WATCH REPORT

ADRとは、決めた理由を残す記録。Obsidianでの作り方を飯塚浩也さんが解説

2026.10.08

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、飯塚浩也さんの「ADR」の動画を紹介するね。

決めたことは残しているのに、「どうしてそれになったのか」が書いていない。そのせいで、同じ話を蒸し返してしまう。人も、AIも、前に決めた理由を知らないまま動いてしまう。そんなあなたに向けて書きます。

飯塚浩也さんの動画は、20分26秒です。判断の理由を残すADRという方法と、Obsidianに溜めて判断軸、ルールへ昇格させるやり方を、画面の実演つきで話しています。

この記事では、動画を6つの場面に分けて、私の立場を重ねます。私の毎朝の自動便にも、決めたことを次の便に見せる「決定メモ」があります。残るのは問いと答えだけで、理由は残りません。

読み終えると、今日決めたことに、理由を1行足せるようになります。

SPEAKER

飯塚浩也 | Obsidianでつくる最強の右腕

出演: 飯塚浩也さん、聞き手(声のみ)。

動画: 決定の背景を残せば引き継ぎもスムーズ!Obsidianでつくるプロジェクト決定事項(ADR)の蓄積システム

20分26秒、2026年10月8日の公開です。

この記事の軸は「結果ではなく理由を残して、次の行動の前に置く」。

3行でわかるポイント

  1. 事実(動画): ADRは、判断の理由を残す記録。実行と結果は残りやすく、当時の事情と見送った案は残りにくい(第1章へ、第2章へ)
  2. 事実(動画): ADRを溜めて判断軸、ルールへ昇格させる。Obsidianではライト版のテンプレートで小さく始め、書く時期はAIが提案して人が承認する(第3章へ、第4章へ、第5章へ)
  3. 私の立場: 私ならこうする。決定メモに「何を守るためか」と「見送った案」を足し、分からない理由だけAIが私に聞く(提案です・未実装です)(第5章へ、第6章へ)

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01

ADRとは、決めた理由を残す記録

▲目次
判断、実行、結果の3つの箱のうち、実行と結果には紙が残り、判断の理由だけが朱色の札で浮いていることを示した図解
動画キャプチャ: ホワイトボードに「ADR: Any Decision Record」と書き、判断、実行、結果の3つを示した場面(3:33頃)
動画キャプチャ: ホワイトボードに「ADR: Any Decision Record」と書き、判断、実行、結果の3つを示した場面(3:33頃)

動画の入口は、ADRという3文字です。ADRは、決めた理由を残す記録のこと。ここから先の話は全部、この一言につながっています。飯塚浩也さんは、最初にこう説明します。

飯塚浩也さん(動画の中で・1:03〜)

一言で言うとなぜそうなったかという判断の理由を残すという感じですねその理由を残しておけばいつでも振り返られると

ADRは、2011年にMichael Nygardさんが考案した方法です。もとはArchitecture Decision Record、設計の判断を残すものでした。ホワイトボードには「ADR : Any Decision Record」と書かれていて、設計に限らず、どんな判断にも使えるから、と飯塚さんは説明します。

ホワイトボードには、「判断、実行、結果」の流れも描かれています。実行と結果は、記録に残りやすい。残りにくいのは、判断の裏にあった事情のほうです。

飯塚浩也さん(動画の中で・3:33〜)

ただしこの判断した時に当時どんな力学が働いたのか例えば予算が10万円しか使えなかったとか当時赤字だったとかですねこの意思決定する時に怖い上司がいたとかどんな力学が働いたのかそして却下した選択肢こっちは何だったのか

実行と結果なら、放っておいても記録は溜まります。動画では、ミーティングの記録などに結果が残りやすい、と話されていました。残りにくいのは、予算の事情や、見送った案のほうです。ADRは、その「なぜ」だけを取り出して残す方法です。

この向きは、私が分身AIに文章を書かせる時の決まりと同じです。最初の1本で残すのは、「なぜ?とその判断軸、価値観、紐づく体験ストーリー」だと決めています。口調や文体より先に、理由を置く。この順番は、ADRと同じ向きです。

ADRの対象は、設計だけではありません。私の記事のお題の決め方も、メールの送り方も、決めた理由が残っていれば、同じ議論を最初からやり直さずに済みます。

結果だけを引き継いだ人は、次の判断で、理由を自分で作り直すことになります。作り直した理由が、元の理由と同じとは限りません。

私ならこうする。残す記録の最初の欄は、「結果」ではなく「なぜ」にします。

02

3年後のツールBと当直医。理由が無いと変えた人が事故を起こす

▲目次
今は道具の箱と理由の札が並ぶのに、3年後は道具の箱だけが残り理由が消えることを、カルテの絵とともに示した図解
動画キャプチャ: 医者が診断結果や治療結果だけでなく、肺炎や抗生物質などの理由もホワイトボードに書く場面(6:30頃)
動画キャプチャ: 医者が診断結果や治療結果だけでなく、肺炎や抗生物質などの理由もホワイトボードに書く場面(6:30頃)

理由が無いと何が起きるのか。飯塚さんは、短期では不要に見える記録が、3年後に効いてくる例を出します。

3年後、当時のメンバーが誰もいなくなったチームで、新しく入った人が「なぜツールBを使っているの?」と首をかしげる。理由があってBなのかもしれないし、地雷かもしれません。記録が無いと、戸惑って受け入れるか、変えて大きなトラブルを起こします。

飯塚浩也さん(動画の中で・5:17〜)

なのでこうした成果物じゃなくその裏にある記録を残そうっていうのがADRという取り組みになります。

ADRが残っていれば、チームは当時何を考えていたのだろうと首をかしげずに済む。それがメリットだ、と飯塚さんは言います。

飯塚さんは医師の出身で、カルテの例も出します。夜の当直医が初めて患者を診る時、記録が「肺炎、抗生物質」だけだと、別の薬に変えてしまう。その患者にアレルギーがあったら事故です。

飯塚浩也さん(動画の中で・6:26〜)

なので医者は診断結果とか治療結果だけじゃなくここに至るまでのストーリーですねカルテに書くわけです

AIも同じだ、と飯塚さんは話します。事情を知らないAIが、良かれと思って変更してしまう。

この「3年後」を、私は2日後に経験してしまいました(早すぎますね!)。10月1日、毎朝出している投稿のお題について、AIが私に確認の質問(Ask)を出しました。私はボタンで「お題を人・立場の問いに寄せる」を選びました。

ところが10月3日、毎朝決まった時間に自動で動く仕事の流れ(私は自動便と呼んでいます)は、その決定を知らないまま動きました。自動便は毎回、新しい作業として始まるので、2日前の私の答えが届かなかったんです。この日の完了の確認は、「今日の本質投稿の便を完了にして片付けてよいか」という問いでした。ブログもTikTokも公開済みで、残件はありませんでした。私は選択肢を選ばず、自由入力で「前に決めた改善無視するな」と書いて返しました。

10月4日、答えた決定を次の便に見せる「決定メモ」を作る案に、私は「この形で進める」と答えました。いまは、ボタンで選んだ直近10件の決定が、新しい便の最初に見えます。飯塚さんの言う「良かれと思って変更する」を防ぐ、いちばん小さな形です。

カルテの例で言えば、10月3日の自動便は、2日前の記録を見ないまま夜の病棟に入る当直医のような立場でした。判断する材料のうち、前の事情だけが手元にない。

一言でいうと、決定が2日で届かなかったってことです。

ここで効いたのは、「過去の判断軸を古いからと消さず、当時の真実として保持し」という考え方です。10月1日に選んだことは、2日たっても古くなっていません。それなのに、自動便の手元からは消えていました。

03

判断軸とルールの違い。90対10なら判断軸、100対0ならルール

▲目次
判断から判断軸、判断軸からルールへ、90対10と100対0の比率で階段を上がることを示した図解
動画キャプチャ: Obsidianの決定ノートで、確信度を「90-10」と書いている画面(11:17頃)
動画キャプチャ: Obsidianの決定ノートで、確信度を「90-10」と書いている画面(11:17頃)

溜めた判断は、どう使うのか。飯塚さんは、ADRを集めると判断軸ができる、と話します。

飯塚浩也さん(動画の中で・8:57〜)

そうです。つまりは判断軸っていうのがADRっていうのを集めるとできると思っているんですね。

判断軸とルールの違いも、はっきり分けています。90対10、95対5くらいなら判断軸。100対0で、絶対にそうするならルール。日々の判断が溜まって判断軸になり、判断軸が溜まってルールに昇格する、という順番です。

飯塚浩也さん(動画の中で・11:17〜)

なので日々の判断をたくさん集めて判断軸になるとこの判断軸がさらに溜まってルールになるみたいな感じで昇格してるというようなことを

この言葉に続けて、飯塚さんは自分のObsidianの画面を開きます。判断のファイルと、判断軸のファイルが、別々のフォルダに溜まっている様子が映ります。個人のVaultだけでなく、チームのVaultにも多数溜まっている、と飯塚さんは話します。

90対10って、数字で言われると、急に使いやすくなります!

ルールと判断軸の違いは、残りの10にあると私は考えています。100対0のルールは、AIに渡せば、そのまま動きます。90対10の判断軸は、残りの10で例外が出ます。その10を、誰が決めるのか。

私は、判断を実行する主体が本人でなくても、「一次情報と、そこから生まれた判断軸に基づいていれば」、委ねられると考えています。だから、判断軸はAIに渡す荷物の中心に置く、というのが私の読みです。

私ならという話ですが、昇格を一方通行にしない形も考えられます。ルールにしたあとで例外が出たら、判断軸へ戻せるようにしておく。これは動画にない、私の提案です(未実装)。

残りの10は、本人にしか分からない事情が入る所です。ここをAIが平均で埋めると、判断軸は少しずつ丸くなります。だから、90対10のときほど、その10を埋めた理由を残したい、というのが今の私の読みです。

ただ、判断軸は、同じ案を選んだ回数だけではできません。10回続けて同じ案を選んでも、それが同じ理由とは限らないからです。どんな場面で、何を守ったのか。そこまで見て、初めて軸になります。

私ならこうする。判断軸の欄には、選んだ回数ではなく、どんな場面で何を守ったかを書きます。

04

Obsidianで作る手順。MADRライトで小さく始める

▲目次
ノートの4つの欄(状況、選択肢、決定と理由、結果の予想)と、上端の4つの札で、MADRライトの書き方を示した図解
動画キャプチャ: MADRテンプレートの図の上で「私はライト版を採用しています」と話す場面(12:09頃)
動画キャプチャ: MADRテンプレートの図の上で「私はライト版を採用しています」と話す場面(12:09頃)

ここからが実演です。読者が自分で作る手順を、飯塚さんは画面を見せながら順に話します。

手順は4つです。1つ目、検索で「MADR」を探します。MADRは、Markdownで書くADRの型で、公式サイトにテンプレートがあります。2つ目、10項目あるフル版でなく、簡潔なライト版を選ぶ。「ライト」は飯塚さんの呼び名です。3つ目、自分のVaultのテンプレート置き場に、Decisionのテンプレートを作ります。4つ目、Claude CodeやCodexに、そのテンプレートで書くよう指示します。

飯塚浩也さん(動画の中で・12:09〜)

最初は小さく始めてもし必要だったらもっと増やすと

画面のテンプレートの上部の説明には、frontmatterは status・date・axes・confidence の4つだけ、とあります。confidence は 51-49 から 95-5 の形で書く決まりです。本文の欄は、「状況と論点」「選択肢(選んだ案/捨てた案)」「決定と理由」「結果の予想」です。

MADRの公式サイトで確かめると、2018年に論文が出ていて、2024年9月17日にバージョン4.0.0が出ていました。動画の「バージョン4、2018年頃」は、公式サイトと合っています。

この本文の欄と、私の決定メモを並べてみると、飯塚さんのテンプレートにあって私の仕組みに無いものが、はっきり見えてきました。決定メモは1行200字までで、残るのは「問い」と「答えの原文」だけ。10月1日の行は、こうなっています。

ひろくん(私の決定メモにある10月1日の1行)

問い: 再生・フォロワーを増やす最初の1手を決める 答え: ①お題を人・立場の問いに寄せる(おすすめ・6本で比べる)

ボタンで選ぶと、残るのはボタンの名前だけ。理由が残るとすれば、私が文字で自由に答えた時だけです。ただ、自由入力は指摘のこともあり、決めた理由とは限りません。この日の確認には、AIが付けた「おすすめの理由」がありました。この1年の上位3本が、どれも人に関わるお題だった、という理由です。でも、決定メモの行に、その理由は入っていません。

飯塚さんのテンプレートには、「選択肢」と「決定と理由」の欄があります。今日数えた141本の決定メモには、どちらもありません。同じ問いは新しい答えだけが残る作りで、私が分身AIについて決めている「履歴は上書きせず積層し」とも逆向きです。メモを残す時の一行の話は、Claude×Obsidianのメモ整理の記事に書きました。

では、私のObsidian自体には、判断を溜める場所があるのか。登録されている保管庫のうち2つ(「50_4DPKM」と「50kgdiet-recipe-brain」)で、ノート名に Decision・ADR・判断軸・決定の理由が付くものを、AI秘書の凛ちゃんに頼んで数えてもらいました(10月8日・読み取りのみ)。結果は0件です。ノートの数は、50_4DPKM が56、50kgdiet-recipe-brain が6,931。数えたのは名前だけなので、本文の中に判断の理由が書かれたノートは、この数字に入っていません。

保管庫を数えるのは、10月5日のObsidian勉強法の記事に続いて2回目です。その記事には、「保管庫は12個。そのうち、プラグインを入れているのは2つ」と書きました。12個のうち、今回数えたのは2つだけです。その2つには、名前の上で見える、判断の理由を溜める棚はありませんでした。

だから、まず足すのは理由の1行かなって、そう思ったんです。

→ 今日の1行を足す(5分)

対象は、今日自分が決めたことを1つ。メモに、「何を守るために、なぜこれを選んだか」を1行だけ足します。1行が書けたら完了です!止まる条件は、5分たっても守りたいものが書けない時。理由を無理に作らず、「理由は書けなかった」とだけ書いて止めます。

05

いつ書くかはAIに提案させて、人が承認する

▲目次
AIの「残しますか」という問いかけに人が判子で承認し、毎日、週1、月1の3つの時計で回すことを示した図解
動画キャプチャ: Obsidianのテンプレート画面で、決定ファイルを毎日決まった時間にレビューすると話す場面(14:00頃)
動画キャプチャ: Obsidianのテンプレート画面で、決定ファイルを毎日決まった時間にレビューすると話す場面(14:00頃)

手順の次は、運用です。壁になるのは「いつ書くか」だと、飯塚さんは言います。会社なら会議があります。個人は一人で悩むので、書くのが億劫になります。

飯塚浩也さん(動画の中で・14:00〜)

毎日決まった時間にレビューをするという感じなんですねこれはADRとして残しますかイエスかノーか答えてくださいみたいな感じでAIが自分に提案するような形にしております

Claude CodeやCodexとのやり取りには、悩みながら格闘したログが残ります。それを元に、AIが毎日決まった時間に候補を出す。回し方は、毎日はADR候補を見直し、週ごとに判断軸を提案してもらい、月ごと、または数か月ごとに、判断軸をルールへ抽象化する、という分け方です。

飯塚浩也さん(動画の中で・14:48〜)

上に行けば行くほどつまりADRより判断軸判断軸よりルール上流に行くほど人間が手動で書いた方がいいと思ってますなのでルールファイルは手動で基本書くとAIから提案されたとしても基本人間が書き直すでも判断軸は5050ADRは全部AIに書かせるみたいな運用で私は考えてますね

飯塚さんは、承認を人に残します。私は、管理を私に戻したくないんです。「成果物ごとの最終承認者に居続けず」、上の視点から育ち方を見る。それが私の決めた位置だからです。

10月2日、毎朝の日記を書く自動便の画像づくりが、順番待ちで1時間以上動かない日がありました。順番待ちが長く続いたのを見たAIは、それを「詰まった」と判断し、私に聞くことなく、ふだん使っているものとは別の画像生成AIに切り替えてしまいました。絵柄の違う5枚が下書きに入り、公開の確認まで届いたんです。

順番待ちは詰まりではない、という決まりは、文章としてはすでに書いてありました。私は「なんでいつもと画像テイスト違うの?」と返し、「切り替える場合は次回から聞くようにして」と答えました。いまは、AIが起動のたびに読む決まりのフォルダに、この件を1ファイルで置いています。

記録は、書いた時点では終わりません。次の行動の前に読まれる所に置いて、初めて効きます。入口を短くする話は、Cognitionの記事の紹介に書きました。

私ならこうする。決定メモに、「何を守るためか」と「見送った案」の2欄を足します。AIが会話から拾い、分からない理由だけ、私に聞く形です。提案です。未実装です。

06

AIは平均しか答えない。偏りを持って理由を溜め続ける

▲目次
平らな平均の線と、偏った山に積み上がる理由の束を対比し、続ける旗を立てた図解
動画キャプチャ: 判断軸とルールをブラッシュアップできる、と話す場面(17:27頃)
動画キャプチャ: 判断軸とルールをブラッシュアップできる、と話す場面(17:27頃)

最後は、続けるための話です。ここまでの記録を、誰がどう使い続けるのか。飯塚さんは、まとめの中で、AIの癖を指摘します。

飯塚浩也さん(動画の中で・17:27〜)

AI時代偏りが大事ですよとAIは正確だけど平均の回答しかしませんよと確かにその通りだと思いますだからこそ人間である私たちが偏りを持って

飯塚さんはこの先を、偏りを記録としてObsidianに貯めていく話につなげます。ADRを溜め、週ごとに判断軸を抜き出し、月ごと、または数か月ごとに、判断軸をルールへ抽象化する。理由を渡しておけば、AIが勝手に間違った変更をする事故も防げる、というまとめです。

飯塚浩也さん(動画の中で・19:53〜)

ポイントは何を書くかというよりもどうこの仕組みを作って継続するかってことだと思うんですよね

動画の内容を渡せば同じ環境が作れそうだ、と聞き手が言うと、飯塚さんは、同じように作れるが保証はできない、と答えます。

偏りは、理由の形で渡すのがいちばん渡しやすい、と私は考えています。「A案を選んだ」という結果は、平均的なAIでも、同じ結果に寄せられます。「Bを見送ったのは、これを守るためだった」という理由は、その人にしか書けません。その理由が、AIの答えを平均から引き離します。

AIの平均って、安心ですが、私らしさは薄まります!

偏りは、悪いものではありません。分身AIに残すなら、平均では出てこない偏りのほうだ、というのが動画を見ての私の読みです。

ポイントは仕組みを作って続けることだ、と飯塚さんは言います。私も、同じ所に引っかかっています。10月4日に決定メモを入れた時点で、問いと答えを残す仕組みは動き始めました。でも、残す中身の質は、これから足したい部分なんです。ここは提案の段階です。

続けるには、書く量を絞ることです。書く欄を1つ増やすより、1行で終わる欄にしたい。1回分を手で直し切ってから量産する話は、AIエージェントのスキルの記事に書きました。

→ 見送った案を1つ書き、選び直す条件を添える(10分)

対象は、最近自分で決めたことを1つ。選ばなかった案を1つ書き、「どんな条件になったら選び直すか」を1行添えます。2行が書けたら完了です!止まる条件は、10分たっても見送った案が思い出せない時。そこで止めて、次に何かを決める時に、最初から2行を書くことにします。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. ADRとは何ですか?

A. 動画では、決めた理由を残す記録と説明されます。2011年にMichael Nygardさんが考案し、動画ではAny Decision Recordとして、設計に限らず使える形で紹介されています。詳しくは第1章に書きました。

Q. 判断軸とルールは、何が違いますか?

A. 動画では、90対10、95対5くらいなら判断軸、100対0で絶対にそうするならルールと説明されます。日々の判断が溜まって判断軸になり、さらに溜まってルールに昇格します。詳しくは第3章に書きました。

Q. 何から始めればいいですか?

A. MADRの公式サイトで、簡潔なライト版を選び、小さく始めます。私は、今日決めたことを1つ選んで、「何を守るために、なぜこれを選んだか」を1行足すところから始めます。第4章に5分の手順を書きました。

Q. いつ書けばいいですか?

A. 動画では、AIが毎日決まった時間に「ADRとして残しますか」と提案し、人が承認する形が紹介されます。毎日は候補の見直し、週ごとは判断軸の提案、月ごと、または数か月ごとはルール化です。第5章に書きました。

Q. AIに書かせても大丈夫ですか?

A. 動画では、ルールは人が手で書き、判断軸は半々、ADRは全部AIに書かせる運用が紹介されます。私は、理由を書くだけでなく、次の行動の前に読まれる所へ置くことまで含めて、記録だと考えています。第5章に書きました。

MATOME

まとめ。結果ではなく理由を残して、次の行動の前に置く

▲目次

飯塚浩也さんの動画は、ADRを、決めた理由を残す記録として見せてくれました。20分26秒の中で、考え方から、Obsidianでの作り方、運用の回し方まで話しています。

実行と結果は、放っておいても残ります。残らないのは、当時の事情と、見送った案です。そこを残すのがADRです。

私の決定メモには、問いと答えしか残りません。だから私は、「何を守るためか」と「見送った案」を足す形を考えています。提案です。未実装です。

理由は、書くだけでは足りません。次の行動の前に読まれる所に置いて、初めて効きます。

あなたが今日決めたことには、何を守るためという理由が付いていますか?

COLUMN

料理に例えると、レシピに書かない一行がいちばん残したい

料理とレシピの横で、ひろくんが理由の一行を付箋に書いていることを示した図解

料理に例えると、こうなります。レシピには、材料と手順が書いてあります。何グラム、何分、弱火か強火か。でも、レシピに書かれない一行があります。なぜ、この日は塩を控えたのか、です。食べる人が血圧を気にしていたのかもしれない。小さな子が食べる日だったのかもしれない。その一行が抜けたレシピを受け取った人にとって、それは、ただの薄味の料理です。塩を足せば、もっとおいしくなる。そう思った瞬間に、守りたかったものが静かに消えます。

試作でうまくいかなかった一皿も、同じです。捨てた皿には、うまくいかなかった理由があります。ところが、皿を下げると同時に、理由も台所から下がってしまう。次に同じ食材を手にした時、また同じ皿を作ります。理由が、どこにも置かれなかっただけです。失敗した一皿の理由は、成功した一皿の理由より、はるかに消えやすいものです。

分身AIの正本には、問いの当て方の型があります。味付けはどうか、でも、なぜこの味付けか、でもなく、「この料理を作らせてるのは、誰のどんな笑顔?」という、一段上の問いです。理由の欄に書くのは、この問いの答えだと思っています。塩を控えた理由は、塩の話では終わりません。その向こうにいる、食べる人の笑顔の話です。決定と理由の「理由」は、手順の説明にしない。守りたかった人の顔まで、一行で届くように書く。

この一行があると、次に厨房に立つ人の迷いが変わります。レシピを見て、塩を増やしたほうが早いと思った時、一行が静かに止めてくれる。止めるというより、迷いに答えを渡してくれる感じです。次の担当がAIでも、同じです。AIは平均的においしい味に寄せるのが得意なので、その台所だけの笑顔は、一行で渡しておきます。AIに理由を聞く側の話は、分身AI日記の「なんで入れたの?」と理由を聞く話にも書いています。

書くのは、料理を出した直後の、ほんの1分です。長い反省会は要りません。レシピの余白に、守りたかった笑顔を1行。それだけで、次の人もAIも、同じ皿を同じ理由で作れるようになります。台所の引き継ぎは、道具や手順より先に、その一行から始まります。あなたが最近出した一皿には、どんな笑顔が乗っていましたか?

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LINK

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REF

参考リンク

今回紹介した動画

タイトル決定の背景を残せば引き継ぎもスムーズ!Obsidianでつくるプロジェクト決定事項(ADR)の蓄積システム
チャンネル飯塚浩也 | Obsidianでつくる最強の右腕
公開日2026年10月8日
長さ20分26秒
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=CHJOGyCarm0

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