AIを活用したビジネスの立ち上げ方 〜ゼロから事業を作る実践AI活用術〜 2月5日

AI活用 / ビジネス立ち上げ

AIを使えばビジネス立ち上げはここまでサクサク進む——塾講師×高校生と実演した0からの事業計画

2025年(収録日)

  • 秋田在住IT×塾運営の高崎さんが、農業ビジネス立ち上げをAIだけでその場実演。ChatGPT「Deep Research」×V0×Gensparkを組み合わせて、数十分で事業計画・ホームページ・ロゴまで完成させた。
  • 「なんとなくやりたい」という曖昧なヒアリングでも、AIが詳細なビジネスプランを肉付けしてくれるため、ITが苦手な地方事業者でもすぐ着手できる。
  • AIツールを待ち時間中に並列で走らせる”厨房ポジション分け”が効率の鍵。AI時代の事業立ち上げは「仕込みを同時にいくつも走らせる」感覚でやると速い。

「なんとなく」から始まるAI事業計画——ヒアリングの常識が変わった

ビジネスを立ち上げる時、一番時間がかかるのはどこだと思う?多くの人は「企画書づくり」「市場調査」と答える。でも高崎さんが実演してくれたのは、その両方をAIに任せてしまうやり方だった。

秋田で地域の事業者と向き合ってきた高崎さんは「なんとなくやりたい」という曖昧な答えに何度もぶつかってきたという。「売上を伸ばしたい」と言われても、100円なのか100万円なのかわからない。だからこそAIに「詳細なリサーチ」で検索させ、まず仮のビジネスプランを作って見せる。「大体あってますよね?」——この一言で話が一気に前に進む。

料理でいうと、まず「今日はこのメニューはどうでしょう」と試食を出してしまうようなもの。完璧なヒアリングを重ねるより、叩き台を出した方が相手の意見が出やすい。AIはその「叩き台」を秒で作れる。

これは特にITに不慣れな地方の事業者には革命的だ。高崎さん自身が言っていたように「あんまり考えてない人とかもいる。まだ言葉になってない思いを紡いでいくのって結構めんどくさい」——その手間をAIが代わりにやってくれる。ヒアリングというプロセスそのものをAIに外注できる時代になったのだ。

実演:有機米農業ビジネスをAIで設計する

今回のデモ事例は「秋田で有機米(勇気舞)を栽培・販売するビジネスを立ち上げたい」という想定。ChatGPTのDeep Research(詳細なリサーチ)モードを使って調査させると、こんな内容が出てきた。

  • 日本の有機米市場規模と競合分析(有機JAS取得農家は全農家の0.5%未満)
  • ECサイト・定期購入・ふるさと納税・農業体験の組み合わせ戦略
  • 秋田小町との差別化ポイントと新ブランド訴求案

O3 miniとDeep Researchを比較した結果、Deep Researchは時間はかかるが圧倒的に具体的な内容を返してきた。「13の情報源から集めてきてくれた」と高崎さんも驚いていた。

ただ高崎さんが面白かったのは、指示の仕方だ。細かくプロンプトを書く代わりに「回答についてはあまり考えないで、あなたが判断する」と一言入れて、AIに自律的に判断させた。さらに「売上げが伸びそうな頭柄を当てはめて作成してください」という、かなりラフな指示でも十分に機能した。精度が上がった分、ユーザー側の「準備コスト」が下がっている。それが今のAIの実力だ。

Deep ResearchとO3 miniの違い——どちらをいつ使うか

今回の実演で参加者からも質問が出たのが「Deep ResearchとO3 miniの使い分け」だ。高崎さんの答えは明快だった。

O3 miniは速い。待ち時間が短く、シンプルな質問への返答に向いている。一方Deep Researchは時間がかかる。今回の農業ビジネス事例では、かなり長い待ち時間が発生した。しかしその分、13の情報源から集めた詳細な競合分析付きビジネスプランが戻ってきた。

高崎さんが実際にやっていたのは「Deep Researchを走らせている待ち時間に、別のAIツールを動かす」という並列処理だ。待ち時間をゼロにする発想——これが時間効率を大きく変える。料理で言えば、煮込み料理を火にかけている間に前菜を作る感覚だ。AIが「処理している間」も、人間は手を止めなくていい。

使い分けのコツは「探索か確認か」で判断することだ。新しいビジネス領域を探索するならDeep Research。すでに方向性がある程度決まっていてファクトチェックしたいならO3 mini。この2つを組み合わせることで、調査の速度と深さを両立できる。

V0でホームページを数分で作る——フルスクラッチ不要の時代

ビジネスプランが固まったら、そのまま内容をV0(Vercel製AIサイトビルダー)に貼り付けて「Reactベースのリッチなホームページを作成して」と入力するだけ。数分で農業ビジネス向けのランディングページの骨格が完成した。

WordPressで同じことをやろうとしたら、テーマ選定・プラグイン設定だけで半日かかる。V0なら「あとはロゴ画像と田んぼの写真を入れれば完成」という段階まで一気に進める。

待ち時間の間にGensparkで「有機米・オーガニックライス」をテーマにロゴ画像も同時生成。複数ツールを並列で走らせることで、トータルの時間は大幅に短縮できた。

高崎さんが強調していたのは、ホームページの目的だ。「見せる」ための叩き台として使い、お客さんに「こういうホームページどうですか」とパッと見せられることで、交渉や合意形成が驚くほどスムーズになる。完璧なものを目指す前に、まず「見せられるもの」を作る。V0はその発想を支える最強のツールだ。

Gensparkで画像生成——ロゴもバナーも「自動プロンプト」が強い

画像生成ツールの選び方について、高崎さんは明確に答えた。「ビジネス用途ならGensparkが一択。自動でプロンプトを考えてくれるから楽」。StableDiffusionはゲージ・記号系デザインには向くが、実際のビジネス素材ならGensparkの方が品質と手軽さのバランスがいい。

「オーガニックライス、横長、田んぼの風景」というシンプルな指示だけで、ビジネス利用に耐えるクオリティの画像が短時間で仕上がった。

ライブ中に面白かったのは、高崎さんとひろくんが同じキーワードで別のツールに画像を依頼したところ、ほぼ同じ「オーガニックライス」系の絵が出てきたことだ。AIは文脈から一番ありそうな絵を選ぶ。その「当たり前の絵」からさらに差別化したい時こそ、具体的なイメージを言語化して追加指示を入れる力が問われる。

Gensparkの強みは「自動プロンプト生成」だ。画像生成に慣れていない人でも、ざっくりとしたキーワードを入れるだけで、ツールが自動的にプロンプトを補完して品質の高い画像を作ってくれる。ビジネスの現場では「完璧なプロンプト」より「素早く使えるレベルのもの」が価値を持つ。

AI時代の「ズボラ活用」——考えすぎないことが速さの秘訣

高崎さんが笑いながら言った言葉が印象的だった。「僕、最近もうあんまり考えてないんですよ」。AIに任せて出てきたものに「だいたい合ってる?」と確認する。合ってれば進む。これだけ。

完璧なプロンプトを書こうとする必要はない。「売上上がりそうな軸で事業を考えて」という一言でも、AIはそれなりに動いてくれる。精度が上がった分、ユーザー側の「準備コスト」は劇的に下がっている。

もちろん、最終的な判断・方向性・熱量は人間が持つ。AIはあくまで「仕込みを代わりにやってくれる厨房スタッフ」。それだけで十分だ。

この「ズボラ活用」を可能にしたのは、AIの精度が上がったからだ。数年前のGPT-3.5の頃は「ちょっと長い水論をしたくせに、最後に一言で終わる」ような回答が多かった。今は文脈を理解して、意図を先回りして答えを出してくれる。人間側がラフな指示でも、AIが補完してくれる。この変化が、ビジネス立ち上げのコストを根本的に変えた。

地方×AI——秋田から発信する事業立ち上げの新常識

高崎さんは秋田で活動しながら、地域の事業者・高校生・企業にAI活用を教えている。イ塾(未来型教室)では高校生も一緒に起業や事業計画を学ぶ。山崎さんは高校3年生で国立大への進学が決まりながら、今回のデモ配信にも参加。

「地方だからAIは関係ない」はもう通用しない。むしろ、人材・予算が限られた地方の事業者こそ、AIで時間とコストを圧縮するメリットが大きい。秋田から始まる新しいビジネス立ち上げの形が、今ここで動き出している。

地域には「なんとなく」のまま止まっているビジネスの種がたくさんある。農家の知恵、職人の技術、地元にしかない食文化——それらを「言語化して、市場に出す」プロセスをAIが激変させた。地方こそAIを使いこなすことで、都市との格差を埋めるどころか逆転できる可能性がある。

並列AI活用——複数ツールを同時に走らせる「厨房ポジション分け」

今回の実演で最も参考になったのは、ツールを「順番に使う」ではなく「並列で走らせる」発想だった。Deep Researchで市場調査を走らせている間に、V0でサイト作成を開始。その間にGensparkで画像生成。AIの処理待ち時間を無駄にしない。

これはまるで、メインの煮込みを火にかけながら、前菜を仕込んで、デザートの準備もする——厨房のポジション分け。AIは複数の仕込みを同時にこなせるから、人間がコントロールタワーとして「次はこっちを動かす」と判断するだけでいい。

この並列処理の発想を身につけると、体感のスピードが全く変わる。1つのツールに張り付いて待つのではなく、複数を同時進行させることで、1時間でできる作業量が2倍・3倍になる。AIは複数タスクを同時にこなせる。人間がコントロールタワーとして機能できれば、個人でもチームに匹敵する処理能力を持てる。

高崎さんが秋田で見てきた「地方×IT」の現実——なぜ地方こそAIが必要か

高崎さんが秋田で活動する中で感じてきたのは、地方の事業者が抱える独特の課題だ。都市部であれば、ITコンサルタントに頼むこともできるし、勉強会に参加する機会も豊富にある。しかし地方では、そういったリソースへのアクセス自体が限られている。

「なんとなくやりたい」という曖昧さの背景には、言語化する機会がなかったという現実もある。長年農業をやってきた人が「自分のビジネスを言葉にする」習慣を持っていないのは当然だ。だからこそAIが最初の叩き台を作ってくれる価値は計り知れない。「大体あってますよね?」という一言が、その人のビジョンを言語化する最初のきっかけになる。

秋田小町という確立されたブランドがある秋田で、有機米で差別化しようとするならどうすればいいか。AIは「有機JAS取得農家は全農家の0.5%未満」という数字を出してきた。この数字があるだけで、「レアさ」を訴求するストーリーが作れる。希少性をAIが数字で示してくれることで、地方の事業者が自分のビジネスの強みを「発見」できる。

高崎さんが運営するイ塾では高校生も一緒に事業計画を学ぶ。山崎さんは高校3年生で国立大進学が決まりながらも、このライブに参加して実演を見ていた。「地方の高校生がAIを使ってビジネスを学ぶ」——この光景こそが、日本の地方が変わっていく最初の兆候だと思う。

ビジネス立ち上げの「最初の一週間」をAIで設計する——実践的な手順

今回の実演を踏まえて、AIを使ったビジネス立ち上げの最初の一週間をどう設計すればいいかを整理してみる。

1日目はChatGPTのDeep Researchで市場調査と競合分析を実施する。「〇〇市場でビジネスを立ち上げたい。詳細なリサーチをして事業計画案を作って」という一言から始める。高崎さん流の「回答はあなたが判断してOK」という指示を入れると、細かいヒアリングなしでも動いてくれる。

2日目は出てきた事業計画の叩き台を確認する。「大体あってますか?」と自分や想定する顧客に問いかける。違う部分があれば修正点を入力して再生成する。この「叩き台→確認→修正」のサイクルを2〜3回回せば、骨格が固まってくる。

3日目はV0でランディングページの骨格を作る。事業計画をそのままV0に貼り付けて「Reactベースのリッチなホームページを作成して」と入力する。その待ち時間にGensparkでロゴや画像を生成しておく。並列処理で時間を無駄にしない。

4日目以降はSNSプロフィールの整備、最初の発信コンテンツの作成に移る。ここもAIに「このビジネスプランと画像を使って、Xの発信コンテンツを10本作って」と依頼するだけだ。料理に例えると、仕込みが完了した状態でオープンを迎えられる。仕込みなしのぶっつけ本番とは比べ物にならない安心感で、スタートを切れる。

高校生・山崎さんが見せてくれた「次世代のAI活用」

このライブで印象的だったのが、高校3年生の山崎巧さんの存在だ。国立大学への進学が決まりながらも、高崎さんのイ塾に参加してAI活用とビジネス立ち上げを学んでいる。今回の実演ライブにもゲストとして参加し、実際の画面を見ながら質問を投げかけていた。

「大人たちがAIでビジネスを普通に作っている」という光景が、彼の常識を書き換えたはずだ。就職や進学というレールの上だけでなく、ビジネスを立ち上げるという選択肢がAIによってリアルなものとして目の前に現れた。高校生でもDeep Researchで市場調査を走らせ、V0でランディングページを作り、Gensparkでロゴを生成できる。必要なのはノートパソコンとChatGPTのアカウントだけだ。

たちさんが「子供が3人とも不登校だったりする中で、AIの活用によって生き方の幅が変わってくる」と話していた場面と重なる。学校という枠組みの外で学び、AIを使って自分のビジネスを設計できる若者が増えることで、日本の地方から全く新しい形の起業家が生まれてくるかもしれない。「地方×AI×若者」という組み合わせは、日本の未来を変える可能性を秘めている。

高崎さんのイ塾が秋田でやっていることは、その最前線の実験だ。都市部に集中していたチャンスが、AIによって地方でも現実のものになる。山崎さんのような高校生がその体験をしていることが、地方変革の最初の種になると思う。

「ズボラAI」が生む新しいビジネスの倫理——完璧主義より「出す勇気」

高崎さんの「最近あんまり考えてない」という言葉は、怠慢ではなく一種の哲学だ。完璧な計画を練ってから動くより、6割の完成度で出して市場の反応を見る方が学びが速い。特にビジネス立ち上げ初期においては、「出さないリスク」の方が「出して失敗するリスク」より大きい。

AIが叩き台を作ってくれることで、この「出す勇気」のハードルが劇的に下がった。「自分で全部作らないといけない」というプレッシャーがなくなる。AIが作った叩き台を確認して「合ってる」と言うだけで、もう一歩踏み出せる。これは心理的な負担の軽減でもある。

ただし、AIに完全依存することへの倫理的な注意も必要だ。ファクトチェックは人間が行う。最終的な判断・方向性・責任は人間が持つ。「叩き台はAI、判断は人間」という役割分担を意識することが、AI時代のビジネスの健全な在り方だ。高崎さんが「売上が伸びそうな軸で考えて」という指示を入れる時、最終的にその方向性でいいかを判断しているのは人間の高崎さんだ。AIはあくまでオプションを出す係、選ぶのは人間という構造は崩れない。

よくある質問

Deep ResearchとO3 miniはどう使い分ければいいですか?
時間をかけてでも深い調査が必要な場合はDeep Research。スピード重視・簡単な確認ならO3 mini。今回の実演では、Deep Researchは「13の情報源から詳細な競合分析付きビジネスプラン」を返してきた。O3 miniはより短い回答になりやすい。まずDeep Researchで骨格を作り、細部をO3 miniで詰める使い方が効率的だ。

V0はWordPressの代わりになりますか?
スピード重視のLP・ランディングページ作成ならV0が圧倒的に速い。Reactベースのコードが自動生成されるため、後からエンジニアに改修を依頼することも可能。ただし、ブログ機能や長期的なコンテンツ管理が必要な場合はWordPressの方が向いている。まず「見せる」目的のページ作成にV0を使い、成長に合わせてWordPressに移行するという順番がおすすめだ。

AIに任せてビジネスプランを作ると「嘘」の情報が混じりませんか?
当然リスクはある。特に「具体的な企業名・数字・統計」は必ず裏取りが必要だ。ただし今回のデモで出てきた「有機JAS取得農家は全農家の0.5%未満」のような数字は、概算として使いながら後で公的データで確認するというフローが現実的。叩き台として使い、ファクトチェックは人間がやる——この役割分担が重要だ。

Gensparkで商用利用できる画像は作れますか?
Gensparkで生成した画像は商用利用可能なケースが多いが、利用規約は必ず確認すること。また、実在する人物や有名ブランドを模倣した画像は商用利用不可になる場合がある。ビジネス用途なら「オリジナルのロゴ・バナー・イメージ」として作成し、商標に抵触しないよう確認した上で使おう。

IT知識がない地方の事業者でもAIでビジネス立ち上げはできますか?
今回の実演がその答えだ。高崎さんがやっていたのは「ChatGPTに日本語で話しかける→出てきた内容をV0にコピペする→Gensparkにキーワードを入れる」という3ステップだけ。プログラミング知識は一切不要。「なんとなくやりたい」という曖昧なスタートでも、AIが仮の計画を肉付けしてくれるので、地方の事業者にこそ有効なアプローチだ。

AIで作ったビジネスプランはどこから実際の行動に移せばいいですか?
まずAIが出したプランに「大体合ってますか?」と確認するところから始めよう。合っていれば次のステップ(ホームページ作成・SNS設計)に進む。合っていなければ修正の方向性を入力し直す。「叩き台を出して確認する」というサイクルを小さく速く回すことが、AI時代の事業立ち上げの基本だ。


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