
WATCH REPORT
けんすうさんの新著『メタスキル』に学ぶ
AI時代に差がつくのは「知ってるかどうか」だけという話
2026.08.24
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は「ダイヤモンド公式チャンネル」から、投資家でnanapi創業者のけんすうさん(古川健介さん)が新著『メタスキル』について語った対談動画を紹介するね。
テーマは「AI時代、頭の使い方はどう変わる?」。私が実際に動画を全部見て「これ、うちの現場と同じ話だ」と唸ったポイントを、私自身の実践と重ねてお届けします。
3行でわかるポイント
- AI時代に差がつくのは技術力じゃない——けんすうさんの共著者・尾原和啓さんいわく、必要なのは「自分がそれをできると知ってるかどうか」だけ
- 優秀なホワイトカラーほど危ない——80点前後を取れていた「マーチ以上」の層が、皮肉にも最初に不要になった実例
- 料理に例えると、AIはもう誰でも持てる包丁。差がつくのは、その包丁で何を切ればいいか知ってる人と知らない人の差
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出典: 【AI時代の頭の使い方】けんすう氏が語る「ゲームを変える」メタスキル。努力・発信・AI活用はどう変わる?(ダイヤモンド公式チャンネル)
けんすうさんの『メタスキル』が示す「知ってるかどうかだけ」の差

対談の冒頭、けんすうさんが新著『メタスキル』(深津貴之さん・尾原和啓さんとの共著)の話を切り出します。共著者の尾原さんが最近こう言っていて、それがすごく刺さったそうです(1:45頃〜)。
「もはやAIを勉強する必要はないと。で、AIツールの使い方のスキルも学ぶ必要ないとなくなったと」
けんすうさん(尾原和啓さんの言葉として紹介) — 1:45〜
「あ、じゃあ何が必要なんですかって言ったら自分がそれをできるということを知ってるかどうかだけて言われたんですね」
けんすうさん — 1:51〜
正直、これを聞いて自分の小学生時代を思い出しました。スーパーマリオの裏技や攻略本を知ってる友達と知らない友達で、同じゲームなのにクリアできる面がまるで違ったんだよね。攻略法を知ってるだけで、みんなに教えて喜ばれて、なんなら小遣い稼ぎのネタにもなりました。あの構造が、そのままAI時代に戻ってきてる感じがする。道具はもう誰でも持ってる——差がつくのは、その道具で「何ができるか」を知ってるかどうかだけです。マリオ攻略からインターネット発信、そして今のAI共創まで、私がやってきたことは形を変えた同じ生命の流れなんだよね。
電車を知らない人は「10km先へ歩く」ことしか想像できない、というけんすうさんの例え(2:05頃〜)も的確でした。AIも同じだと思う。存在を知らなければ、選択肢にすら入らない。だから私は毎朝LIVEで「これ知ってる?」を配り続けています。知らないままだと、選ぶ権利すら与えられないんだよね。
今日からの一歩: 「AIでできること」を検索する前に、「自分の仕事のどこが10km歩く作業になってるか」を1つだけ紙に書き出してみてほしい。書けたら、そこがAIの出番。
大学のエントリーシート実験で見えた「二極化」——中間がいない

聞き手が、メディアを教える大学教員から聞いた話を紹介します(2:58頃〜)。「AIを使っていいので受かるエントリーシートを書け」という課題を出したところ、結果は「めちゃめちゃちゃんとした人」と「どうしようもない人」に完全に二分され、中途半端な出来がほぼなかったそうです。
これに対してけんすうさんが語ったのが、同じクラスの学生全員に高性能なツールをまず配って、自分だけさらに高性能な版で抜きん出るという「メタゲーム」的な発想。目の前の勝負だけじゃなく、ゲーム全体を俯瞰して勝ち筋を考える視点のことだね。しかもね、ルールが厳格に決まってる大企業ほど「飛び抜けた人を出す」のがリスクになってマニュアル化が進み、このメタ的な視点との相性が悪くなる、という指摘も刺さりました(4:14頃〜)。競争のルールそのものを疑わない限り、みんなで同じ土俵に並んで消耗する二極化からは抜け出せません。
実はこれ、私がAI氣道で「AIに委ねて、人は積み減らして生き直す」って言ってるのと根っこは同じだと思います。ルールに従って頑張る前に、そもそもそのルールは誰が決めたのか、自分は本当にその土俵で戦いたいのか——一度立ち止まって考える余白を、AIが作ってくれるんだよね。競争より共創。土俵ごと選び直していいんです。「このルール、本当に自分が選んだんだっけ?」——この問いを持ってるかどうかだけで、AIとの向き合い方はだいぶ変わると思います。
今日からの一歩: 今取り組んでる仕事や勉強のルールを1つ選んで、「このルール、誰得?」と自分に問いかけてみてほしい。答えが浮かばなければ、それは疑う価値のあるルール。
「マーチ以上」の優秀層が一番危ない——10倍とゼロの分かれ目

対談の中で一番ぞっとしたのがこの話です(4:43頃〜)。ある倉庫会社の社長から聞いた実例として、これまで80点前後を取れていた「優秀なホワイトカラー層」——大学で言うとマーチ以上——が、一番不要になってしまったそうです。
「今までもめちゃくちゃ80点とか取れるホワイトカラーの、ま、かなり優秀層。もう具体的に言うと大学で言うとマーチ以上みたいな言い方してたんですけどすごい取ってきたが本当いらなくなってしまったと」
けんすうさん — 4:43〜
「仕事が10倍になったっていう人と仕事が0になったっていう人の両方をやっぱり見るんですよ。翻訳でこのパターンを見て怖かったですね」
けんすうさん — 5:43〜
怖い数字だと思います。二択。10倍か、ゼロか——その間がないんだよね。で、けんすうさんはこの差はおそらく技術力の差じゃないと言っていて、これは私の原体験ともつながります。中学生の頃、太ってる自分を「普通じゃない」「おかしい」って見られて、ずっと周りと比べて苦しかったんです。でも今になって思うのは、「普通に80点を取り続ける優等生」でいることこそが、実はAI時代では一番リスクなんだということ。凸凹があって、人と違うやり方をしてた人の方が、AIという新しい土俵では輝きやすい。違うから輝く。凸凹が噛み合うんだよね。
ぶっちゃけ、この記事を書いてる私自身も「AI氣道」って人と違う名前の会社をやっていて、最初は笑われもしました。でも今はその凸凹が、そのまま強みになってる実感がある。優等生であろうとするより、自分の凸凹を先に認めてしまった方が結局は近道——そう思うようになりました。
今日からの一歩: 「自分がなんとなく普通じゃないな」と感じてる部分を1つ思い出してみてほしい。それこそが、AI時代にあなたが抜きん出る種になるかもしれない。
著書『物語思考』から学ぶ、編集者が人生にコミットする理由

聞き手が「AI時代に努力の仕方は変わるけど、努力自体がなくなるわけじゃない。始め方は何かありますか」と聞く場面があります(6:53頃〜)。
「そうね。ま、とはいえからの時代にその努力って変わるじゃないですか。努力しないわけじゃなくてなんか始め方みたいなもありますかね」
聞き手(ダイヤモンド編集部) — 6:53〜
この流れでけんすうさんが語るのが、著書『物語思考』の担当編集者の話です(6:03頃〜)。文章表現そのものの直しはほぼせず、その本が何を伝えるべきか、出版後の著者の人生がどうなるかまでコミットしてくれる——だから彼は人気がある、とのこと。さらに、葬儀屋のビジネスモデルを例に、本1冊分の浅い知識でも幅広く知っておくことがAIへの「とっかかり」になるという話も出てきます(7:17頃〜)。
これを聞いて思い出したのが、私が会社員時代にお弁当屋で400個のお弁当を作った日のことです。大量生産の400分の1でも、受け取る一人にとってはそれが全て——一つも手を抜けないと強く感じた体験があります。編集者が著者の人生にまでコミットするのも、記事を1本ずつ丁寧に仕上げるのも、根っこは同じだと思うんだよね。愛と感謝のメッセージを届けるには、量産の中でも1本ずつ心を込めるしかないんです。
努力の中身は変わります。でも、誰かの人生にコミットする覚悟や、1本を丁寧に仕上げる姿勢は、AIがどれだけ賢くなってもゼロにはならないと思う。編集者が著者を最後まで手放さないように、私も記事を1本出すたびに「これで本当に伝わるか」を自分に問い直すようにしています。AIが下書きを一瞬で作ってくれる時代だからこそ、最後に人が込める熱量の差が、そのまま読者への届き方の差になるんだよね。
今日からの一歩: 今日1つだけ、AIに丸投げせず「自分で最後まで責任を持つ」と決めた作業を選んでみてほしい。その1つが、あなたの原液になる。
個人も組織も、発信しないと「存在しないこと」になる

後半の柱がこの発信論です(8:49頃〜)。けんすうさんは、組織は社内チャットやメールの情報をAIにまとめさせて、プレスリリースを毎日打てるレベルに変えていくべきだと提案しています。個人名を出す必要は基本なく、組織として発信すればいいという考え方です。実際にけんすうさんがAIである企業の部署について調べたところ、プレスリリースにも会社情報にも記載がなく分からなかった、という体験談も語られました(9:52頃〜)。他の会社は情報を出しているのに、出してないだけで差がついてしまう。もったいない話だよね。
個人の例として挙がるのが、LINEヤフー会長の川邊健太郎さんです。インタビューやYouTube出演の情報量の多さが、そのまま会社と個人の信頼度に直結すると指摘されていました(11:00頃〜)。川邊さんは「経営者列伝」というYouTube企画を自ら発信していて、たしかにこれだけ露出があると、AIが調べた時にも情報がザクザク出てくる状態になります。長期でインターネットを見てきた経験から、一時的に盛り上がった人やフォロワーを増やすだけの発信は、あまり長期的な企業案件につながらないという話も出ました(12:51頃〜)。
これ、まさに私が毎日ブログとLIVEをやってる理由そのものです。発信するから自分が見える——自分のブログを読み返すことも、紙とペンで書いたものを見返すことも、内から湧き出るものを自分に返す鏡になります。AIが情報を集める時代だからこそ、「調べたら出てくる」状態を自分で作っておくことが、そのまま信頼の土台になるんだと思う。何かを始める前から完璧な発信を目指さなくていい。まず出す、そこから直していく——その順番でいいんだよね。
今日からの一歩: 自分や自分のチームについて、AIに「調べて」と聞いてみてほしい。何も出てこなかったら、そこが今日から埋めるべき空白地帯。
資本力の差はAI時代にさらに開く——「是正する仕組みもない」

ダイヤモンド社のこの番組自体の話も面白かったです(14:58頃〜)。けんすうさんは、再生数を伸ばす方向を狙うより、番組から本を10冊出して合計50万部売ることを目標にした方が、出版社のビジネスモデルと噛み合うと提案しています。バズより、積み上がる資産。これも一種のメタゲーム思考だよね。
一方でシビアな指摘もありました(18:33頃〜)。ソロプレナーの月100万円と大企業の1000億円という資本差を挙げ、AI活用の結果が資本力によってさらに開く可能性があるという指摘です。テロップにもはっきり出てたけど「是正する仕組みもない」——この一言が重い。AIは平等な道具に見えて、使いこなす原資(お金・時間・知識)を最初から多く持ってる側がさらに有利になる構造があるということだよね。
私は一人会社で、大企業みたいな資本はありません。でも、だからこそ「原液」の濃さで勝負しようと決めています。毎日の振り返り、LIVE配信、失敗談——薄めて配る前の濃い一次情報。資本の差は埋まらなくても、自分にしか語れない体験の濃さなら、いくらでも積み上げられるんだよね。資本で勝てない側の生存戦略は、たぶんここにしかないと思います。今日話したことも明日には薄まるので、私は毎朝LIVEで同じテーマを何度でも語り直すようにしています。
今日からの一歩: 「お金で買えないけど自分だけが持ってる経験」を1つ書き出してみてほしい。それが、資本力に対抗できるあなたの原液になる。
「AIに聞くのではなく、AIに質問させる」——最後のアドバイス

対談の締めくくりに語られたのが、この最後のアドバイス(22:17頃〜)。……正直、ここが一番刺さった。
「最近1番聞くアドバイスは、えっとAIに聞くのではなくてAIに質問させる」
けんすうさん — 22:17〜
「下手な人はやっぱり私こういう風な人生歩みたいんですけど、どうしたらいいですかって言うと、その答えがくんですけど、その問いが間違ってるのが1番可能性として高いんですよ」
けんすうさん — 23:10〜
いやー、これは唸りました。AIに答えを聞く前に、そもそもの問いが間違ってないか——AI自身に問い直させる。これ、私が分身AIとやってる対話の作り方とほぼ同じなんだよね。分身AIに必要なのは表面的な文体模写じゃなくて、本質、核心、よりメタな視点でどう捉えるかを一緒に判断・対話することです。私がAIへ丸投げして答えだけ受け取ってた頃は、実はズレた問いのまま突っ走ってることが多かったんです。今はAIに「この前提、そもそもどうですか?」って聞き返してもらうようにしてる。
なんて言うか、AIを賢い検索エンジンとして使ってるうちは、この発想には辿り着きません。AIを「一緒に考える相棒」として扱い始めて初めて、問い自体を疑えるようになるんだよね。この一歩が、実は今回の対談でいちばん実践しやすいアドバイスだと感じました。
今日からの一歩: 次にAIに何か質問する前に、「この質問、そもそもズレてないか一度チェックして」と一言添えてみてほしい。返ってくる答えの質が変わるはず。
よくある質問
Q. 『メタスキル』はどんな本?
A. 深津貴之さん・けんすうさん(古川健介さん)・尾原和啓さんの共著で、2026年5月にニューズピックスから刊行された本です。ゲームの構造そのものを見抜き、ルールを書き換えたり新しいルールを見つけたりする力を「メタスキル」と定義し、AI時代の「努力の方向性」を扱っています。
Q. AI時代に「優秀なホワイトカラー」ほど不利になるのはなぜ?
A. 動画内では、これまで80点前後の安定した成果を出せていた層ほど、AIが同じ80点を安く速く出せてしまうため代替されやすいという実例が語られていました。逆に、決まったルールの外側で動ける人ほど新しい役割を見つけやすい、という指摘です。
Q. 「AIに質問させる」とは具体的にどうすればいい?
A. 自分の悩みや目標をそのままAIにぶつけて答えを待つのではなく、「この問いの前提、ズレてないか一緒にチェックして」とAI自身に問い直させる使い方です。答えを急ぐ前に、問い自体を疑う一手間を挟むイメージです。
まとめ——技術より先に、「知ってるかどうか」を増やす
23分の対談を見終わって残ったのは、「AI時代の頭の使い方」というタイトルへの、私なりの答えでした。変わるのはツールの性能じゃなくて、自分が何を知っていて、何を知らないかという一点です。エントリーシートの二極化も、優秀層の失速も、発信の有無による差も、全部この「知ってるかどうか」の延長線上にある話だったんだよね。
で、知る方法は意外とシンプルで、自分で発信して、人と対談して、AIに問い直してもらう——この3つを回し続けることだと思います。資本力の差は簡単には埋まらない。でも、知ってるかどうかの差は、今日から埋め始められます。今日たった1つだけ知ったことが、来月のあなたの選択肢を確実に1つ増やしてくれます。あなたなら、まず何から知りにいきますか?
COLUMN
「知らないから怖い」を、抱え込みOSにしない

この対談を見ながら……私は自分の「抱え込みOS」のことを考えていました。134kgの体も、数億円の借金も、がんも、ぜんぶ一人で背負い込んできた私にとって、「知らないことを知らないままにしない」は、実は委ねる練習の入口なんだよね。けんすうさんが「AIを勉強する必要はない、知ってるかどうかだけ」と言い切れるのは、知らないことをAIや人にすぐ聞ける関係を先に作ってあるからだと思います。
料理に例えると、抱え込みOSのシェフは、レシピを人に見せたがりません。でも委ねるOSのシェフは、レシピも仕込みも全部厨房に共有して、味見だけ自分でやる。知識を独り占めするより、知ってることを渡した方が、結局チーム全体の料理の質が上がるんだよね。誰か一人が抱え込んで倒れたら、その厨房は回らなくなってしまいます。仕込みを全部一人でやろうとする限り、新しいメニューを考える時間は永遠にやってきません。
ただ、委ねてみると分かるけど、いいことばかりじゃない。私も「AI自動化するほど時間が消える逆説」を実際に90日監査して記事にしたことがある。知識を増やすほど、考えることも増えて小忙しくなる瞬間は本当にある。だからこそ、何を知りにいくかを先に決めておくのが大事なんだよね。
それでも私は、知らないことを隠さない側に賭けています。分身AIに「その答えがくんですけど、その問いが間違ってる」と突き返される瞬間だって、恥ずかしいことじゃない。むしろ、うちのAI秘書の凛ちゃんに「その報告、まだ早いよ」と2回突き返された時のように、問い直してもらえる関係の方が、遠回りに見えて一番早いんです。
未完成でもいい。80%で出して、知らないところは正直に「知らない」と言う。それが私の「委ねるOS」の現在地です。👉 分身AIについてもっと知りたい方は分身AI.comもチェックしてね。
関連記事
「AIと権限・資本の偏り」を別の角度から掘り下げた回。今回の資本格差の話とセットでどうぞ
けんすうさんの著書『物語思考』とテーマが重なる、私なりの「夢中の見つけ方」
「二極化」の時代に何を軸に選ぶかを考えた回
参考リンク
週刊ダイヤモンド編集部によるビジネス動画チャンネル
深津貴之さん・けんすうさん・尾原和啓さん共著。ニューズピックス刊
投資家・nanapi創業者。著書に『物語思考』『メタスキル』
📺 今回紹介した動画
| タイトル | 【AI時代の頭の使い方】けんすう氏が語る「ゲームを変える」メタスキル。努力・発信・AI活用はどう変わる? |
| チャンネル | ダイヤモンド公式チャンネル |
| 出演 | けんすうさん(古川健介さん) |
| URL | https://www.youtube.com/watch?v=hPvh1iMahIQ |
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