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補助金申請AIは違法?改正行政書士法の線とデジタル庁MCPで作る補助金参謀AI
デジタル庁のMCPサーバー、e-Stat、法人番号、日銀……国の公開データはもう無料で繋がる。じゃあ何が商品になって、どこから先が違法なのか。NotebookLMで54ソースを読み込んで作った15枚のスライドをそのまま使って、7つの事業案と2026年1月施行の改正行政書士法の線を1本にまとめた。
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
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前の記事で、デジタル庁が出した補助金の公式MCPサーバーをClaudeに繋いで、そこから作れるもの51案を出したんだよね。で、出した後にずっと引っかかってたことがある。「繋がるのは分かった。じゃあ、これで何を売るの?」って。
案を並べるのは楽しい。でも、事業にするなら「誰がいくら払うか」と「どこから先が法律に触れるか」を先に決めないと、作ったものが後から全部使えなくなる。だから今回は、AI秘書の凛ちゃんにNotebookLMのディープリサーチで54ソースを集めてもらって、スライド15枚と活用案7本まで落とし込んだ。この記事の図は、そのスライドをそのまま使ってる。
3行でわかるポイント
- MCPは商品じゃなくて「水道管」——公的データを検索できるだけのAIは売れない。売れるのは、公的根拠×顧客プロフィール×プログラムの判定×更新監視×根拠つきの次アクション、を毎週届ける「参謀」の形
- 2026年1月1日施行の改正行政書士法が、線を引き直した——有償の申請書類作成と電子申請の代理入力は行政書士の独占。「無料で作ってコンサル料」の名目変更も塞がれた。罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、会社にも両罰。だからAIは「書かない」設計にする
- 7つの事業案と、最初に作る8ツール——本命は補助金参謀AI。会社カルテ、制度変更レーダー、地域商圏診断、景気コックピット、官公需営業参謀、エビデンス記事生成。全部「探す・照合する・並べる・指さす」までで止める

目次
結論:公的データをAIに繋いで売るのはMCPじゃない。「水道管」だ

先に結論から言うね。「公的データを何でも検索できるAI」は売れない。 なぜなら、検索だけならデジタル庁のMCPサーバーが無料で、しかも公式で存在してるから。前の記事で書いたとおり、認証ゼロ・課金ゼロで繋がる。それを「うちのサービスです」と言って月額を取るのは、水道の蛇口を売ってるのと同じで……買う理由がない。
じゃあ何が売れるのか。リサーチの結論は、この式だった。
公的データ(jGrants / gBizINFO / 法人番号 / e-Stat / EDINET / e-Gov / 日銀……)
× 顧客プロフィール(業種・所在地・従業員数・投資予定)
× プログラム側の判定(LLMは説明役)
× 更新監視(新着・変更・締切)
× 根拠つきの次アクション(原文リンク・取得日時・「未確認」の明示)
MCPは、この5つを繋ぐ水道管。管そのものは商品じゃなくて、管を通って毎週届く「うちの会社にとって何が変わったか」が商品。ここを取り違えると、機能は増えるのに売上が立たない。スライドでは、これを「誤ったアプローチ」と「正しいアプローチ」で並べてある。
料理で言うと
水道を引いただけの店に、お客さんは来ない。来るのは「今日の魚で、この人のために出汁を引いた」皿があるから。公的データは水。顧客プロフィールと判定ロジックが出汁。MCPはその間の配管。配管を自慢しても、腹は満たされないんだよね。
そもそもMCPって何?——水源・変換プラグ・浄水場

ここ、初めての人向けに一度だけ整理しておく。MCP(Model Context Protocol)は、AIが外部のデータやツールに「決まった作法」で繋がるための規格。図のとおり、国のデータベースが水源、MCPサーバーが変換プラグ、Claudeみたいな対話AIが浄水場。プラグが規格化されたから、どのAIからでも同じ手順で公的データを引けるようになった。
で、ここが大事。プラグ(MCPサーバー)は誰でも作れる。デジタル庁が出したのもMITライセンスで、コードは自由に使える。つまり参入障壁はゼロ。 障壁がゼロの場所で「繋げます」を売り物にすると、翌月には同じものが10個並ぶ。だから水道管の先——判定と監視と根拠——に価値を置く必要がある。
MCPステートレス化の話も含めて、技術の中身はMCPステートレス化とは?にまとめてあるから、仕組みを深く知りたい人はそっちを読んでね。この記事は「何を売るか」に絞る。
2026年の地形図:国が出した公式MCPと、使える公的API

2026年9月時点で、政府が公式にMCPサーバーを出してるのは私の調べた範囲で2つ。
| 提供元 | 何ができるか | 知っておくクセ |
|---|---|---|
| デジタル庁 jgrants-mcp-server(MIT) | 補助金の受付中案件・詳細・添付を会話で引く。APIキー不要 | keywordは2文字以上必須・sort必須。添付ファイルは多くの補助金で空(files: {})。「技術検証目的で動作保証なし」と明記 |
| 国交省 MLIT DPF MCP(α版・MIT・18ツール) | 位置・メッシュ・自治体コードで国土データを検索 | 「動作保証は行っておりません」「予告なく変更・削除する可能性」。ダウンロードURLは60秒で失効 |
どっちも「公式が出した」という安心感と、「保証はしない」という但し書きがセット。商用の中核に直に置かず、自社側にキャッシュと監視と例外処理を持つのが前提になる。

MCPがなくても、素のAPIとして使える公的データはこれだけある。登録の要否と、規約で決まってる出典の書き方を先に押さえておくと、後で作り直しにならない。
| データ | 登録/キー | 上限・条件 |
|---|---|---|
| jGrants(補助金) | 不要 | 推奨60リクエスト/分・30秒タイムアウト。出典に「Jグランツポータル」を明記 |
| 法人番号Web-API(国税庁) | 利用届出+アプリケーションID(無料) | 1リクエスト最大10件。3年未使用でID停止 |
| gBizINFO(経産省) | アクセストークン申請 | 申請した利用目的の範囲内のみ。出典「出典:gBizINFO(経済産業省)」 |
| e-Stat(政府統計) | ユーザ登録+appId | 1日10,000回・1回最大10万件の記載あり |
| EDINET/e-Gov法令/国会会議録/日本銀行 時系列統計/政府調達/J-STAGE・CiNii/国立国会図書館 | それぞれ異なる(多くは登録不要) | 日銀は「商用目的の転載・複製は事前相談」。国会会議録は発言の著作権が発言者に帰属 |
ぶっちゃけ、この表を作った時点で「あ、素材はもう全部無料で揃ってるんだ」って分かった。足りないのは素材じゃない。組み合わせ方と、法律の線。
最重要リスク:2026年1月施行の改正行政書士法

ここがこの記事でいちばん大事なところ。読み飛ばさないでほしい。
2026年1月1日に改正行政書士法が施行された。ポイントは3つ。
- 電子申請の入力データも「書類」になった——法1条の3に電磁的記録が含まれると明記。jGrantsへの代理入力や送信データの代理作成も、行政書士の独占業務
- 名目を変えても違法——法19条1項に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」が追記。コンサル料、成功報酬、システム利用料、会費……実質が書類作成の対価なら全部アウト
- 罰則と両罰——1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(法21条の2)。両罰規定(法23条の3)で、担当者だけでなく会社にも罰金
「最後の送信ボタンだけ事業者が押せば、それ以前は誰が作ってもいい」——これも通用しない。誰が送信したかじゃなくて、誰が実質的に考えて文章化したかで判断される。依頼した側も、無資格者の関与が発覚すると採択取消・返還・信用失墜のリスクを負う。
つまり、こういうAIは作っちゃいけない
「会社情報を入れたら事業計画書が出てくるAI」「jGrantsに自動で入力してくれるAI」。技術的には今日作れる。でも報酬を取った瞬間に線を越える。しかも会社ごと処罰される。

じゃあ何ができるのか。法1条の3第1項4号の「相談業務」の範囲として、経営助言・市場分析・収支シミュレーション、事業計画の構成案やチェックリスト、AIによる新着巡回・適合診断・論点整理は認められる、というのが複数の行政書士事務所の解説で一致してた。スライドでは Safe と Hazard に分けてある。
| できる(Safe) | できない(Hazard) |
|---|---|
| ①制度の検索・適合可能性の提示(根拠つき) | ④申請書・事業計画書の本文を作成して報酬を得る |
| ②壁打ち・論点整理・「未確認」の可視化 | ⑤顧客のGビズIDで代理入力・送信 |
| ③不足している情報・書類の指摘、チェックリスト | ⑥名目を変えた実質の作成代行(成功報酬・会費など) |
で、この線を「注意して守る」んじゃなくて、機能として持たないのが設計の要。代理入力機能を実装しない。本文生成のボタンを置かない。行政書士の受任は提携先が別契約・別請求にする——先行例としてLYKKEが「システム利用料と行政書士報酬を分けて表示・決済する」方式を2026年内に始めると発表してる。
設計の合言葉はこれ。「AIは書かない。AIは探す・照合する・並べる・指さす。書くのは経営者本人か、提携行政書士。」
あ、そうだ。厚労省管轄の雇用系助成金は社会保険労務士の独占で、これは行政書士でも触れない。だから判定ロジックに「省庁が厚労省なら社労士へ」という分岐を持たせる。管轄が違えば、導線も変える。
既存プレイヤーの料金と、現実的な単価感

価格を決める前に、いま市場で実際に払われてる金額を並べた。数字はソースの記載どおり。
| 誰が | 何に | いくら |
|---|---|---|
| 士業ポータル(補助金ポータル運営) | 士業事務所の掲載ベーシックプラン | 月額11,000円(税込) |
| LYKKE「事業書類の窓口」 | 補助金の論点整理レポート/融資用事業計画書 | 5,000円/9,800円(各税込・買い切り) |
| 行政書士(日行連 令和2年度統計) | 補助金申請代行 | 平均103,098円(範囲1万〜76万円) |
| 行政書士事務所の例 | ものづくり補助金 申請サポート | 着手金110,000円+成功報酬 交付金額の10% |
| 海外・国内のMCP先行例 | ツール呼び出し課金 | 1呼び出し0.02ドル(無料枠あり) |
で、事業者側の「痛み」も数字で見える。事業計画書の作成時間は、事業者アンケートで30〜50時間が41.9%、51〜120時間が28.5%。ものづくり補助金の採択率は加点0個で41.2%、加点4個で86.7%。締切は原則、1秒超過で不受理。

ここで分かれ道がある。API従量課金(1呼び出し数円)は開発者向けの薄利多売で、中小企業から継続課金を取る形にはならない。中小企業に売るなら、価値ベースの月額。「営業先の選定時間」「取りこぼしの発見」「コンプライアンス確認」——業務時間の節約に対して顧問契約の付加価値として乗せる、が現実的。これは仮説。だから次の一手で20社ベンチマークを回してから価格を決める、と後で書く。
事業化ランキング:補助金参謀AIなど、公的データを翻訳する7つのアイデア

ここからが本題。7案を、使うデータ・成果・リスクで並べた。順位は「公式データが無料で存在するか」「顧客の痛みが数字で見えるか」「法律の線が明確か」で付けた仮説。
補助金参謀AI
使うデータ:jGrants・法人番号・gBizINFO 成果:「うちが今出せる補助金はどれ?何が足りない?」に根拠つきで10分で答える リスク:違法な申請代行への抵触
法人番号を入れると、公的プロフィール(設立・認定・過去の交付実績)を引いて、受付中の候補を「適合可能性:高い/条件付き/対象外」の4分類で出す。根拠は公募要領のページ番号つき。最後の行動は「申請書の作成は行政書士へ」で止める。
会社カルテAI
使うデータ:gBizINFO・EDINET・調達実績 成果:営業前・提携前に「相手の公的事実」だけを5分で1枚に リスク:AIのハルシネーション。だから「事実」と「AIの仮説」をセクションで物理分離し、根拠が1件なら「弱い」と自動表示する。信用スコアや危険企業判定はやらない。
制度変更レーダー
使うデータ:e-Gov法令・国会会議録・jGrants新着 成果:「何が・いつから・誰に・何を準備・原文のどこ・専門家に何を聞く」を毎週届ける リスク:国会での「議論」を「決定」と誤認すること。議論/法案/成立/公布/施行を別ステータスで管理する。
地域商圏・出店診断AI
使うデータ:e-Stat・不動産情報ライブラリ・国交省DPF 成果:「この住所に出店していい?」を人口・地価・災害で1枚に リスク:α版APIの仕様変更。競合店舗数は公的データにないので出さない(出典なしの推定はしない)。
経営者向け景気コックピット
使うデータ:日本銀行 時系列統計・e-Stat 成果:金利・物価の変動を「うちの資金繰りにどう効くか」まで翻訳 リスク:個別の税務・財務判断の断定。翻訳は計算式を表示するプログラム計算に限り、予測はしない。
官公需営業参謀AI
使うデータ:政府調達情報・gBizINFO調達実績 成果:入札検索じゃなくて「うちが応札できる案件だけ」を資格・期限つきで営業担当へ リスク:要件の読み違えによる失格。資格要件は原文引用必須。1件の受注価値が高いので単価は上げやすいけど、APIの利用条件を原文で確定するまで作らない。
エビデンス記事生成AI
使うデータ:J-STAGE・国立国会図書館・国会会議録 成果:統計・論文・答弁の「出典つき段落」だけを生成して記事の骨にする リスク:著作権・API規約違反。メタデータ・要約・公式リンクだけを扱い、全文転載しない。本文は書かない。骨だけ。
正直、7個全部を作る気はない。1位を作れば2位は同じツールの流用で2週間で出るし、3位は1位の「監視」部分をコンテンツに向けただけ。4〜6位は規約の原文確認が着手条件で、まだそこが済んでない。順番に意味がある。
最初に作るMCPツールは「8個」だけに絞る

公的APIを全部そのままAIに公開すると、図の左みたいに配線がぐちゃぐちゃになる。AIがどのツールを使えばいいか混乱して誤答が増えるし、顧客の経営課題みたいな機密がサードパーティAPIへ予期せず流れる。MCPビジネスの失敗パターンとして「過度な機能」「不明確な価値提案」が挙げられてたのも同じ話。
だから最初に作るのは、補助金参謀AIに必要な8ツールだけ。
| ツール | 何をするか |
|---|---|
| resolve_company | 会社名や法人番号から、法人番号を確定させる(曖昧なら確定させず候補を返す) |
| build_public_company_profile | 設立・資本金・認定・補助金交付歴・特許・調達。事実と仮説を別キーで返す |
| search_open_grants | 業種・地域・従業員数で受付中の候補を締切順に |
| assess_grant_fit | likely / conditional / undetermined / out_of_scope の4分類+根拠カード+未確認項目 |
| list_missing_information | 判定に足りない項目と質問文(1回に最大5問) |
| get_grant_evidence | 公募要領の該当箇所の引用・ページ・URL・取得日時 |
| build_action_plan | 今日/今週/締切前の行動リスト。申請書本文は含まない |
| watch_grant_updates | 新着・要領改訂・締切7日前・受付終了の差分イベント |
名寄せを最初に置いてるのは、同名別会社の事故を防ぐため。法人番号を確定させてから他のAPIへ行く。地味だけど、ここを飛ばすと「違う会社の補助金交付歴」を根拠にしちゃう。

システム全体は「ファクトリーモデル」。外部API群から取ったデータを、自社のMCPゲートウェイで正規化(法人番号・地域コード・法令IDで一意に紐付け)してキャッシュし、判定はプログラムがやる。LLMは、プログラムが出した結果を人間の言葉に翻訳するだけ。
ここは強調したい
数学や複雑な条件判定をLLMに丸投げしない。「従業員300人以下か」「締切まで何日か」「厚労省管轄か」——全部プログラムで決めて、LLMは翻訳者に徹する。そうすると根拠カードに「取得日時」「対象時点」「施行日」を機械的に埋められる。公的情報は「最新」と「有効」が同じとは限らないから、この3つの日付を分けて持つ。
データを「コンテンツ」に変える仕組み

ここは、私の資産と直結する部分。同じ根拠カードから、媒体別にコンテンツを作る。
流れはこう。①差分検知(新補助金の発表・法改正・要領改訂をシステムが自動検知)→②プロファイル照合(登録された顧客の業種・規模・地域と照らして、誰に影響するかを判定)→③媒体別に変換。経営者向けには「貴社に影響する法改正アラート」をLINEやメールで。マーケティング用には「今週の補助金トレンド解説」をYouTube台本やX投稿で。
強みは要約じゃない。要約なら補助金ポータルがもうやってる。同じ公的情報を、顧客プロフィール別に変換できることが強み。顧客が自分で検索する手間をゼロにして、「気づき」を先に届けると、解約率が下がる——これは仮説で、開封率とクリックで測る。
で、ここは私の朝LIVEやメルマガと相性がいい。「今日の制度変更3選」を定番コーナーにすれば、同じ根拠カードが記事にもLIVEの台本にもなる。執筆コストが増えない。LINEハーネスで顧客別に届ける経路も、すでに手元にある。
避けたい6つの設計(アンチパターン)

リサーチの中で「これをやると死ぬ」が6個、はっきり出た。事実として規約に書いてあるものと、設計上の仮説が混ざってるけど、どれも避ける。
- 巨大MCPを作る——全APIを1つに詰め込むとAIが混乱する。目的別に分割
- LLMに適合判定を任せる——複雑な要件判定の丸投げはハルシネーションの元
- 外部リモートMCPに機密を流す——顧客の経営課題を第三者のMCPサーバーにそのまま送信しない。商用は自社セルフホストか、自社ゲートウェイで送信項目を制御
- コードのライセンスとデータ規約の混同——「MCPのコードが無料(MIT)」でも「接続先データ」の商用利用が自由とは限らない。gBizINFOは「申請した利用目的の範囲内」、日銀は「商用転載は事前相談」
- 取得日と施行日を出さない——制度は「いつ時点の情報か」が命。必ず明記
- 税務・法務・労務で「断定」する——AIに最終判断させない。士業への確認導線を設けて「論点整理」に留める
4番、私はこれを一回やりかけた。「公式がMITで出してるから全部自由でしょ」って。違うんだよね。コードが自由なのと、データを商売に使っていいかは別の契約。ここで止まれたのは、規約の原文を全部ノートブックに入れて読ませたから。
未検証の論点と、次の一手

ここまで全部「仮説」がついてるものは、まだ実機で確かめてない。正直に書いておく。
| 論点 | 状態 | 次にやること |
|---|---|---|
| 正解率・検索漏れ・誤判定 | 未検証 | 実在に近い企業20社で、AIが漏れなく・誤りなく適合制度を抽出できるか人手で照合 |
| 出典と速度 | 未検証 | 提示URLが実在するか、API上限(jGrants 60/分)内で20社完走できるか |
| 行政書士法の線引き(添削の限界・紹介料) | 未検証 | 提携行政書士と「相談の範囲」を書面で合意。紹介料は士業会の会則を確認 |
| 不動産情報ライブラリの商用可否・日銀の「事前相談」・政府調達APIの条件 | 未検証 | 規約原文で確定するまで、4〜6位の案は作らない |
| OSS MCPのライセンス・最終更新 | 未検証 | 採用前にリポジトリのLICENSEと最終commitを直接確認 |
順番はこう。まず規約と精度を固める(利用登録・20社ベンチマーク・提携行政書士との線引き合意)。次に補助金参謀AIのMVPを、8ツールのうち6つと根拠カードで作って、β10社で「知らなかった候補が1件でも見つかった率」と「行政書士に手渡した率」を測る。制度変更レーダーを週次メールに組み込むのはその後。価格を決めるのは、βの数字が出てから。
リサーチの締めの一文は、こうだった。「公的データ領域の勝者は総合検索ツールではない。確かな公的根拠を使い、経営者の情報の取りこぼしを防ぎ、士業・コンサルタントの判断・整理にかかる時間を劇的に減らす『分身AI参謀』こそが、継続して対価を得られる売れる形である。」 仮説だけど、私はこの線で1本目を作る。
COLUMN
「何を作るか」より先に決めたこと
51案を出した日、私は正直、全部作りたかった。アイデアが出るのは本当に楽しいし、私はそれが得意で、だから危ない。今回もそのまま走ってたら、たぶん「会社情報を入れたら事業計画書が出てくるAI」を作ってた。技術的には一番簡単で、一番ウケそうで……そして1月から違法になったやつ。
止まれたのは、作る前に凛ちゃんに「規約と法律の原文を全部ノートブックに入れて、できないことから先に出して」と頼んだから。54ソースのうち、法律と規約が10本以上。読んで最初に出てきたのが「両罰」の3文字だった。担当者じゃなくて会社が処罰される。それを見た瞬間、設計の合言葉が決まった。AIは書かない。探す・照合する・並べる・指さす。
これ、MCPを初めて実務で繋いだ時の感覚と同じなんだよね。UTAGEのファネルをMCP経由でClaude Codeに組ませた時も、繋がった瞬間より「どこまで自動でやらせて、どこから人が押すか」を決めた瞬間の方が価値があった。配管は手段で、決めるべきは蛇口の位置。
人間は縦に掘る。AIは横に広げる。今回で言えば、AIが横に広げたのは54ソースと7案と8ツール。私が縦に掘ったのは「越えない線」と「誰にいくらで届けるか」の2つだけ。この2つは、AIに聞いても決まらない。決めるのは、会社ごと責任を負う側の人間。
で、決めたら次は届け方。AI秘書の司令塔に「夢アラート」を設計した話で書いたのと同じで、通知は「全部知らせる」じゃなくて「その人に関係あることだけ、根拠つきで」。制度変更レーダーの設計も、根っこはそこにある。
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関連記事
この記事の前編。接続手順と、素のAPIをcurl 1行で叩く方法、51案の全リスト。
MCPの仕組みそのものを知りたい人向け。「水道管」の中身の話。
デジタル庁MCPが出た週の、研究会での反応と周辺ニュース。
e-Statのデータを実際にAIに食わせた記録。4位の地域商圏診断の手触りはここ。
顧客別アラートをLINEで届ける経路。制度変更レーダーの出口はこれ。
よくある質問
Q. プログラミングができなくても、この7案は作れますか?
会話だけで試すなら、デジタル庁の公式MCPサーバーをClaudeなどに繋げば補助金検索まではできます。ただし顧客に出すサービスにするなら、判定ロジック・キャッシュ・監視をプログラム側に持つ必要があるので、開発者か開発パートナーが要ります。
Q. 補助金の申請書を作ってくれるAIは、なぜ作っちゃいけないのですか?
2026年1月1日施行の改正行政書士法で、報酬を得て他人の申請書類(電子申請の入力データを含む)を業として作成することは行政書士の独占業務と明記されました。名目を変えても実質が作成の対価なら違法で、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、会社にも両罰規定があります。候補の提示、論点整理、不足情報の指摘までが安全な範囲です。判断は必ず行政書士にご確認ください。
Q. 公的データは全部無料で商用利用できますか?
取得は多くが無料ですが、条件はデータごとに違います。gBizINFOは「申請した利用目的の範囲内」、日本銀行は「商用目的の転載・複製は事前相談」、不動産情報ライブラリと政府調達情報APIは商用条件がソースで確認できていません。使う前に必ず各提供元の規約原文を確認してください。
Q. MCPのコードがMITライセンスなら、データも自由に使えますよね?
別です。コードのライセンス(MIT)はサーバー実装を自由に使えるという意味で、接続先データの利用規約は別に存在します。この混同が、避けたい6つの設計の4番目です。
Q. 7案のうち、どれから始めるべきですか?
公式MCPが無料で存在し、事業者の痛みが数字で見えている補助金参謀AIが本命です。ただし価格を決める前に、実在に近い企業20社で検索漏れ・誤判定・出典の実在を人手で照合するベンチマークを回すことを、この記事では次の一手にしています。
まとめ
公的データをAIに繋ぐ技術は、もう無料で揃ってる。だから「繋げます」は商品にならない。売れるのは、公的根拠×顧客プロフィール×プログラムの判定×更新監視×根拠つきの次アクションを、法律の線の内側で毎週届ける「分身AI参謀」——これがリサーチの結論で、私の仮説。
そして線は、2026年1月に引き直された。AIは書かない。探す・照合する・並べる・指さす。書くのは経営者本人か、提携行政書士。この一文を壁に貼ってから、1本目を作る。
数字も規約も、全部ノートブックに入れてある。読んで「うちの顧客ならこの案だな」って1つだけ持って帰ってくれたら、この記事は役目を果たしてる。なんて言いつつ、20社ベンチマークの結果はまた記事にするから、そこで答え合わせしようね。
参考リンク
公式MCPサーバーの一次情報。MITライセンス・推奨レート・出典表記の規定はここ。
国交省データプラットフォームのα版MCP。免責の文言はREADMEで確認できる。
1条の3・19条1項・21条の2・23条の3。作る前に読む条文。
改正の要点と「名目を問わず」の解説。この記事の法的線引きの主な出典。
制度の一次情報。最新・正式な要件は必ずこちらで確認すること。
出典: 本文の数値・規約はNotebookLM「koteki-mcp」に取り込んだ54ソース(各行政書士事務所の改正解説、デジタル庁note、国税庁・経産省・総務省・日本銀行の各API利用案内、LYKKE・士業ポータルの料金ページ等)と、2026年9月2日時点の活用案詳細版に基づく。「仮説」「未検証」と書いた箇所は実機・規約原文で未確認。法令の適用は行政書士・税理士・社会保険労務士に、API利用条件は各提供元の規約原文でご確認ください。
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この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。