンディピティは意識しないと減っていく可能性はある。食べログで知らない店を発見する体験や、人に相談する中で思わぬアドバイスをもらう体験。これらを意図的に残しておくことも、AI時代の豊かな生き方のひとつだと思う。
結局のところ「AIで何を失うか」より「AIで何を得るか」を考える方が建設的だ。検索しなくなった分、空いた時間で何をするか。人に細かく聞かなくなった分、人との会話をどう使うか。AIが情報収集を担ってくれる分、自分の頭を「判断と創造」に使えるようになる。それが本当の意味での解放だ。Atlasはその流れを加速してくれるツールのひとつにすぎない。でも、方向性は確実に正しい。
トミンさんが言っていた「人に聞く機会が減った」という話も、見方を変えれば「本当に聞きたいことだけを人に聞けるようになった」ということだ。些細な疑問はAIに聞けばいい。人に聞く時間は、もっと深い対話に使う。AIが取り除いてくれる摩擦の分だけ、人間同士のコミュニケーションの質が上がる可能性がある。そう考えると、「失う」どころか「深まる」という見方ができる。
非エンジニアがAIエージェントを使いこなすためのコツ
Atlasのような操作代行AIは、実は非エンジニアの方が得意な場合がある。エンジニアは「手順を正確に指定したい」という習慣があるが、Atlasは曖昧な自然言語の指示の方がむしろうまく動く。
コツは「人に頼むように指示する」ことだ。「11ページ目のこの文字をこれに変えて」——これは人間のアシスタントに頼む言い方そのままだ。細かい操作手順を考える必要がない。
失敗しても怒らなくていい。Atlasがエラーになっても、もう一度「さっきうまくいかなかったのでもう一度試して」と言えばいい。試行錯誤しながら使うことで、どんな指示が通りやすいかの感覚が身についてくる。最初から完璧を求めず、壊れてもいいものから試すのがおすすめだ。
トミンさんが「使える使えないとかそういうわけではなく、もっとできるようになるよということ」と言っていた通り、今の段階での精度より「こういう未来が来る」という感覚を掴むことの方が重要だ。早く触れて、早く慣れる。それがAI時代の最大のアドバンテージになる。
Atlasを初めて使う人には「旅行の最安値調査」から試すことをおすすめしている。行き先と日程を伝えるだけで、複数の予約サイトを横断して調べてくれる。失敗してもリスクがゼロで、成功すれば「本当に動いた」という実感が得られる。その体験があれば、次は仕事の場面での活用に自然につながっていく。エージェントAIとの付き合い方は、リスクの低い場所から始めて、感覚を育てるのが一番早い。
よくある質問
- ChatGPT Atlasは無料で使えますか?
- 現在はMacのChatGPT有料プランユーザー向けにのみ提供されています。Windows版とスマホ版は今後リリース予定とのことです。まずはMac有料プランに加入した上でアプリをダウンロードして試してみてください。
- Atlasを使うのにどれくらいのパソコンスペックが必要ですか?
- かなりの容量を消費するため、M3以上のチップ搭載Macが推奨されています。M1・M2のMacBook Airでは動作が重くなってくる可能性があります。Zoomなど他のツールと同時に使う場合はさらに負荷が高まるため、ハイスペックなマシンが理想です。
- キャンバ以外のアプリも操作できますか?
- はい。Googleフォームや旅行予約サービスなど、ブラウザで開けるアプリであれば基本的に指示を出して操作させることができます。英語のAIツールもAtlasに操作させることで、英語の壁なく使えるケースがあります。
- AIに仕事を奪われるという不安はどう考えたらいいですか?
- 「検索する」「人に聞く」といった情報収集の手間はAIに移行しますが、「何をしたいか決める」「最終的に判断する」という部分は人間が担います。AIは手放せる作業を増やしてくれるツールとして活用するのがおすすめです。
- AtlasのAIエージェント機能はRPAと何が違いますか?
- RPAは事前に決まった操作手順を自動化するものですが、Atlasは自然言語の指示をもとにAIが状況を判断しながら操作します。手順を細かく設定しなくてよいため、非エンジニアでも使いやすいのが特徴です。
- AIツールが増えすぎて何を使えばいいかわかりません。どう整理すればいいですか?
- 「色鉛筆のように使い分ける」という発想が有効です。Atlasは操作代行、Gammaはスライド生成、ChatGPTはテキスト相談、画像生成ツールはビジュアル作成——と用途で分けると整理しやすくなります。最初から全部使う必要はなく、1つずつ手に馴染ませていくのが現実的です。
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