AIに任せたのに確認作業が増える|一人社長の「渡す領域」の切り方

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AIが勝手に作業を進めてくれるのが、当たり前になってきたね。承認ボタンを押す回数も、たしかに減った。
なのに「前より疲れてる」って声をよく聞くんだよね。出てきたものを毎回ぜんぶ読み直して、結局こっちで直してる。任せたはずなのに、確認作業だけが増えていく。で、最後には「これなら自分でやった方が早い」に戻っちゃう。
ぶっちゃけ、私も同じところにいたよ。
でね。これ、ツールの設定の問題じゃないんだ。渡す領域を切ってないだけ——それだけなんだよね。
AIに任せたのに確認作業が増えるのは、渡す領域を切っていないから

順番に見ていこうか。AIに仕事を渡すとき、たいていの人はこうしてる。「とりあえず全部投げて、出てきたものを見る」。
これ、一見ラクそうに見えるんだけど……渡した範囲が決まってないから、返ってきたものも全範囲になる。つまり全部を確認しなきゃいけなくなる。確認作業が増えるのは当たり前なんだよね。
一人社長は特にキツい。人に聞ける相手がいないから、確認の全部が自分に乗る。しかも自分がボトルネックになってることに気づきにくい。私も自分の思い込みがボトルネックだった話を書いたけど、あれと同じ構造。
私がその線を引いたのは、会議室じゃなくて食卓だった

いやー、あの日のことはよく覚えてる。家族でごはん食べながら決めたんだよ。
その食卓で決めたんだよ。万能をやめようって。できないことは正直にできないって言おう。経理は人に任せよう。デザインはAIに任せようって。
事業の戦略として決めたんじゃなくて、生き方として決めた感じかな。それまでの私は、全部ひとりで抱えてた。私はこれを「抱え込みOS」って呼んでる。
抱え込みって、根性の問題じゃなかったんだよね……境界線を引いてなかっただけ。
いま私は、家事と子育ての隙間で会社をやってる。時間なんて増えないからね。線を引くしかなかった、っていうのが正直なところ。
使ってる線は、一本だけ。本丸か、本丸じゃないか

本丸っていうのは、自分のコンテンツ・自分の判断・自分の軸。ここは自分が味見する。手放さない。
極端な話、全部AI任せていいよっていう領域は当然あるかもしれないので、それ用にやる分にはいいかもしれないですけど、自分の本丸コンテンツに関してはやっぱ絶対自分が味見しないとちょっと怖いよね。
逆に本丸じゃないもの——整形、体裁チェック、重複さがし、媒体ごとの書き分け。こっちは渡す領域として決めて、いったん手放す。しかもね。手放した側には、AI同士でチェックし合うループを入れておくんだよ。
料理に例えると、こう。
味を決めるのは私。でも下ごしらえも盛り付けも洗い物も、ぜんぶ厨房のスタッフに任せる。で、最後にひと口だけ食べる。「あ、これいいね」「ここちょっと直そうか」。私がやるのは、それだけ。
ひと口。
一人社長が渡す領域を決める3つの問い

じゃあ具体的な切り方は?ってところだよね。私が使う問いは3つだけ。
ひとつめ。「これ、私じゃなくても答えが同じ?」 同じなら渡していい。文字数を整える、表記ゆれを直す、見出しを揃える。誰がやっても答えが同じ仕事は、AIのほうが速いし正確。
ふたつめ。「これ、間違ってたら誰が困る?」 お客さんが困るなら本丸。私の体裁が悪いだけなら本丸じゃない。ここ、けっこう線がはっきり出るよ。
みっつめ。「これ、私が面白いと思ってやってる?」 面白いと思ってる仕事は、たぶん本丸。面白くないけど必要だからやってる仕事は、渡す領域に入れていい。
この3つで仕分けると、一人社長の仕事って意外と本丸が少ないんだよね。私の場合、毎朝のLIVEで何を話すか、記事の判断基準がズレてないか、お客さんに何を約束するか。ほぼこの3つだけ。あとは渡していい。
手放した側には「AI同士のチェック」を置く

で、ここが大事なとこ。渡す領域を決めても、そのまま放り出したら結局こっちに戻ってくる。だから手放した側には見張りを置くんだ。
私がやってるのは、AIに書かせたものを別のAIに読ませること。「この文章、本人の言い方から外れてない?」「使っちゃいけない言葉が入ってない?」って聞く。人間がやってた最終チェックを、AI同士で回しちゃう。
そうすると私に上がってくるのは「ここだけ判断してください」の1点になる。確認作業の総量じゃなくて、確認作業の場所が変わるって感じかな。
この設計、社長無人化計画で実際に回してるものだよ。週の動きは週刊GPTs研究会のダイジェストにもまとめてる。
渡す領域を切るときに、私がやらかした失敗3つ

正直、最初からうまくいったわけじゃないよ。恥ずかしいけど3つ書いておくね。
ひとつめ、線を細かく引きすぎた。 「この作業は渡す、この作業は自分」って項目を20個くらい作ったんだ。で、どうなったと思う? 毎回どっちだったか思い出せなくて、結局ぜんぶ確認作業に戻った。線は太く、少なく。本丸か、本丸じゃないか。それだけでいい。
ふたつめ、渡したのに見張りを置かなかった。 手放した領域をノーチェックにしたら、3日で品質がガタッと落ちた。で、あわてて自分が全部見る。元の木阿弥。渡す領域には、必ずAI同士のチェックをセットで置く。
みっつめ、本丸まで渡しそうになった。 これがいちばん危なかった。ラクだからって、何を書くかまでAIに決めてもらいそうになったんだよね。そこ渡したら、私がいる意味がなくなる。渡していいのは「どうやるか」で、渡しちゃいけないのは「何をやりたいか」。
失敗って、あとから見ると全部「切り方」の話だった。悪いことこそ宝物、ってやつだね。
なんで「全部任せる」でも「全部やる」でもダメなのか

あ、そうそう。ここ大事なとこ。
「AIに全部任せる」も無理だし、「全部自分でやる」も無理なんだよね。前者は軸がぶれるし、後者は身体が持たない。答えは第三の道で、領域を割ること。
私がよく言うのは、AIは横に広げる、人間は縦に掘るってこと。横に広げる仕事はどんどん渡していい。でも縦に掘るところ……自分がなにを面白いと思って、なにに腹を立てるのか。そこは誰にも代わってもらえない。
だから確認作業が増えてるのって、実は「切ってない」のサインなんだ。半端に全部渡してるから、全部見なきゃいけなくなる。切れば、見るのは本丸の1点だけになる。
一人社長のための、今日やること

任せたのに確認作業が増えてるなら、たぶん、まだ線が引かれてない。
今日いちばん最初にやることは、ツールの設定をいじることじゃなくて、自分の本丸がどれかを決めることかもしれないね。紙に2列書くだけでいいよ。左に「自分が味見するもの」、右に「渡す領域」。
さっきの3つの問いを使えば、10分で埋まると思う。で、右から1つだけ、今日AIに渡してみる。1つでいい。
一人社長の時間は増えないからね。増やせるのは、切り方のほうだけ。
一緒に、抱え込みOSから降りていこう。