『売上の地図』池田紀行の要約と書評で、売上を左右する20枚の地図を読む

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくんです。

今回は、池田紀行さんの『売上の地図』を読み解きます。2022年に日経BPから出た本です。

この本には、私がKindleで引いたマーカーが59か所あります。どの章の、どの文に引いたのか。その59か所を読み直して、本文と照らしながら読み解いていきます。

広告を出した。SNSも続けている。なのに、売上が動いた理由も、動かない理由も分からない。

商品、売り場、発信、お客さんとの関係。それぞれが別々の作業になっていると、どこから見直すかを決められません。

この本は、その「どこから」を決めるための地図です。答えをくれる本というより、売上に効く要因の位置関係を見せてくれる本です。

3行でわかるポイント

  • 売上は結果。本書は、売上に効く19の要因と、その役割を測る効果測定を、20枚の地図に分けて見せます。
  • 土台は、思い出してもらいやすさと買い求めやすさ。そこに好意、クチコミ、ブランド、価格が重なります。
  • 個々の施策に売上の責任を負わせない。動かせる入力を選び、役割ごとに測るのが結論です。
中央の売上の円を19の小さな札が網目状に囲み、外側に効果測定の物差しが別枠で置かれた全体図
図1|中央の売上の円を19の小さな札が網目状に囲み、外側に効果測定の物差しが別枠で置かれた全体図
池田紀行『売上の地図 3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント』の表紙

売上の地図 3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント

池田紀行 著

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池田紀行『売上の地図』の要約|売上を左右する20枚の地図と、動かせる入力

先に全体を案内します。本は「はじめに」と「オリエンテーション」で地図の読み方を示します。そこから第1〜第20の地図へ進み、「おわりに」で閉じる構成です。

著者は、売上を目的変数、売上に影響する要因を説明変数と呼びます。地図は20枚。ただし正確には、効果測定を除く19が要因です。最後の第20は、それぞれの役割をどう測るかの地図になっています。

並び方にも流れがあります。第1と第2は、商品そのものと売り場。第3〜第8は、思い出してもらう、好きになってもらう、話してもらうための地図です。第9〜第11で、ブランド、熱心なお客さん、パーパスへ進みます。

第12〜第15は、広告、PR、販売員、店頭。第16〜第19は、流行、若い世代、外部環境(天気や季節など)、価格です。自社だけでは決めきれない要因が並びます。そして第20で、測り方に戻ってきます。

背骨は、第20の地図のこの見出しです。

重要なのは売上という「出力」に影響を与える「入力」

Kindleで読みながら私が引いたマーカーを章ごとに数えると、多いのは第4(9か所)、第1と第20(各7か所)、第13(5か所)。第12と第15には1か所も引いていません。この記事も、その濃淡に合わせて、厚い章と短い章をつくります。

はじめに

霧の森の手前に方位磁針があり、赤い針が森の奥を指し、消された杖が小さく描かれた見出し図
図2|霧の森の手前に方位磁針があり、赤い針が森の奥を指し、消された杖が小さく描かれた見出し図

本は、売れた理由を言い当てる会話から始まります。「CMが良かったから売れた!」「商品が悪くて売れなかった」。商品力、価格、配荷、ブランド、広告、PR、クチコミ、競合、景気。どれも理由になりそうです。

何が本当で、何がうそなのか。この謎を地図として解読し、最短距離で売上を増やせるようにする。それが本書の目的だと書かれています。

例は、小さな駅から少し離れた住宅街のベーカリーです。味の良さ。地域に合った品ぞろえ。適度な店頭在庫。挙げ始めると、要因はいくらでも出てきます。

想定読者は、一般消費者向けの商材を扱う大企業の事業部、宣伝、PR、マーケティング部門、営業の人たち。そして、その支援会社です。

著者はキャリアの前半で、リサーチ、商品開発、棚割りの分析などを経験しました。後半は2007年にトライバルメディアハウスを創業し、クチコミやソーシャルメディアを手がけてきた人です。

そのうえで、こう念を押します。本書はインスタントなノウハウ集ではない。都合の良い魔法のつえは存在しない。難解な数式も使わない。「霧深い巨大な森」で、方向を示すコンパスになりたい、と。

あ、ここで期待値がはっきりします。地図は道を歩いてくれません。現在地と目的地を見せるだけです。

オリエンテーション|地図の読み方

左に種をまく手と芽、右に実りを摘むかごがあり、間を時間の矢印が通る見出し図
図3|左に種をまく手と芽、右に実りを摘むかごがあり、間を時間の矢印が通る見出し図

最初の章で、売上を決める2つの「しやすさ」が出てきます。思い出してもらいやすさ(メンタルアベイラビリティー)と、買い求めやすさ(フィジカルアベイラビリティー)です。

例は著者自身の話です。お茶を飲みたいと思うと、伊右衛門が真っ先に浮かぶ。自宅から徒歩1分のセブンイレブンで買える。思い出せて、すぐ買える。この両方がそろって、売上になります。

頭に飲み物が浮かぶ後ろ姿の人から、点線が近所の店の棚へ伸び、想起と買い求めやすさが合流する図
図4|頭に飲み物が浮かぶ後ろ姿の人から、点線が近所の店の棚へ伸び、想起と買い求めやすさが合流する図

次に、メーカーの売上を人口、認知率、購入率、購入個数、購入頻度、購入単価に分けます。シャンプーで考えると、自社の努力で動かせるのは認知率と購入率。単価もある程度は動かせます。残りは、ほぼ動かせません。

売上には、トライアル購入とリピート購入の2種類しかない、とも書かれています。買う前に「買いたい」と思わせる力。買った後に「買ってよかった」と思わせる力。それぞれが別の購入を決めます。

さらに、買ってもらうまでのプリマーケティングと、買ってもらってからのポストマーケティングを分けます。成熟した市場では、売上の多くが既存のお客さんによる既存商品の売上になる、という指摘です。

最後は時間軸です。今日の売上をつくる刈り取りの施策と、明日の売上をつくる種まきの施策。多くの企業が抱える指名検索の減少を、著者はこう説明します。

右側の種まき施策が手薄になっているのだ。

効果が見えやすい施策ほど、予算が寄っていく。その結果が、いざ必要になった時に思い出されない状態です。

第1の地図|売上と商品・サービス

S字カーブの上部に同じ形の商品が並び、そこから値札へ下向きの矢印が出る見出し図
図5|S字カーブの上部に同じ形の商品が並び、そこから値札へ下向きの矢印が出る見出し図

扉の副題は「良い商品だけでは売れない時代」。それでも著者は、売上に最も大きく効く説明変数は、商品・サービスそのものだと置きます。マーケティングを「粗悪品を高値で売りつけるテクニック」と見る人もいる。その印象に対して著者は、賢くなった今の消費者に、派手な広告や小手先のテクニックだけで買ってもらえる時代ではない、とも書いています。

では、なぜ良い商品だけでは足りないのか。技術発展のS字カーブで説明されます。各社の技術がニーズを満たしきると、どの商品も大差がなくなる。だったら安い方を買おう。コモディティー化が価格競争を呼ぶ流れです。

そこで出てくるのが、ステップワゴンの例です。

楽しいCMソングとともに、こどもと一緒に遊びへ出かけ、素敵な思い出をたくさんつくる「良い父親像を売った」のである。

伝えたのはスペックより、楽しく豊かな気分と、理想の父親になれる姿でした。ここから、ベネフィットを機能的・情緒的・自己実現に分ける整理へ進みます。

3段の階段に、下から機能・情緒・自己実現のベネフィットが小さな線画と並ぶ図
図6|3段の階段に、下から機能・情緒・自己実現のベネフィットが小さな線画と並ぶ図

次に著者は、競争の目的を言い切ります。競合に勝つことでも、売上を上げることでもない。持続可能な利益を上げることだ、と。多額の販促で増収しても、増収減益なら勝利とは言えません。

ポーターの5つの競争要因は、町の中華料理店で説明されます。代替品はフードデリバリー。新規参入は、空腹を満たそうとするあらゆる業種・業態です。

利益の方程式は、利益=価格−コスト。ビジネス環境は川のようなもので、経営努力というオールをこがなければ舟は流される。この比喩がわかりやすいです。

締めは差別化です。星野リゾートの記事を引き、顧客の声に応え続けた結果、どこも同じようなサービスになったと紹介します。真の差別化は、顧客の声に応えるだけでなく、自分たちのこだわりを押し売りすること。章の最後は、こうです。

押し売りすべき「自社にしか提供できない “こだわり”」を見つけ出し、磨きをかけてほしい。

私の場合|2018年、好きな料理の研究をブログに書いていた

この「こだわり」の段落で並べたくなったのが、2018年1月の私の公開文です。当時、私はこう書いていました。

私の場合は美味しい食べ物と料理が好きなので、毎日おいしい食事を作るように研究してブログに書いたり、おいしいお店を食べてグルメレポート記事を書くことは趣味でもあり、仕事でもあります。

同じ文章には「365日毎日お金を払ってでもやりたいこと」ともあります。

読み返すと、当時の私が外に出していたのは、商品の説明ではありません。好きで研究していることそのものでした。本が言う「自社にしか提供できないこだわり」と、置き場所が近いんですよね。

ただ、それが差別化として効いたかどうかは、この記録からは分かりません。今の私が持ち帰るのは、こだわりは磨く前に、まず見える場所へ出す必要がある、という順番です。

第2の地図|売上と売り場

町の地図に店が点在し、手前の棚で一つの商品色が広い面積を占める見出し図
図7|町の地図に店が点在し、手前の棚で一つの商品色が広い面積を占める見出し図

副題は「ECも含めた買い求めやすさが売上に直結」。著者は、広告業界の常識に一石を投じます。売上は広告で決まる、と信じる人は多い。でも商品の特性にもよるが、多くの場合、売上は買い求めやすさで決まる、と。

売上は売り場の数に比例する。新ブランドが生き残りにくい「センミツ」の中で、各社はラインエクステンションで棚の占有率を上げます。重回帰分析をすると、多くの商品で配荷が最も大きく効く。店の数だけでなく、SKUの単位でも見るべきだそうです。

店頭の力は、インストアマーチャンダイジングとして整理されます。露出を決めるスペースマネジメントと、刺激を高めるインストアプロモーション。棚を取るためにテレビCMを打つ、という現場の声も出てきます。バイヤーが、その商品が本当に売れるかを見るからです。

そして、実店舗とECの比較です。リアル流通では、棚の位置、高さ、フェイス数。デジタルシェルフでは、検索順位とレビュー。戦う場所は違っても、どちらも大手に売上が集まる構造は似ています。

左に実店舗の棚の断面、右にスマホの検索結果とレビューの星があり、両方から大手へ矢印が集まる図
図8|左に実店舗の棚の断面、右にスマホの検索結果とレビューの星があり、両方から大手へ矢印が集まる図

章末の課題は、いろいろなお店の店頭を観察すること。地図を読む前に、まず売り場を見る。一番シンプルな入口です。

第3の地図|売上と想起

大きな吹き出しから小さな選択肢の円が雲のように浮かび、一つだけが前で赤く光る見出し図
図9|大きな吹き出しから小さな選択肢の円が雲のように浮かび、一つだけが前で赤く光る見出し図

副題は「〇〇といえば…で思い浮かぶか?」。宣伝や広報、マーケティング部門が担う一番の仕事として、ここで想起が出てきます。マーケティングは総力戦だ、という一言も添えて。

P&Gが重視する指標に、想起集合(Evoked Set)があります。何かを買おうとした時、何も見なくても頭に浮かぶ、好意的な選択肢の集まりです。著者はゴールをこう置きます。

マーケティングコミュニケーションの究極のゴールは、第一想起ポジションを獲得すること、それが難しければ少なくとも想起集合に入ることだと考えている。

浮かぶ数は少ない。何も見ずに思い出せて、購入の候補に入るのは2〜3ブランド程度だろう、と著者は見ています。知っているけれど、よく知らない商品。それは検討に進む前に負けです。

スーパーの買い物の約80%は非計画購買、というデータも出てきます。店で思い出されるかどうかが勝負です。ECではさらに、第一想起のブランドを指名検索して、他社が目に入らなくなる。差は開きます。

では2位以下はどう戦うか。ダブルジョパディの法則の下では、シェア1位が顧客数もロイヤルティーも高い。そこで著者が注目するのが、ZMOT、FMOT、SMOT、TMOTの流れです。

ソーシャルメディア時代におけるZMOTの多くは、既存顧客のTMOTなのである。

店に行く前に触れる情報の多くは、今のお客さんが使うたびに書き換えている体験から生まれる。だから2位以下は、既存顧客のTMOTを通じて、良質なZMOTをつくる戦略が有効だ、という結論です。

店に行く前・店頭・使用時・使うたびの4段階が円環になり、既存顧客から新規顧客へ戻る矢印で螺旋になる図
図10|店に行く前・店頭・使用時・使うたびの4段階が円環になり、既存顧客から新規顧客へ戻る矢印で螺旋になる図

章の後半は記憶の仕組みです。ヤッホーブルーイングの例で、仲間と楽しく飲んだビールというエピソード記憶が語られます。五感に訴える。繰り返す。使われる文脈を伝える。ネーミングやキャラクターを工夫する。思い出してもらうための手が並びます。

章末には、2022年に著者の会社が行った15カテゴリーの想起集合調査も載っています。

第4の地図|売上と好意

分かれ道の標識の一方にチェック表、もう一方にハートがあり、良いか好きかを問う見出し図
図11|分かれ道の標識の一方にチェック表、もう一方にハートがあり、良いか好きかを問う見出し図

副題は「購入意欲との相関が強い好意度」。Kindleで私が引いたマーカーが一番多いのが、この章です。

著者の会社の調査では、好意度が高いほど購入意向も高い、という相関が出ているそうです。買われている商品は、最高か、最安か、最愛か。技術の差が縮んだ今、機能ではほとんどの商品がすでに最高水準で、最高だけでは差がつきません。最安で戦えば値引きが常態化し、ブランド価値を傷つけます。

そこで著者は、最愛、あるいは最“好”のポジションに入ることを勧めます。

次に、ブランドへの態度を2つに分けます。良いか悪いかの認知的態度。好きか嫌いかの感情的態度。興味深いのは、認知的態度は否定的なニュースやクチコミで悪化しやすいのに、感情的態度はほとんど下がらない、という点です。

この2軸で4つの象限ができます。良い×好きの絶対王者。良い×嫌いの嫌われ者の優等生。それほど良くない×好きの隙多き人気者。そして敗者です。

良い悪いと好き嫌いの2軸で4象限に分け、隙多き人気者に赤い旗が立つ図
図12|良い悪いと好き嫌いの2軸で4象限に分け、隙多き人気者に赤い旗が立つ図

著者は、絶対王者に入れない商品は、隙多き人気者を目指すべきだと考えています。その後の節で、著者は好かれる力を示す例として自身の私服を挙げます。半分以上がPatagoniaで、機能の比較より「Patagonia(のパーパス)が好き」という感情で、ほぼ一択だそうです。

では、どうしたら好かれるのか。まず、「好き」の反対は「嫌い」ではなく「無関心」。関心を持ってもらうには、自分ゴト化の壁を越える必要があります。

ここで、自分ゴト、仲間ゴト、世の中ゴト、他人ゴトが整理されます。著者が15年以上の経験で確証を得たのは、「SNSで世の中ゴトはつくれない」こと。SNSは仲間ゴトが得意で、世の中ゴトはマスメディアが得意。役割が違うだけです。

そして、この章の芯の一文です。

認知はお金で買えるが、興味や好意や購入意向はお金では買えないのである。

釣りに興味のない人に、素晴らしい釣りざおの広告を大量に見せる。認知は上がります。でも好きにはならない。だから興味の起点、ファーストクリックが大事になる。刊行当時の本では「ググる→タグる→タブる」と、Instagramの発見タブが起点になっていると書かれています。

最後に著者は単純接触効果を挙げ、接触頻度を増やして好意度を上げる工夫を勧めます。ニュース、投稿、会話の中のオーガニックな接触を増やし、広告はそれをブーストする役に置く。順番が逆なんですよね。

第5の地図|売上とクチコミ

左に一気に広がる吹き出しの花火、右に静かに積み重なるレビューカードの棚がある見出し図
図13|左に一気に広がる吹き出しの花火、右に静かに積み重なるレビューカードの棚がある見出し図

副題は「好意的なクチコミ増加が売上に」。クチコミが増えたから売れたのか。売れたから増えたのか。この因果の疑問から始まり、テレビCMがTwitterを経由して購買に与える間接効果を捉えた2015年の論文が紹介されます。

クチコミの影響力は、掛け算で示されます。

クチコミの影響力は「信憑(しんぴょう)性や愛情・熱量」×「インプレッション数(ネットワーク規模)」の掛け算で示される

誰が言うか。どれだけ見られるか。キャンプ歴30年の人の一言は重い。それでも、50や100のインプレッションでは広がりません。

誰が言うかを示す盾と、どれだけ見られるかを示す多くの目が掛け算され、波紋になる図
図14|誰が言うかを示す盾と、どれだけ見られるかを示す多くの目が掛け算され、波紋になる図

クチコミは、タイムライン型と検索型に分かれます。Instagramは興味でつながる場所(WHAT)、Facebookは人でつながる場所(WHO)。フォロワーを増やしたいなら、テーマを1〜3に絞るとよい、という助言もあります。

そして節の見出しのとおり、レビューはバズらないが、前評判はバズる。レビューは少しずつ溜まり、ニーズが出た時に検索されるもの。バズは人の会話で一気に広がるもの。仕組みが違うので、普通は同時に起きません。例外は、超ポジティブか超ネガティブの時だけです。

クチコミは、期待・意向、報告、レビュー、レコメンドの4種類。安くて頻繁に買う一般消費財には期待や報告の型が、高くてたまに買う耐久消費財にはレビューやレコメンドの型が効く、と整理されます。

第6の地図|売上とソーシャルメディア

日付ごとの投稿カードが塔のように積み上がり、細い糸で多くのスマホとつながり続ける見出し図
図15|日付ごとの投稿カードが塔のように積み上がり、細い糸で多くのスマホとつながり続ける見出し図

副題は「地道な投稿で増えたフォロワーが力に」。SNSでモノは売れるのか。この問いに著者は、逆に問い返します。SNSに影響を受けていないB2Cビジネスなんて存在するのか、と。問うべきは程度だ、という立場です。

すぐ、直接、売上につながる施策は、チラシ、検索連動型広告、店頭の短期販促くらいだと著者は書きます。大型キャンペーンの打ち上げ花火は、期間が終わると接点が切れる。

一方、SNS公式アカウントは、今すぐ用のない人とも日常的につながっていられる。ニーズが顕在化する日まで、想起を高め続けられます。フォロワーはストックとして溜まっていく。例はJALのInstagramで、売り込みより「素敵だな」と感じてもらえる投稿を重ねています。エンゲージメントは目的ではなく手段だ、とも書かれています。

章の後半で、著者はソーシャルメディアを公園にたとえます。主役はユーザーの会話で、企業は出店する側です。

人々が話す公園の端に企業の出店があり、話されていない出店が薄く消えかかる図
図16|人々が話す公園の端に企業の出店があり、話されていない出店が薄く消えかかる図

公園で誰にも話されていない企業や商品は、存在していないも同然。アドトラックで乗り込んで宣伝すれば、無視されるか嫌われる。本質は、人と人のコミュニケーションが介在することで、モノやコトの意味や価値が変わることだと著者は考えます。ただ、マーカーが残っているのは、この本質の一文ではありません。その手前で、人同士の情報で買う・やめるが決まるようになった変化をまとめた一文です。マーカーはその一文全体に引かれていて、ここではその結びの部分を引きます。

実際に買ったり、買うのをやめたりすることが当たり前になったのだ。

第7の地図|売上とオウンドメディア

虫眼鏡を持つ人が公式サイトの扉を開け、奥の本棚へ進む見出し図
図17|虫眼鏡を持つ人が公式サイトの扉を開け、奥の本棚へ進む見出し図

副題は「情報収集層に信頼できる情報を提供」。かつて「続きはウェブで」の受け皿だった企業サイトは、メディアの分散で集客力が下がりました。情報を探す人が、個人ブログやnote、Instagramへ流れたからです。

では役割は何か。訪問経路を見ると、指名検索とメルマガ経由が多い。訪問者は、すでに商品を知っていて、もっと知りたい人です。オウンドメディアが貢献しているのは認知より理解度の向上だ、と著者は指摘します。2021年の調査では、日本でブランドサイトの信頼度がトップだったそうです。

ただ、公式の情報だけでは足りない。知りたいのは、購入経験者の、鮮度の高い声です。だから公式サイトの中に、それを置く。

オウンドメディアの中に、購入経験者のリアリティーあふれる鮮度の高い情報を掲載してしまうのである。

BESSでは熱心なファンがユーザー目線で魅力を伝え、ソニー損保ではお客さんの不満の声まで隠さず開示する。良い声だけを並べないことが、信頼につながるという話です。

公式サイトの枠の中に、公式の説明と、購入経験者の手書き風の声カードやファンの吹き出しが並ぶ図
図18|公式サイトの枠の中に、公式の説明と、購入経験者の手書き風の声カードやファンの吹き出しが並ぶ図

私の場合|ブログが、学びと人のつながりの場になっていた

自分で持つメディアといえば、私にとってはブログです。2018年1月の同じ公開文の後半に、こう書いていました。

ブログでアウトプットすることが収益になるだけではなく、自分のインプットにもなり、同時に多くの自己発見にもなります。一年間、ブログを継続更新できたことで自信もつき、さらに高速での学習効果と人脈形成にもなります。

本は、オウンドメディアを、訪問者の理解度の向上に役立つ場所として見直しました。2018年に公開したこの文で、私は、ブログが書き手の側にも学びと人脈を運ぶと書いていました。

読み手の理解を育てる場所と、書き手が学ぶ場所。同じメディアの両面として見ると、この章の地図が少し立体的になります。

第8の地図|売上とインフルエンサー

薄い広告看板の手前で、スマホから語る人の線画と握手が描かれた見出し図
図19|薄い広告看板の手前で、スマホから語る人の線画と握手が描かれた見出し図

副題は「広告より信頼、想起を強化」。インフルエンサーを起用すれば売れるのか。答えは「売れることもあれば、売れないこともある」。マーケティングの世界に魔法のつえは無い、とここでも書かれます。

大事なのは、偶然のバズではなく再現性。そのために、目的の設定、商材との相性、キャスティング、起用の仕方、オリエンの5点を挙げます。

インフルエンサーは、領域を超えて広く届くトップ、特定の領域で信頼されるカテゴリー、特定ブランドの大ファンであるブランドの3種類に分かれます。どれかを選ぶより、組み合わせで考える方がいい、というのが著者の考えです。

届く範囲を大きさの違う同心円で示した3種類のインフルエンサーを、一本のロープで束ねた図
図20|届く範囲を大きさの違う同心円で示した3種類のインフルエンサーを、一本のロープで束ねた図

なぜ消費者はインフルエンサーを信じるのか。自分と同じ消費者の立場で、客観的・中立的に話しているから。著者はこれを「一人Earned+Shared Media」と呼びます。

だから、企業が投稿内容を細かく指示すると弊害が出ます。

消費者は、インフルエンサーが投稿するリアリティーを欲している。

#PRの表記についても、2020年の調査で約7割の消費者が意味を理解していなかった、という実態が書かれています。

第9の地図|売上とブランド

下駄を履いた商品が他より一段高く立ち、来期へ続く足跡が伸びる見出し図
図21|下駄を履いた商品が他より一段高く立ち、来期へ続く足跡が伸びる見出し図

副題は「ブランドは来期以降に持ち越せる簿外資産」。著者はブランドを下駄にたとえます。同じスペック、同じ価格、同じ売り場でも、ブランド力が高ければ勝てる。

思考実験が分かりやすいんです。コンビニの全商品からラベルがはがれていたら、いつも通り買い物ができるか。スペックのシールを貼っても、まだ選びにくい。

ブランドは、識別記号と知覚価値でできています。識別記号は、文字、音声、形、色、におい。知覚価値は、カテゴリー、人格、便益、論拠など。長く続くブランドは識別記号がすでに知られているので、買ってもらえるかは知覚価値で決まります。

左に文字・音・形・色・香りの記号群、右に心の中の価値の吹き出しがあり、矢印でつながる図
図22|左に文字・音・形・色・香りの記号群、右に心の中の価値の吹き出しがあり、矢印でつながる図

ソーシャルメディアの時代、ブランドは企業の発信だけでなく、既存のお客さんのクチコミにも大きく左右されます。

ブランドは「つくられるもの」と認識した方が正しいように思う。

最後に著者は、ブランドは資源であり、資産であり、資本だと言います。日立の樹のCMを例に、単年度の損益だけで評価しない。今期に打って来期以降も効く投資的な施策は、貸借対照表の観点で中期的に評価すべきだ、と続けます。

第10の地図|売上とロイヤルカスタマー

頂点に炎がある顧客の山と、裾で予算の袋からサクランボだけを摘む手が描かれた見出し図
図23|頂点に炎がある顧客の山と、裾で予算の袋からサクランボだけを摘む手が描かれた見出し図

副題は「推奨意欲の高い熱狂顧客がもたらす価値」。売上の8割は2割のお客さんがつくる、というパレートの法則とCRMから始まります。

ところが、販促予算で一番得をしているのは誰か。値引きの時だけ買うチェリーピッカーです。熱心なお客さんは、値引きがなくても買い続けてくれる。著者は、価格やお得以外の施策で、大切なお客さんを見分ける時期に来ていると書きます。

一方で、ダブルジョパディの法則は、過度なファン信奉に警鐘を鳴らします。シェアが高いほど、ロイヤルティーも高くなる。小さなブランドほど、離反率が大きい。では、シェアの低い会社はどう戦うのか。

10-4では、ニューバランスジャパンの鈴木健氏の答えが紹介されます。接触頻度を上げる。クリエーティブを徹底して工夫する。上位企業が戦略ミスをした時に備えておく。

ファンづくりの事例も並びます。ワークマンは公式アンバサダーに金銭を払わず、ブログのPV数や動画の再生数をKPIにして、双方がWin-Winになる関係を目指しているそうです。

そして、この章の芯です。

大事なのは売上(結果)ではなく感情(理由)

多くのCRMがうまくいかないのは、お客さんを売上という結果で格付けしているからだ、と著者は見ます。だから、NPSと熱狂度を組み合わせる。熱狂度の調査では、選んだ理由まで聞く。熱狂度が高い人ほど、「大好き」「自分らしくいられる」といった感情の言葉が増えるそうです。

横軸にNPS、縦軸に熱狂度を取った空の散布図の枠と、理由を聞く吹き出しが描かれた図
図24|横軸にNPS、縦軸に熱狂度を取った空の散布図の枠と、理由を聞く吹き出しが描かれた図

熱狂的なお客さんの声は、商品改善の仮説、良質なZMOT、社員のやる気を取り戻すインナーブランディングにも生きる、とまとめられます。

私の場合|2025年の公開文に、同志と組みたいという願いを書いていた

10-4の問いは、小さい側はどう戦うか、です。2025年の公開文で、私は「目下の私の課題」として、こう書いていました。

大手にはできない、中小建築会社1社ではできない、中小建築会社の同志とスクラムを組み、中小建築会社が集まるから実現できる、大手に負けないソリューションの提供で真の顧客満足を提供できる地域一番繁盛店と一緒に最高の住環境を提供したい!

これは当時の願いです。実現した成果の記録ではありません。

本の答えは、接触頻度、クリエーティブ、上位の戦略ミスへの備え。当時の私の願いは、同志と組むこと。同じ問いへの、別の答えです。

あ、重なる所もあります。当時の私は、目指す言葉に「真の顧客満足」を選んでいました。章の芯「大事なのは売上(結果)ではなく感情(理由)」と、向いている方向は近いと思います。

第11の地図|売上とパーパス

手前に目標の旗、遠くに目的の灯台があり、道でつながる見出し図
図25|手前に目標の旗、遠くに目的の灯台があり、道でつながる見出し図

副題は「自社の存在意義をPRして好意を形成」。最初の問いはシンプルです。企業経営の目的と目標は何か。売上や利益は目標で、目的ではない。目的がパーパス、つまり自社はなぜ社会に存在するのか、への答えです。

町のベーカリーで考えます。「本格的でおいしいパンの提供を通して、地域の人々の生活を幸せにしたい」。このパーパスがあれば、売上は増えるのか。注目される背景として、SDGs、サステナビリティーへの意識、コモディティー化、若い世代の働きがいの変化、ESG投資が挙がります。

パーパスはWHY。ミッションはWHAT。ビジョンはWHEREとWHEN。バリューはWHO。戦略はHOW。全部そろえなければならない決まりは無い、と著者は言います。

根から枝先へ、パーパスのWHYからミッション、ビジョン、バリュー、戦略へ伸びる一本の木の図
図26|根から枝先へ、パーパスのWHYからミッション、ビジョン、バリュー、戦略へ伸びる一本の木の図

注意点が鋭いです。ベーカリーが折込チラシで「うちの店のパーパスは…」と伝えてきたら、どう思うか。パーパスを広告で直接訴えるのは、手段の目的化だと。

パーパスは、そのものを直接訴求するものではなく、行動で示すことに意味がある。

さらに、消費者が主役の、終わりなきナラティブであることが望ましい、と続きます。オムロンの社内表彰制度は、企業理念の実践の物語を全社で共有する取り組みとして紹介されています。

第12の地図|売上と広告

拡声器から出たコインが2つの流れに分かれ、片方が霧に消える見出し図
図27|拡声器から出たコインが2つの流れに分かれ、片方が霧に消える見出し図

始まりは、ワナメイカーの有名な言葉です。広告費の半分が無駄なのは分かっている。分からないのは、どっちの半分かだ。

広告で売上は上がる。ただ、広告による売上の獲得効果を正確に検証するのは、事実上不可能に近い、と著者は書きます。広告の一番の強みは認知獲得で、その獲得効率は最も安いと考えられる。GunosyやAmazonがテレビCMを選んだ例も出てきます。

デジタルシフトは、手法ニュートラル、メディアニュートラルで考える。広告会社に丸投げせず、自分の頭で試行錯誤する。そのための予算配分として、7:2:1のアロケーションが勧められます。

一本の帯を7対2対1に区切り、右へ行くほど下の波線の振れ幅が大きくなる図
図28|一本の帯を7対2対1に区切り、右へ行くほど下の波線の振れ幅が大きくなる図

ローリスクに70%、ミドルリスクに20%、ハイリスクに10%。未来の競争優位への挑戦を、最初から予算に組み込んでおく考え方です。

第13の地図|売上とPR

街をやわらかな風が包み、人々が手をつなぐ輪の中心にPRの関係が置かれた見出し図
図29|街をやわらかな風が包み、人々が手をつなぐ輪の中心にPRの関係が置かれた見出し図

副題は「売れる空気をつくって関心を高める」。PRという言葉は、自己PR、#PR、集客のための告知と、意味がばらばらです。著者はまず、Public Relationsとして定義し直します。社会・公衆と良好な関係を築き、維持し、高めていく活動です。

Public Relationsのゴールは売上ではない

関係を築く相手は、株主、取引先、従業員、メディア、地域社会まで含みます。企業広報、IR、危機管理などの広い広報がその中心です。その一部として、マーケティングの中に、新商品のパブリシティーや戦略PRがあります。戦略PRは、広告を出す前に、市場に「売れる空気」をつくっておく活動です。

PRの強みは、第三者を介した信頼性。メディアが取り上げると「本当だろう」と受け取られ、自分ゴト、仲間ゴト、世の中ゴトへ広がります。今どうしても欲しいものが思いあたらない人が34.8%という調査を挙げ、意向はお金で買いにくい、だからPRの出番だと著者は考えます。

2020年前後からは、SNSで話題になったネタをマスメディアが取り上げ、それがSNSの話題をさらに加速させる流れが起きている。著者はこれを「PRのソーシャル化」と呼びます。

SNSの島とマスメディアの島の間を矢印が往復し、往復するたびに大きくなる螺旋の図
図30|SNSの島とマスメディアの島の間を矢印が往復し、往復するたびに大きくなる螺旋の図

話題になるニュースのコツは、思わず人に話したくなる要素、世の中で話題になる要素、シェアされやすい形式。Talk-able、Buzz-able、Sharableです。

第14の地図|売上と販売員

カウンター越しに話す二人の後ろで、売上の棒の高さが販売員ごとに違う見出し図
図31|カウンター越しに話す二人の後ろで、売上の棒の高さが販売員ごとに違う見出し図

副題は「優秀な販売員が買い求めやすさを後押し」。同じ店、同じ商品でも、販売員によって売上は数倍違う。研修を重ねても埋まらない差は何か。

トップ販売員は、お客さんの真の目的をくみ取って提案します。満足したお客さんはリピートし、新しいお客さんまで紹介してくれる。そして、勉強家です。一般の販売員は誰かのノウハウをまねるだけ。トップは自分でノウハウをつくり出す努力を続けている、と著者は感じています。

後半は、ライブコマースとオンライン接客です。ライブコマースは1対nの配信で、衝動買いが起きやすい商品に向く。オンライン接客はビデオ通話の1対1で、事前予約で60分ほどじっくり接客する形もあります。

中央の店舗の左右に1対多の配信と1対1のビデオ通話があり、下で3本の縄が編み合わさる図
図32|中央の店舗の左右に1対多の配信と1対1のビデオ通話があり、下で3本の縄が編み合わさる図

結論は2つ。実店舗でしか得られない体験価値を突き詰めること。そして、一つの手で解決しようとせず、施策を組み合わせることです。

第15の地図|売上と店頭販促

店の入口から棚までの最後の一歩が赤い道で強調され、その先に立つPOPが描かれた見出し図
図33|店の入口から棚までの最後の一歩が赤い道で強調され、その先に立つPOPが描かれた見出し図

副題は「魅力的なPOPで売り場を“売れる場”に」。非計画購買の比率が高いからこそ、店頭は売上を決める「ラストワンマイル」だと著者は置きます。店頭の販促には、値引きなどの価格主導型と、それ以外の非価格主導型があります。

POPの例は、書店の「鈍器本」フェアや、スーパーの惣菜のちょい足しレシピ。商品専用の仕器で、店頭での存在感を高める話も出てきます。

売れるPOPの特徴は、AIで売上を予測した結果から紹介されます。ベースカラーは、パッケージと同系色より、補色関係の色の方が目立つ。文字は大きければいいわけではなく、POPの面積に応じた効果的なサイズがある。

同じ商品の前に、同系色で文字が大きすぎるPOPと、補色で面積に合った文字のPOPを並べた図
図34|同じ商品の前に、同系色で文字が大きすぎるPOPと、補色で面積に合った文字のPOPを並べた図

私の場合|お店のチラシ、メニュー、看板、顧客データベースづくりに取り組み始めた

お店の集客のための道具づくりに、自分で取り組み始めたことがあります。2025年の公開文の経歴欄に、こう書いています。

料理人として修行の日々の傍らでお店の集客強化をするためにパソコンを利用した チラシ、メニュー、看板の製作、ポイントシステム、顧客データベース、 ホームページの作成にも着手。

このうちメニューは、店頭の道具に近いものです。ほかの道具は、本の言うラストワンマイル(店頭で商品を選んでもらう場面)とは場面が違います。

それぞれの効果を測った数字は、この記録に残っていません。だからここでは、POPの色や文字の大きさまで売上と結びつけて見る、という本の視点の方を持ち帰ります。

第16の地図|売上と流行

海辺のさざ波と遠くの大きなうねりを、望遠鏡を持つ後ろ姿の人が見比べる見出し図
図35|海辺のさざ波と遠くの大きなうねりを、望遠鏡を持つ後ろ姿の人が見比べる見出し図

副題は「一過性か、時代の潮流かを見極める」。流行をつくれたら売れる。乗れたら売れる。本当にそうか、という問いから始まります。本書は流行を、一定数の人々が一定期間同じようなことを考えたり行動したりする心理的な現象、と定義します。発生のメカニズムは、まだ明確には解明されていません。

ファッドは、伝わる範囲が狭く、短く、歴史的なつながりのない流行です。ダイエットはファッドの宝庫だとして、多くのダイエット法が並びます。ブームは社会的背景やニュース性を持ち、「癒やし」のように普及へ進むものもある。トレンドは、いくつかのブームを内包する大きな流れと理解した方がいい、とあります。

時間軸の上に短く鋭い小山と、なだらかに大きい山があり、初期の小箱と取り逃しの影が添えられた図
図36|時間軸の上に短く鋭い小山と、なだらかに大きい山があり、初期の小箱と取り逃しの影が添えられた図

業界で次の流行をある程度決めている場合や、すぐ作って出せる場合、人手や在庫を余らせるリスクが低い場合なら、ブームの初期に乗るのもいい、と著者は書きます。その時は小ロットで。流行の取り込みは、多少のチャンスロスが出るくらいがちょうどいい、とも。

第17の地図|売上と若年層

地平線まで延びる道の上に世代の層が重なり、先に光がある見出し図
図37|地平線まで延びる道の上に世代の層が重なり、先に光がある見出し図

副題は「これから数十年の顧客と向き合う」。日本はマーケティングを世代論で語るのが好きな国で、無印良品が2000年に「団塊ジュニアと心中する」と宣言した例も出てきます。

2022年の時点で、団塊世代の消費力には陰りが見えている。そこでZ世代が注目されます。親の団塊ジュニアと一緒に消費する傾向。スマホとSNSが当たり前の環境。理由はこのあたりです。若い世代にとって日本のブランドは魅力が薄れつつあり、ブランドは費用ではなく投資だ、と第9の地図の話へつながります。

では、なぜ企業は若者マーケティングに失敗するのか。ステレオタイプな世代観で臨むからです。

前で若手チームが机を囲み、後ろから上司が支え、横で同じ型抜きに斜線が引かれた図
図38|前で若手チームが机を囲み、後ろから上司が支え、横で同じ型抜きに斜線が引かれた図

著者の結論は、同世代か近い世代に大幅に権限を委譲し、上司は支援に徹すること。任せる側の姿勢が問われる章です。

第18の地図|売上と外部環境要因

空が晴れと雨に分かれ、下の店先で足跡の量が違う見出し図
図39|空が晴れと雨に分かれ、下の店先で足跡の量が違う見出し図

副題は「コントロール不可能な要因に備える」。努力しても直接は動かせない要因を、どう読み、どう備えるか。マクロ環境の枠組みとして、PEST分析が示されます。

中央の小さな会社を、政治・経済・社会・技術の4枚の花びら状の区画が囲む図
図40|中央の小さな会社を、政治・経済・社会・技術の4枚の花びら状の区画が囲む図

具体的なのは天気です。晴れれば客足は増え、雨なら減る。ただ、駅ビルやオフィス街では、1時間10ミリ未満の弱い雨なら、雨宿りで客足が伸びることもある。欠品で売り逃すチャンスロスを減らす工夫も紹介されます。

季節も大事です。外資の小売りが日本で苦戦した理由の一つは、季節の移り変わりや行事を大切にするニーズに対応できなかったこと。メーカーも小売りの52週MD計画から学んでほしい、と著者は書きます。

第19の地図|売上と価格

坂を転がり落ちる値札を、人と人がつないだ手の橋が受け止める見出し図
図41|坂を転がり落ちる値札を、人と人がつないだ手の橋が受け止める見出し図

副題は「値上げが許容される関係性をつくる」。価格は放っておくと、どんどん安くなる。価格戦略を学ぶ機会が少ないのは、結局は市場原理の中で調整されてしまうからかもしれない、と著者は見ます。

日本の企業は真面目で、儲けすぎることは悪だという文化が根強いように思う。著者はそう書いたうえで、価格は提供している価値を表すもののはずだ、と続けます。値付けこそ、持続可能な経営の最も重要な決めごとではないか、と著者は問いかけます。静かですが、強い問いです。

恒常的な値引きは、消費者の値ごろ感、つまり内的参照価格を下げます。人は同額でも、得より損を強く感じる。いつも98円の特売品が148円に戻ると、「損をする」感覚になる。プロスペクト理論の説明です。

左に小さな得の山、右に大きな損の影の山があり、中央に値ごろ感の物差しが立つ図
図42|左に小さな得の山、右に大きな損の影の山があり、中央に値ごろ感の物差しが立つ図

値上げの成功例は、ガリガリ君の社員総出のおわびCM。失敗例は、容量を減らすステルス値上げを繰り返したり、消費者のせいにするメッセージを出したりした事例です。価格の受容も、結局はコミュニケーション次第だと書かれています。章はダイナミックプライシングへ進んで終わります。

第20の地図|売上と効果測定

長い物差しが霧の中で途切れ、測りきれない部分が点線で描かれた見出し図
図43|長い物差しが霧の中で途切れ、測りきれない部分が点線で描かれた見出し図

副題は「各施策が果たすべき役割を定めて測定」。冒頭で著者は断言します。マーケティング効果を正確に測ることは、不可能だと。

ネット広告ならクリックもコンバージョンも分かる。アトリビューション分析もある。そうした反論を挙げたうえで、他の施策の影響、時間をおいて効く遅延浸透効果、店頭での購入の把握の難しさを示します。2020年の経産省調査では、食品や飲料はまだ大半が店頭で買われていました。

それでも、測るのを諦めろという話ではありません。

売上を効果測定指標にしてはならない

広告は、トータルマーケティングの中の一要素にすぎない。ダトカの『新版 目標による広告管理』を引き、広告の目的をマーケティング全体の目的から区別します。

自動車メーカーの簡易的な地図では、売れない理由が並びます。近くにディーラーがない。試乗したら走り心地が違った。競合に魅力的な車が出た。景気が悪い。個別の施策に売上の責任を持たせるのは相当に酷だ、と著者は言います。

そこで、売上とは別に、施策ごとのコミュニケーションKGIを置きます。その部署の活動で達成でき、測れて、上がれば売上に貢献する指標です。KPIは、その下の中間指標。

KGIは目的、KPIは手段と理解しよう。

部門ごとにKGIを置くと、部分最適のわなにはまる。だから全体を見る役員や本部長が、全体最適の設計をする。さらに、今日の売上を刈り取る費用的施策は費用対効果で、明日の売上の種をまく投資的施策は投資対効果で測る。前者は販促、後者はブランディングです。

最後に、本の背骨が出てきます。売上は、あらゆる施策の結果としての出力。影響を与えられるのは、コントローラブルな入力だけです。

下段の入力からKPI、施策ごとのKGIへと実線の矢印が上り、KGIから上段の売上へは点線5本で間接的につながる構造図
図44|下段の入力からKPI、施策ごとのKGIへと実線の矢印が上り、KGIから上段の売上へは点線5本で間接的につながる構造図

20枚の地図は、この一点でつながっています。売上を見て施策を責めるより、どの入力を、どの指標で見るかを先に決める。地図はそのための道具です。

おわりに

地層の断面が深く続き、最上層でペンが新しい線を描き足す見出し図
図45|地層の断面が深く続き、最上層でペンが新しい線を描き足す見出し図

「売上って奥が深い」。一人でも多くの人にそう思ってほしい、という動機から始まります。

モノでもサービスでも、企業でも、国や自治体、NPOでも、活動を続けるには売上が要る。売上がなければ利益は出ず、パーパス経営も社会貢献も、企業が存続してこそ実現できる。その意味で、売上はすべてのビジネスのゴールだと著者は言います。

一方で、売上は目的ではないとも言える、と続きます。企業が存続する目的は、存続そのものではない、と。

締めくくりは謙虚です。売上は奥が深く、一人の人生や職業経験で完璧な理論はつくれない。本書をきっかけに知識やノウハウが再編され、より精度の高い地図が更新されていくことを期待する、と筆を置きます。

実践|『売上の地図』から、次に確かめる一つを選ぶ

机の上に章末課題のメモが並び、虫眼鏡とペンが置かれた見出し図
図46|机の上に章末課題のメモが並び、虫眼鏡とペンが置かれた見出し図

全部の地図を一度に使う必要はありません。著者も、各章の終わりに小さな課題を置いています。店頭を観察する。同僚と想起集合ゲームをする。今の施策を、費用的施策と投資的施策に分けてみる。

小さな会社で使うなら、こんな順番がやりやすいと思います。

  1. 売上を分ける。新しいお客さんの最初の購入と、リピートの購入。どちらが落ちているかを見ます。
  2. 思い出されるかを聞く。お客さんに「〇〇といえば?」と聞き、自社の名前が出るか確かめます。
  3. 買いやすさを見る。店頭、サイト、予約の導線。思い出した人が、すぐ買える状態かを確かめます。
  4. 理由を聞く。買い続けてくれる人に、選んだ理由を聞きます。値引きか、好きだからか。
  5. 役割を決める。その施策が上げるのは、想起か、理解か、リピートか。売上とは別の指標を一つ置きます。

大事なのは、ここで一つだけ選ぶこと。次に確かめる入力を一つ決めて、しばらく同じ指標で見る。地図は、そのためにあります。

『売上の地図』を自分の仕事で確かめたい人へ

記事を自分の仕事に当てはめるプロンプト

枠の中に、この記事の公開後のURLが入っています。AIエージェントがその記事を読んで、『売上の地図』の考え方を自分の仕事に当てはめて整理するプロンプトです。読んで終わりにせず、自分の環境で使える追加のプロンプトまで、手元に残せます。返ってくるのはAIの答えなので、最後は自分の目で読み直してくださいね。

1

自分の仕事に当たる地図

任せたい仕事の答えをもとに、本の20枚の地図のどこに当たるかと、その仕事で動かせる入力を整理します。

2

預ける所と確かめる所

AIに預ける所と、自分の目で確かめる所を分けて、次に確かめる入力と、売上とは別に見る指標を一つずつ出してもらえます。

3

自分の環境で使える追加のプロンプト

記事を読んだAIが、使っているAIエージェントや道具に合わせて、そのまま貼れるプロンプトを1〜3本つくります。どのプロンプトにも記事のURLが入ります。

使ってみたい時だけ、下のボタンを開くと、使い方と依頼文が出てきます。

▶ タップしてプロンプトを開く

下の枠の文を丸ごとコピーして、手元のAIエージェントに貼ってください。枠の先頭に、この記事の公開後のURLが入っています。AIがURLの記事を読んだあと、任せたい仕事、AIへ預ける物、自分で確かめたい所、使っている道具について、短い質問が4つ、1つずつ届きます。答えていくと、本の考え方と自分の仕事を結び付けた整理と、環境に合わせた追加のプロンプトが返ってきます。

ただ、返ってきた結果は、そのまま信じずに自分の目で読み直してください。どの入力を次に確かめるかを最後に決めるのは、AIではなく自分なんですよね。

【記事のURL】
https://ai-kidou.jp/uriage-map-book-review/
最初に、このURLの記事を読んでください。読めない時は「読めなかった」と伝えて、下の【記事の要点】だけを材料にしてください。

この依頼は、記事を読んで私の仕事に当てはめる、確認と整理だけです。

【記事の要点】
・池田紀行『売上の地図』(日経BP、2022年)を読み解いた書評記事です。
・本は、売上に影響する19の要因と、それぞれの役割を測る効果測定を、20枚の地図(20章)に分けています。
・20枚の地図: 商品・サービス、売り場、想起、好意、クチコミ、ソーシャルメディア、オウンドメディア、インフルエンサー、ブランド、ロイヤルカスタマー、パーパス、広告、PR、販売員、店頭販促、流行、若年層、外部環境要因、価格、効果測定。
・背骨は「売上は結果(出力)で、影響を与えられるのは動かせる入力だけ」という考え方です。
・地図の読み方の章では、思い出してもらいやすさと買い求めやすさが土台として出てきます。記事では、そこに好意、クチコミ、ブランド、価格などが重なると読んでいます。
・売上は、最初の購入(トライアル)とリピートの購入に分けて見ます。
・今日の売上を刈り取る施策は費用対効果で、明日の売上の種をまく施策は投資対効果で見ます。
・好意や購入意向はお金で買いにくく、買い続ける人には選ぶ理由(感情)を聞きます。
・個々の施策に売上の責任を負わせず、施策ごとに売上とは別の指標(コミュニケーションKGI)を置いて測ります。KPIはその下の中間指標です。
・記事の書き手の読み方: 新しい施策を足す前に、地図の上で現在地を確かめ、次に確かめる入力を一つ選ぶ。記事の実践の章では、売上を分ける、思い出されるかを聞く、買いやすさを見る、選ぶ理由を聞く、施策の役割を決める、の順に挙げています。
・本の想定読者は、一般消費者向けの商材を扱う大企業の担当者や支援会社です。事例・調査・SNSの使われ方は刊行当時のものです。

【目的】
記事を読んで、『売上の地図』の考え方を私の仕事に当てはめることです。AIに任せたい仕事と本の地図を結び付けて整理し、次に確かめる入力を一つ選びます。そのうえで、私の環境で使える追加のプロンプトをつくります。

【やってよいこと】
1. 記事を読んだあと、次の4つを1つずつ質問してください。一度に2つ以上は聞かず、答えが返ってから次の質問へ進んでください。
 ・売上に関わる仕事のうち、AIに任せたい仕事は何か
 ・その仕事でAIへ預ける物は何か(資料、記録、手順など)
 ・最後に自分の目で確かめたい所はどこか
 ・私が使っているAIエージェントや道具は何か(名前、読めるファイルや記録の範囲など)
2. 4つの答えと本の考え方を結び付けて整理してください。任せたい仕事が20枚の地図のどこに当たるか。その仕事で動かせる入力は何か。今日の売上の施策か、明日の売上の施策か。
3. AIに預ける所と、私が自分の目で確かめる所を分けてください。
4. 次に確かめる入力を一つ選び、売上とは別に見る指標を一つ挙げてください。
5. 私が答えた環境に、そのまま貼って使える追加のプロンプトを1〜3本つくってください。各プロンプトの本文に、記事のURL(https://ai-kidou.jp/uriage-map-book-review/)を入れてください。
6. 分からない所は推測で埋めず、質問するか、未確認と書いてください。

【守ること】
・材料は、上のURLの記事、【記事の要点】、私の答えだけにしてください。記事に無い施策・効果・数字を、事実として足さないでください。追加のプロンプトに足してよいのは、私の環境に合わせた言い方と手順だけです。
・本は、19の要因と効果測定の20章で売上を見ています。売上のすべてが一つや二つの要因だけで決まるとは書かないでください。
・本の事例や調査は刊行当時のものです。効果を約束する書き方はしないでください。
・設定の変更、削除、送信、購入は行わないでください。必要だと考えた時は、確認の手順と提案として書くだけにしてください。
・パスワード、鍵(APIキーなど)、口座の情報、メールで届くコード、お客さんの個人情報は求めないでください。貼られても使わず、消すよう伝えてください。
・本や記事に書かれていることと、私の仕事に当てはめた見立てを混ぜないでください。

【返す形】
(1) 記事の要点のうち、私の仕事に当たる所の整理
(2) 私の答えと本の考え方の結び付け(任せたい仕事に当たる地図、動かせる入力、今日の売上か明日の売上か)
(3) AIに預ける所と、自分の目で確かめる所の分け方
(4) 次に確かめる入力を一つと、売上とは別に見る指標を一つ
(5) 提案として書いたこと(あれば。実行はしていないと添える)
(6) 私の環境で使える追加のプロンプト(1〜3本。各本に記事のURL入り)
最後に、私が自分の目で読み直したほうがよい所を1行で添えてください。

よくある質問|『売上の地図』を読む前に

開いた本のページに、想定読者・数式・固有名詞についての付箋が貼られた見出し図
図47|開いた本のページに、想定読者・数式・固有名詞についての付箋が貼られた見出し図

小さな会社やお店でも役に立ちますか?

本の想定読者は、一般消費者向けの商材を扱う大企業の担当者や、その支援会社です。事例も大企業が中心です。それでも、想起、買いやすさ、トライアルとリピート、選ぶ理由といった考え方は、自分の店に置き換えて考えられます。そのまま当てはまるかは、自分の仕事で確かめてください。

数字や数式は難しくないですか?

著者は、売上を細かくシミュレーションする難解な数式は一切登場しない、と書いています。各章の情報量も、専門書より少なく絞ってあります。図と事例で、全体の位置関係をつかむ本です。

2022年の本ですが、今読んでも使えますか?

事例、調査、SNSの使われ方は、刊行当時のものです。電子版にも、固有名詞などは掲載当時のものだと書かれています。一方で、売上を出力と入力に分ける、施策ごとに役割を決めて測る、という枠組みは時期に左右されにくい部分です。最新の状況は、別に確かめてください。

どの章から読めばいいですか?

最初に「オリエンテーション」を読むのがおすすめです。地図の読み方と、思い出してもらいやすさ・買い求めやすさの考え方がここで出てきます。そのあとは、気になる地図へ飛んで構いません。施策の効果に悩んでいるなら、第20の地図を先に読むと、全体のつながりが見えやすくなります。

『売上の地図』書評のまとめ|売上を変える前に、動かせる要因を見る

広げた地図に現在地のピンと目的地の旗があり、テーマ同士が点線でつながる見出し図
図48|広げた地図に現在地のピンと目的地の旗があり、テーマ同士が点線でつながる見出し図

『売上の地図』は、売れる方法を教える本というより、売上の周りに何があるかを見せる本です。

思い出してもらえるか。すぐ買えるか。好きでいてもらえるか。話してもらえるか。買った後もつながれるか。そして、それぞれの施策に何を任せ、何で測るか。

売上は出力です。動かせるのは入力だけ。新しい施策を足す前に、地図の上で現在地を確かめ、次に確かめる一つを選ぶ。私がこの本から持ち帰るのは、その順番です。

池田紀行『売上の地図 3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント』の表紙

売上の地図 3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント

気になった章から、手に取って確かめてみてください。

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応援するほど、自分の目的に近づく

第11の地図で、著者はパーパスを行動で示すものだと書きました。第4の地図では、好意はお金で買えないと書きました。この2つと並べてみたいのが、2026年10月31日の問答で私が答えた一文です。

やわらかいイラストの私が片手を上げて応援し、その線が相手の道と、私の目的の旗の両方へ伸びる図
図49|やわらかいイラストの私が片手を上げて応援し、その線が相手の道と、私の目的の旗の両方へ伸びる図
相手を応援するほど、自分にも目指すべき目的に近づく

この一文を載せた記事:https://ai-kidou.jp/ai-idea-oshi-support/

本のパーパスは、企業が存在意義を行動で示し、その結果として好意が形成される話です。主語は企業で、好意は受け取る側に生まれます。

私の一文は、向きが少し違います。パーパスが似ている相手を応援するのは私で、近づくのは私の目的です。好意を得るための手段として出てきた言葉ではありません。

この一文で大事なのは、「自分にも」の「も」だと思います。「も」があるので、近づくのは相手だけではない、と読めます。応援する相手の側と、私の側。どちらか一方だけが前へ進む話ではないんですよね。

それでも響き合う所があります。本は、パーパスを広告で訴えるより、消費者が主役の終わりなきナラティブにする方が望ましいと書きました。相手を主役にして応援する。自分の目的を声高に語るより、相手の動きの中で目的が見えてくる。どちらも、そういう形です。

お金で買えないものに、どう近づくか。第4の地図の答えは、接触を重ねて好意を育てる、という順番でした。私の一文は、同じ問いを、相手を応援する側から見ているように読めます。

この一文で売上が増えた、という話ではありません。売上の地図の外側にも、目的へ近づく道がある。今はそう読んでいます。

分身AIと過ごした最初の100日の記録は、分身AIと歩んだ100日の全まとめにあります。分身AIについては、分身AI.comにまとめています。

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