Claude 3.5がパソコンを操作する——AIが「手」を持つ時代に何が変わるか

Claude 3.5がパソコンを操作する——AIが「手」を持つ時代に何が変わるか

  • Claude 3.5の新機能「コンピュータ使用」がデモ公開——ブラウザ操作・スプレッドシート計算・コーディングまで自律的にこなす
  • Canvaのホワイトボードに「AI分類」機能が追加——バラバラなアイデアをトピック別に自動整理してチームのブレストが進化
  • 衆議院議員のデジタルクローンが登場——自分と会話するAIが高齢者ケア・チャットボット代替・家庭教師として活用される未来

Claude 3.5が「手」を持った——パソコンを代わりに動かすAI

Anthropicが公開したClaude 3.5の新機能「コンピュータ使用(Computer Use)」は、AIがパソコンを直接操作できる時代の始まりを告げるデモだった。

デモ動画では、Chromeブラウザを自律的に開いてハイキング場所と自宅の距離を検索し、日の出時間を調べてカレンダーに予定まで登録している。さらに別のシーンでは、スプレッドシートを開いて数式を入力・計算し、東京都の人口を自分でブラウザ検索して計算結果に加算するところまで見せた。

料理で言えば、今まではレシピを読み上げてくれるだけだったAIが、包丁を持って実際に野菜を刻み始めたようなイメージだ。「やっといて」の指示が本当に機能する時代が始まった。ルーティン作業のほとんどをAIに任せられる日が、もうそこまで来ている。

このデモを初めて見た時の感想は「すごいけど怖い」だった。人間が見られたくない画面まで操作してしまうリスク、意図しない操作が走るリスク——それは確かにある。でも「何ができるのか」を知ることが先決だ。知らないままでいると、使いこなせる人との差がどんどん広がっていく。

コーディングもClaude任せ——エラーを自分で発見して修正まで

別のデモでは、ClaudeがWebサイトのコーディングタスクをノートパソコン上で完結させている。Claude.aiのブラウザを開いてコードを生成し、VS Codeを自動で起動してファイルを保存。ローカルサーバーを立ち上げてブラウザで表示確認し、エラーがあればターミナル出力を視覚的に読み取って自分で修正まで行う。

この一連の作業はすべてClaudeが自律的に判断して実行している。Pythonのバージョンエラーが出れば「python3で試し直す」という判断も自分でする。ターミナルの出力を視覚的に読んで、エラーの原因を特定して、修正して、また動作確認する。この流れを全部自分でやっている。

人間がいなくても開発作業が回る世界が、すでに実現しつつある。セキュリティ面での懸念は当然あるが、まず「何ができるのか」を知ることが先決だ。他のAI企業(OpenAI・Googleなど)も同様の機能を近いうちに搭載してくることは間違いない。

今Claudeがやってのけたことは、数年前まで専門のエンジニアが何時間もかけてやっていた作業だ。完全に任せきりにするにはまだリスクがあるとしても、「大枠を作ってもらって細部だけ人間が調整する」という使い方は今すぐ始められる。

ルーティン作業の大半をなくせる——SNS投稿も「やっといて」の時代へ

「SNS投稿しといて」とAIに言えば実際に投稿してくれる——そんな未来がすぐそこまで来ている。指示が明確であれば、パソコン上の繰り返し作業のほとんどはAIに委ねられる。

今まで手動でやっていた「いちいちアプリを開いて、操作して、確認して」という繰り返しが、明確な指示を出しておくだけで全部やってくれる。1人でやっているとなかなかできなかったことが、AIというパートナーを持つことで動き始める。

一方で、AI任せにする範囲の線引きは自分でしなければならない。外部に見られてはいけない画面が操作されてしまうリスク、意図しない操作が実行されるリスクは常に存在する。AIを「信頼できる部下」として育てる感覚で、最初は小さな作業から任せて様子を見るのが賢いアプローチだ。

まず「今の自分の業務で何に一番時間がかかっているか」を洗い出すことが大切だ。いきなりAIクローンを作ろうとしても使い道が見えない。でも「この作業に毎日30分かかっている」という具体的な課題があれば、そこから攻略していける。

CanvaのAI付箋分類機能——チームブレストが一段進化

Canvaのホワイトボード機能に、付箋をAIが自動分類する機能が追加された。チームでバラバラとアイデアを出した後、「分類して」とボタンを押すだけでトピック別・カラー別に整理してくれる。

デモでは「スマートフォン」「ジュース」「お菓子」「書類の山」「リモコン」などの項目を入力すると、「電子機器」「飲食物」「オフィス用品」に自動で振り分けられた。さらに各付箋にリアクション(いいね)をつける投票機能もある。

アイデア出しのブレストで「どれが一番いい?」を民主的に決めたいときに使えるし、多くのアイデアが集まったカテゴリに注目して「ここをもっと深掘りしよう」という議論の起点にもなる。チームみんなでポチポチとリアクションしていくだけで、自然とどのアイデアに注目が集まっているかが見えてくる。

リモートのブレストで特に効果を発揮する機能だ。オンラインでみんながバーっとアイデアを出して、分類ボタンを押すだけで整理される。「どの分類が一番アイデアが多いか」を見てそこを深掘りするという議論の進め方が、会議の質を一段上げる。

衆議院議員のデジタルクローンが登場——自分と対話するAI

衆議院議員の平井拓也氏が、自分自身のデジタルクローンのプロトタイプを公開した。ご本人がクローンに「デジタルクローンは社会でどのような役割を果たすか?」と問いかけ、クローンが答えるという対話を実演している。

声・話し方・知識のパターンを学習させたAIが自分の代わりに会話をこなす——まだ完成品ではないが、技術的な方向性は明確だ。高齢者施設での話し相手、チャットボットの人格化、受験生向け家庭教師など、応用範囲は広い。

声だけ聞くと「どちらが本人か分からない」レベルまで来ている。動画で見れば視覚的に区別できるが、電話やチャットだと見分けがつかない。ハルシネーション(事実と異なる回答)の問題や、答えていいこと・いけないことの学習はまだ必要だけど、方向性として「自分の代わりに会話をしてくれる分身」の時代は近づいている。

感情表現も近いうちにChatGPTのように乗ってくると、さらにどちらが本人か分からなくなる。これは怖さでもあるが、同時に「自分の分身が24時間365日対応してくれる」という可能性でもある。

クローンの活用可能性——100万人に同時対応できるAIの恐ろしさと可能性

デジタルクローンの本質的な価値は「同時性」にある。人間は1対1でしか対話できないが、AIクローンは100万人に対して同時に個別対応ができる。しかも全ての対話から学習したデータが1つのモデルに蓄積されていく。

アイドルのクローンを受験生の家庭教師にすれば、モチベーションが上がるかもしれない(AIと話し続けて勉強しないリスクもあるが)。コールセンターの人格化、外国人観光客への多言語対応——「人間の分身」として機能するビジネスシーンは多岐にわたる。

高齢者施設で孤独を感じているお年寄りに、家族や昔の友人に似たキャラクターのクローンが話し相手になる。医療の場で専門家の知識を持ったクローンが相談に乗る。これらは近い未来の話ではなく、技術的にはすでに実現しつつある。

まずは今の自分のAI活用ステップを明確にすることが大事だ。業務の何に一番時間がかかっているか、何が苦手かを洗い出してから始めると、どの機能が自分に必要かが見えてくる。AIクローンはその先の話だが、今から「自分の思考や話し方をAIに学習させる」習慣を持っておくと、いざその時代が来た時に準備ができている状態になる。

今日からできること——まずClaude 3.5に触れてみる

Claude 3.5のコンピュータ使用機能はまだ一般公開の初期段階だが、Claude.aiのアカウントを持っていれば試すことができる。ChatGPTばかり使っている人こそ、一度別のAIを触ってみることで「AIにはこんな可能性もあるのか」という気づきが生まれる。

Canvaのホワイトボード機能も同様だ。次のチームMTGで付箋ブレストをするときに、AI分類機能を一度試してみるだけで十分。「あ、こういう使い方もできるんだ」という体験の積み重ねが、AI活用の土台になる。

どんな機能も「知っているかどうか」が全ての入口だ。知らなければ使えない。使わなければ慣れない。慣れなければ応用できない。このライブのような場で新しい機能を毎朝知ることが、AI時代を生き抜く一番の近道だと感じている。小さな体験から積み上げていくことが、確実に前に進む方法だ。

AIと共存する時代の「自分の役割」を考える

AIがパソコンを操作して、コードを書いて、クローンとして24時間対応できる——こういう話を聞くと「じゃあ人間は何をすればいいのか」という問いが浮かぶ。

答えはシンプルだと思う。AIができないことに集中する。インスピレーション、感情の共鳴、直感的な判断、人間関係の温度感——これらはまだAIが苦手な領域だ。AIに任せた分だけ、そっちに使える時間と意識が増える。

AIに仕事を奪われると感じるか、AIに仕事を任せて本当にやりたいことに集中できると感じるか。同じ事実を前にして、意識次第で見える景色が変わる。「怖いもの」ではなく「使いこなすもの」として向き合うことが、これからの時代の基本姿勢だ。まず知る、次に触る、そして少しずつ任せてみる。この3ステップを繰り返すだけでいい。

ChatGPTユーザーこそClaudeを試すべき理由

日本ではChatGPTが圧倒的に有名で、AIといえばChatGPTという人が多い。でも今回紹介したClaude 3.5のコンピュータ使用機能のように、他のAIが先行して実装している機能もある。1つのAIだけを使い続けると、その外にある可能性に気づけない。

ChatGPTが得意なこと、Claudeが得意なこと、Geminiが得意なことはそれぞれ違う。文章生成、コード作成、画像認識、マルチモーダル——AIごとの特性を知って使い分けることで、一つひとつの作業の質が上がる。複数のAIを比較しながら使うことで、「AIとはこういうものだ」という固定観念が崩れて、活用の幅が広がっていく。

Claude.aiのアカウントは無料で作れる。まず1週間、ChatGPTと並行してClaudeも使ってみることをおすすめする。同じ質問を両方に投げてみると、回答の個性の違いが見えてくる。「AIを使いこなす」とは、複数のAIの得意不得意を理解して、場面に応じて使い分けることでもある。

AIの世界は毎月のように新しい機能が追加されている。今日知らなかったことが、来週には常識になっている。毎朝のAI氣道ライブのような場で継続的にアップデートを受け取ることが、この時代を生き抜く一番の近道だと感じている。知識を積み上げるよりも、変化に乗り続ける習慣を作ることの方が大事だ。

よくある質問

Claude 3.5のコンピュータ使用機能はどうやって試せますか?
Claude.aiのアカウントがあれば試すことができます。まだ一般公開初期段階のため制限はありますが、簡単なブラウザ操作やファイル操作を試すことが可能です。まずはClaude.aiにアクセスして最新機能を確認してみてください。ChatGPTと使い比べることで「AIごとの違い」が実感できます。
AIがパソコンを操作するときのセキュリティリスクはありますか?
あります。外部から見られてはいけない画面を操作してしまうリスクや、意図しない操作が実行されるリスクが存在します。最初は機密情報を含まない作業から試し、AIの判断プロセスを確認しながら少しずつ任せる範囲を広げていくことをおすすめします。「信頼できる部下を育てる」感覚で、小さな作業から始めましょう。
デジタルクローンと通常のチャットボットの違いは何ですか?
通常のチャットボットはシナリオやFAQに基づいて回答しますが、デジタルクローンは特定の人物の声・話し方・知識パターン・価値観を学習して「その人らしく」振る舞います。平井氏のクローンは声だけでは本人と区別がつかないレベルに達しています。ハルシネーションや適切な応答範囲の学習はまだ必要な段階ですが、技術の方向性は明確です。
CanvaのAI分類機能はどこから使えますか?
Canvaのホワイトボード機能内で使えます。付箋を複数配置した後、左上の「分類」ボタンを押すとトピック別・カラー別に自動整理されます。チームで共有しながらリアクション投票もできるため、リモートブレストに特に有効です。Canvaのアカウントがあれば無料で試せます。
AI時代に人間が磨くべきスキルは何ですか?
インスピレーション・感情の共鳴・直感的な判断・人間関係の温度感など、AIが苦手な領域のスキルです。加えて「AIの出力を自分の感性で選び取る力」も重要になります。AIが10案出してきた時に「どれが自分らしいか」を判断する力。これは使い続けることでしか磨けません。まず触る、選ぶ、修正する、この繰り返しです。
コーディングの知識がなくてもClaudeのコンピュータ使用機能は役立ちますか?
役立ちます。コーディング以外でも、ブラウザで情報を調べてスプレッドシートに転記する作業や、複数のアプリを行き来しながら進める繰り返し作業に活用できます。「毎日30分かかっている作業を言葉で説明してAIに任せてみる」ところから始めるのが現実的です。完全に任せられなくても、一部を助けてもらうだけで大きく時短できます。


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