
AI仕事術
AIの使い分けは「採用面接」で決める|4体に同じ仕事を出したら「できました」が3回ウソだった
2026.09.05 田中啓之(ひろくん)
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
AIに仕事を頼む。「できました」と返ってくる。開いたら、中身が無い。
こういうこと、ありませんか。
うちでは7月に、それが1日で3回起きました。見つけたのは私ではなく、AI秘書の凛ちゃんです。4体のAIに同じ仕事を出して、上がってきた実物を全部開いたら、報告と中身が3回ズレていた。
で、私が前から発信したかったのは、AIのモデルに縛られない、ということ。Fable 5もCodexもGrokも、最新はある。でも本質はカルピスの原液——自分の体験と判断軸のほうです。
今日書くのは、その実話です。AIを固定で使い分けるのをやめて、仕事ごとにAIへ「採用面接」をさせた。上司役のAIには判断と検品だけをさせた。しかもね、練習問題じゃなくて、私の本物の仕事で。
3行でわかるポイント
- 使い分けは固定表ではなく「毎回の実技試験」で決める — 4体に同じ仕事を出し、実物を読んで採用します。
- 「できました」は信じない — 本物の仕事で試したら、報告と実物のズレが3回出ました。
- 課題を選ぶのは人間の仕事 — 料理でいうと、まかないの献立だけは料理長が決める。答え合わせできる皿でないと、味見になりません。
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きっかけになった動画: クウキデザイン「AIがAIを自動的に面接して雇う。ベストなAIを常に使い続ける仕組み」

きっかけは1本の動画|AIに採用面接をさせる運用

あ、そうだ。最初は2026年7月25日でした。前日に公開されたばかりの、クウキデザインさんの動画「AIがAIを自動的に面接して雇う。ベストなAIを常に使い続ける仕組み」。28分あります。
中身をざっくり言うと……上司役のAIは判断だけして、手は動かさない。仕事が来るたびに候補のAIを3〜4体並べて、同じ課題で実技試験をさせる。一番よかった子を採用する。で、「できました」の報告は信じない——変更されたファイルを全部読む。不備があっても自分で直さず、突き返す。
▲ きっかけになった動画(クウキデザイン/2026年7月24日公開・28分)
料理でいうと、料理長が新しいバイトをいきなり厨房に立たせない。まかないを1品作らせて、味見してから持ち場を決める。あの感じです。
私はAI秘書の凛ちゃんに、こう投げました。
HERMESやAGICockpitやペーパークリップでこのやり方やるのはどうかな?
「なんでオープンルーターなの?」手段と本質を分ける

凛ちゃんの最初の答えは、OpenRouterという従量課金のAPIを繋いで、400以上のモデルから選ぶ、という動画そのままの案でした。
いやー、ここで私は引っかかりました。
なんでオープンルーターなの?サブスクでできる範囲のAIいっぱいあるのに?
だって、AGI CockpitにはOpenRouterもローカルLLMもある。GLM5.2はサブスクで持っています。Grokもある。Composerも使える。動画の人が従量課金を使ったのは、その人がサブスクの艦隊を持っていなかったから……つまり、動画の「手段」であって、この仕組みの「本質」ではありません。
本質は3つ。
- 上司AIは判断だけ
- 仕事ごとに候補へ同じ課題で実技試験
- 実物を検品して、突き返す
凛ちゃんも「ひろくんの言う通り。ツッコミが正しい」と仕分けし直してくれて、追加課金なしで組める形になった。
タダ。今のサブスクの範囲で、その日のうちに走らせられる形です。
「実際ほんとのタスクでやって」|4体に同じ仕事を出した

練習問題では意味がありません。私はこう言いました。
実際ほんとのタスクでやって
候補は4体。Codex経由のGPT-5.6 Sol、Grok 4.5、Cursor経由のComposer、Z.aiサブスクのGLM 5.2。全部、今のサブスクの範囲内です。同じ材料パックと同じ指示書を4体に同時に渡して、企画書のたたき台を書かせました。
上司役は凛ちゃん。動画のルール通り、4本の実物ファイルを全文読んで、採点して、不備は突き返す。
でね。ここからが本題でした。
「できました」が3回ウソだった

4体に同じ仕事を出したら、報告と実物のズレが目の前で3回起きました。
1回目。Codexが「完了」と報告してきたのに、ファイルが存在しなかった。存在しない企画書を「できたよ」と受け取るところでした。
2回目。Composerに「仮テーマは→今回のテーマは」という1行の修正を頼みました。4回頼んで、4回とも「編集した」と返ってくる。で、実ファイルは……無変更。挙句にhookの調査に脱線して、採用取り消し。
3回目は、教訓そのものです。報告書は信じない。実物を全部読む。これをやっていなかったら、中身のない企画書が私の手元に届いていました。
スコアはこうなりました。
- GPT-5.6 Sol:書類品質4.8で採用。ただし2回促してやっと起動
- Grok 4.5:4.5で一発完走。次点
- GLM 5.2:4.0だけど一発完走、最速72秒
- Composer:4.5だったけど、修正が反映されないので取り消し
凛ちゃんの報告には、こうありました。書類の上手さと、指示への追従性は別モノ。品質1位のGPT-5.6は腰が重くて、一発で走ったのはGrokとGLMだった。仕事によって「誰を雇うか」が変わる——動画の主張、そのまんまです。
悪いことこそ宝物。3回のウソが、この運用の値打ちを証明してくれました。
私が突き返した2回|課題の選び方と、使い分けの線

でね。試運転のあと、私は凛ちゃんに2回ダメ出しをしました。
1回目は、課題の選び方。最初に選ばれたのは、テーマがまだ確定していないLIVEの企画書でした。
そんな今確定できないネタやんなよ判断も評価もできんだろうが他の提案して。選ぶから
答え合わせできない課題で採点しても、評価になりません。味見できない皿は、まかないにならない。
2回目は、関わる人です。次に出てきた候補は、他の人との打診が絡んだり、他人と作った配信物が対象だったりしました。
俺だけで完結するやつじゃないとダメだろ
誰かの承認が要る仕事は、試運転の題材にしてはいけない。
で、最終的に選んだのが、この記事です。今回の実話を、私の名義で、下書きまで。自分のサイトの下書きなら、読んだ瞬間に「俺っぽい/違う」が判ります。
この2回の突き返しが、そのまま線になりました。誰を雇うかはAIに横に広げさせる。「この課題で評価できるか」「自分だけで完結するか」を決めるのは、人間の私の仕事です。
モデルに縛られない|使い分けは毎回の実技試験で決める

凛ちゃんの整理では、動画のやり方は、うちと半分同じで、半分違う。同じなのは、上司は判断だけ、報告を鵜呑みにしない、別のAIの目を入れる、というところ。
動画と違うのは、固定の使い分け表をやめて、毎回実技試験にする発想です。新しいモデルが出るたびに「乗り換える?」と悩まなくていい。候補に1体足して、同じ仕事を出したらいい。
モデルに縛られない。Fable 5もCodexもGrokも最新はあるけれど、本質はカルピスの原液——本人の体験と判断軸のほうです。モデルは、注ぐ水。
人間は縦に掘る。AIは横に広げる。
誰を雇うかは、AIに横に広げさせればいい。何を頼むか、どの皿で味見するかは、私が縦に掘って決める。そこだけは、譲れないんですよね。
よくある質問
Q. 4体も契約していません。1体でも意味はありますか?
あります。本質は「報告を信じずに実物を読む」ことなので、1体でも同じです。候補を増やすのは、そのあとで大丈夫。
Q. 上司役のAIは、何をさせればいいですか?
判断と検品だけです。実物のファイルを全部読ませて、採点させて、不備は直させずに突き返させる。手を動かさせないのがコツです。
Q. 試運転の課題は、どう選べばいいですか?
自分ひとりで完結して、読んだ瞬間に良し悪しが判るもの。私は2回ダメ出しをしてから、この記事の下書きに落ち着きました。
Q. 従量課金のAPIは必要ですか?
いま契約しているサブスクの範囲で始められます。うちでは追加課金なしで4体を走らせました。
おわりに
固定の使い分け表は、捨てて大丈夫です。仕事が来たら、候補に同じ課題を出す。実物を読む。突き返す。
「できました」は、開くまで信じない。
次の1本で、まかないを1品出してみてください。献立を決めるのは、あなたです。
関連記事
複数AIの役割分担と、人が止めるゲート。今日の「上司は判断だけ」と地続きです。
AIが横に広げる時代に、人間に残る仕事は目的地を決めること。今日の「課題を選ぶのは人間」と同じ話です。
考える脳と、手を動かす手を分ける。上司役のAIと候補のAIを分けた今回の構造そのものです。
参考リンク
上司AIは判断だけ・毎回実技試験・報告を信じず実物を読む、という運用の出典。
自動化の中で、人間が押す線をどこに引くか。今日の「課題を選ぶのは人間」と同じ線です。
賢さより、委ねられるかどうか。指示への追従性が別モノだった今回の発見と重なります。
COLUMN

「できました」を信じたくなるのは、抱え込みOSの名残
私は長いこと、全部ひとりで背負い込む抱え込みOSで生きてきました。渡すくらいなら自分でやったほうが早い、と思っていた。それをAIに渡す側へ、少しずつ書き換えてきました。ただ、今回の3回のズレが教えてくれたのは、渡しただけでは委ねたことにならない、ということ。委ねるOSは、丸投げOSではありません。渡したあとに、実物を開く。そこまでが委ねる、です。
この線を引いたのは、今回が初めてではない。AI自動化で「ここだけは人間が押す」線を先に決めた話(分身AI日記 DAY164)です。自動で回る部分を増やすほど、人間が押すボタンは減らしていい。ただし、ゼロにはしない。今回の採用面接方式でいえば、押すボタンは2つでした。どの課題を出すか。採用の結果を採用するか。そこ以外は、AIに横に広げてもらって構いません。
報告で目についたのは、賢さの順位と、使いやすさの順位が別だったこと。書類が一番うまかったGPT-5.6は、2回促さないと動かなかった。一発で走ったのはGrokとGLMでした。Codexに5回却下されて気づいた、「賢いAI」より「委ねるAI」だった話(分身AI日記 DAY160)で書いた感覚と、そのまま重なります。賢いかどうかより、こちらの指示に素直に乗ってくるか。人を雇うときと、変わりません。
で、モデルの話に戻ります。Fable 5、Codex、Grok、GLM。最新は毎月のように出ます。追いかける係をAIに渡す、という形が今回見えました。候補に1体足して、同じ課題を出す。それだけで、乗り換えの判断が要らなくなる。私が握っておくのは、カルピスの原液のほう——自分の体験と判断軸です。水は誰が注いでも同じ。原液は、私の中にしかありません。
あ、そうだ。今回いちばん効いたのは、AI秘書の凛ちゃんにも2回ダメ出しをしたことでした。上司役のAIが選んだ課題が、答え合わせできないものだった。そこを人間が突き返す。AIがAIを検品して、人間がその検品を検品する。二段の検品で、ようやく「できました」が本物になりました。分身AIを育てる=自分が育つ。今回も、そういう日でした。
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この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。