EXPERIMENT/AI仕事術

Clef vs Jev 比較|同じ50件で互角、普段はClef-flash、難問はJev

2026年10月11日

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。

10月の初め、Facebookにこう投稿しました。

jevキラーclef実際に試したらclefのフラッシュが鬼速いし安いしマルチモーダルだし完全主役交代なんだけどw
jevの方がいいところもあるので使い分けで。
なんてスピードで切り替わるんだ。。
まぁ俺は何も触ってないでAIたちが勝手にAIたちを引き連れてテスト検証した結果を眺めてるだけなんだけど。
Jevは、9月にこのブログで続けて記事にしてきた判定AIです。そこへ10月1日、CloudflareがClefを出しました。
同じ実物50件で、Clef-flash・Clef・Jevを並べた記録です。値段も比べました。手を動かしたのは全部AI秘書の凛ちゃんで、私は結果を眺めていただけ。投稿の最後の1行は、そのままの事実なんです。

3行でわかるポイント

  1. 同じ50件で、どれも互角flash・Clef・Jevの正解数の差は0〜4件でした。前に試したLayaとは、全項目で大差です。
  2. 「鬼速い」「安いし」には中身がある公式の速さはflashが38.8ms。でも私のMacから呼ぶと479msで、Jevの517msと大きくは違いません。単価はJevが一番安く、flashが安いと言えるのは、Cloudflareの1日の枠の中で回るからです。
  3. 普段はflash、難問はJev料理で言えば、毎日の下ごしらえはflashの包丁、硬い骨を断つ時だけJevの出刃。迷った6件だけClefで見直すと、3項目ともJev以上になりました。
全体図解: 10月1日に出たClefを、私のMacから同じ50件で流す → 満足・悩みの型・次の1つはほぼ互角 → 公式38.8ms、Macからは479ms → 普段の判定はClef-flash、難問はJevの使い分け
01

10月1日に出たClefを、9月のJevと同じ50件で比べた

9月のJevと10月のClefを、同じ50件で比べた

10月1日、CloudflareがClefという判定AIを公開しました。私はそれを伝えるXのポストを、10月4日にAI秘書の凛ちゃんへ送りました。

Clefを使いたい。Jevと比べたい。公式の最新情報を、3日以内のものに絞って調べてからまとめてほしい。頼んだのは、それだけです。

AI秘書の凛ちゃんは、Cloudflareのブログ、Hugging Faceのモデルカード、Cloudflareの開発者ドキュメント、TypeSafeの公式を読みました。そのうえで同じ日の12時53分〜54分に、9月にJevとLayaで測ったのと同じ実物50件を、Clef-flashとClefに流しています。MacからWorkers AIのAPIを直接呼ぶ形です。

結果は、別のAI(Codex)にも検収させています。私がしたのは、ポストを送ることと、「同じ50件で3つを実測で比べる」を選ぶことだけでした。

Jevの記事は9月20日から26日に続けて書きました。その5日後にClefが出て、10月4日には比べ終わっている。投稿の「なんてスピードで切り替わるんだ。。」は、この短さに向けた一言です。

🎯 今日やること:自分が毎日目で仕分けているもの(アンケート・問い合わせ・メールの返信)を1つ書き出す。

02

Clefとは。選ぶ・分ける・はい/いいえを、確率つきで返すCloudflareの判定AI

Clefとは。選ぶ・分ける・はい/いいえを確率つきで返すCloudflareの判定AI(Clef-flashとClef・画像も読める・Jevと同じ呼び方)

Clefは、文章を書くAIではありません。選ぶ。分ける。はい/いいえを決める。点数を付ける。その答えを、確率つきで返す「判定AI」です。

大きさは2つあります。小さい方がClef-flashで、いわゆる「9B」。元になったのはQwen3.5-9Bで、約94億パラメータです。大きい方のClefはQwen3.8-27Bを元にした約274億。どちらもApache-2.0で、重みが公開されています。

基本の違い(公式の情報)

Clef-flash(9B)Clef(27B)Jev(今の公式は1.13)
作った所Cloudflare(10/1発表)Cloudflare(10/1発表)TypeSafe AI
重みApache-2.0で公開Apache-2.0で公開非公開
読める物文字・JSON・画像・動画文字・JSON・画像・動画文字だけ
入れられる量65,536トークン65,536トークン全体64k
手元で動かす可(約19GB・bf16換算)可(約55GB・bf16換算)不可
APIJevと同じ形Jevと同じ形この形の元

投稿の「マルチモーダルだし」は、ここの話です。Clefとflashは、文字・JSON・画像・動画を読めます。Jevは文字だけ。Jevは TypeSafe AI 製で重みは非公開なので、手元のMacで動かすこともできません。今の公式はJev 1.13です。

で、大事なのがAPIの形。ClefはJevと同じ形のAPIなんです。呼び先のモデル名を替えるだけで乗り換えられます。

🎯 今日やること:今使っているAIの「呼び先の名前」が、どの設定のどこに書いてあるか1か所確かめる。

03

同じ50件の結果。flash・Clef・Jevは互角で、差は0〜4件

同じ50件の結果。満足・悩みの型・次の1つで、flash・Clef・Jevの差は0〜4件

50件の中身は、私が主催したセミナーのアンケートの自由記入や、メルマガへの返信です。実物ですが、本文と氏名は載せません。正解は、9月21日にAI秘書の凛ちゃんがJevを回す前に付けたものです。

同じ実物50件の正解数(同じ質問・同じ正解)

質問Clef-flash(10/4)Clef(10/4)Jev(9/21)Laya(9/25)
満足しているか(38件)36383828
悩みの型・6択(50件)43434428
次に何を見せるか・6択(37件)29282713

満足しているか(38件)は、flash 36・Clef 38・Jev 38。悩みの型(50件)は43・43・44。次に何を見せるか(37件)は29・28・27。差は0〜4件でした。

精度だけ見れば、主役交代とは言えません。互角です。

ちなみにLayaは28・28・13で、全項目で大差でした。細かい結果は前の記事(Jev vs Laya 比較)に書いています。

🎯 今日やること:AIを比べる前に、同じ質問・同じ正解を付けた手元の50件を先に用意する。

04

「鬼速い」の中身。公式は38.8ms、私のMacから呼ぶと479ms

鬼速いの中身。公式は38.8ms、日本のMacから呼ぶと往復を含めて479ms

公式の数字では、1回の判定の時間(中央値)はflashが38.8ms、Clefが209ms、Jevが524msです。公式の数字のままなら、flashはJevの十分の一以下です。

ただし、これはCloudflareが自社で回した数字で、第三者が測り直したものではありません。

1回の判定にかかる時間(中央値)

Clef-flashClefJev
公式(Cloudflareのモデルカード)38.8ms209ms524ms
私のMacから呼んだ実測479ms636ms517ms

私のMacから呼んだ実測(中央値)は、flash 479ms・Clef 636ms・Jev 517msでした。公式の38.8msは、Macからだと出ません。待ち時間の大半は、日本のMacとの往復だったんです。

推測: Cloudflare Workersの中から呼べば、公式の数字に近づくはずです。Macから使う限り、どれも速さは大きくは違わない。ここは正直に書いておきます。

🎯 今日やること:速さの数字を見たら、「どこから呼んだ時の数字か」を1行メモする。

05

値段の比べ。単価はJevが一番安い。それでもflashが「安いし」な理由

値段の比べ。単価はJevが一番安い。Jevは課金しないと呼べず、flashは1日の枠の中で回った

公式の単価(入力100万トークンあたり・出力は0扱い)は、Jev 0.042ドル、flash 0.09ドル、Clef 0.24ドル。1トークンあたりで一番安いのは、Jevです。

同じ50件でも、入る量は違いました。flashとClefは合計47,983トークン、Jevは63,154トークンです。公式の単価に実測のトークンを掛けると、50件でflashが約0.004ドル、Clefが約0.012ドル、Jevが約0.003ドル。

値段(公式単価・入力100万トークンあたり・出力は0扱い)

Clef-flashClefJev
単価0.09ドル0.24ドル0.042ドル(一番安い)
50件で入ったトークン47,98347,98363,154
50件にかかった額約0.004ドル約0.012ドル約0.003ドル
呼ぶのに課金が要るか(10/4時点)要らない(Cloudflareの1日10,000 Neuronsまでの枠)要らない(同じ枠)要る(Vercelでクレジット購入)

じゃあ、投稿の「安いし」は何だったのか。中身は2つです。

1つ目。10月4日の時点で、Vercel経由のJevは、課金していない利用者は呼べない状態(HTTP 403)でした。使うには、Vercelへのクレジット購入が要ります。2つ目。flashは、Cloudflareの1日10,000 Neuronsまでの枠の中で回りました。推測: 今回の50件で使ったのは約1,440 Neuronsです。

単価で選ぶならJev。10月4日に課金の手続きをせずに回せたのはflash。比べる軸が違うんです。

🎯 今日やること:使っているAIについて、「単価」と「呼ぶのに課金が要るか」を分けて書き出す。

06

Jevの方がいいところ。公式ベンチでは、専門家級の難問でJevが勝つ

Jevの方がいいところ。専門家級の難問ではJevが勝つ

公式のベンチマーク41本のうち、25本でflashがJev以上でした。AI秘書の凛ちゃんが、モデルカードの表から数えた数字です。逆に言えば、16本はJevが上。

公式ベンチの得意・不得意(英語・Cloudflareが自社で測定)

何を測るかClef-flashClefJev
家電操作の指示を正しく出す97.783.052.3
銀行の問い合わせ77種に分ける90.994.279.7
「どれにも当てはまらない」も見抜く66.897.489.3
AIの作り話を見つける35.679.476.5
専門家級の難問(GPQA Diamond)51.048.078.3

家電操作の指示を正しく出す試験は、flash 97.7に対してJev 52.3。振り分けの速さと正確さは、flashの得意分野です。

「どれにも当てはまらない」を見抜く試験はClefが97.4、AIの作り話を見つける試験もClefが79.4で一番でした。flashはそれぞれ66.8と35.6。ここは大きい方のClefの出番です。

そして専門家級の難問(GPQA Diamond)は、Jevが78.3でトップ。MMLU-Proは82.7対65.9、BBHは92.9対73.7で、どちらもJevがClefに勝っています。数字で見ると、Jevの方がいいところは、この難問の側にあります。

ただ、どれも英語のデータで、Cloudflareが自社で回した数字です。日本語で同じ差が出るかは、公式にも書かれていません。

🎯 今日やること:自分の判定を「振り分け」と「難しい推論」に分けて、1つずつ印を付ける。

07

外し方の癖は3つとも違う。迷った6件だけClefで見直すと、3項目ともJev以上

外し方の癖は3つとも違う。flashで全部判定し、迷った6件だけClefで見直すとJev以上

正解数は互角でも、外し方はバラバラでした。flashは外すと資料「Aiport」へ寄る(6件)。Clefは関連記事へ寄る(6件)。Jevは「何も出さない」が4件、メルマガが4件です。

flashにはもう1つ癖がありました。満足していない人を、満足と読みやすいんです。満足していない2件に、flashは0.71と0.67を付けました。ClefとJevは0.38以下です。

一方で、満足している26件には、flashはすべて0.87以上を付けていました。並び順は合っている。今回の50件では、迷いが出たのは0.5〜0.9のあたりでした。

そこで、flashで全部判定して、満足の確率が0.5〜0.9だった6件だけをClefで見直す組み合わせを計算しました。

組み合わせ(flashで全部判定し、迷った6件だけClefで見直す)とJev

質問flash+迷いだけClefJev(9/21)
満足しているか(38件)3838
悩みの型(50件)4444
次に何を見せるか(37件)3127

満足は38件すべて正解。悩みは50件中44、次の1つは37件中31でした。Jevの38・44・27と比べて、3項目ともJev以上です!同じ形のAPIなので、2つを呼び分けるのも呼び先の名前を替えるだけでした。

🎯 今日やること:AIの答えに確率が付くなら、0.5〜0.9の「迷い」だけを見直しに回す線を1本引く。

08

結論は使い分け。普段の判定はClef-flash、難問はJev

結論は使い分け。普段の判定はClef-flash、難問はJev。呼び先の名前を替えるだけで戻せる

結論は、投稿のとおり使い分けです。

普段の判定(振り分け・分類・はい/いいえ)はClef-flash。「どれにも当てはまらない」と、AIの作り話を見つける判定はClef。専門家級の難しい推論はJev。画像を見て判定するなら、ClefかClef-flashです。Jevは文字しか読めません。

戻すのも簡単です。APIが同じ形なので、呼び先の名前を替えればJevに戻せます。

実際に入れたのは、アンケートをClefで読む手順(スキル survey-clef)です。10月6日に私が「スキルだけ作る(自動便には入れない)」を選びました。毎日の自動便には入れていません。この手順で、勉強会のアンケート1,292件をClefで読みました。

9月のJevとLayaの比較も、結論は使い分けでした。主役は1か月で替わる。でも、同じ50件で測ってから決めるという順番は変わりません。

一人で全部抱えている経営者ほど、アンケートやメールを夜に自分の目で仕分けているかもしれません。その仕分けを判定AIに自分の代わりに動かしてもらえば、荷物が1つ下ります。

🎯 今日やること:手で仕分けている作業を1つ選び、判定AIに同じ50件を解かせてみる。

FAQ

よくある質問

Q. Clefとは何ですか?

A. Cloudflareが2026年10月1日に公開した判定AIです。選ぶ・分ける・はい/いいえ・点数を、確率つきで返します。小さいClef-flash(約94億パラメータ)と大きいClef(約274億)があり、どちらもApache-2.0で重みが公開されています。

Q. ClefとJev、精度はどちらが上ですか?

A. 同じ実物50件では互角でした。差は0〜4件です。公式ベンチ(英語)では、振り分けはflash、「どれにも当てはまらない」と作り話の見抜きはClef、専門家級の難問はJevが強い結果でした。日本語で同じ差が出るかは、公式にも記載がありません。

Q. JevからClefへの乗り換えは大変ですか?

A. ClefはJevと同じ形のAPIなので、呼び先のモデル名を替えるだけです。戻す時も名前を替えるだけで済みます。

Q. 一番安いのはどれですか?

A. 単価(入力100万トークンあたり)はJevが0.042ドルで一番安いです。ただ10月4日の時点で、Vercel経由のJevは課金しないと呼べませんでした。flashはCloudflareの1日10,000 Neuronsまでの枠の中で、今回の50件を回せました。

Q. 公式の38.8msは、手元でも出ますか?

A. 私のMacから呼んだ時は479msで、公式の数字は出ませんでした。待ち時間の大半は日本のMacとの往復です。推測: Cloudflare Workersの中から呼べば、公式の数字に近づくはずです。

MATOME

まとめ。Clef vs Jev、同じ50件で互角。普段はClef-flash、難問はJevの使い分け

同じ実物50件で、Clef-flash・Clef・Jevは互角でした。主役が替わったのは精度ではなく、速さ(公式の数字)と、画像も読めることと、10月4日に課金せずに回せたことのほうです。

単価はJevが一番安い。Macから呼ぶと、速さも3つで大きくは違わない。数字を並べると、投稿の「鬼速いし安いし」には条件が付いていたことも見えてきます。

だから使い分けです。普段の判定はClef-flash、迷った所はClef、専門家級の難問はJev。flashで全部判定して、迷った6件だけClefで見直すと、3項目ともJev以上になりました。

手を動かしたのは全部AI秘書の凛ちゃんで、私は眺めていただけです。あなたが毎日自分で仕分けているものを1つ、同じやり方で判定AIに渡してみてください。

COLUMN

毎日の包丁と、骨を断つ出刃

コラム図解: 毎日の包丁と、骨を断つ出刃(ひろくんがClef-flashの包丁で下ごしらえ、奥にJevの出刃)

台所で例えると、判定AIは包丁です。

毎日の下ごしらえに使うのは、軽くて手に馴染む1本。玉ねぎも人参も、だいたいこれで足ります。今回のClef-flashは、この役でした。振り分けや、はい/いいえの判定を、毎日まとめて切っていく包丁です。

でも、硬い骨を断つ時は出刃を出します。専門家級の難問はJev。いつも使う包丁で無理に骨を叩くと、刃が欠けるか、切り口が汚くなる。だから出刃に持ち替えます。

切り口が怪しい所だけ、よく切れる包丁で整え直す。flashで全部切って、迷った6件だけClefで見直したのは、この仕上げです。

判定を誰に渡すかは、包丁選びより手前の話です。分身AI.comの日記にも、判断をAIに渡す話を書いています(Codexに5回却下されて気づいた、「賢いAI」より「委ねるAI」だった話)。

新しい包丁が出たら、いきなり全部を入れ替えない。まず同じ食材を、同じまな板で切り比べる。今回の50件は、そのまな板でした。

👉 判断を一つずつ手放していく「分身AI」の作り方は、分身AI.comもチェックしてね!

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