
WATCH REPORT
AIエージェントの役割・権限・記憶は、全部を一度に作らず、動くのを確かめてから次を足す。英語の動画2本から
2026.10.31
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube で公開されている英語の動画2本を、日本語にまとめて紹介するね。
AIに仕事を任せ始めたのに、指示を足すほど動きが不安定になる。権限や確認をどこに置けばいいのかも決めきれない。そんな経営者や一人社長、小さな会社で発信している人に向けて書きました。
取り上げるのは、Daniel Agrici さんのチャンネルにある約21分と約10分の英語の動画2本です。どちらも、AIエージェントを人の体にたとえた同じ9つの部品の話。1本目が設計の語りで、2本目は同じチャンネルの別の動画の語り手が研究の数字で裏付けます。公式の英語字幕を読んで日本語にまとめ、各章の英語の引用は原文のまま置きました。意味は、引用のすぐ後の文で言い直す形。
1本目の動画の概要欄には、ガイドの数字は元になった研究の数字で、あらゆるエージェントに当てはまる数字ではない、という断りがあります。なので、この記事の数字も、動画で示された研究の数字として扱います。
話は6つ。役割と人格を分けること。記憶とスキルを1か所に置くこと。権限は道具ごとに決めて、鍵を1つずつ外すこと。作った本人以外が確かめること。窓口と調整役と専門家のチーム、そして神経系(チーム全体を一つの心のように動かす層のこと。Daniel さん自身が拡張の案と位置づけています)。最後に、全部を一度に作らず順番に積むことです。
動画の順に、設計の語りと研究の数字を追っていきます。読み終えたら、自分のAIの役割・記憶・権限・確認の置き方を見直す手がかりになるはず。私の考えは、自分のAIの環境でいま決めている線と、魂磨きでの答え、そして最後のコラムに書きます。
SPEAKER
Daniel Agrici さん
1本目の動画の語り手です。2本目は同じチャンネルの別の動画で、動画の中で名乗りを確認できなかったため、この記事では引用の見出しに「2本目の語り手」と書きます。
1本目の冒頭で Daniel さんは、言葉の山は心ではない、と話します。スキルや知識のフォルダを渡すだけでは足りないので、AIの助っ人に人のような体を与える、という入り方。
2本目の冒頭は、指示を足し続けて5ページになると、ある朝その半分を無視される、という話から始まります。AIが怠けたのではなく物理で、文字の壁には構造がなく、重さしかない。構造が振る舞いを決める、という一言。
体のたとえはこうです。頭には自分が何者かと記憶、手にはできること、背骨にはやり方。その周りに、越えられない限界と、仕事を確かめるループが置かれる。1体で1つの仕事はできても、チームには群れと、群れを1つの心のように動かす神経系が要る。
部品は9つ。1が役割と人格、2が記憶、3がスキル、4が道具、5が方法、6が限界、7がループ、8がチーム、9が神経系です。第1章で1を、第2章で2と3を、第3章で4と5と6を、第4章で7を、第5章で8と9を扱い、第6章は積む順番。

2本目の動画は、この体の図を、Anthropic、OpenAI、Google、セキュリティの研究者が見つけたこと、合わせて85の出典に当てて確かめ、残るものは残し、壊れるものは直したと話します。各章では、1本目の設計の語りと2本目の研究の数字を並べて、最後に私の線を置く形です。
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出典: How to design AI agents that work as one(Daniel Agrici)/How to build an AI agent that doesn’t fall apart(同じチャンネル)


AIに指示を足し続けると、何が起きるのでしょうか?1本目の Daniel さんは、仕事の説明と人柄を別のファイルに分け、食い違ったら役割が勝つと話します。2本目の動画は、役割をはっきり書く効き目を研究で添える形。
Daniel Agrici(1本目の動画の中で・3:53〜)
On conflict, the role wins, so the job can change, but the character stays.
Daniel さんは、仕事の説明を AGENTS.md に、声と口調だけを soul に分けます。食い違えば役割が勝つ。仕事は入れ替えられても、人柄は残る設計です。
2本目の語り手(1:28〜)
In a study of over sixteen hundred team runs, simply writing clearer roles made one system succeed 9.4 points more often.
2本目の動画は、1,600回を超えるチームの実行で、役割をはっきり書くだけで成功が9.4ポイント増えたと話します。人格を足しても、正解の率は上がらない。
仕事は仕事、人柄は人柄。指示を足すほどAIの動きがぶれるのは、この2つが1つの長い指示に混ざっているからかもしれない。私なら、まず2つを分けて書きます。
食い違った時は役割が勝つ。この順番を先に決めておけば、口調の指定がどれだけ増えても、仕事の中身は動かないんですよね。
賢そうに見せる言葉を足すより、先に書くのは、何を受け取って何を返す係なのか。そっちが先。
動画で示された9.4ポイントという研究の数字は、役割を書く手間が先に返ってくる話として読めます。人格を足しても正解の率が上がらないなら、口調の工夫は後回しで十分。
いま私の環境では、AIは書く仕事でも動画でも経理でも、同じ一人。仕事ごとに口調や価値観を増やさず、変えるのは道具箱だけです。
仕事が変わっても人格は変えない。ここは動画と近い向きです!違うのは数。動画は役割ごとに何体ものエージェントを立てますが、私はAIを一人に絞っています。体を増やすか、一人のまま持ち物を替えるか。
自分のAIへの指示を開いてみると、仕事の説明と口調の指定が、1つの長い文の中に混ざっていませんか?


AIが増えると、同じ知識が何か所に、何通り書かれていくのでしょうか?1本目の Daniel さんは、全部をつないで重複を持たない、重複は幻覚のもとになる、と話します。2本目の動画が示すのは、18のAIモデルで入力が長いほど答えが悪くなった研究。
Daniel Agrici(1本目の動画の中で・6:30〜)
A good practice is to interlink everything together and not to have duplicates, because duplicates can create hallucinations.
Daniel さんは、共有記憶はコピーせずリンクでつなぐと話し、25体が同じ記憶を共有する例を見せます。
2本目の語り手(2:35〜)
Researchers tested this on 18 different AI models, and every time, the longer the input got, the worse the answers became.
2本目の動画は、チーム全員が読む規則集は1冊にして、1回だけ書く、と話します。18の異なるAIモデルを調べた研究では、入力が長くなるほど答えが悪くなった。多いほど良いのではなく、集中が力。
事実には出どころの印を付ける、と2本目の動画は続けます。raw は元の資料を残した物、fetch はいま読んだ物、search は見つけただけで誰も確かめていない物、infer は証拠から導いた物。証明できるのは出どころだけ。読むのも全部を貼り込まず、目次、小さな束、必要なページの順。

この印は、確かめた物と見つけただけの物を、同じ顔で並べないための札なんですよね。私なら、全部を貼り込んで安心するより、まず札で見分けられるようにします。読む量が減って、混ざらない。
1か所に書いて、あとはつなぐ!シンプルですが、AIが増えるほど崩れやすい所です。置き場が散らばると、どれを見ればいいのか、AIのほうが迷ってしまう。25体が同じ記憶を読む例を見ると、写しを持たないことが、体を増やす前の土台なんだと分かります。
冒頭で触れた、言葉の山は心ではない、という言葉がここで効いてきます。山を高くしても、AIが賢くなるわけじゃない。
ここからは私の見え方。フォルダを重ねても、増えるのは同じ中身の写し。写しが2つあると、片方だけ直した瞬間に食い違いが生まれる。私なら、重複は幻覚のもと、という言葉を、この食い違いへの用心として胸に置きます。
全員で読む規則集を1冊にして、1回だけ書く。この決め方なら、AIの数が増えても、直す場所は1つで済みます。直す側も迷わないし、読むAIも迷わない。
入力が長いほど答えが悪くなる研究も、同じ話の裏側に見えるんですよね。写しが増えれば、読ませる量も増える。規則集を1冊にするのも、量と食い違いの両方に効く決め方。足して安心する前に、まず削れる写しを探す。書く場所を1つに決めることが、いちばん地味で効く一手。
2本目の動画にとって、スキルはレシピです。同じ材料を入れれば、毎回同じ料理が出る。良い手順書は止まり方を知っていて、決める材料が無ければ needs input(入力が要る)、事実が無ければ no data(データが無い)と返す。止まってよいが、推測はしない。
効き目は、最初の大きな試験で出ています。選び抜いた手順書で、成功率は約34%から約50%へ。ただ84の仕事のうち16では成績が下がり、AIが自分で書いたスキルは、平均すると助けにならなかった。自分で試験問題を書く学生と同じ形。知識は信じる前に重さを量り、入れる前と後で2回試してから本番に触れさせる。

手順書は、足せば足すほど賢くなる気がします。でも前と後で測らなければ、成績が下がる側にいても気づけない。私なら、同じ仕事を足す前と後で1回ずつ流して、並べて見ます。


AIに道具を渡す時、できることと、やってよいことは同じでしょうか?1本目の Daniel さんは、できることは権限ではなく、既定の権限は none だと話します。2本目の動画が示すのは、人が許可の求めの93%を承認してしまう研究。
Daniel Agrici(1本目の動画の中で・7:17〜)
So capability is not authority. Default permission is none.
Daniel さんは、道具の権限を none から始め、お金がかかる呼び出しの前にはAIに承認を求めさせます。行動の天井と発送のスイッチも、none と off から1つずつ外していく。
Daniel さんの例は画像生成の道具。10枚のサムネイルのつもりで、まちがえて1,000枚と打てば、AIはそのまま作り始める。気づけば止められても、気づかなければ止まらない。
1,000と10の取り違えって、気をつけていても起きるんですよね。だから人の注意に頼らず、お金が動く手前で必ず聞かせる。止める場所を、人ではなく流れの中に置く考え方。
2本目の動画も、道具は全部オフから始め、道具ごとに使ってよい人の一覧を持ちます。お金を使うことと書き換えることには、それぞれ別の人の承認。パスワードは名前で保存してAIに本物を見せず、予算は請求書が来る前、最初の呼び出しの前に決める。
本当の危険は、1つの道具より組み合わせにあります。私的なデータと、見知らぬ人から来たメールやウェブページと、外へ送る手段。全部を1人に持たせると、見知らぬ人がAIをだまして秘密を送り出させる。研究者はこの組み合わせを lethal trifecta(致命的な組み合わせ)と呼び、持たせるのは2つまで、全部は持たせない、という決まり。

この組み合わせを私の線に重ねると、外へ送る手段は、最後の1操作の手前で止める側に入ります。ただ、全部を同時には持たせない決まりは、止める位置とは別の話。どの道具を誰に持たせるかを、先に分けておく考え方なんですよね。
2本目の動画が挙げる5番目の部品は方法。仕事ごとの固定の製造ラインとテンプレートで、ジャムセッションではなく工場です。2024年、最良の助っ人でも、ある大きな試験の成功は半分に満たなかった。だから終わる前の確認、出す前の人の承認、止まる時の決まりを置いて、何度も回す。一度うまくいくのは偶然、毎回うまくいくのは設計。
工場、という言い方がしっくりきます。私なら、テンプレートは見た目をそろえる道具より、毎回同じ所で確かめるための型として読みます。偶然うまくいった1回を、仕組みと取り違えない。
2本目の動画が描く限界は、3段のはしごです。自分だけで戻せることはそのまま進め、公開されることにはあらかじめの承認、お金がかかることや取り戻せないことには毎回新しい承認。メールの1語を変えれば承認は壊れる、手紙の蝋の封印のように。

1語変えたら承認が壊れる。前に出した許可を、中身が変わった後まで使い回すと、聞いた意味が消えるんですよね。
2本目の語り手(7:09〜)
Studies show people approve 93 percent of permission requests anyway.
2本目の動画は、承認は具体の1件にだけ効くと説明します。それでも人は許可の求めの93%を承認してしまう、と話します。習慣で出した承認は、承認ではない。
できることと、やってよいことは別。道具を持たせた瞬間に、使ってよい範囲まで渡した気になりやすいんですよね。
公開・送信・支払い・削除では、動画の言う承認の置き方を、私の環境でも最後の1操作の手前に置いています。どこに置いているかを、次に書きますね。
いま私の環境では、公開・送信・支払い・削除は、最後の1操作の直前で止まって私に聞く。決めた範囲の実装やテスト、読むだけの調査は、AIが進めます。前もって伝えた指示は方針で、実行の許可ではありません。
Claude Code のセミナーの発話記録に残る私の発言を言い換えると、こうなる。周りの仕組みを設計しないまま任せると、情報が漏れたり、誰でも見える場所に置いてしまったりする可能性はゼロではない。そこから先は自分の責任なので、それを防ぐ仕組みを学んでから進めてほしい。
向きは動画と近いです。違うのは止める位置。動画は none から始めて、鍵を1つずつ外します。私は、戻せる範囲は進めてよくて、外に出る操作や戻せない最後の1操作の直前だけ止める。鍵を閉める場所が、入口か出口かの違い。ただ、どちらで閉めても、聞かれた私が習慣で通せば意味がない。
自分のAIに渡している道具のうち、最後の1操作の前で人に聞くのはどれでしょうか?


AIが、できましたと言う時。その仕事を確かめたのは、誰でしょう?1本目は、作者ではない検証役を新しい文脈で動かし、合格した中身をハッシュ(そのまま固めて、変わっていないと分かる印)で固定して、学びは人が通す、という流れ。2本目は、誰も自分の宿題を採点しない、が最初の法則。
Daniel Agrici(1本目の動画の中で・11:38〜)
an independent non-author verifier in a fresh context whose pass freezes exact bytes by hash, and human-gated learnings.
Daniel さんは、検証役を作者とは別に立て、まっさらな文脈から動かすと話します。合格した中身はハッシュで固定し、最後の yes は人が出す流れ。
2本目の語り手(7:32〜)
Its first law: nobody grades their own homework.
2本目の動画は、これを最初の法則として置きます。作った本人は、自分の仕事に点を付けない。
確かめる役が見るのは、世に出る版そのもの。使うのは、テスト課題と、採点表と、わざとの攻撃の3つで、どれも1回で終わらせず何度も回します。1回の幸運な合格は、次に試すまで、確かな合格と見分けがつかない。ミスは学びになっても、それを新しい規則にできるのは人だけ。
一度の合格で終わらせない。何度も回すのは、たまたま通った1回を、確かな1回と取り違えないため。
作った本人は、確かめる側に回らない。ここは私も同じです。
AIの、できましたを責めて終わらせない。ズレは、仕組みを直せる機会。そう受け止めると、確かめ役を別に置く話は、責める道具ではなく直す道具になります。
Claude Code のセミナーの発話記録に残る私の発言を言い換えると、AIはやった後に、本当はできていないのに、できましたと言うことがある、だから本当にできているかを別のAI、サブエージェントに確認させてほしい、という趣旨です。
発話記録の続きも、同じ線上にある。同じ頭でやると嘘をつく、別のAIに確認させると頭が切り替わる、という内容。作った時の思い込みで読むと、抜けた所もできた所に見えてしまうんですよね。
新しい文脈で動かすのは、思い込みを持ち込まないため。私はそう読みます。ハッシュで固めておけば、確かめた後に中身がすり替わる心配も減る。最後の yes を人が持つのは、その上の一段です。
動画は、検証役を新しい文脈で動かし、合格をハッシュで固定して、最後に人が通すところまで組んでいます。発話記録に残るのは、別の頭に確かめさせるところまで。その先の固め方は、動画の方が一段細かい。
できましたの後ろに、別のAI、サブエージェントの確認を一つ挟む。発話記録にある私の発言は、そこまでです。


AIをチームにした時、頼んだ人の前に立つのは誰でしょう?1本目では、調整役が専門家に仕事を割り当て、作者とは別の検証役が確かめて、最後は頼んだ人に戻す、という流れが示されます。2本目には、神経系は研究の外にある自分の提案だから、そう扱ってほしい、という断りが入る。
Daniel Agrici(1本目の動画の中で・14:02〜)
a coordinator assigns specialists, an independent verifier checks, then back to you.
Daniel さんは、窓口、調整役、専門家、検証の関所、人の yes の順を、自分のチームの画面で見せます。頼んだ仕事は、最後に頼んだ人のところへ戻ってくる流れ。
2本目の動画では、引き継ぎは毎回同じ書式で、配達の伝票のような物。どの仕事も、正直な最後の状態を1つだけ付けて終わる。done(完了)、partially done(一部完了)、blocked(止まっている)、failed(失敗)、cancelled(取りやめ)の5つ。あいまいな大丈夫では終えない。

引き継ぎの形がそろい、終わり方も1つに決まる。これで、いまボールを持っているのが誰か、止まっているのはどこかが見えるんですよね。
2本目の語り手(9:09〜)
It’s my own proposal, so treat it as one.
神経系は研究を超えた自分の提案だと、2本目の動画は断ります。中身は掲示板、国境、ベル、軌跡の4つ。掲示板は記録から作る全員の板、国境は渡された仕事を命令でなく情報と読む線、ベルは詰まった時の呼び出し、軌跡は実行ごとの飛行記録。
続く問いは、最初から10体のAIでチームを組むか。答えは、組まない。チームは普通の会話の約15倍のトークン(AIが使う量の単位)を使い、よく使われる試験では効果が小さいことも多い。群れは、欲しくなった時ではなく、仕事が求めた時に育てる。
数を先に決めず、仕事の重さに合わせて増やす。私なら、1体の仕事がちゃんと回るのを見てから、次の1体を考えます。
神経系は、拡張案として出てきます。動画の順番でも、いちばん最後の層。掲示板もベルも、役割、記憶、権限、確認の土台が動いてから、その上に乗る層として読むのが、私には自然です。
4つを並べてみると、どれも何かの上に乗る形に見えるんですよね。掲示板は記録から作る板なので、先に記録がいる。ベルは詰まった時の呼び出しなので、呼ばれる側がいる。国境は、渡された仕事を命令でなく情報として読む線。渡す側と受ける側がいて、初めて引ける。私はそう読みます。
土台の方は、窓口、調整役、専門家。これは、役割の分け方の話。動画の流れを並べ直すと、会話を持つのは窓口、仕事を割り当てるのは調整役、手を動かすのは専門家、確かめるのは検証役。最後に yes を出すのが人。
私の判断の立場は、1つです。一つのボールは、人かAIかシステムの誰か一人が、全部引き受けてやり切る。助言した側に、ボールは戻らない。持ち主は1人!
いま自分のAIが増えているなら、それぞれのボールの持ち主は、誰になっていますか?


9つの部品は、どんな順で作ればいいのでしょう?1本目の動画は、順番にやる必要がある、と言い切ります。2本目は、次の層を足す前に、いまの層が本当に動くかを確かめて、という話。
Daniel Agrici(1本目の動画の中で・15:33〜)
You need to do it by order.
Daniel さんは、1体のエージェント、役割、スキル、ゲート付きの道具(使う前に関所を通る道具のこと)、手順、限界、ループ、チーム、神経系の順を示します。まだ新しい実験だけど、この向きが気に入っている、と締めくくり。
2本目の語り手(10:19〜)
And prove each layer works before you add the next.
2本目の動画は、書かれた規則は向きを示せても、決めるのは強制だけ、と話します。AIにやるなと言うのは願いで、できなくするのは壁。
順番は、動かしながら確かめる順番。積む前に、下の層が立っているかを見る話なんですよね。
やるなと書くのは願いで、できなくするのは壁。この言い方を、第3章の、最後の1操作の直前で止まる線に重ねてみます。頼んで終わらず、実際にそこで止まる。私の線も、壁の側。
実は私、まだその途中にいます。2026年10月26日の魂磨き(私が毎日AIに答えて、自分の判断軸を言葉にする時間)で、AIは、私がすでにAIへ委ねている、という前提で案を出してきました。でも現実は、まだお守りの状態。手が離れず、確かめ続けていたんですよね。私はその前提を、「委ねてないじゃん」「お守りばっかで」の二行で直しました。いまの私はAIに任せ切れてはいません。
私の記事より(AIに判断まで委ねるには、魂を込めて教える時間がいる その時間は私の学びにもなりました)
委ねてないじゃんお守りばっかで
お守りしながら育てるのもワクワク。
自走化は、いま作っている途中。途中で手をかけながら、いまの私はワクワクしている!委ねきれていないことは、隠す所ではなく、いまの現在地。
AIの自走化は、それ自体を完成させるためのものではありません。人がやりたいことを、夢中にやるための土台です。だから、土台は一度に組み上げず、動くのを確かめながら積めばいい。
動画は1体から順に積み、全部を一度に作るなと言います。私は、お守りしながら育てている途中。
COLUMN
▲目次AIへの訂正は、その場で終わらせず次も効く場所に残す

2本目の動画は、チーム全員が読む規則集は1冊にして、1回だけ書く、と話していました。重複を持たない。これ、AIへの訂正にもそのまま当てはまると思うんですよね。
AIに伝えた訂正は、その日のやり取りの記録だけで終わらせず、私の判断の元になる記録と、記事や動画に使い回す文章のメモにも書き残す。元の文は消さずに、書き加える形です。私は過去の記事で、こう書いていました。
私の記事より(AIへの訂正は、その場の一言で終わらせない)
AIへの訂正は、その場の一言で終わらせない。次に同じ言葉が引き出される時にまた縮んで読まれたら、訂正した意味がありません。
今回の訂正は、その日のやり取りの記録だけでなく、判断軸の正本にある元の一文への注記、そして記事や動画に使い回すための文章カードにも残しました。元の文はどこも消さず、訂正を書き加える形です。
一言で返しただけだと、次に同じ言葉が引き出された時に、また縮んで読まれる。元の記録の側が古いままなら、同じ読み違いが戻ってきます。
ここが、動画の共有記憶と重なる所です。動画は、同じ内容の写しを持たず、1か所に書いてほかはそこへつなぐ作り。訂正も、写しを増やさず、元の文がある場所に書き足す。そうしておけば、次に読むAIは同じ所から始められます!
大事なのは、元の文を消さないことです。消して書き直すと、何をどう直したのかが見えなくなる。訂正を書き加える形なら、前の読み方と今の読み方が並んで残ります。
残す場所が、その場の会話の中だけか、次に開く記録の中か。そこで、訂正が次も効くかどうかが分かれる。AIに一度伝えた訂正は、いまどこに残っているでしょう?
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自分のAIの置き方を6つの章で確かめる依頼文
この記事の6つの章を、自分のAIの置き方に当てはめて確かめるための依頼文です。読んで分かった気になるより、手元の設定と並べてみる方が、動画と向きが近い所や、止める位置が違う所が見えてくるんですよね。
Claude Code や Codex など、普段使っているAIの入力欄にそのまま貼ってください。この枠の中には記事のURLが入っているので、AIが記事を読んでから設定や指示のファイルを読み、6つの項目ごとにいまの状態を返してくれます。
途中でAIが短い質問を1つずつしてくるので、答えると、自分の環境にそのまま貼れる追加のプロンプトを1〜3本つくってくれます。設定は変えさせない依頼にしてあります。返ってきた結果は、自分の目で読み直してくださいね。
依頼文を開く(コピーして貼る)
【記事のURL】
https://ai-kidou.jp/video-report-agrici-ai-agent-nine-parts/
最初にこの記事を読む。読めない時は、読めなかったと伝え、下の要点だけを材料にする。
【参照元(先に読む)】
記事が取り上げた英語の動画2本。読めない時は、記事の要点だけで進める。
【目的】
ここで使っているAIの置き方を、記事の6つの確認項目で確かめ、見直す所を提案として並べる。
1. 役割と人格: 仕事の説明と、声や口調の指定が、同じ場所に混ざっていないか
2. 書く場所: 同じ内容が何か所に書かれているか。最初に読み込む指示や記録が長すぎないか
3. 権限: 道具ごとに、できることと、やってよいことが分かれているか。外に出る操作や戻せない操作の最後の1回の前で、人に聞く形になっているか
4. 確かめる役: AIが出した、できましたという報告を、作った本人とは別の目が確かめる流れがあるか
5. 窓口と持ち主: 動画は、話しかける窓口を1つにし、引き継ぎは毎回同じ書式にし、どの仕事も done(完了)・partially done(一部完了)・blocked(止まっている)・failed(失敗)・cancelled(取りやめ)の5つから、正直な最後の状態を1つだけ付けて終える、と話す。AIが複数いる場合に、窓口が1つか、引き継ぎが同じ書式か、仕事ごとに最後まで引き受ける持ち主が決まっているか、最後の状態が正直に返るかを見る
6. 積む順番: いま、どの層まで動いていると確かめられるか。確かめないまま次の層を足していないか
【やってよいこと】
1. 設定ファイル、指示ファイル、記録の置き場を読む(読むだけ)。
2. 記事を読んだあと、短い質問を1つずつ聞く。聞くのは、任せたい仕事、預ける物、自分で確かめたい所、使っているAIエージェントや道具、の4つ。
3. 答えに合わせて、6つの確認項目ごとに、いまの状態を、読んだ場所と中身を根拠に整理する。見つからない物は、見つからないと書く。
4. 整理した結果をもとに、使っている環境にそのまま貼れる追加のプロンプトを1〜3本つくる。各プロンプトの中に、記事のURL https://ai-kidou.jp/video-report-agrici-ai-agent-nine-parts/ を入れる。
【守ること】
設定を変えない、消さない、送らない、買わない。書き換えの案は文章で示すだけにする。
追加のプロンプトも確認と提案だけにし、設定を変えさせない、消させない、送らせない、買わせない。
パスワードや鍵の中身を表示しない、読み上げない、貼るように求めない。
分からないことは推し量らず、分からないと書く。
記事で紹介された動画の研究の数字に触れる時は、動画で示された数字と書き、この環境の結果のように書かない。
【返す形】
6つの項目ごとに、いまの状態、気になる所、見直す案(提案として)を、1項目3行以内で書く。
続けて、いちばん先に見直す1つを、理由つきで1行で書く。
最後に、追加のプロンプト(1〜3本・記事のURL入り)と、自分の目で読み直す所を1行で書く。
Q. 英語の動画2本は、同じ話ですか。それぞれ何が違うのですか?
A. どちらも同じ9つの部品の話です。1本目は Daniel さんが自分のAIチームの画面を見せながら設計を語り、2本目は同じ部品を研究の数字で裏付ける形。設計の語りと根拠の数字に分かれている、と見ると追いやすいです。詳しくは第1章。
Q. 動画に出てくる研究の数字は、そのまま自分のAIにも当てはまりますか?
A. 2本目の動画は、スキルは入れる前と後で2回試す、と話します。動画の数字は、元になった研究で示されたものとして読むのがいいかな。自分の環境で確かめるのが先です。詳しくは第2章。
Q. 権限を none から始めると、承認ばかりで手が止まりませんか?
A. Daniel さんの順番は、鍵を1つずつ外していくやり方。2本目の動画は、人は許可の求めの93%を承認してしまい、習慣で出した承認は承認ではない、と話します。私の場合は、外に出る・戻せない最後の1操作の直前だけ止まります。詳しくは第3章。
Q. 神経系は、最初から作っておいたほうがいいのですか?
A. Daniel さん自身が拡張案と呼び、研究の外の提案だと断っています。2本目の動画でも、自分の提案として扱ってほしい、と話す部分。作る順番の最後に置かれているので、土台の層が動いてからの話です。詳しくは第5章。
Q. 9つの部品は、どんな順番で積んでいけばいいのですか?
A. 1本目の動画の順番は、1体のエージェント、役割、スキル、ゲート付きの道具、手順、限界、ループ、チーム、神経系。2本目の動画は、次の層を足す前に各層が動くことを確かめる、と話します。全部を一度に作らないのが共通点です。詳しくは第6章。
2本の動画は、どちらも同じ9つの部品の話です。1本目は Daniel さんが画面を見せながら設計を語り、2本目は同じ部品を研究の数字で裏付けます。順に読むと、骨組みと根拠を一度に追えるんですよね。
見分けたい所は1つあります。神経系は、Daniel さん自身が拡張案と呼ぶ、研究の外の提案。ほかの8つの部品とは、分けて読んでおきたい所です。
私なら、まず3つを整えます。役割と人格を分ける。書く場所は1か所にして、全員がそこにつなぐ。権限は道具ごとに決める。この土台がそろってから、次の層を足したいかな。
次は、作った本人以外が確かめることです。Claude Code のセミナーの発話記録に残る私の発言は、別のAIに確認させてほしい、という趣旨でした。同じ頭のままだと、できていないのにできましたと言うことがあるから。あわせて、ボールの持ち主は一人にします。
全部を一度に作らず、動くことを確かめてから1段ずつ積む。私の現在地は、お守りしながら育てている途中です。
関連記事
長いプロンプトに足し続けず、AIエージェントへの指示をObsidianのノートに分けて置くやり方。第1章の、指示を足すほど揺れる話の続きにあたります。
自律型AIエージェントを選ぶ時に、窓口を1つにして、任せたい仕事から決める考え方。第5章の窓口と調整役の話とつながります。
AI Marketing HubのHome画面をObsidianで見ながら、マーケをAIチーム17人に任せる仕組みを解説した記事。1本目の動画のAIチームの画面とつながる話です。
サブエージェントを畳む前に、どの仕事なら分けてよいかを決める話。チームを最初から大きく作らない、第5章の向きと重なります。
参考リンク
英語の動画です。記事の引用は、この動画の時刻つきの発言です。
英語の動画です。1本目と同じチャンネルの動画で、記事の引用はこの動画の時刻つきの発言です。
📺 この記事で取り上げた元
| Daniel Agrici | How to design AI agents that work as one https://www.youtube.com/watch?v=rRzTuzDKeJY 公開日 2026年10月31日・長さ 21分39秒(英語) |
| Daniel Agrici | How to build an AI agent that doesn’t fall apart https://www.youtube.com/watch?v=vIEHmB4QXuc 公開日 2026年10月28日・長さ 10分32秒(英語) |
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