
存在起点のマーケティング 旗を掲げよ
全パートを通して読み、自分の事業に当てはめた
神田昌典(日本経済新聞出版)
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
3行でわかるポイント
- 全てはローカルから始まる。支援→教育→ネットワーク→商品→メディア→テクノロジーという本の6段は、私が20年以上やってきて、うまくいったときの順番そのものでした。いきなりテクノロジーを作ると失敗しやすい
- 分野No.1は絶対軸。業界No.1のように同業のライバルと比べる相対軸ではないので、比較されないし、価格競争も起きにくい。人から選ばれることをちゃんと発信していれば、AIからも選ばれます
- 課題から入るな。PASONAの法則が染みついていた私には、「何が決定的に違うのか」から入るD-BE UNICKは衝撃でした。Dで9割決まります
この記事は、私が一番大事だと思っている「全てはローカルから始まる」の話から始まります。そのあとで、本の全パートを事例と数字つきで通し、各章の終わりに「私の現場では」を置きました。最後に、今日30分でやれる実践編があります。長いので、気になるところだけ拾ってもらっても大丈夫です。

AIの話を一人で抱えないで、同じ現場の人と一緒に試せる場があります。
GPTs研究会に参加する(無料)商談の席で「御社の強みは何ですか?」と聞かれて、言葉に詰まったことはありますか。
私の強みに名前をつけてくれたのは、自分で作ったAIの専門家チームでした。その話は少しあとで書きます。
今日読んだのは『存在起点のマーケティング 旗を掲げよ AI時代の分野No.1戦略』。著者はマーケッターの神田昌典さんです。1990年代後半にダイレクトレスポンスマーケティングを日本に持ち込み、「PASONAの法則」を1999年から提唱してきた人、と言ったほうが早いかもしれません。
存在起点のマーケティング 旗を掲げよ AI時代の分野No.1戦略
神田昌典 著(日本経済新聞出版)
Amazon評価 4.3(19件)/単行本 2,420円・Kindle版 2,372円(2026年9月22日時点)
既存業界で順位を上げるのではなく、「この分野なら、この会社」と真っ先に思い出される新しい分野をつくる。そのための型を、空欄を埋めるワークと一緒に並べた一冊
Amazonで本書を見る先に結論を書いておきます。この本の中心にあるのは「分野No.1の旗」です。業界の中で順位を一つ上げるのではなく、自分が勝てる土俵そのものを定義して、そこで最初に思い出される存在になる。
そして旗の材料は、外の相場ではなく会社の中にある。毎日の「つい」と、これまで引き受けてきた重さです。
なぜ私が『存在起点のマーケティング』を読んだのか

2026年3月22日、分身AIのチームに、マーケティングの専門家を模した6人のAIを集めて会議をしてもらいました。事業の実態を渡して、6人に並行して分析させたところ、私の才能についての答えは、6人とも同じでした。
ひろくんは、接続者。売る人ではなく、聴いてつなぐ人。
その日のことはAIチームに事業を分析させたら自分の強みが見えた話|分身AI日記 DAY31に残しています。
で、この本の第1章に、会社が埋もれ始めたときの兆候が3つ書いてあります。
採用で人が来ない。商談で「御社の強みは何ですか?」と聞かれる。社員が自社の存在理由をうまく語れない。
神田さんの日経MJの連載「未来にモテるマーケティング」は、「自社の失敗から語り草を作れ」の回を、分身AI.comの記事でも取り上げました。その連載の考え方に「存在起点」という名前がついて、一冊の本になりました。今回は久しぶりに紙の本で買いました。第1章の見開きの図(図1-2)は全容図解にして、自分用の教材にしています。
ちなみに、この本は読む本というより、書き込む本です。章の終わりごとに空欄があって、「私たちが、ついやってしまうことは( )である」のように、自分の手で埋めるワークが置かれています。
ここから先は、まず私が一番大事だと思っているローカルの話を書きます。本の中身は、そのあとの全容解説で全パートを順番どおりに通します。
神田さんの連載をきっかけに「自分のサイトは何屋に見えているのか」をAIに聞いてみた話は、存在起点のマーケティングとは、AIに理解される会社をつくる経営の起点ですに書きました。この記事は、その続きとして本のほうを丸ごと読んだ記録です。
全てはローカルから始まる|私が20年やってきた順番は、本の6段そのものだった

この本で、私が一番大事だと思っているところから書きます。第1章の、事業の型の6段と「ローカル」の話です。
本には、事業はたいてい支援から始まって、教育になり、ネットワークになり、商品になり、メディアになり、最後にテクノロジーになる、と書いてあります。そして、その出発点はいつもローカル。目の前のお客さんや、特定の地域や、限られた業界です。
ローカルは制約ではない。出発点である。
これ、私がずっと言ってきた「AI時代は現場が命」と同じ話なんです。現場から生えてこないと、AIはダメ。自分から生やさないとダメ。現場から魂を宿した商品やサービスを、自分の熱とつないで、お客さんの熱とつないで届けていく。その循環の最初にあるのが、ローカルでした。
私がうまくいったときの順番
振り返ると、私が20年以上前からやってきたやり方で、うまくいったときは、だいたいこの順番にぴったり重なっています。
| 本の6段 | 私がやったこと |
|---|---|
| 支援 | 工務店さんの集客を支援した |
| 教育 | 自分が入った会社でうまくいったやり方を、船井総研さんと一緒に、セミナーやコンサルで教えるものにした |
| ネットワーク | 会員制にして、月額1万円で学び放題の有料会員サービスをつくった |
| 商品 | 50万円くらいの開業パッケージをつくった。ECサイトやモバイルサイトが作れる、商品サービスのパッケージ |
| メディア | たくさん売れて喜ばれたので、それを束ねた講座やサービスを、購入した方だけが集まるECサイトのショッピングモールにした |
| テクノロジー | 最終的には、それをITのツールとしてパッケージにして、アプリケーションにした |
この順番が、自然な発展の流れなんだと思います。いきなりテクノロジーを作ろうとすると、失敗してしまうかもしれない。
だから、始まりはいつも目の前の困りごとを支えるところです。自分の困りごとでもいいし、お客さんの困りごとでもいい。そこでの支援を通じて、教育、ネットワーク、商品、メディア、テクノロジーへと育てていく。この順番に乗ってやるのが、やっぱりうまくいく。これは私の体感です。
AIの時代も、この順番はそのまま使える
今、新しく出てきているAIのサービスも、この順番をそのまま引き継げると思っています。
まず自分の課題をAIで解決する。それをプロセスエコノミーで発信する。AIを使えば、それをいきなりオンライン講座(教育)にもできる。講座で教えたものは、オンライン講座やKindle出版として商品にできる。それを発信していけば、ブログやSNSでメディアになる。最後は、自分で作ったものをカスタマイズして提供すれば、テクノロジーにもなる。
支援からテクノロジーまでが、一本道で行けてしまう。これはかなり強いです。
そうなると、人間がやることははっきりします。
ネットワークを築くこと。人と人のつながりを深めていくこと。ここは半分、自分の手でやる必要があります。
自分を知ること。自分の熱が、どこにあるのか。
そのうえで、神田さんの言う分野No.1の宣言を立てる。フューチャーマッピングは手書きでしっかり書いて、社会課題と事業の型を決める。あとは、目の前の課題を解決しながら、自分がついやってしまうことをAIに分析させて、自分の熱とつないで、支援から教育、ネットワーク、商品、メディア、テクノロジーへ展開していく。
これが、いちばん短く、いちばん速く、ぶれずにできるやり方だと思っています。
本の中身は、このあとの全容解説で全部通します。第1章のローカルの図(図1-3)もそこで詳しく書きます。
私の話|「接続者」は、本の言葉でいう私の「つい」でした

第2章の「つい」は、朝LIVEでも自分のこととして話したところです。
冒頭に書いた「接続者」。売る人ではなく、聴いてつなぐ人。本の第2章は、これと同じものを「つい」と呼んでいます。
134kgから50kg痩せた体験は、レシピと一緒にブログで毎日公開しました。がんの経験は「悪いことこそ宝物」という言葉にしています。
全部、「自分の体験」と「誰かの課題」をつなぐ作業でした。
本の記入欄にそのまま入れると、こうなります。
私が、ついやってしまうことは、「自分の体験と、誰かの課題を、つないでしまう」である。
朝LIVEでこの記事を紹介したときも、ここは自分で読み上げて、確かにやっていますね、と話しました。
第2章で神田さん自身が「つい型にしてしまう」と白状しているのを読むと、よくわかります。「つい」って、直すものではなく、伸ばすものなんですよね。
ナラティブは、相手の内側から引き出される|私の失敗が、誰かの物語の入口になった

ストーリーとナラティブは、何が違うのか。
本の第3章の答えはこうでした。ストーリーは、誰かが語ってあげるもの。始まりと終わりがあって、作者が意図をもって組み立てる。ナラティブは、その人自身が、自分の変化を自分の言葉で語り始めたもの。つくられたものではなく、にじみ出てくるもの。
ストーリーは、語り手が渡すもの。ナラティブは、相手の内側から引き出されるもの。
だから大事なのは、相手の人の内側から引き出して、その人の物語にしていくことだと思っています。
渡すだけだった頃
リフォーム会社でWEB集客を独学で覚えました。独学で作ったホームページから、お客さんが来はじめた。EC事業では最高で月商6,000万円まで行きました。
でも、中身の薄い商品を売って、クレームをもらったこともあります。本の言葉に当てはめると、あの頃の私がやっていたのは、こちらから渡すだけのストーリーでした。
引き出されたのは、弱さを出したときだった
134kgから50kg痩せたときは、自炊のレシピをブログに毎日書いていました。頑張るほどリバウンドしていたこと。一駅だけ歩く、一食だけ自炊する、に変えたこと。弱さも途中経過も、そのまま出しました。
そうしたら、読者からこんなコメントが届きました。
「その正直さが、今の私には救いです」
弱さは、隠すものじゃなかった。私の話が完成品として届いたのではなく、読んだ人が、そこに自分の話を見つけてくれたんだと思います。
借金も、134kgも、がんも、私は隠さずに出しています。それがあるから、相手が自分の話を始められる。
今は、AIが相手に聞く
いま私がやっているのは、この「引き出す」をAIでやることです。
普通は、人がAIに聞きます。私のやり方は逆で、AIが問いを出して、人は答えるだけ。答えていくうちに、経験や感情や判断、その理由や価値観が言葉になって、その人の分身AIに移っていく。
聞かれて答えるだけで、悩みが財宝に変わる。
本の第3章にある「ナラティブを引き出す9つの問い」と、同じ向きです。説明は比較されるけれど、相手の内側から出てきた言葉は残る。私はそう思っています。
『存在起点のマーケティング』の全容解説|全パートを図解で通します

ここからは、本の中身そのものです。本の章立てに沿って、1パートずつ通していきます。
先に順番だけ言っておきます。
本の骨格は「場所 → 武器 → 届く場 → 言葉 → 組織」の5段です。第1章でどこに旗を立てるかを決め、第2章でそれを守る武器を掘り、第3章で届け方を絞り、第4章で旗に書く言葉を組み、第5章で現場のプロジェクトに落とします。
その前後を、序章(AI時代は順番が逆)と終章(旗を見つけるのは未来の担い手)が挟んでいます。
はじめに・序章|AI時代は、すべて、逆だ

本は「人が足りない」という経営者の口癖から始まります。
営業が足りない。幹部が育たない。技術には自信があるのに、広げる人がいない。著者はこれを聞くたびに「また、その話か」と思うそうです。
答えは短い一行でした。「人が足りないんじゃない。旗がないのだ」。
AIで一部の優秀な人の力を組織に広げられるなら、ひとりあたりの生産性は10倍、場合によっては100倍単位で変わりうる。だとしたら、先に決めるべきは人数ではなく「自社は、どこで勝つのか」だ、という順番です。
ここでいう旗は、額に入れた理念でも、業界で順位を一つ上げることでもありません。新しい分野のNo.1をつくること。その違いを著者は表で見せています。
| 比較項目 | 業界No.1 | 分野No.1 |
|---|---|---|
| 勝ち方 | 規模で勝つ | 定義で勝つ |
| 競争相手 | 同業他社・大手企業 | 比較されない状態をつくる |
| 必要資源 | 資本力・人員・広告量 | 独自の強み・意味づけ・言語化 |
| 顧客の認識 | 大きい会社、有名な会社 | このテーマなら、あの会社 |
| 価格競争 | 起きやすい | 起きにくい |
| 中小企業との相性 | 不利になりやすい | 非常に良い |
| AI時代との相性 | 埋もれやすい | 推薦されやすい |
実例として出てくるのが2社です。埼玉の開業医だった多田智裕さんが「内視鏡AI」の旗を立てたAIメディカルサービスは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2の出資を受け、スタンフォード大学医学部との共同研究に進みました。長野市の創業140年の老舗カクイチは、全国の倉庫の屋根に太陽光パネルを載せ、発電件数1万8000件以上、約141メガワットを積み上げています。
もう一つ、序章で押さえておきたいのがDX時代とAI時代の違いです。DXは仕事のやり方を揃えた。でも会社は軽くならなかった。ツールが増え、入力項目が増え、確認が増えたからです。
AIは逆で、「あの人がいないと回らない」「この会議をなくすのは不安だ」と思っていたものを見直せるようにする。つまり、会社に捨てる力を与え始めている。
ただし、AIは何を捨てるべきかまでは決めてくれません。その基準が「どの分野で勝つのか」という旗です。著者の言葉で押さえておきたいのはここです。
足りなかったのは、「何を捨てるか」という判断ではない。捨てても回る、という確信だった。
私の現場では
序章の「荷物を抱えたままでは、旗は持てない」は、私が「抱え込みOS」と呼んでいるものと同じ形です。自分が頑張らないと全部止まる、止まったら死ぬ、という思い込みのことです。
私が手放せたのは、がんの手術と入院で、仕事を物理的に持てなくなってからでした。抱え込まず手放してよいのだと、そこで初めて気づきました。その話は後半で書きます。
第1章|モブになるな。勝つ場所は、102通りある

第1章は「社長、ゼロです」という採用担当の一言から始まります。応募者も問い合わせも説明会予約も、ゼロ。給料も福利厚生も求人ページも直したのに、誰も来ない。
著者はこれを改善思考の罠と呼びます。条件を良くする、見せ方を変える、機能を足す。どれも誠実な努力なのに、努力するほど既存の比較の土俵に深く入っていく。怠慢ではなく、誠実さから生まれる罠です。
しかも今は、比較で負ける前に「頭の中から落ちていく」。相手の頭の中で「この会社は何者か」が立ち上がっていなければ、最初から候補に入らない。これが本のタイトルにもなっているモブの状態です。
では旗をどこに立てるか。答えは公式でした。
分野No.1 = 社会課題 × 事業の型
社会課題はSDGsの17項目、事業の型は6つ。17×6で102通りの場所がある、という計算です。図1-2「存在起点のビジネス創造ロードマップ」は見開きの大きな表で、下にマズローの根本欲求まで敷いてあります。流行に乗っているだけの事業は伸びても消える。人の深い欲求に触れている事業は長く育つ、という理由です。
私がこの章で一番おもしろかったのは縦軸でした。6つの事業の型は、単なる業種分類ではなく進化の順番として読めるように並んでいます。
| 段階 | 価値の形 | 例 |
|---|---|---|
| 支援 | ひとりの腕と熱意で、目の前の顧客に届ける | 起業初期のほとんど |
| 教育 | やってきたことを、教えられる形にする | コンサル・講座・研修 |
| ネットワーク | 価値を「つながり」にする | 研究会・協会・会員組織 |
| 商品 | 価値を「形」にする | 教材・キット・アプリ |
| メディア | 価値を「情報が流れる場」にする | ウェブサイト・動画・展示会 |
| テクノロジー | 価値を「仕組み」にする | SaaS・AI・独自システム |
今は下のほうだから無理、ではない。下から始まるからこそ上へ伸びる余地がある。この一枚は「今の自分を分類する図」ではなく「どこへ進化できるかを見る地図」だと著者は書いています。

この章で、私が一番大事だと思っているのはここです。
ローカルは、小さいという意味ではない。グローバルは、最初から世界を相手にするという意味でもない。むしろ逆だ。
事業は、たいてい目の前の顧客や、特定の地域や、限られた業界から始まります。そこに深く入るからこそ、痛みの解像度が上がる。何が本当の困り事なのか、どこで感情が動くのか、なぜ今のやり方では解決しきれないのか。そこが見えてくる。
そして、そのローカルの困り事を深く突き詰めると、逆に普遍性が立ち上がる、と著者は書きます。図1-3「ローカルは小さいのではない。深いのである」は、その流れを5段で見せた図です。
| 段 | 起きること |
|---|---|
| ローカルの深掘りと起点 | 事業はたいてい、目の前の顧客や地域の痛みから始まる |
| 解像度が上がる | ローカルに深く入るほど、困り事の解像度が上がる |
| 共通構造への広がり | 深く刺さった価値は、共通構造を持つ課題へ広がっていく |
| 普遍性の発見 | ローカルは制約ではなく、普遍性を見つける出発点である |
| 進化とグローバルインパクト | 深い痛みの理解が、教育・ネットワーク・商品・メディア・テクノロジーへの進化を促す |
図の下に、こう添えられています。深掘りが生む、普遍的な価値の波及。
ローカルは制約ではない。出発点である。
ひとつの分野でNo.1になれば、それは十分にスケールできる。出発点が支援であっても、グローバルに広がらないわけではない。問題は規模ではない。その痛みが、どこまで本質を突いているかである。
ローカルで深く刺さったものは、条件が整えば教育になり、ネットワークになり、商品になり、メディアになり、テクノロジーになる。そうして初めてグローバルへ波及する。だからこの図のローカルとグローバルは、事業の大小ではなく、痛みの発見地点と、価値の波及範囲を示しているわけです。
ここ、順番が逆だと全部ずれます。先に「全国へ」「海外へ」と広げると、痛みの解像度が上がらないまま面積だけ増える。深さが先で、広さは後でした。
事例は3社です。カクイチは、倉庫の屋根を「発電の土台」と見直して、年間26億円の売電収入を生みました。福島県須賀川市のオノヤは「家を直す会社」をやめ、不動産・リフォーム・インテリアに分断されていた家探しを「理想の暮らしへの導線」として束ねました。大阪市のBABY JOBは、保育園に預ける親が毎日油性ペンで書いていたおむつの名前書きに目をつけ、紙おむつのサブスクにしました。
3社とも新しい発明ではありません。見慣れたものの意味を変えただけです。そこから著者は、旗の場所を見つける視点を取り出します。
- 見慣れすぎて、価値だと思っていないものは何か
- 顧客や社員が「仕方ない」とのみ込んでいる重さは何か
- その重さは、社会のどんな課題につながっているか
これが重なった場所に、旗の一文を書きます。章の最後に置かれているテンプレートはこれです。
私たちは、( )という社会課題に対して、( )という事業の型で、( )の分野No.1を目指す
粗くていい、仮でいい、でも書かなければ旗は立たない。そして第1章の宿題は、たった一つでした。会社の中で当たり前すぎて誰も価値だと思っていないものを、ひとつだけ書き出すことです。
この「モブ」の話は、土曜あさLIVEでも取り上げられています。ただっち(多田啓二)が自分の師匠である神田さんの第1章を土台に、「いい人すぎて埋もれる」という自分の告白から話した回です。「あれもできる、これもできる」をつい付け足してしまう、というコメントにただっちも深くうなずいていました。その回をまとめたのが差別化できない経営者へ AI時代に選ばれる強みの見つけ方です。
私の現場では
この章で私が目から鱗だったのは、分野No.1が絶対軸だという読み方でした。今までは業界No.1と言ってきたんです。業界No.1は相対軸で、同じ業界のライバルより勝っているか負けているかの話になる。分野No.1は自分から「この分野のNo.1です」と言える絶対軸なので、比較されないし、価格競争も起きにくい。
肩書きを自分で決めてNo.1を名乗るのは昔からありました。でも、それを社会課題と事業の型で定義し直すと意味が変わります。当たり前に見えて、意外な盲点でした。
それから、AIから選ばれるにはどうしたらいいか。私の見立てはシンプルで、人から選ばれることをちゃんと発信していれば、AIからも選ばれるです。AIは人間の拡張装置なので、選ばれやすくなるだけなんですよね。
第2章|AI時代の高収益事業は「つい」から生まれる

第2章は、AIの世界を3層に分けた図から始まります。上はChatGPTやGeminiのような生成AIサービス、下はモデル開発企業と巨大なクラウド基盤。どちらも普通の会社が正面から戦える場所ではありません。
勝負の場所は、その真ん中。「現場接点・固有データ」の層です。咽頭画像と問診のAillis、内視鏡画像のAIメディカルサービス、契約レビューの修正履歴のLegalOn Technologies、図面・見積・調達データのCADDi。業界は違っても、現場でしか生まれないデータを押さえている点が同じです。
その入り口が「つい」。頼まれなくても、考える前に自然にやってしまっていることです。数字のズレを見ると帰れない。相手に言われる前に先回りしてしまう。話が詰まると整理したくなる。本人には当たり前すぎて見えていないけれど、そこに会社の判断の型があります。
わかりやすいのが三重県伊勢市の大衆食堂えびやです。十数年でグループ売上は13倍、利益は16.5倍。来客予測AIの精度は95%台、廃棄ロスは72.8%削減、完全週休2日で年休120日。小田島春樹社長には、新作のロールプレイングゲームを72時間以内にクリアするという「72時間ルール」があるそうです。
全体をつかまずにはいられない社長の性質が、センサーやデータ分析の仕組みになり、その仕組みが外販の新規事業EBILAB(エビラボ)になった。感覚がデータになり、データが判断になり、判断が仕組みになる。この流れが章の背骨です。
逆に、AIが広がらない会社は見る場所を間違えている。本はPwC Japanグループの2025年調査を引いて、日本で過去1年間に業務でAIを活用した人は35%にとどまり、若手・中堅の約75%は生成AIをまったく使っていないと書いています。仕事の流れに入り込んでいないAIって、使われないんです。
「うちにはデータがない」という声への答えも具体的でした。営業日報、問い合わせ履歴、修理記録、シフト表、クレーム対応の文面、見積もりの修正履歴。データがないのではなく、データだと気づいていないだけ。図2-2には業界ごとに「ついたまるデータ」が並んでいます。
そして、見つけた「つい」を7つの方向に振り分ける地図がAILEADR(AIリーダー)です。
| 記号 | 型 | つい |
|---|---|---|
| A | Autonomy 自律化型 | つい整えてしまう |
| I | Innovation 価値転換型 | つい組み替えてしまう |
| L | Language 言語設計型 | つい言葉にしてしまう |
| E | Engagement 関係深化型 | つい寄り添ってしまう |
| A | Analytics 洞察抽出型 | つい見抜いてしまう |
| D | Detection 予兆発見型 | つい先を読んでしまう |
| R | Risk 先手安心型 | つい守ってしまう |
おもしろいのは、この地図が生まれた経緯です。著者は章を書きながら自分の「つい」を考え、「つい価値を凝縮してしまう。ついネーミングしてしまう。つい再現可能な型にしてしまう」と書いたあと、「またやってしまった」と白状しています。それで7つの型にまでしてしまった、と(著者自身が一番の実例でしたw)。
日本の事例は3社。東京・墨田区の日本イトミックは、お湯ではなく「止まらない運営」を月額固定のサブスクで売る。千葉県を中心に展開するファミール産院グループは、出産の場だけでなく「安心して産める地域」を育てる。東京・千代田区のユナイトアンドグロウは、情シス支援ではなく「会社の詰まり」を解く解決の履歴を積み上げる。
章の最後は記入欄です。見極める基準は3つ。現場で何度も繰り返されているか。記録として残っているか。外部データとつなげられるか。
私たちが、ついやってしまうことは、「 」である。
図2-1に出てくるCADDiの代表・加藤勇志郎さんの話は、動画の視聴レポで取り上げました。「製造業の知の8割は頭の中にある」という一言は、この章の「つい」とまっすぐつながります。実家が惣菜屋だった私の現場経験と重ねて書いたのが「製造業の知の8割は頭の中にある」をCADDI加藤勇志郎さんが解説。日本の暗黙知が強みになる理由です。
私の現場では
この章が、私が一番「そのとおりだ」と思ったところです。AI時代は現場が命だと、私はずっと言ってきました。現場接点・固有データ。これがカルピス原液です。
だから、当たり前にやっていることをデータとして残して、AIでパッケージ化する。最短で、最速で、いちばん強いネタになります。本にも書いてありますが、データがないんじゃなくて、データをちゃんと見ていないだけなんですよね。自分の解像度の問題です。
第3章|捨てるマーケティング

第3章は、マーケティングの60年をコーヒー一杯でたどるところから始まります。出発点は1967年、フィリップ・コトラーの『マーケティング・マネジメント』です。
| 転換 | コーヒー店で起きたこと |
|---|---|
| ① | うまければ、売れた |
| ② | 誰に出すかが、問われた |
| ③ | 人は、店の「考え」に惹かれ始めた |
| ④ | 店頭だけでは、選ばれなくなった |
| ⑤ | 同じ一杯を、みんなに出す時代ではなくなった |
| ⑥ | 人は、コーヒーではなく「体験全体」を買い始めた |
| ⑦ | 最後に選ばれるのは、一杯の向こうにある「未来」になった |
問題は、足りないことではなく多すぎることです。企業が検討すべき主要チャネルはすでに50を超え、無料PDF・診断・セミナー・体験会のような入り口も無数に増えた。
ここで出てくるデータが痛いです。サプライヤーからの望まぬコミュニケーションに対して、29%が件名も読まずに削除し、27%が配信停止を求め、25%が迷惑メールフォルダに送り、20%がそのサプライヤーのメールをすべて無視した。さらに14%は購入頻度を減らし、13%は営業との面会を拒み、13%は同僚に悪く言い、12%はその会社からの購入を完全にやめた(出典は『隠れたキーマンを探せ!』)。良かれと思って送った情報って、信頼を削っていたんですよね。
では何を残すか。著者の答えは変化体験タッチポイントでした。顧客が買う前に「この未来なら、自分も進んでいけそうだ」と感じる接点のことです。
例として出てくるのが、推し活とテスラです。
推し活で人が動くのは、対象が尊いからだけではありません。動画を見て、投稿を追って、ライブに行って、友人に話す。その一つひとつを通して「この世界を知っている自分」「この魅力を語れる自分」が少しずつ現実になっていく。だから時間もお金も動く、と著者は書きます。
テスラも同じ構造です。人は街で見かける前に、まずSNSで知る。誰かが新機能を試せば、その体験がすぐ共有される。「冬場は実際どうか」「充電は不便ではないか」という相談は、企業の説明より先に、すでに乗っている人とのあいだで交わされる。納車の日には写真が上がる。
不満や怒りもそのまま流れるけれど、そこも含めて世界が閉じていないから、その未来が現実味を持つ。テスラが変えたのは販売チャネルだけではなく、人が知り、やり取りし、その体験の中へ入っていく順番そのものだった、というわけです。
この2つを挟んで、変化体験タッチポイントは段階ごとに整理されます。
| ステップ | 起きること | 顧客の心の声 |
|---|---|---|
| 第一ステージ 断片を見せる | 変わった人の断片に触れる | 「ん?自分に関係あるかも」 |
| 第二ステージ 時間に入ってもらう | その世界の時間の流れに入る | 「自分も変われそうだ」 |
| 第三ステージ 変化の瞬間に立ち会う | 変化が起きていることを自分の感覚で確かめる | 「この未来に入っていい」 |
章の後半に、もう一度コーヒー店が出てきます。イヤホンで小声のオンライン会議をする客が増えて、クレームが入った。ある店はその客を追い出し、近くにできた別の店は「オンライン会議歓迎」を掲げた。静かな席と話せる席を分け、イヤホンを貸し出し、常連の「マイコーヒー」を登録して注文の迷いを減らした。その結果、メニューは削れた。
その店は「コーヒーの店」ではなく「仕事がまた動き出す場所」として記憶されるようになります。来店理由と紹介理由が一致した瞬間に、店は本当に強くなる、と。
そして残すべきものはナラティブだと著者は言い切ります。ストーリーは誰かが語ってあげるもの。お客様の声は「満足しました」という感想。ナラティブは、その人自身が自分の変化を自分の言葉で語り始めたもので、迷いと葛藤と「何かが変わった瞬間」が入っています。
ナラティブは会議室でつくるものではなく、顧客の中から掘り出すもの。そのための9つの問いが載っています。
- 最初に出会ったとき、何に困っていましたか。
- そのとき、何を変えたいと思っていましたか。
- それでも、なぜすぐには動けなかったのですか。
- どの言葉、出来事、体験がきっかけで、「少し違うかもしれない」と感じましたか。
- 見え方が変わった瞬間は、どこでしたか。
- その後、最初に変わった行動は何でしたか。
- 以前の自分と比べて、今一番変わったことは何ですか。
- その変化を、身近な人にどんな言葉で説明していますか。
- 同じところで立ち止まっている人に、ひと言だけ渡すとしたら、何ですか。
聞く相手は、成果が一番大きい人でも満足度が一番高い人でもありません。出会う前と後で、見え方と言葉と行動が変わった人です。「マーケティングを足し続ける前に、まずひとりに聞く」。これが第3章の宿題でした。
「顧客が語った言葉を渡す」という話は、神田さんの連載の「価格逆算経営」の回でも出てきます。岡山の家具メーカーの35万2000円のソファがなぜ選ばれるのかを読み解いたのが値上げの前に読む神田昌典「価格逆算経営」|35万2000円ソファが選ばれる理由です。値段の話に見えて、中身はこの章のナラティブと同じでした。
私の現場では
捨てる話でいうと、私の答えは決まっています。メディア媒体は1個でいいです。
選ぶのは、自分が好きで得意で、思わずついやってしまう媒体です。私なら毎朝のLIVE。公ちゃんならVoicyの音声収録。ブログでもメルマガでも、何か1個でいい。それを発信のカルピス原液にして、あとはAIに合う媒体を選ばせて、AIに回してもらう。
幹が整って分野No.1の旗が立つと、誰に何をどのように伝えるかが埋まります。同時に、何をやらないか、誰に伝えないかも決まる。だから一気に断捨離ができるんです。選択肢が多すぎて全部中途半端になるのが、失敗のいちばんの原因だと思っています。
第4章|忘れられる提案を、前に進める言葉の型

第4章は結婚式の祝辞から始まります。「本日は、おめでとうございます」と聞けば、誰でも祝辞だとわかる。祝福、関係、情景、未来という順番があるからです。
ビジネスの言葉にも順番がある。著者が1999年から提唱してきたのがPASONAの法則で、今はPESONA(Problem 問題、Empathy 共感、Solution 解決、Offer 提案、Narrowing 適合、Action 行動)にアップデートされています。
ところが今は、それだけでは足りない。問題を整理し、悩みを言語化し、共感し、解決策を示す。そこまではAIでもできるからです。だから順番を変える。最初に置くのは問題ではなく「違い」。それがD-BE UNICK(ディービー・ユニーク)です。
| 記号 | 要素 | 問い |
|---|---|---|
| D | Distinction 違い | 何が決定的に違うのか |
| B | Benefit ベネフィット | それで、何が変わるのか |
| E | Evidence 信じられる根拠 | 本当に、そう変われるのか |
| U | Urgency 緊急性 | なぜこれまで知られていなかったのか。なぜ今、必要なのか |
| N | Nameless Enemy 名もなき敵 | 何が邪魔してきたのか |
| I | Innovation 革新的アプローチ | 顧客は、どこで「自分も変われそうだ」と感じるのか |
| C | Case Study 事例・実習 | 自分でやるには、どうするか |
| K | Kickstart 最初の一歩 | 無理なく始めるには、どうするか |
違いがよくわかるのが、同じ「AI時代の企画提案研修」の案内文の比較でした。PESONA版の入り口は「最近、企画提案が通りにくくなっていませんか」。D-BE UNICK版は「AI時代に量産される”それっぽい企画”を、上司や顧客が『進めたくなる提案』へ変える」。
著者の会社では、同じ企画を「問題起点」と「旗印起点」の2つのメッセージで案内したそうです。企画も相手も同じで、違ったのは入り口の言葉だけ。それで開封数で正規化した最終申込率に6.5倍の差が出た、と書いてあります(結果は条件によって変わる、という断り書きつきです)。
著者は「Dで九割決まる」とまで言います。しかもDは、他社より少し優れた点を並べることではない。相手が何をもって選ぶか、判断軸そのものを変えることです。
その例がゼロックスのカラーコピー機でした。学校に売ろうとしても、校長には予算の壁があり、教頭には「白黒で十分」という認識がある。売れない。ところが、ある一枚のチラシに大きく書かれた「77%」で空気が変わります。色の導入によって生徒の集中力が77%改善する、という数字でした。値引き率でもコスト削減率でもない。商品も機能も同じで、変わったのは判断軸だけです。
もう一つ、この章で押さえておきたいのがNの名もなき敵です。提案が通らなかったのは、あなたの能力が足りなかったからではない。「それは、あなたのせいじゃない」と言われた瞬間に、人は「では、何が邪魔してきたのか」と考え始める。研修の例では、敵の正体は「ロジカルな資料をつくることが仕事だ、と信じ込ませる会議の空気」でした。敵が見えると、売り手と読み手が同じ敵に向かって立てるようになる。
そして、最初から8つ全部をやる必要はない、と著者は書きます。図4-8は、D・B・Eの3要素だけを埋めるシートです。
| 要素 | 空欄 |
|---|---|
| D0 何が止まっているのか | 今、( )が止まっている。 |
| D1 どんな意外な違いを持ち込むのか | そこに、( )という意外な違いを持ち込む。 |
| B 何が、誰とともに前に進むのか | すると、( )が、( )とともに前に進み始める。 |
| E なぜそう言えるのか | そう言えるのは、( )という事実があるからだ。 |
この章で一番大事な一文は、Bの説明の中にさらっと置かれていました。ベネフィットはAIなら一瞬で埋めてくる。
だが、AIに出せないのは、何が決定的に違うのか、その芯である。
私の現場では
私はPASONAの法則が体に染みついていました。だから「課題から入るな」というD-BE UNICKは、正直かなり衝撃でした。あ、そんな型でいいんだ、と。そこまで振り切れていなかったんです。
最初に言うべきなのは「何が決定的に違うのか」。Dで9割決まる、はそのとおりだと思います。神田さんは型を作るのが本当に上手い方です。
第5章|旗は立てただけでは、動かない
この章は本の中でいちばん長いところです。先に3行だけ書いておきます。
載っているのは会議のやり方が1つ(フューチャーマッピング会議)。手順は7段(準備・未来・現在・物語・発見・行動・発進)。架空の飲食チェーンの2時間の会議を、読者が5人目の参加者として追体験する形で書かれています。
手順だけ知りたい人は、このあとの7段の表だけ見て先へ進んでも大丈夫です。

第5章は本の中でいちばん長い章です。経営会議では賛同され、資料もきれいにまとまった。それでも翌朝、現場には昨日と同じ予定表がある。構想が止まる理由は、構想が大きすぎるからではなく、大きな構想と今日の現実が、まだ出会っていないからだと著者は書きます。
その出会いをつくるのがフューチャーマッピング会議です。著者が2008年に開発した思考技術で、15年以上、企業の戦略や新規事業の現場で回してきたそうです。日産自動車の「NissanConnect(日産コネクト)」では、累計10万契約という目標に「人が足りない」「時間がない」「予算がない」が並んでいた。会議の中で日産車を愛するファンの熱量と体験談が「未来を動かす仲間」として見え、人員も予算も増やさず、1年後に累計10万契約が現実になったと書かれています。
なぜ会議が必要か。同じ「AIを導入しよう」という言葉が、社内では4つの物語に割れるからです。経営者には競争力とコスト削減の話、上昇志向の社員には能力を広げる話、最低限でいいと思っている社員には検索エンジンが1つ増える話、現場で働く人には仕事を奪われる話に聞こえる。
章の大半は、架空のアジアン・カジュアルダイニングチェーン「SORA TABLE」の会議を、読者が5人目の参加者として追体験する物語です。集まったのは本部長、エリアマネージャー、店長、副店長の4人。人が辞める、採用が決まらない、星ひとつのレビューが入る、閉店後の作業がきつい。そんな店で2時間の会議が開かれます。
手順は7段でした。
| STEP | やること |
|---|---|
| 0 準備 | 許可を取り、枠を描き、「自分の」課題を置く。3幕×上下2段の6マスで、期間は4カ月後・8カ月後・12カ月後 |
| 1 未来 | 120%ハッピーになる「主人公」を選び、未来の光景を主人公の喜びのセリフで置く |
| 2 現在 | 主人公の今の悩みを、セリフのまま置く |
| 3 物語 | 未来から現在へ一本の曲線を引き、その下に、なぜか気になる言葉を書き込む |
| 4 発見 | 今と未来の差をひと言にし、仮のプロジェクト名を置く |
| 5 行動 | 仕事・プライベート・社会の予定を書き出し、テーマに近づく行動をひもづける |
| 6 発進 | 努力しなくてもできる、一番小さな一歩を決める |
未来のセリフは、セリグマン博士のPERMA理論を応用した5つの書き出しで立ち上げます。「気づいてみれば」「とくに」「意外なことに」「思えば」「しかも」。会議では「意外なことに、前に辞めた三浦さんが戻ってきて、みんな喜んでいる」「しかも、社内AI活用で表彰されて最高だ」といったセリフが出てきます。
で、ここからがこの章の山場です。曲線の真ん中に、誰かが「揚げ物」と書いていた。なんでここに揚げ物があるのか。少しの沈黙のあと、副店長がぽつりと言います。「もしかして、油が鍵なのかも」。
そこから、ずっと設備要望として後回しにされてきた油ろ過器の話が出てきます。閉店後、まだ熱い油をこぼさないようにバックヤードまで運ぶ。重いし、危ない。新人ほどあそこで嫌になる。油ろ過器が入れば、スイッチを入れるだけで済む。
単なる人手不足ではなかったんです。危なくて重い作業が、そのまま現場に残されていた。本部長には閉店後の油の重さが見えにくく、副店長は体で知っていたのに離職の根っことは言葉にできず、店長は疲れの真ん中にいて、エリアマネージャーは全体を見ていたのに油ろ過器にはひとりでたどり着けなかった。4人の視界を重ねて初めて見えた盲点です。
旗の名前は「現場の重いを軽くする」、外に掲げる名前は「AI活用モデル店づくりプロジェクト」。店長の「揚げる話から、掲げる話になりましたね」で全員が笑います。そして最初の一歩は、ホワイトボードの端に小さく書かれた「社長にメッセージを送る」でした。
著者はこの会議が組織にもたらす変化もまとめています。10倍目標が戦略を転換させること。山頂から見下ろすように本当の課題が見えること。そして未来が自分事になること。会議が動く条件は、たった一つ。リーダーが、理想の未来を描くことにワクワクすることだそうです。
フューチャーマッピングは、GPTs研究会のLIVEにも縁があります。ただっちと二階堂真悟さんは、神田さんのもとでこの手法を一緒に学んだ同期だそうです。その二階堂さんが「地域のヒーロー」として歩んできた15年を聞いた回がFAXで図書館を口説いた「地域のヒーロー」二階堂さんの起業物語です。
私の現場では
フューチャーマッピングは、ぜひ手書きでやってください。あとでAIに清書させるのはいいんですが、書いている過程で生まれてくるものがあります。ここはアナログが超大事なところです。
私も未来のセリフの材料は決まっています。「やりたくないことを一切やらず、24時間ワクワク夢中の遊び探求だけで生き、それを見せつける」。この一文を右上に置いて、左下に今の悩みを置けば、ひとりでも始められます。やると景色が変わります。
終章|未来の担い手が、あなたの旗を見つける日

最後の章は、数年後の面接の場面から始まります。
ひとりの若者が、高校の探究学習で祖母の住む町の買い物の状況を調べた話をする。困っている人が多いことを知って、仲間と解決策を考えて発表した。だけど、それで終わってしまった。そして、こう続けます。
「御社が同じ問題を事業にしていると知って、ここなら、あの続きをやれると思いました」
採用するのは、欠員を埋めるひとりではない。社内にまだなかった問いを持ってきたひとりだ、と著者は書きます。
社会課題は大きく聞こえるけれど、始まりはもっと身近です。第5章の閉店後の熱い油。重くて危なくて、新人が嫌がる。それでも昔からそうしてきたから、今日も誰かが運んでいる。現場で長く「仕方がない」とされてきたこと。それが社会課題の入り口だと、ここで第5章と第1章がつながります。
だから、人が足りないと聞こえたら、採用人数を決める前に一度だけ問い直してほしい。「何を一緒に実現する人が、足りないのか」。本は「はじめに」の一行に戻って、「さあ、旗を掲げよう」で閉じます。
私の現場では
私の場合、がんで入院していた間、仲間のただっちが朝LIVEを続けてくれました。今は月曜から日曜まで、曜日ごとにホストとゲストがいて、私が出ない日もLIVEが回っています。番組はより良くなり、私の負担は減りました。
旗の材料は外ではなく中にある。内側から湧いてくるもの、ワクワク夢中に遊び探求していること。カルピス原液もそこから生まれます。
この本をどう受け取るか
正直に書いておくと、第5章は架空の会社の会議を追いかける物語なので、手順だけを知りたい人には長く感じると思います。その場合は、STEP0〜6の手順図を先に見てから物語に入ると迷いません。
もう一つ。第1章の102通りの地図は、著者自身が「挙げた事業名は、正解リストではない」と断っています。表を埋めて答えが出る本ではありません。空欄を自分の手で埋めて、初めて自分の本になる。そういう本です。
それから、本に出てくる数字の多くは企業の公表値や他書からの引用で、出典が明記されているものとそうでないものがあります。この記事でも、本の記載どおりに書いています。
本を通して読んでから、自分の空欄を埋め直した

ここまでで、本の中身は全部通しました。ここからは、読み終わったあとの私の手元を見せます。
前半では、ローカルから始まる事業の型の6段を、私のやってきた順番で並べました。ここでは残りの3つ、変化体験タッチポイント、提案の言葉、旗の一文を埋めます。
①私のD-BE UNICKは、実績ページの8つの見出しになった
私のプロフィールと実績をまとめたページは、見出しを上から並べると、D-BE UNICKの8つの順番になっています。
| 記号 | 私のページの見出し | 中身 |
|---|---|---|
| D 違い | 最大の違い | AIを何種類使えるか、ではない。自分を知り、自分の文脈のまま、何を任せられるか。自動化ではなく「分身化」 |
| B 何が変わるか | 変わったあとの景色 | 変わったあとの景色は、ただの「ごはん」でした。売上の桁ではなく「状態」が変わる |
| E 根拠 | 根拠と数字 | 134kg→83kg。2023年11月から毎朝6:30の朝LIVE。GPTs研究会8,900名超。従業員10名以下の建設会社を売上8,000万円から10億円へ成長支援(支援先の申告による売上で、私の支援だけの成果ではありません) |
| U 緊急性 | なぜ今か | 決められた答えを速く正確に出す仕事は、いまAIが全部やる。社長が作業を抱え続けるほど、家族の時間が削られていく |
| N 名もなき敵 | 邪魔してきたもの | 邪魔してきたのは、能力じゃなく「抱え込みOS」という構造 |
| I 革新的アプローチ | 道筋 | 断片を見る → 場に入る → 変化の瞬間に立ち会う |
| C 事例 | 事例 | 建設会社の成長支援/私自身の134kgからの減量と借金からの復活、がんの手術のあと/がんで入院した私に代わって朝LIVEを続けてくれた、ただっち |
| K 最初の一歩 | 最初の一歩 | XのDMに一言だけ。準備も資料もいりません |
Dの中身は、こう書いています。AIに詳しい人は、たくさんいます。私が違うのは、AIの知識ではなく、比べる軸です。多くの人は「AIを何種類使えるか」で競います。私は「自分の文脈を保ったまま、何を任せられるか」で見ます。
それから、Uの最後に一行だけ置いた言葉があります。
それは、あなたのせいじゃない。
本の第4章でいう、名もなき敵が見えた瞬間の一言です。私の場合、その敵の名前が「抱え込みOS」でした。
もう一つ、Uには締切や残席、値上げのような「急ぐ理由」を置いていません。あるのは、毎朝6:30に無料で開いている場と、私が全部見せているプロセスだけです。今考える理由は、時代の側が先に変わっている、それだけです。
②道筋は3段だけ。本の変化体験タッチポイントと同じ形
Iの「道筋」は、第3章の変化体験タッチポイントの3段とまったく同じ形になりました。
| 本の3段 | 私のページの道筋 | 中身 |
|---|---|---|
| 断片を見せる | ① 断片を見る | うまくいった話だけではなく「ここで躓きました」「AIがこんな変な回答をしました」まで、毎朝6:30の朝LIVE、AI氣道の記事、分身AI.comの「分身AI日記」で出している。登録も相談もいらない、ただ見るだけの試食コーナー |
| 時間に入ってもらう | ② 場に入る | GPTs研究会や、ClaudeCode・AIエージェント実践会、日曜朝のSunday Live。先生と生徒ではなく、同じ視線の相棒として、その週の最新AIを一緒に触る |
| 変化の瞬間に立ち会う | ③ 変化の瞬間に立ち会う | 分身AIを一緒に作る。AIが問いを出し、人は答えるだけ。「聞かれて答えるだけで、悩みが財宝に変わる」 |
「全部やってあげます」はしません。相手を依存させる仕事は、1億円積まれてもやらないと決めているからです。だから3段目も、作ってあげるのではなく、一緒に作る形にしています。
③旗の一文は、今の版で書いておきます
第1章には、3つの空欄を埋めるテンプレートがあります。私も埋めてみました。
私たちは、(真面目で不器用な経営者が、一人で全部抱え込んで潰れていく「抱え込みOS」)という社会課題に対して、(分身AIと仲間の場で「委ねる」=自動化ではなく分身化)という事業の型で、(分身AI)の分野No.1を目指す
これは作り込み中の、今の版です。朝LIVEでも、私自身まだ作り込んでいる最中だと話しました。
それでも載せます。この旗があるかないかで、全然違うからです。LIVEでは、ここだけで8割だとも話しました。
1つ目の空欄は「抱え込みOS」です。自分が頑張らないと全部止まる、という強迫観念のことです。私自身、仕事のプレッシャーも借金も、全部を一人で抱え込んできました。
2つ目は事業の型です。私がやりたいのは、自動化ではなく分身化です。自分らしさを保ったまま、分身AIと仲間に委ねる。場を作り、耕し、人を繋ぐのが、私の得意なことです。
3つ目は分野です。5年後の姿として「分身AIといえばひろくん」を掲げています。だから、ここには分身AIと書きました。
あなたも、粗くていいので一度書いてみてください。完璧より完了です。今の版から直していけます。
実践編|本のワークを、今日30分でやる5つの手順

ここからは、本のワークを今日やれる大きさに切り分けたものです。全部やらなくて大丈夫です。1つだけでも、やった分だけ旗の輪郭が出てきます。
一問目の答えは、AIではなく自分の手で書いてください。本の第4章にもあるとおり、AIが一瞬で埋めてくる部分と、AIに出せない芯は別だからです。
①当たり前すぎて誰も価値だと思っていないものを1つ書く(5分)
第1章の宿題です。倉庫の屋根や、おむつの名前書きの例を横に置いて、自分の会社で「毎日そこにあるのに、誰も値段をつけていないもの」を1つだけ書きます。完璧な答えはいりません。
②「つい」を一行で書き、基準に当てる(5分)
「私たちが、ついやってしまうことは、( )である」。書けたら、繰り返されているか、記録が残っているか、外部データとつなげられるかに○×をつけます。
自分で見えないときは、AIに聞くのが早いです。日報や問い合わせ履歴を渡して「頼まれなくても繰り返している行動を10個挙げて」と聞くと、自分では普通すぎて見えなかったものが並びます。抵抗を感じた答えほど、掘る価値があります。
③ひとりのお客さんに、9つの問いのうち最後の1問だけ聞く(10分)
第3章の9つの問いを全部聞くのが理想です。時間がなければ、最後の問いだけでいいので聞いてみてください。
「同じところで立ち止まっている人に、ひと言だけ渡すとしたら、何ですか」。
著者はこのひと言が「ナラティブの核になる」と書いています。聞く相手は、成果が一番大きい人ではなく、出会う前と後で言葉が変わった人です。
④D0・D1・B・Eの4行を埋める(5分)
第4章の図4-8です。今止まっている提案を1つ選んで、「今、( )が止まっている」「そこに、( )という意外な違いを持ち込む」「すると、( )が、( )とともに前に進み始める」「そう言えるのは、( )という事実があるからだ」の4行を埋めます。
Bは、AIに候補を出してもらっていいところです。D(何が決定的に違うのか)だけは、自分で書きます。
⑤ひとりフューチャーマッピングで、一番小さな一歩を決める(5分)
主人公を1人決めて、1年後の喜びのセリフを「気づいてみれば」「とくに」「意外なことに」「思えば」「しかも」の5つで書きます。その横に今の悩みを1行書いて、未来と今の差を「つまり、何の物語か」のひと言にします。これが仮のテーマです。次に、すでに決まっている予定(会議、研修、家族の行事)を書き出して、そのどれかにテーマをひもづける。最後に、努力しなくてもできる一歩を1つだけ決めます。
本の会議の最初の一歩は「社長にメッセージを送る」でした。一歩目って、そのくらい小さくていいんです。
台所でいうと
5つ全部を一晩で仕込もうとしなくていいです。まずは①の「うちの店で一番当たり前に出している一品」を書くだけ。仕込みは、冷蔵庫の中を見るところからです。
著者が本当に言っているもの|ここが本質です

タイトルに「マーケティング」とあるので、お客さんを集める技術の本に見えます。
でも、この本は、はじめにも終章も、同じ言葉から話が始まります。「人が足りない」。
はじめにで「人が足りないんじゃない。旗がないのだ」と言い、終章では、面接に来た若者の「ここなら、続きをやれそうです」という場面にたどり着く。つまりこの本の旗は、お客さんを呼び込む看板である前に、一緒にやる人が自分で見つけに来るための目印として書かれています。
ここで、序章の一文に戻ります。
足りなかったのは、「何を捨てるか」という判断ではない。捨てても回る、という確信だった。
私はこの確信を、自分で選んで手に入れたわけではありませんでした。
がんで入院して、毎朝のLIVEを強制的に止めることになったんです。代わりに、ただっちが続けてくれました。病室からその画面を見たとき、正直「居場所を奪われた」という複雑な気持ちもありました。でも、ありがたさもありました。
結果は、逆に良くなりました。そのときの自分の言葉が残っています。
「任せたほうがより良い番組にもなったし、ただっちも成長したし、結果的に俺の負担もへって逆により良くなりまくってきた〜」
2026年2月28日のセッションでの私の発言(がんサバイバー体験談に記録)
今のLIVEは、月曜から日曜まで、ホストとゲストが入れ替わる週7日体制で回っています。私が全部やっていた頃より、はるかに豊かな中身です(このあたりはがんサバイバー体験談|全部手放したら人生が好転した話に書きました)。
本に書いてある「優しさゆえに、会社が複雑になりすぎた」は、私の抱え込みOSそのものでした。
ただ、捨てるだけでは足りない、とこの本は念を押しています。AIは捨てる力をくれるけれど、何を捨てるべきかまでは決めてくれない。その基準になるのが旗です。
もう一つ、第4章の一文を、この本の芯として手元に残しました。
だが、AIに出せないのは、何が決定的に違うのか、その芯である。
AIは説明も比較も要約もできる。だから説明の上手さでは差がつかない。差がつくのは、自分がどこで勝つと決めたか、その一点です。そしてその一点は、外の相場からではなく、自分の「つい」と、自分が引き受けてきた重さの中から出てくる。
旗は、集めるための看板ではなかった。続きをやりたい人が、自分で見つけに来るための目印だった。
よくある質問
- Q. 『存在起点のマーケティング』の「旗」は、理念やミッションと何が違うんですか?
- A. 著者は、旗はビジョンやミッションのことではないと書いています。旗とは新しい分野のNo.1をつくることで、何を残し、何を捨て、何を束ねるかを決める判断の基準になります。額に入れて飾る言葉ではなく、会議で何をやめるかまで変える基準です。
- Q. 一人社長や小さな会社でも使えますか?
- A. 本の比較表では、分野No.1は中小企業との相性が「非常に良い」とされています。第1章の地図でも、事業はたいてい一人の支援から始まり、教育、ネットワーク、商品、メディア、テクノロジーへと進化できると説明されています。私の場合も、うまくいったときの始まりは、工務店さんの集客を支援するところでした。
- Q. PASONAの法則はもう使えないんですか?
- A. 著者は、PESONA(旧PASONA)は間違っていたのではなく、あの時代には強烈に正しかったと書いています。ただ、問題の整理や悩みの言語化まではAIでもできるようになった。だから入り口に問題ではなく「違い」を置くD-BE UNICKへ順番を変えた、という位置づけです。
- Q. 全部読む時間がありません。どこから読めばいいですか?
- A. まず序章で順番の考え方をつかみ、第2章の「つい」の記入欄と、第4章の図4-8(D・B・Eの3要素シート)を埋めてみるのがおすすめです。第5章は物語形式で長いので、STEP0〜6の手順図を先に見てから読むと迷いません。この記事で全パートを通してあるので、気になった章から原著に当たるのもいいと思います。
結論|全容解説のあとに残った本質は、たった1つでした

読み終えて、手元に残ったのはこれだけでした。
旗の材料は、外ではなく中にある。自分が「つい」やってしまうことと、引き受けてきた重さの中に。
AIが提案も説明も平均点以上に整えてくれる時代です。だから整った説明では差がつかない。差がつくのは、どこで勝つと決めたか、その一点でした。
その一点は、業界の相場を調べても出てきません。倉庫の屋根も、閉店後の熱い油も。本に出てくる旗は全部、当たり前すぎて誰も値段をつけていなかったものから立ち上がっています。
今日1つだけやってみてください。自分の会社で、当たり前すぎて誰も価値だと思っていないものを、1行だけ書き出す。それだけでいいです。完璧じゃなくていいです。60点でも書いたほうが、0点よりずっといいので。
書けたら、それが旗の入口です!
この記事で足りなかったところは、本を読んでください。
この本は、読むより書き込む本です。空欄は、あなたの手でしか埋まりません。単行本2,420円、Kindle版2,372円です。
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揚げる話から、掲げる話へ。分身AIに渡すのは説明ではなく旗

第5章に、架空の飲食チェーンの会議が出てきます。フューチャーマッピングの曲線の真ん中に「揚げ物」と書かれていた。そこから、閉店後の熱い油をバックヤードまで運ぶ重い作業と、後回しにされてきた油ろ過器が見えてきます。店長の「揚げる話から、掲げる話になりましたね」で、全員が笑う。
私は東京・板橋の惣菜屋「山口屋」で育ちました。小学生のころから厨房で料理を手伝い、祖父が作る鶏チャーシューを味見していました。中学のころは接客が苦手で、厨房の奥にいました。それでも工夫して、売上を倍にしたこともあります。
この本で、私には「分野No.1」が目から鱗でした。同じ業界のライバルに勝ったか負けたかを比べる相対の軸ではありません。「この分野でNo.1です」と自分から旗を立てる、絶対の軸です。だから、ぶれない。
旗の材料は外ではなく、中にある。データがないのではなく、見ていないだけ。第5章の熱い油も、現場で当たり前に続いてきた作業でした。終章では、あの油が社会課題の入口として振り返られます。
私の場合、軸は分身AIを創って育てることです。ただ、過去の発信が積み重なっていて、旗としてはまだ整理しきれていません。いま、この本をベースに作り込んでいる最中です。本のワークでいう「つい」やってしまうことは、私の場合、自分の体験と誰かの課題をつないでしまうこと。確かにやっています。この記事も、分身AIチームが本を読んで書き、私が本を読みながら手直ししています。
分身AIは、私にとって「自動化」ではなく「分身化」です。普通は人がAIに聞きます。私のやり方は逆で、AIが人に聞く。聞かれて答えるだけで、悩みが財宝に変わる。答えるうちに、経験や判断、価値観が言葉になり、分身AIに移っていきます。「分身AIを育てる=自分が育つ」です。
AI時代こそ、現場が命。AIは、自分から生やすものです。普段当たり前にやっていることを見つめ直すところから、旗は立ちます。
👉 分身AIについてもっと知りたい方は分身AI.comもチェックしてね!
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神田さんの日経MJ連載を入口に、自分のサイトが「何屋」に見えているかをAIに聞いてみた回。この記事の前編です。
ただっちが本書の第1章を土台に「いい人すぎて埋もれる」を語った土曜あさLIVE。モブにならない話の実演です。
第2章の「つい」を、商品づくりの側から扱った回。自分の当たり前は自分には見えない、という話です。
顧客が語った言葉を材料にする話。第3章のナラティブを、値段の側から読んだ記事です。
同じ形式で全8章を通した書評。AIに渡すのは人間の体験だ、という結論がこの本とつながります。
参考リンク
著者本人が公開している、本書のまえがきと目次。各章で得られることの要約もあります。
著者の活動と、日経MJ連載「未来にモテるマーケティング」の再掲など。
本記事は書籍の内容を私が読んで要約・引用したものです。引用は最小限にとどめ、図表は記事用に要点だけを表にしています。本に出てくる企業の数値・調査結果は原著の記載に基づいており、一次資料の特定までは行っていません。電子書籍の画面から読み取った本文のうち、文字が崩れていた数値(えびや・PwC調査・日産・カクイチなど)は、電子書籍のページ画像を目で見て確認できたものだけを載せています。確認できなかった箇所は推測で補わず、記事に使っていません。詳細は原著をご確認ください。
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この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。