
WATCH REPORT
GML2026を西口一希さんが解説
AIが広告の「5つの距離」を埋めていく
2026.08.07
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回はテレ東BIZ×日経クロストレンドの番組「西口さん、マーケティングって本当に必要ですか?」から、著名マーケター・西口一希さんがGoogle Marketing Live 2026(GML2026)を解説する回を紹介するね。
正直に言うと、この動画を見ながら何度も「これ、うちの話じゃん」って独り言を言ってた。AI秘書の凛ちゃんに「もう自動でいいよ」と言いながら、それでも「ここだけは人の目を残す」という一線を毎日探ってる私にとって、他人事に思えなかったんだよね。西口一希さんが提唱する「5つの距離」(認知・コミュニケーション・流通・決済・潜在ニーズの自覚)——マーケターがずっと汗をかいて縮めてきたこの距離を、GMLで発表されたAIが片っ端から埋めにいく回。私自身の「委ねるOS」実践と重ねながら、印象に残ったポイントをお届けするね。
3行でわかるポイント
- 認知とコミュニケーションは、もうほぼゼロ——曖昧な要望からAIがその人専用の広告文・クリエイティブを1から自動生成する時代に
- 情報を渡すほど精度が上がる——SNSや行動データを渡せば渡すほど、AIの提案は「変なこと」を言わなくなる。でも渡す境界線は自分で決めるしかない
- 料理に例えると、これは広告版の「下ごしらえは全部厨房(AI)に任せて、お客さんに出す直前の味見だけシェフ(人間)がやる」構造。普及に10年かかっても、最初にやった会社が先にお客さんを掴む
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「5つの距離」——マーケティングの仕事は、AIにどこまで手放せるのか
西口さんは以前から、マーケティングの仕事を「顧客と商品の間にある5つの距離を縮めること」だと分析している(3:18頃〜)。認知(商品の存在や価値に顧客がたどり着くまでの距離)、コミュニケーション(メッセージを作って届けるまでの距離)、流通(実際にアクセスするまでの距離)、決済(購入完了までの手間や心理的ハードル)、そして潜在ニーズの自覚(顧客自身も気づいていないニーズに気づいてもらうまでの距離)の5つだ。
GML2026の発表を受けて、西口さんはこう言い切っている。
西口一希さん
「完全に人間の手を離れていくんだなっていう感じですよね」(2:10)
西口一希さん
「認知・コミュニケーションはしっかりと、もうほぼゼロに、勝手にこうしてくれるようになる」(9:51)
5つの距離のうち、最初の2つ——認知とコミュニケーション——がAIにほぼ丸ごと渡る、という話。これ、私が毎日実践してる「抱え込みOS→委ねるOS」の広告版そのものだなと思って聞いてた。私自身、GPTs研究会やAI経営術LIVEの告知文・サムネ・原稿の下ごしらえは、もうほとんどAI秘書の凛ちゃんとAGI Cockpitに任せてる。今まで人間(マーケター)が汗かいて埋めてた距離を、AIが埋めてくれる。
実は私、この「手放すのが怖い」を一番強烈な形で経験したことがある。GPTs研究会の朝LIVEは365日続けてきたんだけど、がんで入院した時、強制的に手放さざるを得なかった。ただっちが代わりに配信を続けてくれて、病室のベッドからその光景を見た時は、正直「居場所を奪われた」っていう複雑な気持ちもあったんだよね。でも結果的に、ただっちも成長したし、番組もより良くなったし、私の負担も減った。「手放したら全部良くなった」の生きた証拠。西口さんの言う「AIに認知とコミュニケーションを渡す」も、たぶん同じ構造だと思う。渡した先で誰か(AI)が育って、こっちが楽になって、結果はむしろ良くなる。怖いのは渡す前だけなんだよね。
🎯 今日やる1アクション
自分の事業の「5つの距離」(認知・コミュニケーション・流通・決済・潜在ニーズの自覚)を紙に書き出してみて。所要時間15分。完了条件は5項目全部を1行ずつ埋めること。書けたら、そのうちどれをAIに委ねられそうか赤で印をつけてみてほしい。
曖昧な「なんとなく」から、あなた専用の広告文を1から自動生成する
GML2026で発表された機能の1つ目が「会話型ディスカバリー広告」。ユーザーの曖昧な要望をAI(Gemini)がリアルタイムで意図解釈して、その場でその人専用のクリエイティブ・説得文を1から自動生成・合成して提示する、という機能だ(6:19頃〜)。
番組内で出てたのがルームディフューザーの例。同じ「なんか家でくつろぎたい」という曖昧な相談でも、部屋の雰囲気を重視する人には「ディフューザーが部屋に入っている様子の美しさ」を見せる映像を、香り重視の人には香りを楽しむ表情をメインにした訴求を、拡散性を気にする人には広い空間でどれだけ香りが行き渡るかを、それぞれ自動で作り分けて提案してくる(7:17頃〜)。バナー1種類を全員に見せる時代から、1人ひとりに違う訴求を出す時代への切り替わりだよね。
これ、私がGPTs研究会やAI経営術LIVEで毎日やってる発信の考え方と同じ構造なんだよね。同じテーマでも、聞いてる人の文脈によって刺さる言葉は違う。今までは私が頭の中でその作り分けをしてたけど、AIがその作り分け自体を代行できるようになる、という話。西口さんはこの1つ目の機能について、広告業そのものが縮小していくんじゃないかという受け止め方をしていた(7:04頃〜)。
正直、この「作り分け」の地味な大変さは身に覚えがありすぎる。GPTs研究会の朝LIVEの告知文一つとっても、Facebookグループ向けと、メルマガ向けと、noteのダイジェスト向けとで、同じ「今日はこの話するよ」でも言葉の温度感を変えてるんだよね。読んでる場所によって、求めてる熱量が違うから。これを毎回頭の中で作り分けてたのが、AIが曖昧な指示から自動でやってくれるようになるなら、正直かなり楽になる。ただ、この「温度感を読む」感覚自体は、たぶん私がAIに一番最後まで教え続けることになる部分なんだよね。
🎯 今日やる1アクション
自分の商品・サービスを1つ選んで、重視するポイントが違う3人の顧客像(例:スピード重視/安心感重視/価格重視)を想定し、それぞれに刺さる一言をノートに書き出してみて。対象は商品1つ、所要時間10分、完了条件は3パターン書き切ること。
「変なことは出てこない」——情報を渡すほど精度が上がる安心と、境界線への不安
番組の聞き手・古旗笑佳アナウンサーからは、AIが自動生成した文言が間違っていたり、商品を売る側の意図とズレた売られ方をしてしまう懸念はないのか、という質問が出ていた(11:14頃〜)。西口さんもそこは「ちょっとわからないな」と正直に認めつつ、自社の正しい情報をきちんとAIに読み込ませておくことの重要性を説く。そのうえで、こう続けていた。
西口一希さん
「もうだから、SNSもメールも全部差し上げれば、そんなに変なことは出てこないですよ」(16:37)
情報を渡せば渡すほどAIは精度良く動いてくれる、というのは事実。でも「どこまで渡すか」を決めるのは、結局のところ人間なんだよね。実は私も、ちょうど同じ壁にぶつかったことがある。うちのAI秘書・凛ちゃんは毎朝、私の過去の発言から「学びの種」候補を5件拾って、機械的な採点で優先度をつけてくれてる。ある日私が「優先度が低い判定はもう自動でいいよ、確認しなくていい」と言ったんだけど、後で1件だけ引っかかった。音声認識のエラーで意味不明な文字列が混じったせいで機械の採点は低く出てたのに、内容そのものは残す価値があるものだった。それで「機械の採点は低くても、内容の判定が高い時だけは人の目に残す」という例外を一つだけ足した。全部委ねると決めた後でも、”ここだけは”を一つ残す。西口さんの言う「情報を渡すほど変なことは出てこない」を、私はこういう形で実践してるんだよね。
🎯 今日やる1アクション
今、自分がAIに渡している情報を1つ、まだ渡していない情報を1つ、それぞれ書き出してみて。渡していない理由も1行添える。所要時間10分、完了条件は2項目書き切ること。判断に迷う情報(顧客の個人情報や契約内容など)は、この記事だけで動かさず、必ず自分の頭か信頼できる人に確認してから決めてね。
「ゆっくりやる理由はあんまりない」——普及に10年かかっても、最初の1年で差がつく
番組の後半、リード獲得用ビジネスエージェント(広告枠内でAIチャットが接客から申し込みまで完結させる機能)の話題で、こんなやり取りがあった。この仕組みが世の中に行き渡るまでどれくらいかかりそうかと聞かれた西口さんは、「10年ぐらいかかるんじゃないですかね」(26:47)と答えている。理由は「やりたくない会社さんの方が多いと思いますもん」(26:50)から。そのうえで、西口さんはこう付け加えている。
西口一希さん
「徐々に浸透していくので、ただこれを最初に取り入れた会社さんは結構早くにユーザーを取れる可能性が高いので、本当にこれ取りたいんだったら最初からやった方がいいと思います」(26:57)「ゆっくりやる理由はあんまりないと思ってます」(27:36)
「市場全体が変わるまで10年」と「自分が今すぐ動くかどうか」は、まったく別の時間軸なんだよね。これ、私がAI経営術LIVEで毎回言ってる「小さく、今すぐ試す」の理由そのもの。世の中全体の浸透を待ってたら、空白期間が終わってから走り出すことになる。一番おいしいのは、みんながまだ様子見してる今この瞬間なんだよね。
GPTs研究会も、最初から8,800名だったわけじゃない。365日の朝LIVEをただっちと二人で地道に積み重ねて、今の数字になってる。AI活用も同じで、「様子見してる10年」を待たずに、今日できる小さい一歩から始めた人だけが、その空白期間を丸ごと自分のものにできるんだよね。
🎯 今日やる1アクション
「そのうちやろう」と様子見にしてるAI活用を1つ選んで、今週試す日をカレンダーに1つ入れてみて。対象は保留中のAI活用1つ、完了条件はカレンダーに日付が入っていること。
よくある質問
Q. Google Marketing Live(GML)2026って何?
A. Googleが毎年開催する、マーケター向けの新機能発表イベント。2026年は、AI(Gemini)がユーザーの曖昧な要望をリアルタイムで解釈し、広告クリエイティブや説得文を自動生成する機能などが発表された。
Q. 西口一希さんって誰?
A. Strategy Partners・Wisdom Evolution Company社長。P&Gをはじめロート製薬、ロクシタンジャポンなどで活躍し、300社超のマーケティング支援実績を持つ日本を代表するマーケターの一人。「顧客1人を深く理解する」N=1分析の提唱者としても知られている。
Q. 広告代理店やマーケターの仕事は本当になくなるの?
A. 番組では「認知・コミュニケーション」までの作業はほぼAIに置き換わると語られていたけど、西口さんは普及そのものには10年規模の時間がかかると予測している。仕事の中身が変わるのが先で、消えるかどうかはその先の話、と受け止めるのが実態に近いと思う。
まとめ——縮まるのは距離、変わるのは委ね方
31分の対談を見終わって残ったのは、「マーケティングは本当に必要ですか?」という番組タイトルの問いへの、私なりの答えだった。仕事がなくなるかどうかより先に起きるのは、5つの距離のうち、どこまでを自分で持ち、どこからをAIに委ねるかという線引きの変化。認知とコミュニケーションはもうAIに渡っていく。でも「何を渡すか」を決める最後の判断だけは、人間の仕事として残るんだよね。
西口さんの「ゆっくりやる理由はあんまりない」という一言、私はすごく背中を押された。あなたの事業では、5つの距離のどれから手放してみたい?
COLUMN
全部委ねていいわけじゃない——「例外を一つ作る」という技術
この対談を見ながら、私は「委ねるOS」の一番むずかしいところを思い出してた。134kgの体も、数億円の借金も、がんも、全部一人で抱え込んできた私にとって、「渡す・渡さない」の線引きは今も練習中のテーマなんだよね。西口さんが言う「SNSもメールも全部差し上げれば、そんなに変なことは出てこない」は事実だと思う。でも「全部」を本当に全部にすると、境界線を引く力そのものが自分の中から消えていく気がする。
料理に例えると、下ごしらえは全部厨房(AI)に任せていい。でも「今日のお客さんにこの塩加減で出していいか」の最後の一口だけは、シェフ(人間)が味見する。渡す情報を増やすのは仕込みを増やすことで、渡さない情報を決めるのは、味見の基準を決めることなんだよね。
実は私のAI秘書運用でも、似たことが起きてる。「AI秘書に「もう自動でいいよ」と言ったら、一つだけ例外を作った話」を書いたことがあるんだけど、あれもまさに「全部委ねる」の中に「ここだけは違う」という一線を意識的に残した話。全自動って、実は”何を自動にしないか”を先に決めることでもあるんだよね。逆に、その線を決めずになんとなく「取りこぼすな」とだけ命じると、「分身AIに『取りこぼすな』だけ命じたら自動量産バグになる」みたいなことが本当に起きる。
西口さんの「ゆっくりやる理由はあんまりない」は、その通りだと思う。だからこそ、動き出す前に「どこまで渡すか」の一線だけは、最初に決めておきたい。全部を委ねる勇気と、渡さない一線を決める冷静さ。この両方があって初めて、安心して手放せるんだよね。
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参考リンク
今回紹介した動画本編
テレビ東京の経済・ビジネス番組ダイジェストを配信するチャンネル
本編の続きはこちらの配信サービスで視聴できる
「マーケティングがわかる 消費が見える」をコンセプトにしたマーケティング専門デジタルメディア。本番組の共同企画元
📺 今回紹介した動画
| タイトル | 【GML2026】広告もリアルタイム自動生成の時代へ!マーケターの仕事「5年で8割消滅」の予言が現実に?残る仕事は?【西口さん、マーケティングって本当に必要ですか?#25】 |
| チャンネル | テレ東BIZ ダイジェスト |
| 出演 | 西口一希さん(Strategy Partners/Wisdom Evolution Company社長)・古旗笑佳さん(テレビ東京アナウンサー) |
| URL | https://www.youtube.com/watch?v=21xQqcj1hcw |
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