WATCH REPORT

メモアプリのObsidianとAIで週次・月次報告を終わらせる方法を
飯塚浩也さんが解説

2026.10.02

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回はYouTubeチャンネル「飯塚浩也 | Obsidianでつくる最強の右腕」から、メモアプリのObsidianとAIで、上司やクライアント向けの報告を効率よく終わらせる動画を紹介するね。動画は、聞き手の方が「知り合いが、週次や月次のレポートの中身を毎回入れ替えるのが超めんどくさいと言っている」と相談するところから始まります(0:16頃〜)。

テーマは「毎週・毎月の報告を、毎回ゼロから手で作らなくていい形にする」。飯塚浩也さんは、報告に必要な情報を「毎回変わる材料」「ほぼ変わらない相手の情報」「貯めていく型」に分けて、Obsidianの3フォルダに置く方法を、実演つきで見せています。

3行でわかるポイント

  1. 3フォルダは、01_Resources(今回の材料)、02_Context(相手と会社の情報)、03_Outputs(テンプレートと過去の成果物)。動画では、変わるのは01_Resourcesだけと説明されます
  2. 人間の承認は、最初の分析データと最後の2か所だけ。間のリサーチから執筆は、スキルにしてスケジュールで回します
  3. 最初から完璧を狙わない。まず自分の仕事をメモに残し、他の人が見ても同じ仕事ができるかを確かめます

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01

「貴重な時間と脳のメモリを奪われ続けてしまうと」。週次・月次報告のたびに、考える余力が先に削られる

報告書の山の横で、考える余力を表す灯りが小さくなっていく図解
動画キャプチャ: 「貴重な時間と脳のメモリーを奪われ続けてしまうと」のテロップが出る場面
動画キャプチャ: 「貴重な時間と脳のメモリーを奪われ続けてしまうと」のテロップが出る場面(1:40頃)

冒頭の相談の中身を、もう少し見ておきます(0:16頃〜)。聞き手の知り合いは、上司やクライアントへ週次や月次でレポートを出していて、中身が毎週変わるから、入れ替えるのが超めんどくさい。その方は毎回、手入力でゼロから作っているそうです。

毎回、最初からです。

相談を受けた聞き手の方自身も、飯塚さんへ月次のレポートを送っています。すごく細かい数字の入ったレポートです。どうやって作っているのかと聞かれて、こう答えます。

聞き手の方

あれもうマンパワーですね(0:53)

徹夜で(0:55)

2人とも、週次や月次と何回もくり返す定型作業を、手入力で情報収集してスライドにしている。聞き手の方は、AIを使うとしても「部分部分の調べたりする細かいところでしか使わない」と答えます(1:08)。ここで飯塚さんが返したのは、一言でした。

「もったいない」(1:14)です。

「徹夜で」と「もったいない」。この2つを並べて聞いた時、私が真っ先に思い出したのは、私が倒したいと思っている「抱え込みOS」でした。「自分が頑張らないと全部止まる」「止まったら死ぬ」という強迫観念のことです。

私の場合、抱え込みになる境界は、結果を自分で持って、自分の手で完成させなければと執着した時でした。今もまだ、この戦いの最中です。

毎週の報告を、毎回ゼロから自分の手で作る。数字が細かいほど、手は離せなくなります。その手のすぐ隣に、抱え込みがあると思う。

だから私には、飯塚さんの「もったいない」が、時間の話というより「その手、もう離していいよ」という話に聞こえました(推測: 動画のお二人が抱え込んでいるかどうかは、動画からは分かりません。私が自分の経験から重ねた読みです)。

チャンネルの紹介文では、飯塚さんは株式会社Leversを創業した方で、知的生産やAIエージェントの教育事業をしている、と紹介されています。この回は、その知的生産の話を、毎週・毎月の報告という身近な仕事に当てた形です。

冒頭の問題提起は、はっきりしています。

飯塚浩也さん

毎週の報告書作成という提携作業に貴重な時間と脳のメモリを奪われ続けてしまうと

本来あなたにしかできないような価値が高い仕事ができなくなってしまいます(1:40)

(引用は動画の自動文字起こしのままです。「定型」が「提携」と書かれています。)

注目したいのは、動画の中に、削減できる時間の数字が出てこないことです。「一瞬」「超めんどくさい」「徹夜」という言い方だけが並びます。だから私は、時間の数字を足さずに、飯塚さんが選んだ「脳のメモリ」という言葉のほうを見ました。

毎週同じ形の報告に頭を使い切ってしまうと、本来その人にしかできない仕事へ回す余力が残らない。奪われているのは、作業の時間より先に、考える力のほうなのかな、と思いました。

毎回ゼロから立ち上げるやり方だと、この消耗は毎週くり返すことになります。

この「手を離す」ことは、別の記事でも書きました。

私の過去記事より:仲間に作業会を委ねた。私と子どもまで思ってもらえた有難さ|一人で抱えるあなたへ

私にとって委ねるは、仕事を手放すことというより、ボールを持たないことです。

まず1本、書き出す 毎週か毎月くり返している報告を1つ選びます。そして「材料」「見せる相手」「出力の形」を、1行ずつメモします。メモは3行で、ここまでで十分です。

02

「報告書一瞬で作成してくれるようになるんですね」。その一瞬の前に、飯塚浩也さんが示すObsidianに残す5つの分類を書き出す

5つの引き出しに、今回の材料・相手の情報・手順と基準・型・過去の報告が分かれて並ぶ図解
動画キャプチャ: ホワイトボードに書かれた週・月次レポートの5つの項目
動画キャプチャ: ホワイトボードに書かれた週・月次レポートの5つの項目(2:05頃)

「もったいない」の理由を、飯塚さんはこう続けます(1:17頃〜)。

飯塚浩也さん

レポート作業は手順も決まってるし型も決まってると

相手の情報とかも変わらないわけじゃないですか

なのでそういう時にこそAIエージェントの力を借りれば報告書一瞬で作成してくれるようになるんですね(1:24)

聞き手の方が「一瞬でできるんですか?」と聞き返すと、「一瞬ですよ」と返ります(1:31)。ただし、この一瞬を成り立たせるために、動画はホワイトボードで「Obsidianに残すもの」を5つに分けて見せます(1:58頃〜)。

① 今回の材料。毎週変わる数値、会議で話したこと、発生した問題、今後の予定、決定事項です。YouTubeなら登録者数やクリック率が例に出ます。② 相手・案件の情報。

誰に出すのか、どんな会社か、どのKPIを追っているのか、何を重視する相手か(2:52頃〜)。社長向けならKPIや売上や費用対効果、現場責任者向けなら実務寄り、と書き分けると言います。

③ 手順と評価基準。リサーチ、分析、構成案、執筆、チェック、出力という順番と、チェックリストです。クライアントに「費用対効果がわかりづらい」と指摘された点を、次からのチェック項目に入れる、という例が出ます(3:42頃〜)。

飯塚さんはこれを「業務のマニュアル化」にもなる、と言っています。

④ 成果物のテンプレート。A4一枚ならここに何を書く、最後にまとめる、といった型です。⑤ 過去に実際に送ったレポート。人にも、AIにも、書き方の参考になります(4:46頃〜)。

画面のテロップには「このレポートのスタイルや書き方に沿って 今回も出力してください」とあって、⑤の使い方がそのまま見えます。

私の読みでは、この5つは「何が毎回変わり、何が変わらないか」の仕分けです。毎週変わるのは①だけで、②から⑤は、毎週書き直さず、溜めたり少しずつ直したりして使い回します。

つまり「一瞬」の前には、毎回書き直さなくていい部分を先に置く仕込みがあります。手順も型も相手の情報も決まっているから、と飯塚さんは言っています。仕込みが先です。

動画は「一瞬」と言い切ったあとで、仕込みの中身を5項目で見せていきます。言い切りの強さより、中身の具体さを見るのがよさそうです。動画は、レポート以外にも当てはまる、とも言っています(5:15頃〜)。

「仕込みが先」という考え方は、AI駆動開発の事例を読んだ記事でも書きました。

私の過去記事より:博報堂テクノロジーズが週次リリース+81%を実現したAI駆動開発の全ステップを社員2人が解説。「なにを人間が見るか」の決め方が一発でわかる

仕込み、つまり合格条件を先に渡しておく。そうすれば、最後の味見だけ自分がすればいい。

5つに仕分ける 先ほど選んだ報告について、材料・相手の情報・手順と評価基準・テンプレート・過去の成果物のうち、手元にもう文章としてあるものに丸をつけます。丸のない所が、これから言葉にする部分です。

03

「結論この3つのフォルダを作ってまとめると分かりやすくなると思います」。毎回変わるのは1つだけ

3つのフォルダのうち、材料のフォルダだけ中身が入れ替わる図解
動画キャプチャ: 「変わるのは唯一 01_Resourcesだけ」のテロップと3フォルダの板書
動画キャプチャ: 「変わるのは唯一 01_Resourcesだけ」のテロップと3フォルダの板書(7:30頃)

5つの分類を、Obsidianの中でどう並べるか。飯塚さんの答えは、見出しにした一文です(5:47)。続けて、フォルダごとの役割を説明します。

まず01_Resourcesです。飯塚さんは、リサーチした情報や数字、会議の情報を、このフォルダへまとめると言います(5:56)。ここが、毎回変わる部分です。

飯塚浩也さん

そこが毎回変わるデータとなります(6:06)

02_Contextについては、こう言います(6:25)。

飯塚浩也さん

この中に貯める情報は01リソースに貯める情報と違って

ほぼ変わらない情報になります(6:30)

フォルダの名前は、01_Resources、02_Context、03_Outputsです(5:43頃〜)。01_Resourcesは今回の材料で、毎回変わります。

02_Contextは、誰のために、何のために作るのか、クライアントの情報、会社の情報、会社が追っているKPIで、ほぼ変わりません。03_Outputsは、テンプレート、ワークフロー、過去の成果物です。

画面のテロップでは、変わるのは唯一 01_Resourcesだけ、と強調されます(7:28)。そのうえで飯塚さんは、面倒でも言語化して貯めておけば、2回目以降が楽になる、と言います。

02_Contextが担うのは、毎回の言い直しを減らす仕事です。同じ基準を、毎回口で言い直さなくてよくなります。

この「言い直し」は、私にはひとごとではありません。AIに、作り方が決まる前に作らないでほしいと伝えるのを、記録に残っているだけで、3月から9月末までに8回くり返しました。3月17日は「決めてないよね。まだ。止めて。」。

9月24日は「どのように作ったらいいかわからないなら聞いてください」。9月25日は「提案して確認後がルールだろ」。9月27日は「わからないならやる前にきけよ」。

「作り方が決まる前に作らない」という決まりは、メモにはあったんです。でも、AIが毎回必ず読む場所には、置いてありませんでした。9月30日に、毎回必ず読まれる場所へルールとして書きました。

それでも翌10月1日、私はまた「なんで勝手にやるの?」と言いました。置き場があるだけでは、足りなかったんです。

動画の依頼文にあった「作るときは、必ず02_Contextの中身を読む」は、この「読まれる場所に置く」の話だと思う。置き場があるだけでは、言い直しは止まりませんでした。その日、私は同じルールにもう1段、書き足しました。

動画の③で、クライアントに指摘された点を次のチェック項目に足していくのと、同じです。置き場は、一度作って終わりではありませんでした。

「読まれる場所に置く」話は、別の動画を紹介した記事でも、同じ出来事で書いています。

私の過去記事より:AIエージェントに60点のままスキルを作らせない。1回分を手で直し切ってから量産する

ルールの記録には、注意書きはメモリにあったのに、毎回読まれる場所になかったから、くり返した、と書いてあります。

ただ、動画の3フォルダを、私の運用にそのまま当てはめたとは言いません。重なるのは、変わるものと変わらないものを分けて置く、という考え方のほうです。この考え方は、コラムで私の運用の例を書きました。

同じチャンネルの、AIの出力がObsidianに溜まるかどうかで3段階に分ける回は、AI活用度を3段階に分けた回で書きました。今回の3フォルダは、その「溜める場所を決める」話の、具体的な中身にあたります。

言い直している基準を拾う 先週AIに出した指示を見返します。

  • 前にも言った覚えのある基準を、3つ書き出す(「結論から書く」「数字の単位をそろえる」のような一言で足ります)
  • その3つを、02_Contextに入れる最初の候補にする
  • 書く先は、AIに毎回読ませる場所にする(依頼文に「必ず読む」と書くフォルダのことです)
04

「メモがやっぱりすごい大事になってくる」。実演の画面で見えた、置き場の中身

棚に並んだ箱の1つを拡大鏡でのぞくと、メモが詰まっている図解
動画キャプチャ: ObsidianのAI OSの全体像、フォルダの階層図
動画キャプチャ: ObsidianのAI OSの全体像、フォルダの階層図(8:30頃)

後半は、メモアプリのObsidianを開いた、実際の画面での実演です(8:24頃〜)。画面の中身は、デモ用に作られたデータと思われます(推測)。画面に出てくる会社名や人名は、実在のものとして読みません。

ここでは、どんなフォルダになっているかだけを見ます。

01_Resourcesの中のSourcesには、Daily Notes、Meeting Notes、Metrics、Tasks、Researchというフォルダが並びます(9:23頃〜)。

Metricsにはある週のKPIの計算メモがあり、Researchには競合のLP調査があります。調査の画面には「4社中3社のフォームは6項目以下だった」という行がありました。

飯塚さんは、こうした競合分析や議事録や分析結果を、AIにメモとして書かせられる、と言っています。

02_Contextには、人物と組織が入ります(10:03頃〜)。人物は、上司A、クライアント担当者A、チームメンバーです。そして自社の情報です。自社のメモには、提供価値と品質基準が書いてありました。品質基準の画面は、こう読めました。

報告は「結論→数字→リスク→次の一手」の順で簡潔にする。数字は01_Resources/Sourcesから取得して、期間・定義・単位をそろえる。根拠が足りない解釈は「推測・要確認」とする。

03_Outputsには、Weekly Reportsの下に、テンプレート、過去の承認済みレポートの例、手順のメモ、年ごとの成果物が置かれています(10:41頃〜)。

手順のメモには、ゴール、必要な情報、全部で8ステップの手順、完了基準、評価基準、制約事項が書いてある、と飯塚さんは説明します。8ステップの中身は、動画では読み上げられていません(未確認です)。

実演の最後に、「とりあえず型はできそうですね」という言葉が出ます(11:31)。そのあとに、飯塚さんがこう続けます。

飯塚浩也さん

もちろん最初から完璧な自動化っていうのは難しいと思いますが

ちょっとずつでいいんですよね

なんか違うなと思ったらフィードバックしてあげれば(11:39)

飯塚浩也さん

このオブジェの中に貯めてあるメモの質によって

ウィークリーレポートマンスリーレポートの質が

左右されるわけですね(11:55)

(引用の「オブジェ」は、Obsidianの文字起こしの誤りです。)

「メモの質で、レポートの質が左右される」。この一言は、私が分身AIを育てている時の実感と、同じ構造です。私は、自分の経験、価値観、口癖を、全部文字にしてObsidianに蓄積しています。分身AIの「魂」になる場所だからです。

セカンドブレインの導入セミナーでは、こう話しました。「血肉が通ってる、この血が通ったコンテンツが作れるようになる」。

AIには、血が通っていません。だから、血を通すのは私のほうです。同じセミナーで、何を詰めるのかも話しています。

ひろくん(セカンドブレイン導入セミナーより)

人生のあらゆる自分の過去の生い立ちとか経験とかなぜそう思ったかっていう感情とかそういった全てを言語化して詰めていく

レポートでも同じだと思う。AIの賢さを選ぶ前に、置き場に何を詰めたかで、出てくるものの質が決まります。

推測と事実を区別する基準を、毎回の指示の中ではなく、置き場の中に書いておく。品質基準の「推測・要確認」の一行が置き場の中に入っていたことが、動画の中で、私にはいちばん参考になりました。地味ですが、ここが肝です!

推測と事実を分ける基準は、AIの人格ファイルを扱った記事でも書きました。

私の過去記事より:Hermes Agentの人格ファイルは、口調より先に「わからない時」と「止まる場面」を書く

私がAIに求める最低条件は、「わからないことは憶測しないできく。わかることは2度聞かない」。

品質基準を3行にする 画面の例を参考に、自分の報告の品質基準を3行で書きます。「結論から」「数字の期間と単位をそろえる」「根拠が弱い所は推測と書く」の3行で足ります。そこに、数字の「未取得」をゼロと書かない、という1行を足してもいいかな。

05

「最初と最後だけ人間が承認をするという形で」。承認を2か所に絞る設計

最初と最後の2つの門の間を、AIが自動で進む一本道の図解
動画キャプチャ: 「どこかで人間の承認を挟む必要があると思いますが」のテロップと3フォルダの板書
動画キャプチャ: 「どこかで人間の承認を挟む必要があると思いますが」のテロップと3フォルダの板書(8:15頃)

スキルにして自動で回す、という流れの前に、飯塚さんは、人間の見る場所を絞ります。先に前提を断っています(8:10頃〜)。

飯塚浩也さん

もちろんレポート作業なので

どこかで人間の承認を挟む必要があると思いますが(8:12)

では、どこで承認するのか。終盤で、はっきり答えが出ます(13:14頃〜)。

飯塚浩也さん

人間がどこに承認が必要かというと

この01リソーシズのところと

あと最後のところですかね(13:19)

理由も、同じ場面で言っています。最初の分析データが間違っていたら、そもそもレポートの意味がなくなってしまい、クライアントにも迷惑がかかってしまう(13:20)。だから01_Resourcesの分析データは、人間が一緒に見る。

そして、こう締めます。

飯塚浩也さん

最初と最後だけ人間が承認をするという形で(13:31)

真ん中の、調べて、まとめて、書くところは、AIに任せる。人は、材料が正しいかを入り口で見て、出口で出してよいかを見る。入り口の材料が間違っていたら、あとの工程が全部無駄になる。だから入り口に承認を置く、というのが動画の理由です。

納得です。筋の通った設計だと思います。人が見るのは、入り口と出口です。

ここは、私にとって、ひとごとではない話でした。がんで入院して、朝のLIVE配信を中断した時、ただっちが代わりに続けてくれました。病室からその様子を見て、正直「居場所を奪われた」という複雑な気持ちもありました。

でも、ありがたさもありました。結果的に、ただっちも成長し、番組はよくなり、私の負担も減りました。手放したら、全部よくなったんです。

ただ、私は、何でも委ねればいいとは思っていません。委ねた先が、嘘をつく、逃げる、やらない、のなら、委ねられない。だから、信頼できる仕組みが先です。

動画の「最初と最後だけ人間が承認する」は、この「仕組みが先」を、報告書の形にしたものだと読みました(私の読みです)。

入り口の材料が間違っていたら、あとが全部無駄になる。だから人が見るのは、手放せない部分ではなく、手放すために先に押さえる部分なんだと思う。承認を2か所に絞るのは、手を抜くことではありません。手放す範囲を、自分で決めることです。

どこまで任せるかの線引きは、開発者の方の話を読んだ記事でも書きました。

私の過去記事より:AIに任せる範囲はどこまで?6万人が使うSNSアプリを作る開発者が、Claude Codeで決めている線引き

意思決定はAIに外注しない、がShinさんの線です。私も、AIに全部は渡しません。ただ、一件ずつ見る範囲が違いました。

AIに任せる側の「送る直前だけ人間が押す」という設計は、Codexの28機能を実演した回でも出てきました。人が見る場所を絞るのは、AIに任せる設計の共通の勘所なのかもしれません。

間違うと全部やり直しになる所は、多くは元になる数字か、宛先でしょう。その1つが、あなたの「最初」の承認ポイントの候補です。
→ あなたの報告で、間違うと全部やり直しになる所は、どこですか?

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「毎回ゼロから手入力でやるよりはるかに効率化できるようになります」。メモからスキルを作って、報告を終わらせる方法の仕上げ

メモの束がスキルの札に変わり、毎週決まった時刻に動く図解
動画キャプチャ: Codexの「スケジュール」画面、予定済みタスクの一覧
動画キャプチャ: Codexの「スケジュール」画面、予定済みタスクの一覧(13:40頃)

3フォルダにメモが揃ったら、次はAIに渡す段です。飯塚さんは、人間の承認を挟む前提に続けて、この方法で何が変わるかを、こう言います(8:16)。

飯塚浩也さん

毎回ゼロから手入力でやるよりはるかに効率化できるようになります(8:16)

実演では、Codexのデスクトップアプリを開きます(動画の発話では「コデックスのデスクトップアプリ」です。12:18)。

画面のプロンプトには、「Skill Creator を使って、週次レポートを作成するスキルを作ってください。」と入っていました(12:01頃〜)。

続く依頼文は、フォルダごとの読み方を指定しています。画面で読めた範囲では、01_Resourcesには今回の材料があるので、毎回リサーチや分析をして、新しいメモを作ってからレポートを作る。

作るときは、必ず02_Contextの中身を読む。そして、03_Outputsの中身を読みながら作る。この3点です。短い依頼です。

できあがったスキルは、スケジュール実行に入れます(13:38)。毎週何曜日の何時何分にこの週次レポート作成スキルを動かすか、を決める。月次も同じ仕組みでできる、と飯塚さんは言います。

この一言は、動画のいちばん最初にも先出しされています(0:00)。

動画に出てくるAIは、Codexです。Claude Codeではありません。私はここで、道具の名前より、依頼文の型に注目しました。「材料はここ、必ず読む場所はここ、参考にする場所はここ」と、読む場所を分けて渡す型です。

指定するのは、場所です。道具が替わっても、この型は持ち運べそうです(推測: 私の読みです。動画では、他の道具での実演は出てきません)。

もう1つ、見ておきたい点があります。依頼文は短いんです。長い指示文を毎回貼る代わりに、読むべき場所を指定している。長さをフォルダのほうに移した結果、依頼文が短く済んでいるのかな、と読めました。

1回教えれば、あとは同じ型で繰り返してもらう設計は、同じチャンネルの別の回を紹介した記事でも書きました。

私の過去記事より:AI秘書をObsidianで作る方法、TaskNotesでタスク管理を一元化

私がこれを見て思ったのは、教えるのは1回でいいという設計の強さです。

依頼文の型を書く メモアプリに、次の3行を書いておきます。自分のフォルダ名に置き換えて、1か所に保存します。

  • 01は今回の材料
  • 02は必ず読む
  • 03は参考に読む
07

「ちょっとずつでいいんですよね」。最初の一歩は、他の人が見ても同じ仕事ができるかの確認

自分の書いたメモを、別の人が読んで同じ形の成果物を作る図解
動画キャプチャ: 「しっかりとメモに残す」のテロップが出る場面
動画キャプチャ: 「しっかりとメモに残す」のテロップが出る場面(14:20頃)

まとめの場面で、飯塚さんは、段階に分けて進める道筋を出します(14:00頃〜)。

飯塚浩也さん

最初から完璧な自動化をしようとすると

なかなかうまくいかないことが多いんですね

なのでステップに分けて考えるといいと思っております(14:14)

段階は、こう並びます。1つ目は、自分の仕事をメモに残すこと。手順、参照するマニュアル、評価基準、完了条件を書いて、他の人がそのマニュアルを見ても、自分と同じように仕事ができるかを確かめる(14:17頃〜)。

2つ目は、それをAIにお願いすること。スキルを作って、スケジュール実行にする(14:45頃〜)。3つ目は、使ってフィードバックして、スキルを育てること(15:02頃〜)。

「最初から完璧な自動化をしようとすると、なかなかうまくいかない」は、私の弱点を突かれた言葉でもありました。私の完璧主義の度合いは、「心は100%、出すのは80%」です。もっと良くしたい気持ちが本能で、一人だと磨きすぎて冷めてしまいます。

だから、3フォルダを全部そろえてから始めなくていいと思う。まず1つ、80%でいいから置いてみる。それで十分です。

最初はスキルの精度が低いかもしれない、と飯塚さんは先に言っています。使ってフィードバックするほど精度が上がって、やがて「まるで自分がやったかのような水準」で業務を実行できるようになる、とも(15:12頃〜)。

そして、モデルの進化との関係を、こう言います。

飯塚浩也さん

モデルの性能がどんどん上がるということは

一度スキルを作ってしまえば

そのモデルの進化の恩恵を諸に受けることができるわけですね(15:28)

ここが、スキルにする強みです!

動画の3つ目の「スキルを育てる」も、育つのはAIだけではなく、メモを書き直す自分のほうなのかな、と読みました。

私は、1つ目のステップの「他の人が見ても、自分と同じように仕事ができるか」という確かめ方が、いちばん実用的だと思いました。AIに渡す前に、人間の同僚へ渡す。同僚が迷う所は、AIも迷う所かもしれません(推測: 私の読みです)。

AIで試す前に、人間で試せるんです!

渡す前に確かめ方を決めておく話は、無人運用を始める人向けの記事でも書きました。

私の過去記事より:Claude Code 無人運用を始める経営者へ。最初の1件を任せて席を外すまでの渡し方と確かめ方

書く作業をAIに渡しても、毎回ゼロから確かめていたら、確認の仕事は手元に残ります。

最初の1枚を他の人に見せる 報告の手順メモを、A4一枚くらいで書きます。それを同僚か家族に渡して、「これだけで同じ報告が作れそうか」を聞きます。15分です。AIに任せるのは、そのあとで十分です。

FAQ

よくある質問

Q. 報告書以外の仕事にも使えますか?

A. 動画の中では、レポート以外にも当てはまる、と説明されています。毎回変わる部分と、変わらない部分を分ける考え方だからです。自分の仕事でどこまで当てはまるかは、まず変わる部分を1つ書き出して試すのが近道です。

Q. Obsidianがないと、この3フォルダは作れませんか?

A. 動画はObsidianの画面で実演しています。他のメモアプリで同じことができるかは、動画では語られていません(未確認)。フォルダを分ける考え方そのものは、置く場所が変わっても使えそうです(推測: 私の読みです)。

Q. 人間の承認は、どこで入れるのですか?

A. 動画では、01_Resourcesの分析データと、最後の2か所です。最初のデータが間違っていると、レポートの意味がなくなり、クライアントにも迷惑がかかる、という理由が挙げられています。

Q. 最初から3フォルダを全部そろえる必要がありますか?

A. 動画は、最初から完璧な自動化は難しいので、ステップに分けて考えるよう勧めています。まず自分の仕事をメモに残し、他の人が見ても同じ仕事ができるかを確かめるところから始めます。

Q. スキルを作るには、Codexが必要ですか?

A. 動画の実演は、Codexのデスクトップアプリで、Skill Creatorを使っています。他の道具で同じスキル作成ができるかは、動画では語られていません(未確認)。

MATOME

まとめ。次の一歩は、報告の「毎回言い直している基準」を、置き場に書くこと

18分の動画を見終わって、残った持ち帰りは3つでした。1つ目は、報告を「毎回変わる材料」と「ほぼ変わらない相手の情報」と「貯めていく型」に分けて置くこと。2つ目は、人が見るのは最初の材料と最後の出口に絞ること。

3つ目は、最初から完璧を狙わず、まず自分の仕事をメモに残すことです。週次報告も月次報告も、入口は同じです。

この動画を見て、私がいちばん強く思ったのは、手放すというのは雑にやることではなく、先に置き場を整えることだ、ということでした。置き場が先、委ねるのはそのあとです。

動画に、削減時間の数字は出てきませんでした。だから、どれだけ楽になるかは、あなたの報告で試すまで分かりません。それでも、「毎回言い直している基準」を3つ書き出すだけなら、今日の10分で足ります。

全部を一度にやる必要はありません。動画の順番でいえば、まずメモ、次にAIへの依頼、そのあとでフィードバックです。今日は、どれか1つだけで十分です。それでいいんです!

あなたが毎週か毎月、AIや人にくり返し言っているのに、どこにも書いていない基準は何ですか?

COLUMN

変わる数字と、変わらない地図を、別のファイルに置く

変わる数字のメモと、動かない地図を別々に置くひろくんのコラム図解

この動画を見て、私は自分の仕事場のファイルの分け方を思い出しました。毎日自動で作られる、いまの数字のメモ(business-pulse.md)と、数字を持たない、事実の在りかの地図(business-source-map.md)が、別のファイルに分かれているんです。

数字のメモは、日々変わります。地図のほうは、数字を持たない作りなので、日々の数字では書き換わりません。動画の言い方に重ねると、数字のメモが01_Resourcesで、地図が02_Contextにあたります。ただ、動画の3フォルダとは、名前も数も同じではありません。私の場合は2つのファイルです。

この2つを分けると、数字が取れていない日の扱いも、はっきりします。数字のメモで「未取得」と出ているものを、「ゼロ」と読まない。「未取得」と「ゼロ」を混ぜない。これは、AIにも人にも、毎回言い直さなくて済むように、私の運用のルールとして書いてあります。動画の画面にあった「根拠が足りない解釈は推測・要確認」とも、同じ向きだと感じました。

毎回自分の頭の中だけで持っていた基準を、ファイルに預ける。預けるから、手が空きます。空いた手は、動画の言葉でいえば「本来あなたにしかできないような価値が高い仕事」に回せます。

動画の品質基準の3行に、私なら1行足します。「取れていない数字は、ゼロと書かず、未取得と書く」です。ファイルに1行あるだけで、毎回言い直さなくて済みます。

毎回言い直している基準は、1つずつ置き場に移していくのがいいと思う。順番は動画と同じで、まず自分の仕事をメモに残すところからです。そのメモの質が、あとの質を決めるんです!

AIへ委ねる側の話は、分身AI日記の「Codexに5回却下されて気づいた、「賢いAI」より「委ねるAI」だった話」にも書いています。

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LINK

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REF

参考リンク

📺 今回紹介した動画

タイトル【仕事がデキる人の賢いサボり術】ObsidianとAIで上司・クライアント向け報告を効率よく終わらせる方法
チャンネル飯塚浩也 | Obsidianでつくる最強の右腕
公開日2026年10月2日
長さ約18分
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=ZubJo7z6oD8

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