
WATCH REPORT
お客さんを迷わせない一言とは。ジャムの棚に貼った「まずはブルーベリーで驚いてください」を小阪裕司さんの話から読み解く
2026.10.13
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、小阪裕司さんの『商売道場』の動画を紹介します。
あなたの店で、お客さんが棚の前で立ち止まったまま、何も買わずに帰っていきます。そんな場面に心当たりはありませんか。小阪さんによると、人は迷うと行動が止まります。止まった人は、レジまでたどり着きません。
この動画でいちばん大事なのは、選ばせるのをやめて選びやすくしてあげる、その一点だと思います。
読み進めると、迷いが行動を止める理由と、4つの売り場の例が見えてきます。私が自分の申込みページを直した話も、途中で出てきますよ。
SPEAKER
小阪裕司の「商売道場」
この動画は、小阪裕司さん(オラクルひと・しくみ研究所 代表)が売り場の実例を話し、肥前利朗さん(ワクワク系マーケティング・チーフエバンジェリスト)が相づちや質問、まとめを入れる対談です。肥前さんが小阪さんを「先生」と呼び、話の根っこを尋ねる場面もあります。
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お客さんが決められずに帰ってしまうと、優柔不断な人だったのかな、と思いたくなりますよね。それは本当に、お客さんの決断力の問題なのでしょうか。
動画の冒頭で、小阪裕司さんは今日のテーマを「お客さんを迷わせない」と置きます。迷わせると、売れません。人間の行動原理に基づいた話。
肥前利朗さんも、迷った末にもう少し考えようかとなる時はある、と応じていました。
品数が多いか少ないかの話ではない、と小阪さんは先に断ります。伝えたいのは、人間は迷うと行動が止まる、という一点です。止まった先に何が起きるのか、小阪さんの言葉はこうです。
小阪裕司さん(動画の中で・5:23〜)
行動が止まったら、それ以上レジまでたどり着きませんと。
延長戦に入ると、肥前さんが根っこを尋ねます。人はどうして迷うと動きを止めてしまうのでしょうか。小阪さんの答えは、迷うとは考えること。あれこれ考えると、脳のエネルギーをすごく使います。
脳は、エネルギーを使いたくない臓器。小阪さんはそう話し、その性質をこう表します。
小阪裕司さん(動画の中で・11:17〜)
脳ってエネルギー使いたくない臓器なんですよ。
店員さんに聞くのにもまたエネルギーがかかり、結局やめてしまいます。知っているパターンに当てはめて楽をしたがる傾向も、脳にはあるそうです。
ここまでを、私の言葉で並べ直してみます。迷いが行動を止め、止まった人はそのまま帰り道へ向かいます。そしてこの流れの入口は、売り手の側の作りにあります。
お客さんが決められずに帰ると、決断力を疑いたくなります。その前に、「そうさせてる何か」を見に行くべきだと私は見ています。善い悪いや、誰の責任かを決める話ではありません。お客さんは、店の作りのとおりに迷っただけ。
見に行くのは、売り場のあちこちです。棚の並べ方、ポップに書いてあること、目に入る順番。店員さんが声をかけるタイミングも入ります。どこでお客さんの手が止まりそうか、一つずつ確かめていきます。
脳が節約したがる臓器なら、迷わせる売り場は、お客さんに余計な仕事を頼んでいるのと同じです。
お客さんの決断力は、売り手には変えられないもの。でも棚やポップなら、明日からでも変えられます。先に手を入れるのは、こちらの作りのほう。
私ならこうします。お客さんの決断力を問う前に、どこで迷わせて止めたのかを、まず売り場の作りから見ます。


2つの商品の違いを、ポップにきちんと書いたとします。それでもお客さんが手に取らずに迷っているとしたら、何が足りないのでしょうか。
小阪さんが最初に挙げたのは、タオルの売り場です。棚には髪専用のタオルが2種類並んでいて、どちらのパッケージにも髪用と書いてあります。
お客さんからよく聞かれるのは、この2種類はどっちがいいんですか、という質問でした。それぞれの特徴も、違いも、ちゃんと書いてあります。それでもお客さんは、さらにこう聞いてくるそうです。
小阪裕司さん(動画の中で・2:17〜)
じゃあ自分はどっちがいいんですか?
長々と接客すれば、ちゃんと伝えられます。でも売り場の人はみんな忙しく、いつも長く話せるとは限りません。そこで売り場の人たちは、普段じっくり接客できる時に話していることを、全部ポップにまとめました。
小阪裕司さん(動画の中で・2:37〜)
普段長々と[接客]できる時に話をしてるようなことを全部ポップにまとめて
やったのは、それだけです。「以上です」と小阪さんは話を区切ります。このポップを読んだお客さんは、「あ、自分こっちだ」と迷わなくなったそうです。
動画のテロップには「いきなり売上1.6倍」、そして「スタッフなし、接客できなくても問題なし」と出ていました。
この話は、私の申込みページの直しと重なります。10月11日、私は自分が開く集まりの申込みページが分かりづらいと感じ、AIに、午前の部と午後の部で別のページを作ってもらうよう頼みました。
当時のページには料金の表が2つあり、いちばん下に申込みボタンが5つ並んでいました。どれを押せば自分の申込みになるのか、分かりにくい形です。
AIは、2ページに分ける案と、参加者の種類と午前・午後を掛け合わせた早見表の案を見せてくれました。私は分けるのはやめて、区分をラジオボタンで選べないかと返しました。
区分をラジオボタンで選ぶ版は、10月12日の夜に公開しています。
ところが10月13日の朝、そのラジオボタン版の申込み欄を見て、私は選びにくいと返しました。AIが調べると、参加方法の4枚のカードと区分の箱が上下に離れていて、どの参加方法の区分なのか画面から読めないことが原因でした。
直した形は、左に参加方法のカードを縦に4枚、右に申込み票を1枚置くものです。選んだカードから赤い三角が票へつながり、票の見出しには選んだ名前が出ます。選び直すと、票が光ります。
タオルのポップを読んだお客さんの、「あ、自分こっちだ」の状態がありましたよね。選んだ参加方法と区分が1枚の申込み票で結ばれて見える形は、それと同じところを目指しています。画面で人を迷わせない作り方は、ai-kidou.jp の画面を迷わせない作り方を50の法則で解説した記事でも扱っています。
違いを丁寧に書くだけでは、お客さんはまだ自分の分を探しています。あなたはこっち、と示すところまでが売り手の仕事。お客さんに、自分の分は探させません。


品数が多いのは、お客さんへの親切のはずですよね。お客さんは好きな味を選べます。それなのに、どうして棚の前でお客さんの足が止まってしまうのでしょうか。迷わせない一言とは、いったい何なのでしょうか。
小阪裕司さんによると、品数が多いのは親切です。ただ、迷わせない工夫がいります。例に出てきたのは、スーパーのジャムの棚。品数の多さを売りにしたいお店では、ジャム1つ取っても何種類も並びます。
フルーツジャムの棚には、リンゴ、ブルーベリー、イチゴ、サクランボと、いろいろな味があります。その前で明らかに迷っているお客さんに、店の人が気づきました。お客さんは迷ったまま、何も買わずに行ってしまいます。肥前利朗さんも、自分もそうすると返していました。
そこで店の人は考えました。同じブランドで何種類もある中の、ブルーベリーのジャムの上に、ペタッと一言を貼りました。「売上ナンバーワン」「人気ナンバーワン」「店長おすすめ」でもよかったところです。
でも、その人はさらに一歩、気が利いていました。貼った一言は「まずはブルーベリーで驚いてください」でした。テロップでも大きく映っていました。この一言について、小阪さんはこう続けます。
小阪裕司さん(動画の中で・4:53〜)
まずはブルーベリーで驚いてください。
肥前さんは、それならブルーベリーを買いますねと笑っていました。
AIに仕事を頼むと、次の進め方を選んでほしいという確認の画面が届きます。
10月7日、私はAIに、やり取りが無駄になるので一発でベスト案を出してほしいと伝えました。そのあと、提案を出す時の決まりを書き足しています。おすすめは1つにすることです。選択肢は「この案で進める/直す/置いておく」を基本にすることです。
技術の分かれ道は、AIが決めて理由を書きます。私の価値観や方針で決まる所だけを、選択肢として残します。この決まりは同じ日の夜に採用しました。
ジャム棚の一言と、この決まりは同じ形をしています。何種類もの中から1つを前に出し、理由を添えているからです。品揃えは減らさずそのまま。並べたまま、最初に手を伸ばす先だけを決めて渡しています。
「売上ナンバーワン」も、選ぶ理由にはなります。ただ、それはこれまでによく売れたという報告。まずはブルーベリーで、と書かれた時、お客さんの頭にはひと口目で驚く場面が浮かぶと私は見ています。報告と誘い、その一歩の違いはここから来ているのでしょう。
選ぶとどうなるのか分からない選択肢は、私にとっても決めにくいものです。棚の前のお客さんと私は、同じ困り方をしているのだと思います。
お客さんが止まるのは、決める力が足りないからではありません。品揃えはそのままに、最初の1歩だけを店が決めて渡します。その一言を貼るのが売る側の仕事だと、私は考えています。


分からないことがあっても、店員さんに聞けずに帰ってしまうお客さんは少なくありません。あなたのお店にも、きっといますよね。その人たちが行ってしまうのを、どう防げばよいのでしょうか。
小阪裕司さんは、店員さんに聞くのには勇気がいると話します。聞ける人は勇者、という言い方でした。小阪さん自身も、売り場では聞けないタイプだと言います。肥前利朗さんも、自分も聞けないと重ねていました。
話は先ほどのタオルに戻ります。どっちがいいんですかと聞かれて、「お客様のお好みですので」と答えてはいけません。それでは迷いが晴れないからです。小阪さんの言葉は、こうでした。
小阪裕司さん(動画の中で・5:48〜)
こういう時にだからお客様のお好みですとか言っちゃだめなんですよ。
次の例は、カレーペーストの瓶です。商品はこれしかなく、1種類だけ。それなのにお客さんがじーっと見て、迷った様子のまま、ぷいっと行ってしまいます。
目ざとく気づいた店の人が、声をかけて聞いてみました。小阪さんは、そのときのお客さんの言葉をこう再現しています。
小阪裕司さん(動画の中で・6:36〜)
それでそのあるお客さんがいや、だってこれって一瓶で何人分なんですか?
一瓶で何人分なのかが分からず、買う手が止まっていたのですね。肥前さんも、そこが分からないと買わないと返します。店の人は、聞いてくれればよかったのにと思ったそうです。
でも、勇者でない人は結局聞きません。そこで店の人は、何人分かを先に知らせる一言を添えた、という話でした。
AIに作業を任せていると、次にどう進めるかを私に選ばせる確認の画面が、ときどき出てきます。
9月23日から10月10日まで、私はAIが出す確認の画面に、同じ趣旨の返事を16回書いています。おすすめや選択肢を選ぶと何がどうなるのかイメージできない、という返事です。
10月8日には、AIが確認の画面に書いた「落ちた」という言葉の意味が分からず、毎回意味が分かるように書いてほしいと伝えました。そのあと、AIだけが使う短い言葉を説明なしで書かず、何がどうなったかを普通の文で書く決まりが加わりました。
「お客様のお好みですので」では、迷いは晴れません。イメージできないという返事を16回書いたのは、その分かりにくさのせいです。どちらも、出す側が先に普通の文で書けば解ける話。
普通は、分からない人が聞きに行きますよね。私は、その手間を相手に持たせたくありません。お客さんが聞かなくて済むように、売る側が先に問いを立て、答えまで書いておきます。勇者でなくても買える売り場は、そこから生まれると私は考えています。
私ならこうします。お客さんが売り場で聞きたくなることを先に拾って、その答えを商品のすぐ横に書いておきます。


売り場の作りを直しても、目の前で手が止まっているお客さんはいます。そんな時、声をかけるべきか、そっとしておくべきか迷いますよね。あなたなら、どうしますか。
小阪裕司さんによると、迷うと人は行動が止まる、という原理を分かっておけば、応用できる範囲は非常に広くなります。画面のテロップにも、同じ趣旨の言葉が出てきます。では、お店ではどう生きるのでしょう。
肥前利朗さんが、お店ならお客さんが迷っているなと見ることも大事ですね、と返します。それを受けて、小阪さんは売り手のアンテナの話をしました。
小阪裕司さん(動画の中で・7:22〜)
ちょっとアンテナが立つね。お客さんが迷ってるっていう行動が気になるようになるといいですよね。
アンテナが立つと、迷っているお客さんの行動が気になりだします。先ほどの例のお店の人のように、ちょっと聞いてみます。迷っていそうな人に、声をかけてみたくなるでしょう。そういう動きが自然に出てくるわけです。
売り場で聞ける人は、勇者だけ。小阪さんはそう言います。だから迷っている時に、いいタイミングで声をかけてもらえると、お客さんは嬉しくなります。
迷ってもいない人に何を探していますかと聞くと、鬱陶しく感じられることもあります。でも迷っている時に「何かお困りですか」と聞かれたら、どうでしょう。お客さんは「これ何人前なのかしらと思って」と話しだします。こういうことが分かってくると商売上手になる、と小阪さんは結びます。
私は、ここで動きを二つに分けて見ています。一つは、売り場の作りでお客さんを止まらせない工夫ですね。ここまでの章で見てきた、ポップや棚の一言です。もう一つが、目の前の人の止まりに気づいて、声をかけることです。
二つは似ていても、別の動き。作りの工夫は、お客さんが来る前に置いておけます。声かけは、その場で相手を見ていないとできません。どちらか一方で足りる話でしょうか。
声をかける時は、タイミングがすべて。迷っていない人には、同じ一言が売り込みの圧になります。迷っている人には、助け舟になりますね。言葉は同じでも、届き方は相手の状態で逆になります。
迷いに気づく力は、生まれつきの勘でしょうか。原理を知った人が立てる、アンテナです。そのアンテナがあってこそ、声かけは押しつけではなく助けになります。


売り手が先に一つを選んで差し出したら、お客さんの選ぶ楽しさを奪ってしまわないでしょうか。押しつけに見えないか、心配になりませんか。そこが引っかかる人もいるはずです。
小阪裕司さんは、この反論にも先に触れています。品揃えが豊富で、その中から選ぶ楽しさもあります。それと、迷うと行動が止まるは別の話だ、と整理します。
メガネがずらりと並び、似合うものを自分で探せるお店はありがたいですよね。ところが、小阪さんがお世話になっているメガネ屋さんは、少し違います。
小阪裕司さん(動画の中で・8:37〜)
お世話になってるメガネ屋さんは基本的に私を迷わせない。
来店の前から、かけてほしいメガネが用意されています。小阪さんが見るまでもなく、店の人が何本か持ってきて、どうぞと出してくれます。かけてみると、やっぱりこれですね。迷いはありません。
おしゃれを始めた頃の話もあります。それまで小阪さんは、長く同じメガネでした。知り合ったメガネ屋さんは、最初に何と言ったのでしょうか。
小阪裕司さん(動画の中で・9:36〜)
おしゃれ始めるとこだから、まずはこれからですね。
これは迷わせない、と小阪さんは言います。呉服屋さんも同じ。着物の楽しさに目覚めた人には、合うかどうかとグレードや価格を見て、初心者向けをまず出します。
終盤で小阪さんは、迷うか迷わないかはお客さんのことだから、売り手は迷わせないほうがいいと話します。まずはブルーベリーで、ジャムの道へ、メガネの道へと導いてもいい、と続けます。脳がエネルギーを使いたくないところと、ポジティブに噛み合います。
私にも、近い判断をした場面があります。10月13日、自分が開く集まりの申込みページのことです。セットはセットで申し込めないと気持ちが悪い、と私はAIに伝えました。
AIが調べると、申込みの仕組みは1つの申込み先に料金を1つしか持てませんでした。午前と午後のセットは、2回の申込みと2回の決済になっていました。これでは、お客さんを迷わせてしまう作り。
AIが出した選び方は二つでした。一つは、よくあるセットを4つだけ先に作る案。もう一つは、午前と午後の組み合わせ6つ全部に、1回で申し込めるようにする案です。後者は申込み欄の選択肢が増え、選ぶ手間が戻ってきます。
AIのおすすめは前者でした。参加の条件が午前も午後も同じなので、混ぜる人は少ない、という見立てです。私は4セットの案を選びました。
混ぜたい人の道は消していません。これまでの単独の申込みを2回のまま、折りたたみの案内で残しました。公開したのは、同じ日の10時台です。
4セットは、メガネ屋さんの「まずはこれから」と同じ入口です。折りたたみの案内は、豊富な品揃えを消さずに置いておく場所になります。先に差し出すことと選ぶ自由は、両立できるもの。
お客さんが選ぶ荷のうち重い部分を、売り手が先に引き受ける形です。それが自由を奪わない差し出し方だと、私は考えています。私ならこうします。入口になる一つを先に差し出し、品揃えは消さずに残しておきます。
COLUMN
最初のひと口を決めて渡す台所の知恵

台所で味見を頼んだ時、何か足りないと言われても、どこを直せばいいのか迷いますよね。この皿の左のソースが薄い、と指してもらえれば、手はすぐに動きます。タオルのポップは、この指さしに近い工夫。2種類の違いを並べただけなら、材料の一覧を渡したのと変わりません。そこへ売り場の人は、普段の接客で話していた中身を足しています。読んだ人が、自分はこっちだと分かるところまで書きました。食べる人に自分の皿を探させず、目の前に置いてあげる形ですね。一言を足した場所は、選ぶ人のすぐ手前。
大皿料理がずらりと並ぶ食卓で、どれから箸をつけるか迷う人もいます。そんな時、作り手がまずはこの煮物からどうぞと最初のひと口を決めて渡すと、食卓はふっと動きだします。ほかの皿を下げたわけではありません。ジャムの棚の一言も、同じ場所に足されていました。何種類もの味はそのままに、最初に手を伸ばす瓶の上にだけ、一言。しかも、食べたあとの驚きまで先に約束していました。一品目が決まると、二品目からは自分で選ぶ楽しさが始まりますね。
レシピの端に何人分かが書いてあるだけで、作る人の迷いは一つ消えます。量の分からない鍋を前にすると、火にかける前に手が止まるものです。カレーペーストの瓶に足されたのは、この何人分の一言。献立を全部読み上げる代わりに、今日はまずこれをと一皿目を運んでくる料理屋さんもあります。メガネ屋さんの出し方は、この一皿目。台所でも売り場でも、迷いをほどく一言は、相手の手が止まりそうな場所に置かれています。お客さんを迷わせないとは、その場所を先に見つけて、言葉を置いておくことです。
分身AIに仕事を任せて、つまずきながら分かったことを、100日分まとめた記事があります。分身AIと歩んだ100日──AIに任せて転びながら学んだことの全まとめ
AIに任せて転んだ所も、隠さずにまとめています。
分身AIについてもっと知りたい方は、分身AI.comもご覧ください。
Q. 品揃えを減らさないと、お客さんは迷って止まってしまうのですか。
A. 小阪裕司さんは、品数が多いか少ないかの話をしたいのではない、と先に断っています。豊富な中から選ぶ楽しさはあります。それと、迷うと行動が止まることは別の話です。メガネ屋さんの例でも、品揃えは残したまま、店の人が先に何本か持ってきていました。
Q. スタッフがいなくても、ポップだけで足りるのですか。
A. 動画が挙げたのは髪専用タオルの売り場の例で、普段の接客で話す中身をポップにまとめて掲げました。テロップには「スタッフなし、接客できなくても問題なし」と出ています。小阪さんの話では、売上は1.6倍になったそうです。
Q. お客さんが迷っているかどうかは、どう見分けるのですか。
A. 小阪さんによると、原理を知ってアンテナが立つと、迷っているお客さんの行動が気になりだします。声をかけるのは、そのいいタイミングです。迷っていない人に声をかけると、鬱陶しく感じられることもあるそうです。
髪専用タオル、ジャムの棚、カレーペーストの瓶、そしてメガネ屋さんと、話は続きました。4つの売り場の例を重ねたあと、小阪さんはまとめでこう話しました。
小阪裕司さん(動画の中で・10:33〜)
選ばせるんではなくて、お客さんが選びやすく[…]してあげるというところがポイントです。
選ぶのは、最後までお客さん自身です。私はこう受け取りました。売り手にできるのは、その手前にある重い荷を、そっと軽くしておくこと。
迷っているのは、お客さんの弱さの印ではありません。こちらがまだ言葉を置いていない場所の印。迷わせない一言とは、お客さんの手が止まる場所に、こちらが先に置いておく言葉のことだと、私は受け取りました。その場所を見つけたら、私は一言を足しに行きます。
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参考リンク
今回紹介した動画の本編です。時刻つきの発言は、ここで確かめられます。
人間が人間であることを生かし、企業を活かす、というミッションを掲げ、代表の小阪裕司さん(博士(情報学))の経歴と取り組みを紹介する、オラクルひと・しくみ研究所の公式サイトです。
今回紹介した動画
小阪裕司の「商売道場」(2026年10月9日公開)
https://www.youtube.com/watch?v=29BoZc53oog
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