
Canvaテンプレートを分解すると見えてくる、デザイン力の鍛え方
2026年8月27日(木)朝LIVE|ホスト:ただっち(多田啓二)×ゲスト:ともみん(甲斐智美)
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくんです。今回は、木曜のGPTs研究会朝LIVEから、ただっち(多田啓二)×ともみん(甲斐智美)の回を紹介します。
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3行で言うと
- Canvaのテンプレートは「AIが適当に出したもの」じゃなくて、キャンバ社のクリエイターが手を入れて基準を満たしたものだけが並んでる
- 動画テンプレートを4カットに分解すると、倍速・レイヤー・切り取り方まで”設計”されてることがわかります
- 資料テンプレートの「タグ」はそのままAIへのプロンプトの一部になる。ともみんの新刊「キラリンは答えを知らない」も紙版になりました
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目次
Canvaテンプレートは「AIのアーカナ」じゃない。見るだけでデザイン力が磨かれる理由
今日のテーマは「AI時代こそ必要なのは見る力」です。ただっちが冒頭でこう切り出しました。
ただっち(11:04〜)「一人で頑張るみんなの親友のコンセプトで、企業家さんや経営者さんの人生やビジネスを開く、AI開花マーケターを務めた多田啓二です。AI時代こそデザイン、人を支える力っていうのも、デザインの力はめちゃめちゃ大事だなと思いますので、僕も今日改めて勉強したいと思います」
で、ここでちょっと意外な話が出てくる。ぶっちゃけ「AIで一発生成すればいいじゃん」って思ってる人も多いと思うんだけど……ともみんが言うには、そこがそもそも違うらしい。Canvaのテンプレートは、AIが勝手に量産しているわけではなく、キャンバ社のクリエイターがちゃんと手を入れて、基準を満たしたものだけが並んでいるんです。
ともみん(07:08〜)「キャンバーのクリエイターさんがいるから、適当にAIで作ってペッてやってペッて出てるものではないっていう感じになるので、そこ、人の手が入ってちゃんと意図的に見てどうなのかなっていうところがあったりするので、とっても綺麗なテンプレートが多いの」
なるほどね、そういうことか。「デザインGPTで作ってみたけど、なんか配置がしっくりこない」という人には、まずCanvaのテンプレートを浴びるほど見てほしいと、ともみんは話していました。理由は単純で、見た数だけ「なんかこの配置、いいな」の引き出しが増えるからだそうです。
テンプレートは年々レベルが上がっていて、以前と同じ気持ちで眺めていたら置いていかれるくらい進化しているらしい。ともみんはそう教えてくれました。
ともみん(06:03〜)「やっぱりねキャンバさんはさすがですよ。あの、徐々に徐々にやっぱりテンプレートね、綺麗なやつ出してくるわけですよ。レベルがどんどんどんどん上がっているの」
ここでともみんが強調していたのが「見て欲しいわけですよ」の一言です。サムネイルの並びを流し見するんじゃなくて、1個ずつ立ち止まって見る。これだけで目が育つそうです。正直、私も朝LIVEのアーカイブを流し見しがちなので、この「立ち止まって見る」感覚は耳が痛かったです。
ちなみにこの日、ともみんは「毎回は見るのが少なくなってた」と本音もこぼしてた。プロのデザイナーでも、忙しいとテンプレートを眺める時間は減ってしまうそうです。だからこそ、今日みたいに時間を取って一緒に見ていく企画にした、というのが印象的でした。
しかもこの日は冒頭、福岡の雷の話でしばらく盛り上がっていました(ちゃんと本題にも戻ってくるので安心してね)。「昨日雷がボンボン落ちてた」という雑談から「見る力」の本題に入る流れも、ラジオっぽくて朝から聴きやすかったです。
動画テンプレートを4カットに分解してわかった、”おしゃれ”の作り方
ここからが今回、一番”えっ、そんなとこまで見てるの”となった部分です。ともみんはCanvaのおすすめテンプレートを画面に出しながら、YouTubeの動画広告やVlogのオープニング動画を一個ずつ止めて、分解して見せてくれました。
ともみん(09:00〜)「こういう風なのを見てる時に何見てるかっていうと、ここに文字が出てきてこういう写真が出てくるじゃない?動画の写真さ、結構綺麗じゃん。でも、これ再現したらかっこいい感じになるなっていう写真の勉強っていうか、撮り方としても見てる」
キャンプ動画を例に、「コップとポップコーンとバーベキュー、それを1個目2個目3個目4個目って組み合わせてるだけ」という種明かしが出てくる。1つの動画に見えているものが、実は4〜6個の短いカットの組み合わせだった、という話です。しかも、それぞれのカットにも「上から座ってる図を入れながら撮る」みたいな型があるらしい。分かって撮るのと、なんとなく撮るのとでは、仕上がりがまるで違うそうです。
面白かったのが「ぴろぴろ」の話です。テンプレートの中に、上からふわっと文字が降りてくる小さいアニメーションがあるんだけど、それを配置レイヤーで見てあげると、あるのとないのとでレトロ感が全然変わるらしい。
ともみん(13:27〜)「ピロピロあるのとないのでほら、なんかレトロ感だったりとか変わってくるから、テンプレートこうやってわざと超分解してみるとか、そうそうそうなのを見てあげると、どんだけ大変なのかっていうのはわかると思う」
倍速の話もリアルでした。「なんでこんなに速いんだろう」と思ったら、カスタマイズのところを開けば速度設定が見えます。しかも「速度が1のままなのに速い」場合は、そもそも元の映像自体が倍速で撮られているパターンもあるらしく、そこまで見て初めて”再現できる”レベルの理解になるんだよね。
ともみん(14:54〜)「しかもこれも下から上にかけてアングルが行くソウルタワーみたいな感じでやってあげるのか、あとはもう2倍速の2倍速、4倍速の風景にするか、あとはキャンバーの方で早送りしてるか。多分どっちかだと思うんだよね」
いやー、ただっちも「文字と分解する」とリアクションしていましたが、これは動画編集をやったことない人ほど効くと思います。1本の動画をいきなり作ろうとするんじゃなくて、まず「4カットに分けるだけ」で雰囲気を出せるらしい。旅行の動画も食べ物の写真も、1カットで見せるか3カットで見せるかで印象が全然変わる、というのは今日から使える視点だと感じました。
食べ物の撮り方についても、ともみんは具体的なコツを教えてくれました。食べ物を撮る時、1枚だけでドンと見せるか、3つのカットに分けて見せるかで、伝わる雰囲気がガラッと変わるらしい。3つ重ねるなら「これは右に置いとこう」「これは左に置いとこう」という配置の意図まで、ちゃんと考えて撮っているそうです。旅先の”パーリー感”を出したい時も、1コマで表現するんじゃなくて、あえて4コマに分けるだけで楽しい雰囲気が伝わりやすくなるらしい。
「動画やったことないよっていう人も、これをやってみると分解できるようになる」と、ともみんは繰り返していました。テンプレートを見る時、完成品として眺めるんじゃなくて「これ何カットでできてるんだろう」と分解する癖をつけるだけで、自分で撮る時の構図の引き出しが増えていくそうです。
資料もプレゼンも、”タグ”がそのままAIへの指示になる
次に見せてもらったのが、資料・プレゼンテンプレートです。動画テンプレートの分解が終わって、ともみんは「ちょっと動画ではなく普通の感じいくか」と切り替え、資料系のテンプレートを開いていきました。ホテル案内みたいな高級感のあるプレゼンを開いてテンプレートを押すと、「モダンエレガント 宿泊施設 説明 宣伝広告」みたいなタグがずらっと出てくる。ここでただっちが、いい質問を挟みました。
ただっち(21:43〜)「なるほどね。そのタグでデザインの指示をAIに出してあげるってことか」
ともみん(21:50〜)「そうだからこれをプロンプトの一部にするならこれってなるの」
そう、このタグをそのままコピーして、画像生成AIのプロンプトに混ぜ込めるということなんです。デザイン用語を知らない人にとって、これはかなりありがたい。「デジタルサイネージ」みたいな単語を知らなくても、Canvaの中で近い雰囲気のテンプレートを探して、そこに付いてるタグを拾えばいい。
ともみん(22:22〜)「例えば緑のゴールド高級感ホテル案内プレゼンテーションって入れたら近しい感じが出てくる可能性はあるんだけど、このタグの部分を入れてあげると、よりさらに近い感じになると思う」
「魔法を使うには2パターンある」と、ともみんは言っていました。1つはこのタグを言葉で拾う方法。もう1つは、気に入ったデザインを星マークでお気に入り登録しておいて、似た作風の作品を芋づる式にたどっていく方法です。同じクリエイターの作品を続けて見ることで、その人の「ニュアンス感」が体に染み込んでくるらしい。
この星マークは、ただっちが「もう一回そこの出し方を教えてもらっていいですか」と聞き返していたくらい、実演で見ても分かりにくい操作だったようです。ともみんが手順を丁寧に説明し直してくれました。
ともみん(23:11〜)「気に入ったやつは星マークとかつけてあげるといいと思います。で、他のとこから星マーク出すことができるのと、あとは、ほんとよく言っているのは、好きな人はこの人の作品が好きな場合は他の作品何かなって見たいので、これアトリエカノさんが作ってるっていうデザインに似てるんで、こうしてあげるとこのアトリエカノさんが作ったデザインが一発で出てきます」
つまり「このデザイン好き」で終わらせずに、その作者の他の作品まで芋づる式にたどることで、自分の”好み”の解像度が上がっていくってことなんだよね。ただ、丸ごとコピーするのは盗作になるので、あくまで「ニュアンスを拾ってプロンプトに変換する」のがデザイナー的な作法だと、ともみんはそこをちゃんと釘を刺していました。ここは、AIで何か作る時に地味に大事な線引きだと思います。「最短最速で早いのは全部の画像を合集させるかだよ」とともみんは笑いながら言っていましたが、その”最短ルート”にも、盗作にならないための一線があるってことなんだよね。
同じ言葉で検索しても、写真の解像度はデザイナーで変わる
後半は、写真とAI画像生成の話です。ブランドパートナーシップ系のおしゃれなテンプレートを見ながら、ともみんが「AIを使うからいらないやじゃなくて、どう調理するか」という話を始めたんだけど、この”調理”という言葉の選び方、私(ひろくん)も料理に例えるのが好きなので、ちょっと嬉しくなりました。
ここで実演があって、「30代から40代のアジア人女性」で検索すると、ちゃんとそれっぽい人物写真が出てくる。ともみんが言うには、これはデザイナーがふだんから「素材を検索する能力」を鍛えているから当てられるそうです。
ともみん(26:48〜)「こういうふうなワードみたいなやつが、検索の時に、する時にもう脳内にね、デザイナーはあるわけよ。そう、だからない人は、いっぺんこれを入れて、なんていうプロンプトか教えてくださいっていうのを、例えば入れたりしてあげると、これが30代の女性でメガネをかけていて、ショートカットで白い服を着ていて、後ろはちょっと背景がぼけていて、緑の、なんか道に立っていて、日が上がっていい感じみたいな、そういう風な多分プロンプトが出てくるわけよ」
これ、地味にすごい話です。「アジア人女性」という言葉ひとつでも、デザイナーの脳内では服装・背景・光の当たり方まで具体的な情景として再生されている。だから同じ検索窓を使っても、出てくる結果の精度が違うそうです。
ともみん(27:34〜)「そこの1個ずつの解像度が多分非常に高いんだよね」
トリミングの話も面白かったです。同じ写真でも、どこを切り取るかで「文字が入れやすい構図」に化けたり、逆に「文字がぐちゃぐちゃになる構図」になったりする。ともみんは「見にくいでしょ」とわざと悪い配置も見せてくれて、そこから白抜きに直すだけで一気に読みやすくなる過程も実演してくれました。最後にまとめてくれたのがこの一言です。
ともみん(30:08〜)「パートナーみたいな感じの写真になってる。だから言葉と写真とデザインってセットなんだよ」
「セルフケアしてるかどうか」という表現も印象的だった。誰かに全部お膳立てしてもらうんじゃなくて、自分でいろんな画像を見て、ズレを直せるかどうか。ここが一致していない人は意外と多いらしく、ちゃんとしたデザイナーが作ると、この雰囲気の一致がブレないそうです。優しい習慣が伝わる写真、社会を変えていく雰囲気が伝わる写真——テーマと絵がちゃんと連動しているかどうかを、いつも確かめているとのことでした。
言葉・写真・デザインがズレていないから、Canvaのテンプレートは見ていて気持ちいい。逆に言うと、AIで一発生成した画像がなんか”惜しい”と感じる時は、大体このどれかがズレているということだと思います。
ともみんが登場する別の記事も公開しているので、気になった人はこちらもご覧ください。→「一発完成」を目指さない。AIクリエイティブデザイナー・ともみんに聞く、デザインを仕上げる技術
紙になった「キラリンは答えを知らない」と、木曜LIVEの次の一歩
終盤、ともみんの著書「AI時代の私らしいデザイン、キラリンは答えを知らない」がついに紙の本になったという報告がありました。
ともみん(32:00〜)「本当ですよ。AI時代の私らしいデザイン、キラリンは答えを知らない。Amazonで販売させていただいているんですけど、AIキラリンって入れると出てきます」
今までKindle版だけだったのが、ペーパーバックになって試し読みもできるようになったらしい。バーコードが自動で付く仕組みに苦労した話とか、マンガ部分はCanvaで崩れないように調整した話とか、”AIで作った本を紙にする”時の裏側もちらっと聞けたのが良かったです。英語版も作りたいとチャレンジ宣言していたのも印象的でした。
最後はただっちから、GPTs研究会の紹介と、明日開催の「トム委員会」の告知があった。年間36回参加できるコミュニティで、AI生成する時にデザイナーが何を見ているかを、もっと深く扱うワークショップをやるらしい。今日Canvaのテンプレートを分解して見せてもらった続きが、明日さらに深掘りされるということです。
ともみん(34:44〜)「今だったら多分さ、うまくやればキャンバーでやっぱ調整できたほうが楽だろうから、キャンバーとGPTさえあればみなさんもできるんじゃないかなと思います」
特別なツールを何個も揃えなくても、CanvaとGPTを行き来するだけで今日の「分解して見る」の話は成立していました。道具の数より、見る回数の方が効いてくるんだな、というのが今日の一番の気づきだった。
よくある質問
- Q. Canvaのテンプレートを見るだけでデザイン力って本当に上がるの?
- A. 今回のLIVEでともみんが説明していたのは、Canvaのテンプレートはキャンバ社のクリエイターが手を入れて基準を満たしたものだけが並ぶ仕組みだということ。数を見ることで「良い配置」の引き出しが増え、プロンプトを言葉で覚えるより先に目で覚えられる、という考え方だった。
- Q. Canvaのテンプレートに付いている「タグ」は何に使えるの?
- A. LIVE内でともみんが実演していたのは、テンプレートに表示される「モダンエレガント 宿泊施設 説明 宣伝広告」のようなタグを、そのまま画像生成AIへのプロンプトの一部として使う方法。タグを拾うことで、デザイン用語を知らなくても近い雰囲気の生成物に近づけられると説明していた。
- Q. ともみんの新刊「キラリンは答えを知らない」はどこで読める?
- A. LIVE内の紹介によると、AmazonでKindle版に加えてペーパーバック(紙版)も発売され、試し読みも可能とのこと。「AIキラリン」で検索すると出てくると案内されていた。
まとめ
今日のポイントをまとめると、Canvaのテンプレートは「AIが適当に出したもの」ではなく、人の手が入った完成品だということ。動画テンプレートは4カット前後の組み合わせで、倍速やレイヤーまで設計されていること。資料テンプレートのタグは、そのままAIへのプロンプトになること。そして、写真選びの解像度はデザイナーが日々鍛えている検索能力の差だということです。どれも、明日からCanvaを開く目が変わる、実践的なデザイン力の鍛え方だったと思います。
ひろくんコラム:「分解して見る」は、私が紙ノートでやってることと同じだった
今日の放送、私(ひろくん)は出演していないんだけど、アーカイブを見ながら「あ、これ私がいつもやってることと同じ構造だ」と思った瞬間がありました。ともみんが動画テンプレートを止めて、1カットずつ分解して見せてくれたシーンです。
私は普段、頭の中がもやもやしている時、紙ノートに書き出すことにしてる。 「一次元上の視点が持てる」方法として、紙ノートで頭の中を外に出す、現場体験で五感を通す、分身AIとの対話で自分を客観視する——この3つを大事にしているんだけど、共通しているのは「自分の外に出す」ということ。外に出すから、一段上から見えるようになります。
ともみんがやっていた「テンプレートを分解して見る」も、まさにこれと同じだと思います。完成した動画をただ眺めているだけだと「なんかおしゃれ」で終わってしまうけど、1カットずつ外に出して並べ直すと、初めて「4個の組み合わせだったのか」「ここに倍速が入ってたのか」と構造が見えてくる。見る力とは、結局「一度分解してから、外に出して眺め直す力」なんだな、とアーカイブを見ながら感じました。
この「見た目だけで判断せず、いったん分解して確かめる」という視点、実はAIを日常で使う場面でも同じ落とし穴があるなと感じていて、分身AI.comでも似たテーマの実話を書いたことがあります。AI秘書が暴走しかけた時、結果だけ見て安心せずに3つの問いで軌道修正した話なんだけど、興味があったら読んでみてね。→AI秘書が暴走した日|3つの問いで軌道修正した実話|分身AI日記 DAY52
もう1つ、自動化を任せっぱなしにせず「まず味見してから」という話も分身AI.comに書いています。1日AIに成果を聞いたら「0件です」と返ってきた実話なんだけど、これも今日の「見る力」と根っこは同じで、任せることと見ないことは違う、という話でした。→AIに1日の成果を聞いたら「0件です」と言われた — 自動化は味見してからが本番
AIに任せる時代だからこそ……手を止めて1個ずつ分解して見る時間が、私にはまだ足りていないなと、今日のLIVEを見ながら思いました。
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