
ClaudeとObsidianでセカンドブレインは15分で作れる。
でも9ヶ月運用して分かった本当の壁
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
今週、ブックマークを整理していたら、妙なことに気づきました。まったく別の3人が、まったく同じ話を、示し合わせたわけでもないのに投稿していて、それぞれ確認時点で数万〜数十万回も見られていたんです。
15分でAIセカンドブレインを構築できます。コーディング経験不要。1000ドルのコースも不要。
— CyrilXBTさん(X)
Claude でこれをやっている人がもっと多くないなんて、まだ信じられない。
— obssnnnさん(X)
誰かがCLAUDE CODE内で7日間で完全な会社ブレインを構築した。Obsidianじゃない。完全にカスタム。
— Madni Aghadiさん(X)
さらに、日本語圏でも銀次さん(@ginji_aihack)が「NotebookLMを使い倒す32の方法」を書いて、確認時点で184万表示という化け物みたいな数字を叩き出していました。
根っこの発想はかなり近いです。「AIに、あなただけの情報を読ませ続ければ、検索エンジンが”あなたを知ってる相棒”に変わる」。
正直、この話は私にとって他人事ではありませんでした。なぜなら私は、もう9ヶ月前からObsidianを「母艦(ぼかん)」と呼んで、まさにこれをやり続けているからです。文書は5,300件を超え、AI秘書がベクトル検索で意味的に探せるところまで作り込んでいます。
だから今日は、海外でバズっている「15分でできる」という話と、9ヶ月間ずっと同じことをやってきた現場の実感を、正直に並べてみようと思います。結論を先に言うと——15分で作れるのは本当です。でも、15分で作れるものと、9ヶ月使い続けられるものは、別物でした。
この記事は「AIに自分だけの情報を覚えさせたい」「バラバラなメモをどうにかしたい」と感じている経営者・個人事業主の方に向けて書いています。プログラミングの知識は要りません。
海外バズの中身を、正確に読む

まず、元ネタを歪めずに紹介します。3つの投稿は微妙に手順が違うので、それぞれ見ていきます。
CyrilXBTさんの「15分レシピ」
ステップ1: Claude Desktopをダウンロード。ステップ2: Obsidianをダウンロード。ステップ3: 新しいボールトを作成し、.MDファイルをそこにドロップし始める。ステップ4: Karpathyのプロンプトを使ってClaude Codeにボールトへの接続を指示。
— CyrilXBTさん
たったこれだけ。研究者アンドレイ・カルパシー氏(元Tesla AI責任者)が公開した「セカンドブレイン構築プロンプト」をコピペするだけで、Obsidianの中身をClaudeが読めるようになる、という話です。
obssnnnさんの「3フォルダ構成」
Claude Code を単一のフォルダに狙い、何でも投入するんだ。記事でも、トランスクリプトでも、PDFでも。Claude はそれを読んで、すでに保存したものにリンクさせ、あなたが知っているすべてのものの生きているウィキに整理する。Claude が3つのフォルダを作成:ソース用のraw、ページ用のwiki、全体のループを実行するCLAUDE.md
— obssnnnさん
こちらは少し設計思想が具体的で、「生データを入れる場所」と「AIが整理した場所」を分ける、という発想です。実はこの「分ける」という一点、後で私の話にそのまま繋がってきます。
Madni Aghadiさんの「会社まるごとブレイン」
全社員、全エージェント、全SOPの生きている地図が1画面に。任意のノードをクリックすると開く:どの部署に属しているか、どのSOPが添付されているか、実際にアクセスできるもの。そのパーミッション層がゲームのすべてだ。
— Madni Aghadiさん
これはObsidianすら使わず、Claude Codeだけで1週間かけて「会社の脳」を自作した話。権限(パーミッション)ごとに見える情報を変える、という一段深い設計です。
3つとも共通しているのは、「入れる」ところまでの話だということ。入れた後、それを何ヶ月も使い続けたらどうなるか、までは書かれていません。
9ヶ月・5,300文書のセカンドブレインで、実際にやってみて分かったこと

私の「母艦Vault」は、こんな構成でスタートしました。
| 海外バズの標準構成 | 私の母艦Vault(開始時) | |
|---|---|---|
| 保存場所 | Obsidianの1ボールト | Obsidianの1ボールト(呼び名「母艦」) |
| フォルダ数 | 3つ(raw / wiki / CLAUDE.md) | 5つ(過去のコンテンツ/デイリーノート/カード化ストック/AI対話記録/その他) |
| 接続AI | Claude Desktop / Claude Code | Claude Code + AI秘書「凛」 |
| セットアップ時間 | 5〜15分 | 半日〜1日(フォルダ設計を試行錯誤) |
ここまでは、海外の話とそう変わりません。実際、最初の設計は驚くほどスムーズに動きました。問題は、そこから9ヶ月続けたあとに起きたことです。
壁1:「資産」と「まとめ」を分けないと、AIの出力が濁る
最初の数ヶ月、私は思いつくままに全部を1つのフォルダに放り込んでいました。LIVE配信の文字起こし、雑なメモ、AIが勝手に生成した下書き……全部が同じ場所にある。
すると何が起きたか。AIに「私の考えを要約して」と頼むと、私自身の生の言葉と、AIが以前勝手に膨らませた文章が混ざって返ってくるようになったんです。自分で言った覚えのない表現が、まるで自分の言葉のように出てくる。
これに気づいて、「資産(雑多な生データ)」と「まとめ(精製済みのコアな内容)」を明確に分けるルールを敷きました。さらに「AIが生成したコンテンツ」と「自分の生メモ」も分離。地味な作業ですが、これをやらないと、9ヶ月も使い続けたころには自分の言葉かAIの言葉か分からなくなる、という怖い状態になります。この話は以前、Claude Codeで経営者の言葉をマーケ資産化する方法という記事でも詳しく書きました。
壁2:ハード面は正直、想像より重い
音声・動画をそのまま放り込むと、あっという間にボールトが重くなります。私の場合、最初は32GBあれば十分だろうと見積もっていましたが、実際にデータが増えていくとそれでは足りなくなり、最終的にメモリ128GBまで積み増しました。動画・音声の元ファイルはクラウドに逃がして、テキスト化した文字起こしだけを母艦に残す。ここは海外の「15分でできる」という話には、まったく出てこない部分です。
壁3:習慣化しないと、宝の持ち腐れになる
Vaultを作った直後は、みんな熱心にメモを取ります。でも3週間目くらいから、書く手が止まる。私の場合、AI秘書が朝と夜に「今日は何があった?」と問いかけてくる仕組みを入れてから、ようやく継続できるようになりました。これは道具の問題ではなく、習慣の設計の問題でした。
育ってきた実感:過去の自分と話せるようになった
ここまで正直に「壁」ばかり書きましたが、良かったこともちゃんとあります。ある朝、AI秘書に「誰のために伝えるか」と投げて検索をかけたら、何年か前にLIVEで話した一言がそのまま返ってきました。過去の自分の発言が、AIの中から自分に返ってくる。この体験は分身AI日記のDAY73にも書きましたが、9ヶ月やり続けて初めて起きた出来事です。15分では、この瞬間には辿り着けません。
| 壁 | 海外バズでは触れられない理由 | 私がやった対処 |
|---|---|---|
| ①資産とまとめの混在 | 「15分」の外側(運用開始後)で起きるため | フォルダを「資産」と「まとめ」に分離。AI生成分と生メモも分離 |
| ②ハード面の重さ | セットアップ直後は容量が小さく問題化しない | メモリは32GBでは早々に足りなくなり128GBまで増設。動画・音声原本はクラウドへ退避しテキストのみ母艦に残す |
| ③習慣化の壁 | 作った直後のテンションでは見えない | AI秘書による朝夜の問いかけ自動化で継続を後押し |
ちなみに、「AIに何を任せて、何を自分の判断として残すか」を段階的に仕分けるという発想は、分身AIの任せ方を3段階に分類した話(DAY43)でも書いた考え方と同じ根っこです。セカンドブレインも「情報の全部をAI任せにする」のではなく、資産の置き場所ごとに扱いを分けることが、9ヶ月続けられた一番の理由でした。
これはエンジニアだけの話ではありません
「Obsidian」「CLAUDE.md」という言葉だけ聞くと、エンジニア向けの話に見えるかもしれません。でも本質はもっとシンプルです。
多くの経営者が抱えている悩みは、実は「情報がバラバラで、同じ説明をAIに何度もし直している」ことです。商談の議事録、過去のメルマガ、LIVEで話した内容、思いついたアイデア——これらが全部別の場所に散らばっていて、必要なときに探し出せない。
セカンドブレインの本質は、こうした情報を1箇所に集めて、AIに「あなたの文脈」を持たせることです。プログラミングの知識は要りません。実際、私が最初にやったのは「フォルダを作って、メモをドロップする」という、ワードやメモ帳と大差ない作業でした。
これは、Gemini SparkのようなAIエージェントを24時間常駐させる話(Gemini Sparkの使い方で紹介しました)とも根っこは同じです。AIに任せる範囲を広げるほど、AIが参照できる「あなたの文脈」の質が、成果を左右するようになります。
今日から始められる、3つのステップ

海外バズの「15分レシピ」を否定するつもりはありません。むしろ最初の一歩としては、とても優れています。ただ、9ヶ月続けるなら、順番を少し変えることをおすすめします。
ステップ1:まず「資産」と「まとめ」の2フォルダだけ作る
いきなり5フォルダも作らなくていい。最初は「雑多に放り込む場所」と「AIに読ませたい精製済みの場所」の2つだけで十分です。
ステップ2:AIが生成したものと、自分の生の言葉を、物理的に分ける
同じフォルダに混ぜない。これだけで、半年後に「これは自分の言葉だったか、AIの言葉だったか」と迷う事態を防げます。
ステップ3:習慣化の仕組みを先に決めてから、本格運用に入る
朝夜の問いかけでも、週1回の棚卸しでもいい。「書く手が止まる3週間目」を想定して、先に対策を仕込んでおく。この「決めた仕組みを回し続ける」という考え方は、PDCAはもう古い?Loop Engineeringを経営者の言葉でで書いた話ともつながっています。セカンドブレインも、一度作って終わりではなく、小さく回し続けるものだと捉えると続けやすくなります。
判断そのものをAIに委ねすぎることの怖さについては、AIに任せるほど自分の会社がわからなくなる、という話にも書きました。セカンドブレインも同じで、「何を溜めるか」「何を自分の判断として残すか」は、最後まで人間が握っておく部分だと思っています。
ひろくんのコラム——「15分」と「9ヶ月」の間にあったもの
正直に言うと、海外の投稿を読んだとき、少し複雑な気持ちになりました。私が9ヶ月かけて、失敗しながら組み上げてきたものが、「15分でできます」の一言で片付けられている気がしたからです。
でも冷静に考えると、それは嘘じゃないんですよね。最初の器を作るところまでは、本当に15分でできる。私自身がそうでした。
違うのは、そこから先です。器を作ることと、その器を9ヶ月使い続けて、資産と雑多な情報を分けて、習慣として根付かせることは、まったく別の技術でした。競争より共創だと思ってるので、海外の「15分レシピ」を否定する気は全くありません。ただ、その先に本当の壁があることだけは、正直に伝えておきたいなと思います。
よくある質問
- Q. ObsidianとNotebookLM、どっちを使えばいいですか?
- A. 役割が違います。Obsidianは「自分の思考をずっと蓄積していく母艦」、NotebookLMは「渡した資料の範囲内だけで、ウソをつかずに答えてくれる調査ツール」です。銀次さんの記事(NotebookLMを使い倒す32の方法)にもある通り、NotebookLMは回答すべてに引用元リンクが付くのが強み。私は日々の思考の蓄積はObsidian、特定の資料を深掘りしたいときはNotebookLM、と使い分けています。
- Q. コーディングの知識がなくても本当にできますか?
- A. はい。私自身、最初にやったのはフォルダを作ってメモをドロップするだけの作業でした。Claude Codeへの接続部分も、公開されているプロンプトをコピペするところから始められます。難しく感じるのは「その先、何ヶ月も続けるとき」の設計の部分です。
- Q. 15分で作った後、何から気をつければいいですか?
- A. 一番最初にやってほしいのは「AIが生成した文章」と「自分の生のメモ」を、同じフォルダに混ぜないことです。この一手間だけで、後々「これは誰の言葉だったか分からなくなる」問題をかなり防げます。
まとめ:作ることは目的地じゃなく、出発点だった
海外で3人が同時多発でバズらせた「15分でセカンドブレイン」は、嘘ではありません。今日から小さく始められる、いい入り口です。
でも9ヶ月やってみて分かったのは、セカンドブレインの価値は「作った瞬間」ではなく「育ち続けた先」にあるということでした。過去の自分の発言が、意味のある形で自分に返ってくる。そこに辿り着くまでには、資産とまとめを分け、AIの言葉と自分の言葉を分け、習慣として根付かせる、という地味な積み重ねが必要でした。
競争より共創です。海外の「15分レシピ」から始めて、そのままやめてしまってもいい。もしこの先も続けたいと思ったら、今日書いた3つの壁を、先回りして知っておいてもらえたらうれしいです。
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参考リンク:CyrilXBTさんの投稿(X) / obssnnnさんの投稿(X) / Madni Aghadiさんの投稿(X) / 銀次さんの「NotebookLMを使い倒す32の方法」(X Article) / 分身AI日記 DAY43
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この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。