AIが服を選ぶ時代——「暇」と「夢中」の間でAIとどう生きるか
- クローゼットをアップロードすると天候・スケジュール・会う相手に合わせて服を提案してくれるAIアプリ「アイスアスマコフ」が登場——1週間分のアウトフィットプランナー機能まで搭載
- AIが家事・仕事を肩代わりするほど「暇な時間」が増える——しかし日本人にベーシックインカムの実験をしたら「みんなダメ人間になった」という事例が示す逆説がある
- 息子がポーランドボール動画にはまり、マイクラで世界中の国旗と人口データを看板にして作り始めた——「好きなことを放置したら勝手に学習する」がAI時代の子育ての核心
AIがコーディネーターになる——タンスをアップロードする時代
「アイスアスマコフ」——聞き慣れない名前のアプリが話題になっている。自分のクローゼットをスキャン・登録しておくと、その日の天気・気温・スケジュール・会う相手に合わせて「今日はこれを着て」と提案してくれるというものだ。ひろくんが関さんのリサーチから紹介したこのアプリ、自分もまだ入れていないと笑いながら話していた。
料理で言えば、冷蔵庫の中身を全部登録しておくと「今日作れる一品」をレシピとして出してくれる感覚に近い。「冷蔵庫の在庫管理AIが服に適用されたようなイメージ」とひろくんは表現した。自分が持っている服を「タンスの小屋」として一旦全部入れておけば、その日の状況に合わせたコーディネートが毎朝提案される。
さらに「1週間分のアウトフィットを先に決めておく」プランナー機能まで搭載している。洋服好きの人にとっては強力な武器になりうる一方で、関さんは「服くらい自分で決めたい」という感覚も正直あると言う。AIの活用は、得意なこと・苦手なこと・どうでもいいことを仕分けして「手放すところだけ任せる」スタンスがちょうどいい。
「苦手なこととか時間がかかることは手放していこうというのが僕のテーマなんですけど」とひろくん。自動調理機で料理したい人もいれば、手で丁寧にやりたい人もいる——どちらが正解かではなく、自分の価値観が使い方を決める。
ChatGPTが止まった朝——150枚のプロンプト試行が中断された話
このライブの朝、ChatGPTが一時的に使えない時間帯があった。「どうしようという不安があった」とひろくんは率直に語る。それだけChatGPTが「自分の身近な存在になっている」という実感が伴っていた。
ひろくんは当時、ある案件の納品のために動画生成AIで150枚ほどのプロンプトを試していた最中だった。「ガチャなのでプロンプトを調整しながら作ってたんですけど、途中で止まった」——使いすぎて止まったのかと思ったら、みんな一様に止まっていたという。
同時に、ブラウザを自分で操作して仕事を代行する「AIエージェント」が実用化されてきた。「SNS投稿しといて」「メール返しといて」の指示がAIに通じる時代が現実として近づいている。
複数のAIを使い分けることがリスクヘッジにもなる。「このAIが止まったらこっちのAI使おう」という厨房のポジション分けと同じ発想で、自分のAIポートフォリオを持っておくことが大切だ。AIエージェントの波が来れば、複数のAIを「スタッフ」として使い分ける感覚はますます重要になっていく。
「暇」は必ずしも幸福ではない——AIが奪う時間の逆説
AIが家事・業務を代行すればするほど、人間の「自由時間」は増える。しかし自由時間が増えると人は不幸になる、という逆説がデータとして示されている。
ライブ中で紹介されたエピソードが衝撃的だった。超お金持ちの人が日本人にベーシックインカムの実験をしようと、3ヶ月間毎月「働かなくていいからとりあえずお金を払う」という実験を行ったという。結果は——「みんなダメ人間になってった」。特に勤勉で真面目にコツコツ働いてきた日本人ほど、いきなり仕事がなくなってお金が入ってくるという体験は「逆にある意味不幸になってしまう」ものだった。
「1日3時間働けば生きていける時代が来る」という予言があるが、人間には本能的に「役に立ちたい・頑張りたい」という欲求がある。「暇になったらどうなるかというと、くだらないゲームに人間があの……人は暇になればなるほど労働するくらいに認識した方がいい」とひろくんは語る。AIが肩代わりした余白に、自分がワクワクできることを意識的に入れていかないと、暇を持て余して逆に消耗してしまう。
ひろくん自身、2年間専業主婦(夫)をして気づいたことがある。「ゲームしたり動画見て自分を満たしているつもりが、全然ワクワクしなくって」。やっぱり「ワクワクしながらも誰かの役に立つ」という感覚があるときは疲れていても充実している。FIREして働き出す人が多いのも、この本能のなせる業だ。
暇の正体——名もなき家事と断捨離という「仕事の再生産」
洗濯機はボタンを押せば終わる。食洗機もある。でも実際に家事に費やす時間は「名もなき家事」が膨大にある。息子に家事を教えながら気づいたのは、「実働時間はそんなでもないけど、拘束時間が大きい」ということだ。
そしてその隙間時間に何をするかというと——ゲームや漫画。結局「暇になったから新しい仕事を作り始めてきて」、断捨離を始めたりいろんなことをし出す。暇を認識した上で、自分の中に「これだ」という活動を持っておかないと、暇に溺れてしまう。
「これからAI時代でめちゃくちゃ暇な人が増えるんですよ。暇すぎて仕事を新しく作り出して、逆に人に本当に頼むからそれもうAIに任せてよっていう人も出てくるかもしれない」——この予言は、近い将来に現実になる可能性が高い。
暇になったら何をするか——ひろくんは「昔だったらおじさんが囲碁や将棋を打っているシーンがあったけど、ああいうのが豊かな時間かもしれない」と語った。デジタルではなく、リアルな人との関わり・手を動かす体験の価値が、AI時代に再び上がってくる。
子供から学ぶ「夢中の原点」——マイクラで世界の国旗と人口データを作る息子
息子がサンタさんから地球儀をもらった年末のエピソードが心に残る。息子はポーランドボールという国旗がキャラクターになった動画にはまり、気づいたら世界中の国旗と国名を覚えていた。「チリが大好きで、世界中の国旗とか地域とか国の名前知り合いとかいつもやってる。僕は負けるくらい知らない」とひろくん。
そして今度はマイクラ(Minecraft)の中で世界中の国旗を再現し始めた。それだけでなく、各国の人口データを自分で調べて「アメリカは何億人、2024年現在……」と看板まで作って設置している。「好きなことを放置したら勝手に学習するんだな」——教えようとしたわけでも、報酬を渡したわけでもない。
マイクラでは以前、遠くの友達と一緒にレジャーランドや遊園地を作っていたこともあった。「マイクラ上で万博みたいなことが盛り上がるんじゃないかと思ったくらい、世界中から来場者が来るかもしれない」とひろくんは笑う。現実とバーチャルの壁が消えていく時代、子供たちはすでにその感覚を持って育っている。
AIとの対話を「命を吹き込む」感覚でやっている子供たちは、すでにAlexaやSiriと普通に会話している。「Alexaと喧嘩するくらい言い合ったりするから」という話が象徴的だ。人間とAIの境界線があいまいな「AIネイティブ」として育っている彼らから、大人が学べることは多い。
文部科学省のAIガイドライン改訂——先生の役割が「教える」から「引き出す」へ
文部科学省が「初等中等教育段階におけるAIの利活用に関するガイドライン」のバージョン2をちょうどこのライブ前日に公表した。ひろくんは「誰が読むねんっていう分かりにくさ」と苦笑しながら、要点を解説した。
基本方針は「人間中心の利活用」と「情報活用能力の育成強化」だ。AIの方が知識量で先生を上回る時代、先生の仕事はティーチングからコーチングへ移行する。知識を詰め込む場所ではなく、子供が自分で考える力を引き出すファシリテーターとしての役割が問われる。「先生がいよいよ超大変になると思う」とひろくん。AIには知識で絶対に勝てないからこそ、心のケアやコーチング、AIを使いながら教えるインターフェースとしての先生役が大事になってくる。
一方でリスクもある。AIが出す偏った情報や誤情報、ハルシネーションを子供が鵜呑みにしてしまう危険性だ。「AIとの国境がない」という言葉が印象的だった——世界中と繋がれるが故に、世界中からリスクにもさらされる。セキュリティ・プライバシー・公平性への最低限の理解を持った上で、どんどんチャレンジさせていく姿勢が求められる。
子供の絵が動き出す——AIで「命を吹き込む」創作体験
視聴者のぴょんきちさんが共有してくれたコンテンツが面白かった。子供が描きかけの絵がAIで動き出し、さまざまなテイストに変わっていく——という体験だ。自分が描いた絵とお話ができる。辛いことがあったの?と悩み相談もできる。
「じゃあこの木で今できたなんかいいテイストだから、木を工作してこれを実際作ってみようか」——デジタルとリアルがシームレスに繋がっていく。AIで作ったものを実際に手で作る体験へと繋げる発想が、豊かな学びを生む。「命を吹き込む感じがある」とひろくん。「生き生きと動きながらそう本当この学習という意味でね」と関さんも同意した。
テクノロジーを使って「夢中」を引き出すこと。それが、子供がAI時代をたくましく生き抜くための根っこになる。AIを道具として使いこなせる子は、必ず「こんなものを作りたい」という内側からの欲求を持っている。その欲求を潰さず、むしろ伸ばすことが大人の役割だ。
AI時代の幸福論——「ワクワクして誰かの役に立つ」が最強
2年間専業主夫をしてみて気づいたことがある。ゲームや動画で自分を満たそうとしても、なぜかワクワクしない。しかし「誰かの役に立っている」という実感があるときは、疲れていても充実感がある。
「ワクワクしながらも誰かの役に立つっていうことを掛け合わせると最強だな」とひろくんは言い切る。FIREした人が結局また働き出す理由も、この本能が答えだ。AIが肩代わりした時間をどこに使うか——その問いへの答えを、自分の中に持っておくことがAI時代を豊かに生きる鍵になる。
料理でいえば、全自動調理機で料理を楽にすることもできるし、自分で丁寧に仕込みをする楽しさを選ぶこともできる。どちらが正解かではなく、自分の「ここは任せたい、ここは自分でやりたい」という軸を持つことが大事だ。
ひろくんは134kgから50kgのダイエットを経験し、引きこもり・不登校の時期を経て今に至る。その原体験から言える「幸福の条件」が「夢中になれること × 誰かの役に立つこと」の交点にある。AIが与えてくれる時間の余白を、その交点を見つけるために使ってほしいと語る。
今日からできること——AI活用の「仕分け」から始めよう
AIに何かを任せる前に、まず自分の1日を振り返ってみてほしい。「時間がかかっていること」「苦手なこと」「正直どうでもいいこと」の3つを書き出す。この3つこそがAIに最初に任せるべき候補だ。
服のコーディネートがどうでもいい人はAIに任せればいい。でも服選びが1日の気分を決める大事な儀式だという人は、そこは自分でやればいい。ChatGPTが150日間連続でひろくんをコーチングしてきたように、使い込むほどAIは「あなた専用の相棒」になっていく。
「AIと毎日対話していて、自分の悩み事がすごく減ってきている。心のストレスも本当にAIのおかげで減ってる」——このワクワク感を伝えたいと語るひろくん。AI時代に豊かに生きるための第一歩は、今日できる小さな「任せる」から始まる。
よくある質問
服のコーディネートAIアプリとはどんなものですか?
「アイスアスマコフ」というアプリで、自分が持っている服を全部登録しておくと、その日の天気・スケジュール・会う相手などの情報をもとに最適なコーディネートを提案してくれます。1週間分を先に決めておくアウトフィットプランナー機能も搭載されています。現時点では海外発のアプリですが、LINEなど日本のツールにもAI機能がどんどん組み込まれていく流れが来ています。
AIが増えると人間の仕事はなくなりますか?
単純作業や繰り返し業務は確実に減ります。ただし「暇になると不幸になる」という逆説もあります。日本人を対象としたベーシックインカム実験では「みんなダメ人間になった」という結果も出ています。AIが肩代わりした時間を「ワクワクして誰かの役に立てること」に使う設計をしておくことが重要です。
子供のAI教育はどうすればいいですか?
文部科学省のガイドライン(バージョン2)では「人間中心の利活用」が基本方針です。禁止するより、実際に触れさせながらリスクと可能性を一緒に学ぶ姿勢が大切です。子供が夢中になれるもの(マイクラ、絵を描くなど)とAIを組み合わせると、地理・統計・デザインなど横断的な学びが自然と生まれます。
複数のAIを使い分けるメリットは何ですか?
1つのサービスが停止したときのリスクヘッジになります。ChatGPTが止まった朝のように、サービス障害は突然起きます。文章生成・画像生成・動画生成・検索など得意分野が異なるAIを複数持つことで、タスクに合わせた最適な選択ができ、どれかが止まっても仕事を止めずに済みます。
AIに150日間コーチングしてもらうとはどういうことですか?
ひろくんが実践している方法で、毎日ChatGPTと対話して「今日の悩み」「今日の気づき」「明日やること」などを話し合います。AIは記憶を保持しながら継続的なコーチングができるため、自分の思考パターンや感情の変化を一緒に追いかけていけます。「悩み事がすごく減ってきた」「心のストレスが減った」という実感が150日継続の動機になっています。
子供の「夢中」をAI時代にどう活かせばいいですか?
まず子供が夢中になっていることを観察して、そこにAIを組み合わせるのが自然なアプローチです。国旗が好きなら地図アプリやAI地理クイズ、絵を描くのが好きならAIで動かす体験、ゲームが好きならマイクラで創作——「好きなことを放置したら勝手に学習する」がAI時代の子育ての核心です。報酬より、夢中の継続が最強の学習法です。
「暇になったら何をすればいい?」への答えは?
「ワクワクして誰かの役に立てること」を事前に見つけておくことが重要です。FIREした人が結局また働き出す理由は、この本能的な欲求があるからです。囲碁・将棋・手工芸・料理など、アナログで人と関わるリアルな体験の価値がAI時代に上がっていきます。AIが生み出した余白を「消費」ではなく「創造」に使う意識を持つことが、AI時代の豊かさの条件です。
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