WATCH REPORT

宇野常寛さんが落合陽一『マタギドライヴ』を解説。ドバガキとは、SNS発信の快楽の中毒のこと

2026.10.09

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、NewsPicksの「WEEKLY OCHIAI」から、宇野常寛さんが落合陽一さんの新著『マタギドライヴ』を語る回の抜粋を紹介するね。

毎日ブログやSNSで発信していて、反応は返ってくるのに、自分が変わっている実感がない。AIに下書きや返信を手伝わせはじめて、何を先に見ればいいのか分からなくなった。そんなあなたに向けて書きます。

動画は20分14秒です。宇野常寛さんが、落合陽一さんの新著を語り、SNSは発信の快楽で回る「ドバガキ」になっている、という話から、AIの評価、ちいかわ、万博と祭り、カフェ、推し活まで話が広がります。

この記事では、動画を6つの場面に分けて、私の立場を重ねます。私は毎朝LIVEとブログで発信を続けていて、私にとって発信は、自分が見える鏡です。

読み終えると、反応を数える発信と、読み返して自分を見る発信の違いを、自分の言葉で説明できるようになります。今日の投稿を1つ読み返して、削ったところを1行メモできます。

SPEAKER

NewsPicks(番組「WEEKLY OCHIAI」)

出演: 宇野常寛さん(評論家。画面の名札に『PLANETS』『モノノメ』編集長とあります)、落合陽一さん(新著『マタギドライヴ』の著者)。

動画: 【人間は今、発信する快楽の中毒】ドバガキの問題点…Amazonで度々売り切れ『マタギドライヴ』を落合陽一と宇野常寛が解説「botの方が賢い」人がカフェで仕事する理由、ちいかわ化する日本、推し活の問題点

20分14秒、2026年10月8日の公開です。番組の抜粋なので、動画は話の途中で終わります。

この記事の軸は「発信を、反応を取りにいく快楽にしない。読み返して自分を見る鏡にする」。

3行でわかるポイント

  1. 事実(動画): 宇野さんは、すでに自覚している欲望を満たすだけでは人間は変わらないと話し、落合さんは、SNSは発信の快楽で人間が中毒になっていると話す(第1章へ)
  2. 事実(動画): 宇野さんは、作り手は人間よりAIの評価を先に気にするようになると話し、ちいかわ、万博の予約ゲーム、カフェの領土化、推し活へと話を広げる(第2章へ、第3章へ、第4章へ、第5章へ、第6章へ)
  3. 私の立場: 私ならこうする。反応を数える前に、書いた文章を読み返して自分を見る。AIの評価は、その後に置く(提案です・未実装です)(第1章へ、第2章へ)

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01

ドバガキとは。宇野常寛さんが語る、人間は今、発信する快楽の中毒だという話

▲目次
書く、反応、また書くの輪が止まらず、輪の外に読み返す紙の束があることを示した図解
動画キャプチャ: ドバガキについて話す落合陽一さん(17:47頃)
動画キャプチャ: ドバガキについて話す落合陽一さん(17:47頃)

ドバガキは、動画のタイトルとテロップに出てくる言葉です。最初の章では、宇野常寛さんが、何が問題なのかを話しはじめる17分50秒ごろからの流れを、引用つきで順に追います。

宇野さん(動画の中で・17:50〜)

それはすでに自覚している欲望を満たしてあげてることなんだよねそうすると人間変わんないじゃん人間って検索ワードに入れられるような自覚している欲望を満たしたところで何も変身しないわけなんだよね

宇野さんは、人間が変わるには、受動的な主体になる必要がある、と続けます。森で蜂に刺されて、それが気持ちよくなる、というような出来事です。物事の側が人間を襲う回路は、今とても弱い。その理由を、こう言います。

宇野さん(動画の中で・18:30〜)

もうちょっと物事の側が人間を襲ってきてまだ知らない快楽に目覚めさせるとかそういった回路が今非常に弱くなっているとそれはなぜかというとSNSの承認交換がコスパ良すぎるから

落合陽一さんがSNSの中身を言い切ります。映像には「世界ドパドパ革命が起こりそうな気も」というテロップも出ます(19分02秒)。

落合陽一さん(動画の中で・18:52〜)

今のSNSって人間の発信の快楽に回ってるじゃんこういう風に発信したらたくさんいいねもらえるとかたくさん承認されるとか自分は頭悪いんだけど頭いいって無理やり思い込めるとかそういった発信の快楽で人間が中毒になってるんで

「発信の快楽」という言葉って、毎朝LIVEとブログを続ける私自身にも向く問いなんです。反応を取りにいく快楽で回る発信は、書く前から、欲しい答えが決まっています。宇野さんの言う、すでに自覚している欲望を満たしているだけ、という状態です。

私の見方は反対側です。「発信するから自分が見える」。発信は、完成した自分を他者に見せる出口だけではなく、自分のブログを読み返すことも、内から湧き出るものを本人に返す鏡になります。

この見方は、朝井リョウさんの動画を紹介した記事に、私の毎日の場面として書いています。

ひろくん(9月11日の私の記事より)

だから最近、自分のブログを読み返す時間を意識的に取るようにしてる。書いた文章を後から見返すと、「あ、ここ削りすぎたな」とか「ここ、盛りすぎてる」って自分で気づくんだよなあ。

親や先生を意識して書いた作文や絵で、本当は出したかった「伝えたい本心や感じたこと」を消した記憶が、私にはあります。その反対の記憶が、チラシやホームページを作り込んだ時です。外の評価が返る前に、完成物を見て、「これだ!と納得。消化できた」のです。

親や先生を意識して本心を消した側と、評価が返る前に自分で納得した側。ドバガキが反応を取りにいく快楽なら、その反対側にあるのは、後者の納得です。だから、自分が変わる入口は、反応より読み返しの側にあります。

私ならこうする。反応を数える前に、書いた文章を読み返して、自分を見ます。

→ 昨日の投稿の削り跡を1行メモする(5分)

対象は、昨日書いた投稿かブログを1つ。読み返して、反応ではなく、自分が削ったところを1行メモします。1行が書けたら完了です!止まる条件は、5分たっても削ったところが見つからない時。そこで止めて、無理に探さず、「見つからなかった」とだけ書きます。

02

SNSのXではbotの方が賢い。作り手はAIの評価を先に気にする

▲目次
文章を読者が読む順と、AIが先に評価する順の違いを、矢印の順番で示した図解
動画キャプチャ: テロップ「今のSNSにおけるbotと人間」が出る場面(7:40頃)
動画キャプチャ: テロップ「今のSNSにおけるbotと人間」が出る場面(7:40頃)

動画の前半には、AIが書いて、AIが評価する時代の話が出てきます。この章はAIの使い方の話です。宇野さんは、作り手が誰の評価を先に気にするようになるのかを、7分05秒ごろから話します。

宇野さん(動画の中で・7:05〜)

特に書いてる本人とか裏方の人間っていうのはむしろお客さんの評価よりも人工知能評価みたいなことをまず一番最初に気にしてその上でこれをどうマーケティングするかということを考えるようになってくるわけなんだよね

宇野さんは、全ての作り手が、人間よりもAIの評価を気にするようになるだろう、と話します。いいか悪いかは横に置く、と断った上での話です。続いて、Xの実感を、落合さんが7分50秒ごろから語ります。落合さんは、ボットの方が人間より賢くなった分岐点を、2024年の後半から2025年の中盤の間に置き、その理由をこう話します。

落合陽一さん(動画の中で・7:50〜)

つまりボットが使われているAIが人間の平均知能を突破したのでボットの方が正確に物事を解釈できるようになり人間がするリプライの方が物事を正確に解釈できない状態になっていて

落合陽一さん(動画の中で・8:11〜)

ボットの方が正確に物事を噛み砕いて喋るようになった瞬間に人間が書いてるリプライのいかに虚しいことかっていうのがよくわかるようになりましたね

この話を聞いて、私が引っかかったのは、AIの評価を先に見る癖です。AIの評価を書く前の物差しにすると、作り手は、「平均的な人物像で穴を埋めるAI」の物差しに寄っていきます。

ここからは、別の話です。AIが私の文章を評価する話ではなく、私のAIチームの仕事への指摘の話になります。夜、分身AIやチームから届いた指摘を一覧にして、ひとつずつ読み返す時間があります。

ひろくん(9月11日の私の記事より)

最初の一件だけなら、まだ「今回はたまたまだったのかも」で流せるんです。でも似たトーンの違和感が、言い回しを変えながら二件、三件と続けて出てくると、画面の前で手が止まる瞬間がある。

1件ずつは流して、重なった指摘は束にします。毎日の振り返りで比較して、分類してから、根本のルールにするかを決めます。AIの指摘を、1件で結論にしない運用です。

ここからは、元の動画にはない、私の提案です。AIの評価を見る順番を入れ替えます。書いた直後にAIの評価を見るのではなく、まず自分で読み返して、削ったところをメモする。AIの指摘を見るのは、その後です。この順番の入れ替えは、提案です・未実装です。

AIの評価が先になる世界で、私は、自分の目を先に置きます!AIの評価は、鏡に映った自分を見た後で、足りない所を教えてもらう道具です。

03

『マタギドライヴ』が示す、承認の奪い合いの外へ。ちいかわ化と、授かるという世界観

▲目次
承認を引っ張り合う手と、木から落ちる実を受け取る授かるの対比を示した図解
動画キャプチャ: テロップ「獲物を獲るではなく授かるという秋田のマタギ」が出る場面(10:12頃)
動画キャプチャ: テロップ「獲物を獲るではなく授かるという秋田のマタギ」が出る場面(10:12頃)

ここからが、本のテーマに近い話です。宇野さんは、この8年の議論を、承認の奪い合いとして整理します(3分40秒ごろ)。この章では、ちいかわとマタギの話まで、一続きで追います。

宇野さん(動画の中で・3:40〜)

承認のリソースはどこにありますかっていうちょっと悲しい問題でみんな一生懸命喧嘩してるわけなんだよね

宇野さんは、『マタギドライヴ』を、物を作る、受け止める、という関係の中で、自分と世界とのつながりを確かめる回路を、承認の問題の外側に立てた本だと説明します(4分54秒ごろ)。

友達とインスタントラーメンを食べて語り合う、アンダークラスの人たちの幸せを、宇野さんはこう言います。

宇野さん(動画の中で・8:29〜)

つまりアンダークラスの人たちは特にブラックバイトで必ず稼ぎながら友達とインスタントラーメン食べながらいいよねこれってみたいな話をずっとしてるみたいなねあれは当然美しいことというかいいことだと思うんだけど

ただ、それでは世界とつながっている実感がない、と宇野さんは続けます(8分49秒ごろ)。対になるのが、秋田のマタギの世界観です。獲物を獲るのでなく授かる、という言い方です(9分58秒ごろ)。

動画の言葉を、私の発信に当てはめてみます。承認のリソースを奪い合う発信は、「反応を獲る」と呼べます。奪い合いの外にある発信は、「届いたものを授かる」と呼べます。動詞を1つ替えるだけで、発信の見え方が変わります。

宇野さんの言う回路って、私にとっては、AIが生んだ余白の使い方の話でもあります。余白ができた人間が入る場所は、「さらにワクワク夢中に遊び探求し、五感と感性を磨く体験へ入る」ところです。承認の数を増やす場所ではありません。

ここで私が大事にしたいのは、順番です。回路を立てるのが先で、承認の数を気にしない状態は、その後についてきます。承認を気にしないと決めるより、気にしなくて済む場所を先に作るほうが、続きます。

マタギの「授かる」を、私は、毎回の収穫を数えない態度としても読みました。動画で言っているのは、獲るのではなく授かる、というところまでです。ここから先は私の読みで、投稿の数や反応の数を、成績表にしない。届いた分を受け取って、次の日の1本に活かします。

承認の数字が見えない時間に、人は何を選ぶのか。そこに、その人の回路が出ます。回路は、特別な場所でなくていい。数を数えない時間が1つあれば、そこが入口になります。

承認の数を数え続ける場所の外に、自分と世界をつなぐ回路を、一本立てておく。これが、この章での私の立場です!

04

落合陽一さんの万博の森と祭り。予約ゲームの外に出る

▲目次
予約の格子の外に、森を抜けて祭りの広場へ続く道があることを示した図解
動画キャプチャ: 万博とは何だったのかを語る宇野常寛さん(12:10頃)
動画キャプチャ: 万博とは何だったのかを語る宇野常寛さん(12:10頃)

万博の話が出てくるのは、10分39秒ごろからです。宇野さんは、落合さんのパビリオンが万博を総括している、と話しはじめ、そこから祭りの話へ進みます。この章では、万博の予約ゲームから、祭りの変質までを追います。

宇野さんは、万博をお客さんの目線で見ると、予約ゲームだったと言います(10分54秒ごろ)。そのうえで、森とリングの意味を、こう話します。

宇野さん(動画の中で・12:02〜)

別にゲームに勝たなくても自分が許容されてるみたいな感覚をどうやるかっていうリングと森が予約ゲームに負けた人の救済装置に結構なっているわけなんだよねだからこれっていかに資本主義のゲームの外側にどう出るかっていうことの結果的に比喩になってんだと思うんだよ

話は岡本太郎の1970年の記者会見に移ります(13分04秒ごろ)。落合さんは、祭りの意味を、こう言います。

落合陽一さん(動画の中で・14:03〜)

意味が先立って祭りがあるんじゃなくて祭りによって意味を与えられるという状態っていうのをどう考えるかっていうのが多分太郎が言いたかったことで

宇野さんは、祭りが観客を得て変質したという見方を紹介します。

宇野さん(動画の中で・14:34〜)

実際に祭りって明らかに観客を得ることによって変質したわけなんだよね昔は村人が村人のために祭りをやってるんだけどそれが商業化して観光産業化する中によって祭りというのは悪い意味で変質したということをいろんな人が言っていると

予約ゲームの外に出る、という話は、発信にも重なります。反応の数を予約して取りにいく発信は、結果を自分の手で支配しようとする動きです。私の位置の考え方を、発信にも当てはめると、「結果を手放しながら動きを味わい」、気づきと違和感を返す、という形になります。

意味が先にあって祭りがあるのではなく、祭りによって意味が与えられる。落合さん本人が語った回は、以前の記事にまとめました。投稿の意味も、出す前には決め切れません。出してから、時間をかけて分かってくる意味のほうが大きいです。

ここで、結果を手放すという言葉を、具体的にしておきます。投稿を出したら、反応の数は私の手を離れます。手元に残るのは、書いた文章と、その時に感じた違和感です。違和感を返す先は、次の1本です。

祭りが観客を得て変質した、という話も、発信と同じ形をしています。見る人が増えるほど、見られることを前提に書くようになります。宇野さんは、この変質を嘆かずに、逆手に取るべきだと話します。発信に置き換えるなら、観客がいるから見える自分が、そこにいます。見られることを前提に書く自分も、自分の一部です。

予約ゲームの外とは、反応の数を競う場所の外のことです。万博の森は、予約しなくても入れる場所だったそうです。反応の数に関係なく、居ていい場所を1つ持っておく。それが、予約ゲームの外に出る私の答えです!

05

カフェで仕事をしたくなる理由。商業性の隙間を、自分の領土にする

▲目次
カフェの机を朱色の点線で囲み、用途の決まった場所を自分の領土にすることを示した図解
動画キャプチャ: 祭りの意味を語る宇野常寛さん(15:50頃)
動画キャプチャ: 祭りの意味を語る宇野常寛さん(15:50頃)

祭りの話の延長で、宇野さんは、人がなぜカフェで仕事をしたがるのかを話します。まず、アブダビの宗教施設で瞑想した話から入ります(15分44秒ごろ)。この章のキーワードは、領土化です。

政治的な主張が露骨だからこそ、信者でなくても入り込める隙間がある。露骨な商業性や政治性が、逆に解放性につながっている、と宇野さんは話します。その延長で出てくるのが、カフェの話です(16分21秒ごろ)。

宇野さん(動画の中で・16:21〜)

人間ってここで仕事しなさいって言われたとこで本当に仕事するのやっぱり嫌なんだよねそうじゃなくてカフェなのに仕事してるとか病院の待合室なのに仕事してるとかそういったところに自分が領土化できるというかね自分のものにできるからこそそこで自由を感じるわけだってさそういったねなんかこう人間が領土化できる隙間みたいなものを商業性や政治性が生んでるんだと思うんだよこれらの施設っていうのは

この話を聞いて、私が思い浮かべたのは、場づくりの仕事です。私が自分の役割にしているのは、「場を作り、耕し、繋ぐ」ことです。朝LIVEの発信やコミュニティの空気づくりも、その役割の中にあります。

決められた使い方の外で、自分の使い方を見つけられる場は、居心地がいい場です。カフェで仕事をする人が、カフェを自分の場所にするのと同じです。場を作る側にできることは、使い方を決め切らないことです。

カフェを自分の領土にする人の話は、私にも実例があります。インターネットは、私にとって、家と学校以外の居場所を開いてくれたものでした。太っていることも、引きこもりも、嫌いや苦手も抱えたまま、調べて、体験して、ブログとメルマガで伝えられるようになりました。

そこに、「いつもブログとメルマガ読んでます、共感しました」と届いた言葉がありました。ネットに居場所をもらったこの経験は、私の読みでは、宇野さんの言う領土化に近い話です。

動画の言葉を使えば、それが、商業性の中に自分で作る隙間です。そして、その隙間は、誰かに用意してもらうものではなく、使い方を自分で変えた瞬間にできます。

インターネットに居場所をもらった私が、場を作る側として大切にしたいのは、参加する人が、自分の隙間を見つけやすい場にすることです。

→ 使い方を1つ変えて1行書く(10分)

今週1回、用途の決まった場所(いつもの作業机、いつもの画面、いつもの会議)の使い方を、1つ変えます。変えたことと、感じたことを、1行書きます。1行が書けたら完了です!止まる条件は、10分たっても変える使い方が思いつかない時。そこで止めて、来週に回します。

06

推し活の問題は、推しが生身の人間であること。推す側の私の場面

▲目次
推す側のうちわと、舞台の椅子に座る推しの間に、距離を量る天秤を置いた図解
動画キャプチャ: 字幕「世界ドパドパ革命が起こりそうな気も」が出る場面(19:02頃)
動画キャプチャ: 字幕「世界ドパドパ革命が起こりそうな気も」が出る場面(19:02頃)

ちいかわの話から続く流れで、宇野さんは推し活の問題を、推しの対象が生身の人間になることだと話します。動画の最後の話題です(19分19秒ごろ)。この章の後半では、推す側の私の場面を書きます。

宇野さん(動画の中で・19:19〜)

推し活の問題っていうのは多分推しの対象が生身の人間になるってことなんだと思うんだよね強いものが弱いものを収奪するっていうモデルに結構なっていて

宇野さんは、この後、それがポピュリズムに悪用されている、と続けます。ちいかわには、キャラクターしかいない、という話も出ます(19分32秒ごろ)。推しの対象がキャラクターか、生身の人間か。宇野さんが問題にするのは、その違いです。少し戻る19分06秒ごろには、落合さんが、AIが加わると、あらゆるものがドパドパ状態になる、と話していました。

推す側の私の場面を書きます。私が推している人に、すがじんさん(菅仁さん)がいます。2月には、すがじんさんが主催する「100人チャネリングマラソン」に、第5回のゲストとして出させてもらいました。

5月18日には、4月に出たすがじんさんの著書『量子力学シンキング』(徳間書店)を下敷きに、朝LIVEにゲストで来てもらいました。翌19日は、前の日にすがじんさんと話していて「これ、LIVEで掘り下げたら絶対面白い」と思い、急きょ、さらに1回組んでいます。

推している人と、朝LIVEで一緒に話す。その時間が、そのまま記事になっています。この話は、推し活を扱った記事に詳しく書きました。そこで、「好きなことは好きなだけやる。仕事にするのは、AIに任せる」と書いています。

推す側として私にできることを、今は、推している人と、同じ朝LIVEで一緒に話すことに置いています。

反応を数える発信は、誰かの評価を集める行為です。読み返す発信は、自分の側に目を戻す行為です。推す側でいる時も、発信する側でいる時も、私は後者を先に置きます。

ここまでの6つの場面は、1本の線でつながっています。自覚している欲望を満たすだけの発信ではなく、読み返して自分を見る発信にする。承認を取りにいく場所の外に、自分と世界をつなぐ回路を持つ。それが、この動画を見て、私が自分の毎日に持ち帰るものです!

今日は、昨日の投稿を1つ読み返して、削ったところを1行メモします。

COLUMN

料理に例えると、発信は味見の連続。反応は塩加減、味見が鏡

料理の味見をするひろくんから、皿を出し、反応を見るまでを示した、発信は味見の連続の図解

料理に例えると、こうなります。台所で料理を作る人は、出す前に必ず味見をします。小皿に少しとって、舌にのせる。この時、見ているのはお客さんの顔ではなく、自分の舌が何を感じているかです。

料理を出した後に聞こえてくるのが、お客さんの声です。おいしい、少し濃い、薄味がいい。塩加減を教えてくれる、大事な声です。ただ、声ばかり聞いて味見をやめると、この台所の主が誰なのか、分からなくなっていきます。お客さんの声は、味見の代わりにはなりません。

反応だけで味を決める店は、お客さんが増えるほど、どこかで食べた味に近づいていきます。いいねに当たるのは、「おいしい」という一言です。一言は温かいのですが、どの塩加減がおいしかったのかまでは、教えてくれません。

味見は、小さな鏡です。分身AIの仕事の流れにも、「味見し、フィードバックし」という順番が出てきます。作って、味見をして、声をもらって、やり直す。人でも同じです。出す前に自分の舌で確かめて、出した後にお客さんの声を聞く。順番は、味見が先です。

書いた投稿を読み返すのも、味見です。反応を数える前に、小皿を一口。読み返すのに、道具は要りません。投稿を出す前に、声に出して一度読む。つっかえた所が、味見で引っかかった所です。台所の主は、あなたの舌です。あなたが最近出した一皿は、出す前に、自分の舌で確かめましたか?

味見の話は、分身AI日記の「AIが合格点を出すまで自分で書き直す仕組みを作ったら、私は味見だけで済むようになった」にも書いています。

分身AIについてもっと知りたい方は分身AI.comもチェックしてね!

動画を時刻から見るなら、この順がたどりやすいです。ドバガキの話(17分50秒)、AIの評価の話(7分05秒)、承認の外の話(3分40秒)。

続けて、万博と祭り(10分39秒)、カフェと領土(15分44秒)、推し活(19分19秒)。この記事の章の並びと同じです。

MATOME

まとめ。反応を数える前に、読み返して自分を見る

▲目次

宇野常寛さんが落合陽一さんの『マタギドライヴ』を語る動画で、いちばん大事だと思った点は、すでに自覚している欲望を満たすだけでは、人間は変わらない、という指摘です。

SNSは、発信の快楽で回りやすい場所です。反応を取りにいくほど、書く前から、欲しい答えが決まっていきます。

私は、発信を、読み返して自分を見る鏡にします。AIの評価は、その後に置きます。

今日やることは、1つだけです。昨日書いた投稿を1つ読み返して、自分が削ったところを1行メモします。5分で足ります!

あなたの昨日の投稿には、どんな削り跡がありましたか?

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. ドバガキとは何ですか?

A. 動画のタイトルとテロップに出てくる言葉です。宇野さんは、すでに自覚している欲望を満たすだけでは、人間は変わらないと話します。落合さんは、SNSは発信の快楽で回っていて、人間が中毒になっていると話します。詳しくは第1章に書きました。

Q. 宇野常寛さんと落合陽一さんの動画は何分ですか?

A. 20分14秒です。2026年10月8日に、NewsPicksのチャンネルで公開されています。ドバガキの話は、17分50秒ごろから始まります。

Q. マタギドライヴとは何ですか?

A. 落合陽一さんの新著です。動画のスライドでは、9月23日発売、前作から8年と紹介されています。宇野さんは、承認の問題の外側に、自分と世界とのつながりを確かめる回路を立てた本だと説明します。詳しくは第3章に書きました。

Q. AIの評価を先に気にするのは悪いことですか?

A. 動画では、宇野さんが、いいか悪いかは横に置く、と断っています。私は、AIの評価を見る順番を、自分で読み返した後に置きたいです(提案です・未実装です)。第2章に書きました。

Q. 発信をやめられない時は、どうすればいいですか?

A. 私は、反応を数える前に、書いた文章を読み返して、自分が削ったところを1行メモします。第1章に、5分の手順を書きました。

REF

参考リンク

今回紹介した動画

タイトル【人間は今、発信する快楽の中毒】ドバガキの問題点…Amazonで度々売り切れ『マタギドライヴ』を落合陽一と宇野常寛が解説「botの方が賢い」人がカフェで仕事する理由、ちいかわ化する日本、推し活の問題点
チャンネルNewsPicks(番組「WEEKLY OCHIAI」)
公開日2026年10月8日
長さ20分14秒
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=GC5984aUyo8

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