
COLUMN / AI氣道
「高いものを売れ」は値上げの号令じゃない。
値段に負けない会社を、分身AIと先に描く
2026.09.06
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
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3行でわかるポイント
- 「高いものを売れ」は値上げの話じゃない。神田昌典さんが言うのは、値段に負けない会社を先につくること。
- 35万2000円のソファが人気ナンバーワン。岡山の家具メーカーAKASEは「100年後のアンティーク家具へ」の一点に会社全体を集めた。
- 料理で言うと、値札を先に置く。その値段に負けない出汁を、厨房ごと仕込む。分身AIに渡すのも、安く見せる文句じゃなく、その出汁です。
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GPTs研究会に参加する(無料・8,900名突破!)日経MJの切り抜きが、また手元にあるんですよね。
神田昌典さんの連載「未来にモテるマーケティング」。2026年8月24日号。見出しは「高くても選ばれる」ために。大きな見出しは、「強みを束ね、価格の根拠つくれ」。
前回の8月10日号は、きれいな社名より先に一語を掘れ、という話でした。今回は、その一語に値札を付ける話なんだな、と私は読みました。
でね。正直に言うと、値段の話は、私の中でまだ決着がついていないんです。「高くて無理です」と言われた時の、あの顔。あれを私は知っているからです。それでも、この号は最初の一行で手が止まったんですよね。
「高いものを売ってください」。……値上げの号令じゃないんですよね。読み進めていくと、まったく別の号令だったんです。
「高いものを売ってください」——狙いは富裕層じゃない。視線を自社へ戻すこと
連載の冒頭で神田さんは、今年の初めから経営者にこう伝えてきた、と書いているんです。
株価が上がったから、富裕層の需要を読んだ提案に見えるかもしれない。でも、狙いはそこじゃないんだ、と本人がすぐ打ち消しています。高いものを売ろうとすることで、会社そのものを強くする。それが本当の狙いなんだ、と。
ここからが、私が二度読んだところなんですよね。
「売れるもの」を探すと、視線は市場や流行、競合のほうへ向かう。もう少し安くできないか。競合より得に見せられないか。ところが、「高くても選ばれるもの」を考え始めると——
長年磨いてきた技術は何か。積み重ねてきた経験は何か。自分たちは、何なら高くても胸を張って届けたいのか。
視線が戻る。この一言、耳が痛いんですよね。
私も、値段を下げた時は、だいたい外を見ていたんですよね。断られるのが怖くて、相手の沈黙が来る前に自分から下げた。で、自分の厨房は見ていない。何を何年仕込んできたのかを、自分が一番忘れているんです。
あ、そうだ。以前、分身AIに「私のサービスをパッケージにまとめて」と頼んだら、先に「あなたの一番の強みって何?」と聞き返されて、答えられなかったことがあるんです。材料は山ほどあるのに、看板メニューを言い切れない。あの時の私も、視線が外に行っていたんですよね。
35万2000円のソファが人気ナンバーワン。AKASEが束ねた「100年後のアンティーク家具へ」
連載で具体例に挙がっているのは、岡山県里庄町の家具メーカー、AKASE GROUPです。展開している家具ブランドは「MASTERWAL(マスターウォール)」。
3人掛けのデニッシュソファは35万2000円から、ワイルドウッドのダイニングテーブルは24万5300円から。この価格でありながら、前者は人気ナンバーワン。後者はブランドの原点であるロングセラー品である。
数字は、公式サイトでも確認できました。デニッシュソファ(3シーター180)が35万2000円から、ワイルドウッドのダイニングテーブル(W160×D90)が24万5300円から。切り抜きの数字と、今のオンラインショップの数字が一致しているんですよね。
祖業は婚礼たんす。会社沿革を見ると、1961年に岡山県笠岡市の赤瀬木工所として創業して、1973年に手作りの総桐箪笥を作り始め、1999年にウォールナット無垢を使ったテーブル「ワイルドウッド」を発売。2005年に婚礼箪笥の製造を終えて、2006年に「MASTERWAL」を始めています。
つまり、たんす屋が急に高級ソファ屋になったわけじゃないんです。木を扱う技術を何十年も積み重ねて、時代に合わせて器を変えて、蓄積した強みを「高くても選ばれる価値」へつなぎ直してきた——神田さんはそう書いているんですよね。
で、値段の理由をいちばんクリアにしてくれているのが、この言葉なんです。
「100年後のアンティーク家具へ」。この言葉を見ると、値段の理由がさらにクリアになる。家具は消耗品ではなく、次の世代に手渡すものと考えているのだ。購入者は、家具が紡ぐ物語の最初の語り手となる。
100年後のアンティーク家具へ。MASTERWALの公式サイトにも、そのまま掲げてあるんですよね。
いやー、これ、値札の説明じゃないんですよ。35万円のソファを「今の自分」が買うんじゃなくて、「最初の語り手」として買うんですよね。家具は物語の一ページ目。だから、値段の桁が違っても、消耗品とは比べられない。
しかもね。この価値を本気で届けようとすると、商品だけでは終わらないんだ、と神田さんは続けます。AKASEは受注生産を基本にして、加工、仕上げ、梱包まで自社で手がけて、配送まで自社でやっている。
料理に例えると——安く見せるのは、盛り付け係ひとりでできるんです。器を小さくして、値札を書き換えればいい。でも、「100年後に語られる一皿」は、仕入れ、仕込み、火入れ、配膳、片付けまで厨房全員で作るしかない。AKASEは配送まで自分で運んでいる。そこまでが一皿なんですよね。
値段を上げることじゃない。値段に負けない会社をつくること——「価格逆算経営」
この号で、いちばん心に残ったのがこの一文でした。
会社をつくってから値段を付ける。その順番が逆なんです。先に価格を決めて、そこから、その価格にふさわしい会社の姿を逆算して考える。商品や接客を磨いて、配送もよくする。買ってもらった後まで支える。別々に見えていた仕事が「この価値を届けよう」とつながって、会社のあちこちにあった強みも集まってくる。神田さんが「価格逆算経営」と呼んでいるのは、こういうことです。
ぶっちゃけ、私も言い方は違うけど、同じことを言ってきたんですよね。
「安売りしない。でも囲い込まない。」
高額の個別コンサルも、情報商材も、成果保証もやらない。場は無料で開いて、届けた価値に対してお金をいただく。GPTs研究会の朝LIVEを365日無料でやっているのは、入り口のハードルを下げたいからです。でも、その先の仕事まで安売りはしない。ケチだから、ということではないんですよね。
以前、値下げをテーマにAI同士で本気の討論をさせた時、私はこんなふうに書きました。
だから私は、自分の命を削って得た経験を安売りするつもりはないの。ケチだからじゃないよ。安売りした瞬間、それを買った人まで「その程度のもの」として受け取っちゃうから。
安かろう悪かろうでは、お客さんを救えない。頭で考えただけの話じゃなくて、自分の経験で身に染みたことです。
実家は「山口屋」という惣菜屋でした。400個のお弁当を作ったことがあるんですが、作る側には400分の1でも、受け取る人にはその一つが全部なんだよね。だから、一つも手を抜けない。一方で、賞味期限の近い安い納豆を卸して、クレームになったこともあります。手を抜くと、結局は自分が損をする。お互い、よいことが一つもないんです。
神田さんの「値段に負けない会社」は、この感覚に近いと思いました。値段だけを上げても、中身が伴わなかったら、お客さんはまた来てくれない。商品や接客も含めて、その値段に見合うものを届けるということなんですよね。
AIを使うと、文章も画像も動画も、安く早く作れるようになりました。作る手間が減るのはありがたい。でも、原価が下がることと、そこで伝える経験の価値が下がることは別なんですよね。AIで広く届けられるようになっても、自分で経験して得たものまで変わるわけではない。
だから、値段を先に決められる。その値段に負けないように、商品も接客も、買ってもらった後の支えも集め直す。私は価格逆算経営を、そういう話として読んでいます。
AIはソファに座れない。でも顧客が語った言葉は読める——分身AIに渡す材料
連載の後半に、AIの話が一段だけ出てくるんです。短いんですが、私にはここが一番刺さりました。
人工知能(AI)はソファに座れない。木の手触りもわからない。それでも、顧客が語った言葉は読める。AIが商品を薦める時代には、こうした実体験の言葉が、次の顧客に届く材料になる。
AIはソファに座れない。
当たり前ですよね。でも、私たちはAIに商品を薦めさせる時、座ってもいないAIに「座り心地を語れ」と頼んでいませんか。「高級感」「上質」「こだわりの」。安く見せる文句の裏返しで、高く見せる文句を横に並べさせる。……それ、出汁のない盛り付けなんですよね。
神田さんが言う材料は、そこじゃない。顧客が語った言葉なんですよね。なぜこれを選んだのか。使って何が変わったのか。満足が大きければ、その体験は誰かに話したくなる。その言葉を、AIは読める。
私がコンサルで関わっている工事の会社では、2000万〜2500万円の工事が、成約率9割で決まっているんです。値引きで決まっているんじゃありません。その社長がストーリーを言葉にしていて、お客さんが共感して、値段も分かった状態で見積もりの相談に来る。だから、チラシを打たないし、広告もしない。アクセス数はわざと減らして、相性の合う人だけが来るようにしているんですよね。
高くても選ばれている会社に共通しているのは、顧客が語る理由が先にある、ということなんですよね。安く見せる工夫が先じゃない。
分身AIも、まったく同じ構造なんですよね。
私は分身AIに、自分の商品を薦めさせています。でも、渡している材料はキャッチコピーじゃないんです。お客さんが言ってくれた言葉、朝LIVEで自分が話した言葉、転んだ日にそのまま書いた記事。そういう履歴なんですよね。以前、分身AIに自己紹介を書かせて捏造や憶測が混ざった時、消されたと感じたのは事実の精度じゃなくて、想いや愛や魂でした。だから、体験は事実だけで語る。
前回の号で「私の商品を、あなたは私の言葉で勧められるか」と分身AIに聞く、と書きました。今回はその続きなんです。詰まったら、プロンプトを増やさない。顧客の言葉を一つ、履歴に足す。AIはソファに座れない。でも、座った人の言葉は読めるんですから。
では私は、何を高く売る会社になるのか——今日の一手
連載の終わりで、神田さんは読者にこんな問いを渡しています。
では、私たちは、これから何を高く売る会社になるのか。高くても届けたい価値をひとつ決め、そこへ商品、人、技術、サービスを集める。私は、これを「価格逆算経営」と呼ぶ。
ひとつ決める。ここが肝なんですよね。全部盛りのフルコースじゃない。
私の場合、いま一行に書くなら「分身AIを作り育てながら、実業で使える方法を一緒にやること」なんですよね。ツールの説明でも、ノウハウの切り売りでもない。先日、個別のセッションで海外の動画を見ながら話していて、確かにそうだなと思ったんですが、いま求められているのはAIツールでもやり方でもなくて、結果なんです。課題を丸ごと引き受けて、責任を持ってやりきるところにお金が集まる。だから私は、そこへ商品も、人も、技術も集め直している最中です。まだ散らばっています。
そのかわり、入口は小さく開けておく。朝LIVEは無料。途中の転んだ姿も全部見せる。以前、公ちゃん(松下公子さん)と新しいコミュニティを立ち上げる時も、名前も決まっていなくて、値段も「このくらいかな」の段階で、会議の途中をそのまま配信する、と決めたんです。固める前に見せる。使う人の声を聞かないまま作った場所は、だいたい誰のためのものでもなくなっちゃうからです。
安売りしない。でも囲い込まない。この二つは、矛盾していないんですよね。値段に負けない出汁を仕込むから、入口をタダで開けても崩れないんです。
で、今日やる一手は、これだけでいいと私は思っています。
「私は、何なら高くても胸を張って届けたいか」——一行だけ、紙に書く。
書けたら、その一行に商品・人・技術・サービスが集まっているかを見てみる。散らばっていたら、それが価格逆算の始まりなんですよね。書けなかったら……値段の話はまだ早い。前回の号に戻って、一語を掘る。
あ、そうそう。その一行は、分身AIにもそのまま渡してみてください。「この価値を、私の言葉で薦められるか」と聞く。詰まったら、顧客の言葉を一つ足す。それだけで、AIの薦め方が「高級感」から「最初の語り手」に変わるんですよね。
よくある質問
「高いものを売れ」って、結局は値上げの話では?
違います。神田さんは「値段を上げることではない。値段に負けない会社をつくることだ」と明記しています。価格を先に置いて、それにふさわしい商品・接客・配送・買った後の支えを逆算する。値札だけ書き換えるのは、盛り付けを豪華にしただけです。
小さな会社や一人社長でも「会社全体でつくる」はできる?
一人なら、なおさら向いています。安く見せる工夫は一部門でできる、という話の裏返しで、一人社長は商品も接客も配送も自分です。高くても届けたい価値をひとつ決めれば、散らばっていた仕事がその一点に集まります。私はそこに分身AIを置いて、横に広げる仕事を任せています。
AIに商品を薦めさせる時、何を渡せばいい?
高く見せる形容詞ではなく、顧客が語った言葉です。なぜ選んだのか、使って何が変わったのか。AIはソファに座れないけれど、座った人の言葉は読めます。分身AIも同じで、渡すのは履歴。詰まったらプロンプトを増やさず、顧客の言葉を一つ足してください。
まとめ
「高いものを売れ」は、値上げの号令じゃない。それが、この号を読み終えた私の答えなんですよね。
高くても届けたい価値をひとつ決めて、そこへ商品、人、技術、サービスを集める。値段を先に置くと、それに負けない会社の姿が逆算されていくんですよね。AKASEは「100年後のアンティーク家具へ」に会社全体を集めて、35万2000円のソファを人気ナンバーワンにしました。
私は、安売りしない。でも囲い込まない。入口は無料で開けて、値段に負けない出汁を厨房ごと仕込む。分身AIに渡すのは、高く見せる文句じゃなくて、顧客が語った言葉と自分の履歴なんですよね。AIはソファに座れない。でも、座った人の言葉は読める。
視線を自社へ戻す。次の市場に向けて、自社の強みを磨き直す。私はそれを、この号の結論として受け取りました。
一緒に、自分の一皿に値札を先に置いていきましょう。
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値札を先に置くと、分身AIに渡すものが変わる
神田さんの「価格を先に置く」を、私は分身AIの育て方として読みました。値段を後から付けると、分身AIに渡す材料は「安く見せる文句」か「高く見せる形容詞」のどちらかになっちゃうんですよね。どっちも出汁がない。値札を先に置くと、その値段に負けない履歴を渡すしかなくなる。お客さんが言ってくれた言葉、朝LIVEで転んだ日、安い納豆を卸してクレームになった、手抜きの損。そういう材料が、逆算で集まってくるんです。
実家の山口屋の味が他と違ったのは、道具じゃなくて出汁。分身AI.comで書いた「AIは包丁、ストーリーは出汁」の話は、今回のAKASEの話とそのまま重なるんですよね。包丁は、みんな同じものを持てる。ChatGPTもClaudeもGeminiも、使える人は使える。だから、半年後には切れ味で差がつかなくなる。残るのは、100年後の語り手を想像して仕込んだ出汁のほうなんです。
で、その出汁は自分で分かっていないことが多いんですよね。以前、AIに「自分を商品化して」と頼んだら、自分のことが一番わかってなかったことがあります。強みを聞かれて固まった。材料は冷蔵庫にぎっしりあるのに、看板メニューが言えない。神田さんの「視線が自社へ戻る」は、まさにあの瞬間のことだと私は思います。外の相場を見るのをやめて、冷蔵庫を開ける。
料理に例えるとね。値札を先に書いた店は、その値段に恥じない一皿を出すしかない。仕入れも火入れも配膳も、全部その値札から逆算される。逆に、値札を最後に書く店は、出来上がった皿を見て「これなら安くしとくか」と弱気になっちゃう。私は、値札を先に書くほうでいたい。安売りしないのは、お客さんを安く扱いたくないからなんです。
だから今日は、分身AIにこの一行を渡すところから始めます。「私は、何なら高くても胸を張って届けたいか」。返ってきた薦め方が私の言葉になっていなかったら、プロンプトじゃなくて履歴を足す。それが入魂で、魂を磨けば分身が育つ。値札は、その磨き方を決める最初の一手だと私は思っています。
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神田昌典さん 8月10日号の回。今回の「値札を先に置く」の前段=一語を掘る話。
下げるのは値段じゃなく段差。「出汁は下がってない」の元になった討論。
ただっちと愛紗さんの土曜LIVE。自分に値段をつけるんじゃなく、商品に値段をつける。
商品・条件・人の3方向から、自分にしか作れない商いを磨き直す回。
参考リンク
この記事で引用したコラムの公式再掲。全文はこちらで。
「100年後のアンティーク家具へ」。デニッシュソファ・ワイルドウッドの価格はここで確認。
1961年創業・1973年桐箪笥・1999年ワイルドウッド・2006年MASTERWALの沿革。
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この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。






