O3 mini登場・無料版でも推論モデルが使える——2025年1月のAI最新情報まとめとOpenAI Operatorの衝撃
- ChatGPT O3 miniが1月31日にリリース。無料ユーザーも「理由(Reason)」ボタンから推論モデルを試せるようになった。DeepSeek R1へのOpenAIの回答とも言える動きだ。
- OpenAI Operatorが登場。ブラウザを自律的に操作して予約・購入・調査を代行するエージェント機能で、VPN(Surfshark)を使えば日本からも試用できる。
- ウェブ解析士協会理事・関さんが解説するO3 miniとO1の速度・精度比較から、今後の使い分け戦略が見えてくる。
O3 miniとは何か——1月31日に突然現れたモデル
「朝ログインしようとしたらログインできなくて、もう一回サインインしたらついてた」——関さんのその言葉が全てだ。2025年1月31日早朝3時、ChatGPTのモデル選択欄に「O3 mini」と「O3 mini High」が静かに追加された。
元々OpenAIは12月にリリースしたかったが、セキュリティチェックで延期になっていたとされる。発表していた「1月末」のデッドライン通りに、ほぼ有言実行で届けた形だ。関さんいわく「出来上がっていて、いつ出すかだけの話だった」という状況だった。
特筆すべきは、無料ユーザーへの解放だ。「本日、無料プランのユーザーもメッセージ作成ツールで『理由』を選択するか、O3を再生成することでミニを試すことができます」というOpenAIの公式発表。推論モデルが無料で使えるのは、ChatGPTの歴史で初めてのことだ。
この日のライブは節分という特別な日。たちさんが出版コンテストで137人もの投票を獲得したことへの感謝の言葉から始まった。「みなさんと一緒に最新情報を掴んでいきたい」というたちさんと、「ここ1週間でどんどん出てきたビッグニュースを説明したかった」という関さんの熱量が重なった日だった。
O3 mini対O1——ライブで実施したリアル比較の結果
ライブ中に同じプロンプト「2025年の生成AIの進化について推論してください」をO1とO3 miniに同時に投げて比較した。結果はこうだ。
- O3 miniは圧倒的に速い。「スクロールが追いつかないほどの速度」で出力が流れた
- O1は回答が速くなっていたが、O3 miniと比べると「もっさり」感がある
- 内容はO3 miniの方がやや具体的に書いてくれた印象。ただし「ガチャ感がある」ため一概には言えない
- O3 miniはファイル添付がまだできないため、PDFや画像を読ませる場合はO1やGPT-4oが必要
「Pro版を使っている人にはO3 miniを使う理由が今のところない」という関さんの見立ても正直だった。Pro版ユーザーは「O3フル版が出るまで待ち」という状況だ。ただ、関さんは「最近O1のもっさりしたペースに慣れてきた」とも言っていて、「仕込んでおいてリロードしたら気づいたらできてる」という使い方を実践している。
現実的な使い分けとしては「速さが必要な時はO3 mini、深さが必要な時はProのO3かGPT-4o」というのが今の答えだ。O3 miniのHighモードは単純にまとめた結果が返ってきて「あっさりしてる」という印象もあるため、用途によってHighとStandardを使い分けることも検討に値する。
「推論モデル」とは何か——DeepSeekとの競争背景
O3 miniの無料解放の背景には、中国のDeepSeek R1の存在がある。DeepSeekは推論モデルを無料で公開して世界に衝撃を与えた。その直後にOpenAIが「ChatGPTでも無料で推論モデルが使えます」と宣言したのは、明らかな競合対応だ。
推論モデルとは、答えを出す前に「考えるプロセス」を踏むモデルのことだ。「理由(Reason)」ボタンを押すと、ChatGPTが「まず問題を整理して…次に考えると…」と思考過程を示してから回答する。複雑な計算・論理問題・多段階の推論が必要なタスクで威力を発揮する。
「リーズン(理由)」という表示は英語のReasonをそのまま翻訳したもの。「リズナー(推論モデル)」という言葉が重要で、これは「大学院レベルの専門知識を持つ人のように高度な問題解決ができる」という意味合いを持つ。
料理でいうと、従来のAIは「はいカレーです」とすぐ皿を出してくるが、推論モデルは「スパイスの配合を考えて、火加減を調整して、味見を3回してから」出してくる。時間はかかるが、仕上がりの精度が違う。無料版でも試せる回数は上限があるが、一度その「考えてから答える」動きを体感してほしい。
OpenAI Operatorの衝撃——AIが自律的にブラウザを操作する
O3 miniと同じ週に発表されたのがOpenAI Operator(オペレーター)だ。これはブラウザをAIが自律的に操作するエージェント機能で、「シアトルから東京への最速便を調べて予約して」と言えば、旅行サイトにアクセスして調べ、選択して、予約プロセスを自動実行してくれる。
Operatorの主な特徴はこうだ。ブラウザを自律操作して独立してタスクを完了する。人間のユーザーと同様に画面を見てキーボードとマウスを操作する。特別なAPIや開発知識は不要で、IDとパスワードでログインする形で動く。食事予約(OpenTable)・チケット購入(StubHub)・ショッピング・旅行など幅広いサービスに対応している。日本のTabelogとも繋がることが確認されている。
これは以前話題になった「ブラウザユース(Browser Use)」のOpenAI公式版ともいえる。「以前はPythonでセッティングが必要で、一生懸命覚えようとしていたけど、あっという間に必要なくなった」という関さんの言葉が象徴的だ。技術的な実装の知識なしに、誰でも使えるエージェントが登場した。
現状はPro版(月額200ドル)限定で、OpenAI公式サイトの「operator.openai.com」からアクセスする必要がある。画面に表示される「ダイニング」「デリバリー」「ローカルサービス」「ショッピング」「トラベル」などのカテゴリからスタートできる。
VPNで日本からOperatorを試す方法——Surfsharkの使い方
現時点でOperatorはアメリカのみ利用可能だ。ただし、VPNを使えば日本からでも試せる。関さんが紹介したのは「Surfshark(サーフシャーク)」というVPNサービスで、ブラウザの拡張機能として追加できる。
VPNとは、「自分がいる回線をあたかも海外のサーバーに繋いで、そこからサービスにアクセスする仕組み」だ。Surfsharkを使ってアメリカのサーバーを選ぶと、ChatGPTからは「アメリカからのアクセス」と認識され、Operatorが使えるようになる。
費用は「月額ちょっとで、年間で数千円程度」と関さんは説明していた。「セキュアなので、セキュリティの意味でも使う価値がある」とのことで、VPN自体は日本でも実用的なツールだ。ただし、通常のインターネット通信費用とは別にアプリの使用料金が発生する。
注意点として、接続後にOperatorを試す際は「画面全体を共有しないと、VPNの状態が見えない」というトラブルもライブ中に発生していた。全画面共有か、VPN接続を確認できる状態でデモを行うことが必要だ。
2025年1月のAIニュース全体像——DeepSeekとソフトバンクも
この週だけでO3 miniとOperatorという2つの大きなニュースがあったが、2025年1月を振り返ると更に多くのニュースが重なっていた。DeepSeek R1の登場は「AIの無料化・民主化」という文脈で世界に衝撃を与えた。ソフトバンクとOpenAIの提携もビジネス界を揺るがすニュースだった。
関さんが指摘したのは「このペースは2025年も変わらないどころか加速する」という現実だ。毎週のように新しいモデルやツールが出てくる中で、「全部追いかけようとせず、使う場面に当たったら調べる」スタンスが精神衛生上も効率上も正しい。
一方で、たちさんのコミュニティで出版コンテストに取り組んでいたように、AI最新情報を追いながらも「自分がAIで何を実現したいか」という目的を持つことが大事だ。ツール情報に振り回されるのではなく、自分の目標のためにツールを使いこなす——その姿勢がAIと付き合う上でのコアになる。
「AIを使う人と使わない人」の差は広がり続ける
たちさんが強調したのは「AIを使う人と使わない人の差は広がる一方」という現実だ。でも怖がる必要はない。毎日少しずつ触れて、使える場面を一つ増やす——その積み重ねで十分追いつける。
O3 miniが無料ユーザーに解放されたことは、そのきっかけになる。「理由(Reason)」ボタンを一度押してみれば、推論モデルがどういうものかすぐに体感できる。難しい操作は一切ない。
Operatorについても、今すぐ使えなくても「こういうものが来る」と知っておくことに意味がある。来年、再来年に当たり前になった時に「あ、あれのことか」と素早く使い始められる人と、その時点でゼロスタートの人では大きな差が出る。
関さんのような研究者・実務家の視点と、たちさんのような初心者ナビゲーターの視点が組み合わさることで、「難しそう」が「やれそう」に変わる。それがこのライブの価値だ。AIを「親友」として付き合う感覚を少しずつ育てていこう。
関さんプロフィール——研究・教育・ビジネスを横断する実践家
今回解説してくれた関さんのプロフィールを改めて紹介しておく。京都光華女子大学準教授、エボラニー株式会社CMO、ウェブ解析士協会理事兼事業推進部長、関西学院大学経営戦略研究科研究員、京都芸術大学映像コース在学中——という驚くほど多岐にわたる肩書を持つ。
このライブの前日には日本プロモーショナル学会に論文を提出したばかり。京都芸術大学の学生としてレポートを今期7本提出した。「論文ばっかり書いてる生活」と自ら笑いながら語っていたが、その研究の密度と実務経験が「実際に使ってみた」話の信頼性を裏打ちしている。
横田さんとの先週のライブでも1月まとめを話していたが、週後半に大型ニュースが立て続けに来たため、改めてたちさんのライブで解説してくれた。「1月末はほんまに出るのかな」と思っていたO3 miniが有言実行で登場したことへの興奮が、ライブ全体を通じて伝わってくる回だった。
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