「こんな投稿、私も作ってみたい」の一言でTikTok投稿が完成するまで|AI共創の舞台裏

「こんな投稿、私も作ってみたい」の一言から、
TikTok投稿ができるまで

3行でわかるポイント
- 「こんな投稿、私も作ってみたい」の一言から、AI秘書が元投稿の分析→デザイン→31枚の画像→動画→キャプションまで作った舞台裏の全記録です。
- こだわりは3つ。見た目ではなく構造から学ぶ。画像生成AIをあえて使わない。そして結論の言葉だけは、AIに作らせず本人の実物を使う。
- この流れはそのまま「型」になり、翌朝からは毎朝自動で素材が届きます。人間の仕事は、朝の味見と投稿ボタンだけになりました。
目次
今朝、私はTikTokに縦書き31枚の「AI討論カルーセル」を投稿しました(討論の全文はこちらの記事)。実はこの投稿、私がやったことは2つだけです。参考にしたい投稿のURLをAI秘書に送って「こんな投稿を私らしく作ってみたい」と言ったこと。そして、できあがった素材をスマホから投稿したこと。分析も、デザインも、31枚の画像も、動画も、キャプションも、ぜんぶAIがやりました。
この記事では、TikTok投稿が完成するまでの舞台裏を隠さず全部見せます。でね、「AIに任せるってこういうことか」——その手触りが伝わるはず。
元ネタを「構造」まで分解する
正直、きっかけはTikTokで見かけた投稿でした(@kazuakaba01さんの投稿)。「子どもを生まない選択は正しいのか」という重いテーマを、AI同士に討論させて縦書き31枚で見せる。人間が言うと炎上する議題を、AIという鍋つかみで持つ。これは発明だと思いました。
AI秘書はまず、この投稿の31枚全部を読み取って、構造を分解しました。フックの作り方、31枚の対話構造、勝敗をつけずに「一致点」へ着地させる設計、コメントを呼ぶ質問での締め方。受け継ぐのは見た目ではなく、この「型」です。見た目をなぞるのはコピーですが、構造から学ぶのは、先人への一番の敬意だと思っています。
画像生成AIを「使わない」という判断
いやー、面白いのはここ。31枚の画像づくりに、画像生成AIは使っていません。日本語の縦書きは、画像生成AIだと文字が崩れるからです。代わりに選んだのが、Webページを作る技術(HTML/CSS)で縦書き画面を組み、スクリーンショットにする方式。漢字は一文字も崩れず、1枚1秒、追加コストゼロ。「AIを使う」とは、なんでもAIに描かせることではなく、確実な道具を選ばせることでもあるんです。
「らしさ」は借り物にしない
しかもね、最初にできあがった試作は、元ネタと同じ「黒背景に金色の文字」でした。きれい。でも、私は「もう少し自分らしさがほしい」とだけ伝えました。するとAI秘書は、私のサイト(このAI氣道)を実際に開いて、デザインの決まりを調べ直したんです。
墨黒とクリームと朱色。明朝体。背景にうっすら入る「氣」の一文字。キーフレーズへの朱色の傍線。全部、このサイトで毎日使っているデザインです。さらに、話者の切り替えを「地色の反転」で表現するアイデアが入りました。黒い画面が任せる派、白い画面が反対派。スワイプするたびに白黒が入れ替わる——誰の発言か、読む前にわかる。地味ですが…ここが効きました。

結論だけは、AIに作らせない
討論の中身はAI同士のやり取りですが、一つだけ絶対のルールを決めました。最後の「一致点」は、私が実際に言い続けてきた言葉しか使わない。今回の一致点「AIは横に広げ、人間は縦に掘る」は、私の口癖です。AIが創作したそれっぽい名言ではなく、本人の言葉で締める。ここを渡したら、それはもう私の投稿ではなくなると思っています。

投稿だけは、人間がスマホでやる
意外に思われるかもしれませんが、TikTokへの投稿は私が手動でやっています。理由は単純で、TikTokの音源選びはスマホアプリでしかできないから(AI秘書がPC側から投稿画面を実際に開いて確かめた結果です)。カバー画像を2〜3秒地点にずらす、コメントを許可する、といった最後のひと手間も含めて、「出す」ボタンは人間の仕事として残しています。ここまで任せても、最後は自分で…その境目は消しません。
あなたも同じ手順でやってみる(コピペ用プロンプト)
この討論は、あなたの議題でも再現できます。下のプロンプトをChatGPTやClaude、Geminiに貼って、議題の空欄を埋めるだけです。ポイントは、一致点をAIに創作させず「あなたが普段から使っている言葉」に着地させること。そこだけは渡さないのがコツ。

あなたはこれから、1人で2体のAIに分かれて討論してください。 議題: 「______(ここにあなたの議題。例: 値上げはお客さんへの裏切りか)」 ルール: 1. 「肯定派AI」と「反対派AI」の2役を交互に演じる(合計26発言) 2. 1発言は60字以内。必ず相手の直前の発言に直接応答する(「そのとおり。ただ、〜」「それは〜を誤解している」のように) 3. どちらの側も論破されて終わらないこと。最後の4発言で反対派が「相手の選択そのものは否定しない。言い張り方だけを正す」という着地に向かうこと 4. 討論を始める前に、まず私に「あなたが普段から大事にしている言葉や口癖を3つ教えてください」と質問すること。討論後の【一致点】は新しく創作せず、その3つの中から選んで着地させること 5. 最後は【読者への質問】1文で締める。討論の勝敗を聞かず、読む人自身の体験を聞くこと 出力形式: 【肯定派】発言 【反対派】発言 (26発言続ける) 【一致点】2文 【結び】1文 【読者への質問】1文
※このプロンプトで出てきた討論を、上のSTEP2〜4と同じ手順で縦書き31枚にすれば完成です。実例は討論の全文記事で読めます。
よくある質問
- Q. 特別なツールや費用が必要ですか?
- A. 使ったのはAI秘書(Claude)とブラウザだけです。画像はWeb技術(HTML/CSS)の画面をスクリーンショットする方式なので、画像生成の追加費用はかかっていません。
- Q. どのくらい時間がかかりましたか?
- A. 初回は試行錯誤も含めて1日がかりでした。ただ、その過程がそのまま「型」として保存されたので、2回目からは毎朝自動で素材ができあがり、人間の作業は味見と投稿の数分だけです。
- Q. 参考にした投稿のコピーにはなりませんか?
- A. 受け継いだのは「AI同士の討論を縦書きで見せる」という構造だけです。配色もロゴも言葉も締めの結論も、すべて自分のサイトと自分の過去の言葉から持ってきています。構造から学び、中身は自分の資産で満たす。それが今回の一番の学びでした。
この記事のまとめ
「こんな投稿、私も作ってみたい」の一言で始まり、TikTok投稿が完成するまでを振り返ると、AIとの共創は「丸投げ」でも「全部自分」でもありませんでした。方向を決める一言で始め、最後に味見する。この2つを人間が握ったまま、あいだの工程をぜんぶ委ねる。抱え込むほど浅くなり、委ねるほど深く掘れる。この記事自体も、その働き方で書かれています。
AIに任せるのは、手抜きなのか。私の答えは、討論の結びの言葉と同じです。抱え込むほど、浅くなる。委ねるほど、深く掘れる。あなたの仕事にも、「AIという鍋つかみ」があれば持てる熱い皿が、きっとあると思います。
COLUMN
広げるほど、原液の居場所を決める
私がこの制作から受け取ったのは、AIに任せる範囲を増やすほど「自分が握るもの」を先に決める必要がある、ということです。31枚を速く作れたことより、最後の一致点に本人の言葉を残したこと。そこに、この投稿の芯がありました。
AIは案を横に広げるのが得意です。肯定派と反対派を往復させ、見落としていた論点まで並べてくれる。でも、どの言葉で着地するかは別の仕事。そこまで平均点の言葉に預けると、見た目は整っても、誰の投稿なのかが薄くなります。
料理でいえば、AIは買い出しも下ごしらえも手伝える大きな厨房です。ただ、最後の塩加減まで任せきると、いつもの味ではなくなる。人間が握るのは包丁の本数ではなく、味見と「誰に届けるか」の判断なんだと感じました。
今回の失敗も、もちろん隠さない。最初は元投稿に寄せすぎ、ブログ画像も家の型から外れました。そこで実物を読み直し、構造だけを受け継ぎ、配色と言葉を戻した。AIとの共創は一発正解ではなく、違和感を言葉にして戻す往復そのものです。
まずは一つ、手放してみてください。そして最後に残った違和感を、自分の言葉で一行だけ直す。その一行が、薄まらない原液になります。外に出すボタンは、そのあとで十分。
👉 人間が押すボタンを先に決める考え方は、AI自動化で「ここだけは人間が押す」線を先に決めた話にも残しています。
関連記事・参考リンク
この記事で紹介した31枚討論の中身を読めます。
AIへ委ねたあと、人間に残る役割をもう一段掘った討論です。
たくさんのAIが動く時代の、人間のハンドルについて。
記事内のコピペ用プロンプトを試せる公式サービスです。
長い指示を渡して討論を組み立てる選択肢の一つ。
Googleの生成AIで同じプロンプトを試す入口です。