WATCH REPORT

三宅香帆『Page Turners』動画の11冊を、Kindle蔵書とAIで照合したら0冊だった

2026.10.12

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTubeチャンネル「TBS CROSS DIG with Bloomberg」の動画『【作者の“過剰”を詰め込んだ本】三宅香帆「旅エッセイなのに、観光地の話はゼロ」/“AI迷子”は書店に行こう/「43歳」が仕事のピーク?/11月12日「後楽園ホール」イベント【Page Turners】』を紹介するね。

読みたい本が見つかったら、買う前に自分の本棚を調べる。AIに頼むのは、まずそこです。同じ本を二度買うことも、先に調べれば避けられます。

TBS CROSS DIG with Bloombergの『Page Turners』は、文芸評論家の三宅香帆さんとMCの竹下隆一郎さんが、1か月に読んだ本を持ち寄る番組。2026年10月11日公開、30分7秒の今回には、漫画、小説、白書、雑誌など11冊が登場します。

その11冊の話と、AIを基礎から学び直す読み方、紙で場所ごと覚える持ち方をたどります。さらに、画面には出てこない「私の蔵書にあるのか」も照合。読み終えたら、気になった本を買う前に確かめ、次に読む手持ちの1冊を選べます。

CHANNEL

TBS CROSS DIG with Bloomberg

番組『Page Turners』は、文芸評論家の三宅香帆さんと、番組MCの竹下隆一郎さんが、1か月に読んだ本をどさっと持ち寄って紹介し合う回です。

30分7秒。歴史と権力、AIの基礎、執筆のお守りの本、ホテルの寸法の本、43歳の話、ラーメンの本と、最後にイベントの告知があります。

動画で紹介された11冊(概要欄の書名・著者。時刻は動画の該当場面へのリンク)
時刻書名著者・編集
0:23『風雲児たち』みなもと太郎
6:42『白い巨塔』(第1〜5巻)山崎豊子
8:37『さがドーン~江藤新平と肥前の妖怪~』泰三子
11:37『隣の畑は青々と』河﨑秋子
13:39『AI白書 2026』監修 岩澤有祐ほか(協力 東京大学 松尾・岩澤研究室)
16:57『実験医学 2026年5月号』尾崎遼(編集)ほか
17:52『談話室米澤』米澤穂信
19:21『旅はゲストルーム』浦一也
21:43『43歳頂点論』角幡唯介
25:05『ラーメンと愛国』速水健朗
27:27『中央公論 2026年7月号』中央公論新社

この記事の軸は「動画で紹介された11冊は、私の蔵書にあるのか」をAIで測り、買う前に蔵書と突き合わせる手順を渡すこと。

3行でわかるポイント

  1. 『風雲児たち』から『ラーメンと愛国』まで11冊。日本の権力、AIの基礎、作者の細かな関心へと話がつながります。(第1章へ、第3章へ)
  2. 竹下さんはAIに詳しくても基礎へ戻る。紙で場所を覚える読み方と、電子の中身を検索する読み方を、自分の読書に取り入れられます。(第2章へ、第4章へ)
  3. 私ならこうする。気になる3冊を書名と著者で蔵書に照合し、確実に持つ1冊で検索を確認。買うか、手持ちから読むかを決めます。(第6章へ)

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01

三宅香帆さんが語る、日本の権力の構造。漫画と小説で読む

▲目次
「強さ」の城と「権威」の鳥居の下に、『風雲児たち』『白い巨塔』『さがドーン』の3冊が並び、「根回し」の札が付いた図解
動画キャプチャ: 三宅さんが『風雲児たち』の1巻は戦国時代から始まると話す場面(0:56頃)
動画キャプチャ: 三宅さんが『風雲児たち』の1巻は戦国時代から始まると話す場面(0:56頃)

歴史を読むとき、出来事の順番に加えて、「誰が力を持ち、誰に権威があるのか」を追う。そんな入口になるのが、みなもと太郎さんの『風雲児たち』です。 竹下さんは、三宅さんからもらった漫画を一気に読み切り、全巻を買ったと話します。三宅さんによると、始まりは戦国時代。関ヶ原から幕末へ続く長い流れです。 人物や事件を覚えるだけでは終わらない。その漫画の面白さを、三宅さんは「日本とは何か」という言葉で語りました。

三宅さん(動画の中で・自動字幕・0:57〜)

「だから日本とは何かがめっちゃ分かる漫画だなって思います」

幕府が持つ強さと、天皇が持つ権威。その二つが別にある日本の構造へ話が進みます。関ヶ原で負けた藩が端へ追いやられ、その位置で貿易ができ、幕末には強くなるという説明もあります。

外から来たものにわたわたする国、という見方も語られます。今ならAI。歴史が、現在の話へつながる場面です。

山崎豊子さんの『白い巨塔』では、医療より教授選や根回し、権力争いに話が向きます。竹下さんの質問に、三宅さんは大人になって昔より根回しをするようになったと答えました。

泰三子さんの『さがドーン~江藤新平と肥前の妖怪~』では、江藤新平さんと鍋島直正さんの関係へ。天才型の若者と、それを理解して見守る上司という関係が、会社にも重ねて語られます。

そのとおりだと思います。歴史を権力の構造から読むと、年表の並びだけでは見えない関係を考えられる。AIが年表をすぐ出せる今、差になるのは、その構造を自分の言葉で言えることです。

誰が強いのか。誰の言葉なら人が動くのか。同じ人物が両方を持っているとは限らない。そこを追えば、読みながら考えることが具体的になります。

私が大切にしているのは「AIに委ねて、人は積み減らして生き直す」。調べる手間をAIへ委ねたぶん、自分は本の中の関係を読む。その時間を残したい。

私のKindle蔵書索引2,140冊のうち、歴史・日本史・戦国・幕末・維新の語を書名に含む本は10冊あります。『お金の流れでわかる世界の歴史』や『オールカラーでわかりやすい! 戦国史』などです。

一方、「日本論」という語を含む書名は0件。今回の照合では『風雲児たち』も見つかりませんでした。でも、入口になりそうな歴史の本は手元にあります。ただ、書名だけでは中身は分かりません。新しい本を買う前に、その10冊の目次を開いて、権力の関係を追える1冊があるか確かめます。

→ 関係を1行にする

読み始める前に「強さを持つのは誰、権威を持つのは誰」と1行書いてみる。読み進めて答えが変わったら書き直す。年表の横に、人の関係も残しておこう。

02

AIを語れる人が増えた今、基礎に戻る。紙の白書を場所で覚える

▲目次
開いた『AI白書』と「AI15年史」の年表の札から、本棚の「この辺」の印へ矢印が伸びる、基礎に戻る図解
動画キャプチャ: 『AI白書 2026』の年表を「AIだけの年表ってことですね」と話す場面(14:08頃)
動画キャプチャ: 『AI白書 2026』の年表を「AIだけの年表ってことですね」と話す場面(14:08頃)

AIの答えを読んで分かったつもりになったときこそ、基礎の本へ戻る。竹下さんの読書は、その戻り方を見せてくれます。 河﨑秋子さんの『隣の畑は青々と』から農業とAIへ。そして、毎年買っているという『AI白書 2026』の話へ移ります。 三宅さんは、すでにAIに詳しい竹下さんが、それでも基礎を読むことに触れました。そこで竹下さんが使った言葉が「素振り」です。

竹下さん(動画の中で・自動字幕・16:47〜)

「やっぱ基礎大事じゃないですか?なんかすぶりが大事というかなんかすぶりをしてるんですよね、これ。」

農業の話では、土地を遠隔で耕す実験などに竹下さんが関心を示します。言語を扱うAIと、土地の匂いや光などを扱う「世界モデル」の違いも語られます。

『AI白書 2026』で竹下さんが特に挙げるのは、「AI15年史」。ChatGPT以前の流れも年表でたどれる点が紹介されます。

竹下さんは大型書店で白書を探し、家に置くと話しました。電子では場所を忘れても、紙なら「この辺」と覚えられる、という話も続きます。

最新情報より基礎を押さえるほうが、頭に残り、考えが深まる。竹下さんはそう語ります。さらに『実験医学 2026年5月号』のAI特集へ。医療コーナーで本を探し、広告の会社まで見るという読み方です。

正解を人に預けると、自分の解釈が育たない。この話は、三宅さんを取り上げた前回の記事にも書きました。

過去記事より(2026年8月24日・三宅さんを取り上げた前の回)

正解を誰かに預けるのは楽だけど、そのぶん自分の解釈は育ちません。

基礎へ戻る。この考え方に、私も賛成です。AIを語れる人が増えたときこそ、用語の説明に加えて、何が先にあり、次に何が起きたのかを自分の言葉で言えることが大事です。

答えが出ることと、流れが頭に入っていることは違う。年表なら、分かったつもりのところへ戻りやすいですよね。

委ねるAIの最低条件は「わからないことは憶測しないできく。わかることは2度聞かない」。記録にあることはAIが調べて確かめる。人が同じ情報を何度も入れ直す必要を減らしたい。

その一方で、私は紙に頭の中を書き出します。iPadでは出てこないものが、紙とペンでは出てくる。AI活用の最前線にいても、最も大事な道具は紙とペンです。

電子には、中身まで探せる強みもある。私のKindle所有1,741冊のうち、本文の取り込みが済んだ本は498冊。検索用のデータベース(10月10日時点)で中身まで引ける本は236冊です。498冊は10月11日時点の台帳の数です。

紙で場所を覚えることにも、電子で必要な記述を探すことにも賛成です。戻って考えたい本なのか、中身を横断して調べたい本なのか。自分がどう使うかから、持ち方を選べばいい。

→ 用語を前後で覚える

AIで説明が出る用語を1つ選び、白書や入門書の年表で前後を確かめる。「その前に何があり、その後に何が変わったか」を短く書く。説明文のコピーで終えない。

03

執筆のお守りの棚と、ホテルの寸法だけで一冊になった本

▲目次
『談話室米澤』と「お守りの棚」の札が並ぶ棚と、ホテルの部屋の寸法を描いた図に「観光地はゼロ」の札が付いた図解
動画キャプチャ: 三宅さんが『旅はゲストルーム』を手にして「この浦先生が面白くて」と話す場面(19:47頃)
動画キャプチャ: 三宅さんが『旅はゲストルーム』を手にして「この浦先生が面白くて」と話す場面(19:47頃)

読む本を選ぶ基準は、新しい情報があるかだけじゃない。書けなくなったときに開く本もあれば、作者が何を見続けているのかに触れる本もあります。 米澤穂信さんの『談話室米澤』では、小説にならなかった歴史のエピソードから、何度も読み返す棚の話へ。 続く浦一也さんの『旅はゲストルーム』は、ホテルの客室を測ってスケッチした本です。旅先の景色より、部屋の寸法。三宅さんは、その旅エッセイの変わった焦点を紹介しました。

三宅さん(動画の中で・自動字幕・20:57〜)

「旅セって観光地の話とか出てくるじゃないですか」

「観光地の話ほぼゼロで」

『談話室米澤』には、調べたものの小説にはならなかった歴史のエピソードが収められている、と紹介されます。執筆に詰まったときに読む棚へ入った、という話もあります。

竹下さんは帯の「好奇心は仕事なのです」という言葉を口にし、読むと話しました。

『旅はゲストルーム』について、三宅さんは浦一也さんがホテルに着くと寸法を測ることを説明します。机の長さまで。食事をする店でも、身体の位置などを目安に寸法を覚え、あとで描くという細かさです。

観光地の話はほぼなく、ホテルの部屋が中心。竹下さんは、そういうジャンルがあることすら知らなかったと答えました。

三宅さんは、本を読むと「こういう人がいるんだな」と思う、と語ります。旅の場所に加えて、その場所を見ている人の関心も見えてくる紹介です。

本棚は、詰まったときに戻る場所でもある。私もそう感じます。新しい本を探す以外に、自分がまた開きたい本を決めておく。読む時間が短くても、どこへ戻るかが分かります。

戻る理由は、答えが書いてあるからだけじゃない。「この人はここまで見ているんだ」と、見るところを変えてくれる本もある。客室の机の寸法にまで目が向く。それだけで、同じ部屋から拾うものが変わるんですよね。

私は公開LIVEで「本が結構好き」と語っています。幼少期から、経営者だった父のところには本がたくさんあり、それを読んでいました。

そのうち父がパソコンの本を買ってきた。その本を読んで、私もMacが欲しくなった、と話しました。本から、使ってみたいものへつながった話です。

『旅はゲストルーム』の寸法への関心と、パソコンの本からMacへ向いた私の関心。本の内容が次に何を見たいか、何を触りたいかへつながる。その点を、私は大切にしたい。

戻る1冊は、立派な本だから選ぶ必要はない。今の自分が、また開きたくなる本でいい。そこから次の関心が動き出すこともあります。

→ 戻る1冊を決める

手元の本から、詰まったときに開く1冊を選ぶ。「この本のどこへ戻りたいか」も一言添える。紙なら置く場所を決め、電子なら書名をすぐ探せるようにしておこう。

04

43歳頂点論と、内なる過剰さ。好きは発信すると伝わる

▲目次
旗に「43歳」の山と「形が変わる」の矢印、開いた本から「本好き」の吹き出しが出る、過剰さと好きが伝わる図解
動画キャプチャ: 三宅さんが本を持って「嬉しいみたいな感覚は近い」と話す場面(23:33頃)
動画キャプチャ: 三宅さんが本を持って「嬉しいみたいな感覚は近い」と話す場面(23:33頃)

角幡唯介さんの『43歳頂点論』から、仕事のピークと、その先をどう生きるかへ。身体を酷使する冒険家の本を通して、年齢と過剰さの話になります。 そこで竹下さんは、三宅さんにも「内なる過剰さ、内なる狂気」を感じると問いかけました。 三宅さんが語るのは、子どもの頃に「本が好きです」と言っても、本当に好きだと分かってもらえなかったこと。職業に就き、発信を重ねた今との違いです。好きだと伝える言葉が、続けてきた姿と重なっていきます。

三宅さん(動画の中で・自動字幕・23:49〜)

「年齢重ねてこういう職業に着いたりとかいろんな発信してくと」

「本好きなんですねっていうのが分かってもらえるようになって」

『43歳頂点論』は、仕事の一番いい時期を43歳と捉え、その先の減退をどう生きるかが書かれた本として紹介されます。登山で身体の限界が来るとき、どう感じるのかという話です。

竹下さんは、過剰さを抑えるのか、別のところへ振り向けるのかと尋ねます。三宅さんは、形が変わるのではないかと答えました。

そこから竹下さんが、三宅さん自身の内なる過剰さはどこから来るのかと質問。三宅さんは、自分の特質が分かってもらえるようになって嬉しいという感覚を語ります。

子どもの頃は、本が好きだと言っても、その深さまで伝わらなかった。今は職業や発信を通して、本当に本が好きなんですねと分かってもらえる。

年齢を重ねる話が、ただ衰える話だけで終わらず、自分の関心が人へ伝わるまでの時間にもつながっています。

好きが人に伝わるのは、続けて発信した後。この見方に共感します。「好きです」の一言だけでは、どこまで好きなのか、何を見ているのかまでは伝わらない。

何を調べ、何を作り、どう言葉にするのか。その内容が重なると、人には見えなかった関心が見えるようになる。三宅さんの話には、その時間があるんですよね。

私も、パソコンがマニアックに好きでした。そして、それが仕事を呼んだ。「普通と違う」は、「違うから輝く。凸凹噛み合う」へ変わったと捉えています。

好きの形を、周りと同じに整える必要はない。どこに関心が向くのかを、そのまま言葉や作ったものへ出していく。それが、人に伝わる材料になります。

私には「いつもブログとメルマガ読んでます、共感しました」と届いた言葉があります。一度の説明に加えて、続けて出したものが読まれていたという事実です。

だから、最初の1文で全部分かってもらおうとしなくていい。何が好きか。今日はそのどこを見ているか。具体的に出していく。

好きの深さを言い張るより、好きなものについて書く。人に見えるところへ置く。その積み重ねで、言葉だけでは伝わらなかった自分の関心が伝わります。

→ 好きを外へ書く

好きなことを1つ選び、「どこが好きか」を1文で人に見える場所へ書く。詳しい人らしく飾らなくていい。今、自分が見ている具体的なところを言葉にしてみよう。

05

ラーメンと愛国。中央公論と、後楽園ホールのイベント

▲目次
湯気のラーメン、ニューヨークの街、雑誌『中央公論』、後楽園ホールが並び「11月12日 後楽園ホール」と添えた図解
動画キャプチャ: 『ラーメンと愛国』を紹介し「昔より本が読まれなくなったとか」と話す場面(25:26頃)
動画キャプチャ: 『ラーメンと愛国』を紹介し「昔より本が読まれなくなったとか」と話す場面(25:26頃)

速水健朗さんの『ラーメンと愛国』を、三宅さんは積んでいた本から手に取ったと話します。入口になったのは、いろいろなものの流行が変わる中でも、ラーメンは流行り続けているという気づきでした。 食べ物の話から、文化や趣味を通した愛国心へ。そして『中央公論』のアメリカ特集へと話題が移ります。 身近な好みから、国や文化の受け入れ方を見る。最後には、本を愛する人が後楽園ホールへ集まるイベントも紹介されます。

三宅さん(動画の中で・自動字幕・25:26〜)

「読まれなくなったとか色々あると思うんですけど、ラーメンだけは流行り続けてるなって気づいて」

ラーメンが文化や趣味の共同体としてのナショナリズムと結びつく、という読みが語られます。竹下さんは、ニューヨークで一風堂を見ると、日本が受け入れられているようで少し誇らしいと話しました。

三宅さんは、自分たちが受け入れていることの面白さに触れます。続く『中央公論』は、アメリカ建国250周年を機に学び直す特集。竹下さんは、いい回だったと紹介しました。

番組で告知された「TOKYO BOOKFIGHT in 後楽園ホール」は、2026年11月12日(木)、東京都文京区の後楽園ホールで開催。画面表示では開場15時(予定)です。発言の16時とはずれがあります。

公開収録、ゲストのトークショー、紹介した本を並べるコーナー、オリジナルグッズなどの企画が案内されます。二人とも参加すると語っていました。

外から来たものを受け入れ、自分たちの好みへ変えていく。その見方に賛成です。第1章の、外から来るものにわたわたする国という話ともつながります。

AIも、わたわたした後に、自分の好みへ引き寄せて使い込んだものが残る。私はそう考えています。新しいものの説明を覚えるだけでは、自分がどう使いたいのかは決まらない。

何を任せたいのか。何は自分で考えたいのか。そこが見えると、AIの機能を全部追いかける必要も減るんですよね。

「AIに委ねて、人は積み減らして生き直す」。私が置きたいのは、その先の時間です。読む本を探す手間を委ねても、どの話に関心が動くかまで同じ答えにそろえる必要はない。

今回の私のKindle蔵書索引2,140冊のうち、「ラーメン」を書名に含む本は0冊でした。『ラーメンと愛国』も照合では見つからなかった。番組で出てきた本が、自分の本棚にはない話題を知らせてくれる場合もあるわけです。

持っていないから、すぐ買う。それだけで決めなくていい。なぜこの話が気になったのかを言葉にする。食べ物なのか、文化なのか、受け入れ方なのか。読みたい理由が見えれば、次に探す本も具体的になります。

→ 気になる理由を拾う

本でも食べ物でも、気になるものを1つ選び、「自分の好みのどこに触れたか」を一緒に書く。名前だけのメモにせず、その理由を手がかりに次に読む本を探してみよう。

06

Page Turnersの11冊を、Kindle蔵書とAIで照合した結果は0冊

▲目次
動画の11冊の山から虫眼鏡を通って本棚へ矢印が進み、棚の横に「0冊」と書かれ、「確認用の3冊は見つかる」と添えた図解
動画キャプチャ: 竹下さんの後ろに紹介本の本棚が並ぶスタジオ(16:01頃)
動画キャプチャ: 竹下さんの後ろに紹介本の本棚が並ぶスタジオ(16:01頃)
キャプチャ: 動画の11冊と確認用3冊を、私のKindle蔵書索引と購入リストで検索した結果の表。11冊は両方で0件、確認用3冊は購入リストで1件ずつ見つかった
キャプチャ: 動画の11冊と確認用3冊を、私のKindle蔵書索引と購入リストで検索した結果の表。11冊は両方で0件、確認用3冊は購入リストで1件ずつ見つかった

動画で本が紹介されると、読みたい本の名前が増えていく。そこで、買う前に自分の本棚を調べる。私はAI秘書の凛ちゃんに、今回の11冊とKindle蔵書を突き合わせるよう頼みました。 紙なら置いた場所で思い出せる。電子なら、書名や著者で探せる。番組で語られた持ち方の違いを、私の電子の蔵書で確かめます。 調べる対象は、蔵書索引2,140冊、所有の台帳1,741冊、購入リスト2,024冊。紹介された本が、この中にあるのかという照合です。

三宅さん(動画の中で・自動字幕・15:20〜)

「なんか電子だとね、探そうにもこうどこにあったっけって忘れちゃいますけど」

「髪だとこの辺って覚えてますよね」

まずAI秘書の凛ちゃんが、動画の概要欄にある11冊の書名と著者を書き出しました。次に、蔵書索引、所有の台帳、購入リストを検索。書名全体に加えて、書名の一部、著者名、別表記、ローマ字でも照合します。

見つからないときは、検索そのものも確かめる。私が全容解説した『知性大全』『存在起点のマーケティング』『超知能AIをつくれば人類は絶滅する』を、購入リストで検索しました。検索が働くかを見るための本です。

確認用の3冊は、購入リストでは見つかりました。蔵書索引(2,140冊)では見つからず、最新の購入が索引に入っていなかったのが理由です。この差があるので、11冊の判定は購入リスト(9月20日まで)と索引の両方を見て、どちらでも見つからなかったことを根拠にしています。そのうえで、番組の11冊は11冊中0冊でした。

2026年10月12日の照合です。書名が似た別の本を、紹介された本として数えない。検索語に加えて、出てきた書名まで確かめました。

動画の11冊を、私のKindle蔵書と突き合わせた結果(2026年10月12日・読み取りのみ)
書名検索に使った語蔵書の索引(2,140冊)購入リスト(2,024冊)結果
『風雲児たち』風雲児たち・風雲児・みなもと太郎0件0件なし
『白い巨塔』白い巨塔・巨塔・山崎豊子0件0件なし
『さがドーン』さがドーン・泰三子・江藤新平0件0件なし
『隣の畑は青々と』隣の畑・青々・河﨑秋子0件0件なし
『AI白書 2026』AI白書・白書・岩澤別の本が3件(『インターネット白書2019』『令和元年版情報通信白書』『令和3年版情報通信白書』)同じ3冊なし(別の本)
『実験医学 2026年5月号』実験医学0件0件なし
『談話室米澤』談話室・米澤穂信・米澤0件0件なし
『旅はゲストルーム』旅はゲストルーム・ゲストルーム・浦一也0件0件なし
『43歳頂点論』43歳・頂点論・角幡唯介0件0件なし
『ラーメンと愛国』ラーメンと愛国・ラーメン・速水健朗0件0件なし
『中央公論 2026年7月号』中央公論0件0件なし
確認用『知性大全』知性大全0件(索引が古い)1件あり(購入リストで見つかる)
確認用『存在起点のマーケティング』存在起点0件(索引が古い)1件あり(購入リストで見つかる)
確認用『超知能AIをつくれば人類は絶滅する』超知能0件(索引が古い)1件あり(購入リストで見つかる)

照合したデータの中には、紹介された11冊を持っていない。そう事実で言えることが、買う前に調べる意味です。AI秘書へ調査を任せ、私は結果を見て読む本を決める。

持っている本の名前を、人が思い出して全部入れ直す必要はない。記録にあるなら、そこを調べればいい。「わかることは2度聞かない」を、蔵書でも使うわけです。

ただ、検索結果の0だけでは足りません。検索が動いていない場合もあるからです。確実に記録のある本を混ぜ、見つかることを確かめる。今回、全容解説した3冊は、購入リストでは各1件出てきました。

近い書名にも注意がいります。「白書」では『インターネット白書2019』『令和元年版情報通信白書』『令和3年版情報通信白書』が見つかった。でも、この3冊は『AI白書 2026』ではありません。

検索語に当たったことと、その本を持っていることは別です。書名と著者、所有の記録まで見る。そこで初めて、買うか、手元の別の本から読むかを選べます。

動画と同じ話題で、私が所有している本(書名に語を含む冊数。索引2,140冊のうち、マーカーだけの本は除く)
話題数えた語所有の冊数例
歴史歴史・日本史・戦国・幕末・維新10冊『お金の流れでわかる世界の歴史』『オールカラーでわかりやすい! 戦国史』『三国志全八冊合本版』
読書読書・本屋・本を読8冊『読んだら忘れない読書術』『自己肯定感を上げる OUTPUT読書術』『インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式』『アクション リーディング』
AIAI・ChatGPT・人工知能41冊(冊数が多いため例は省略)
働き方働き方・働く・仕事術22冊『未来から選ばれる働き方』『10年後の働き方』『働き方2.0vs4.0』
ラーメンラーメン・らーめん0冊(なし)

メリット

紹介された11冊の照合を約10分で進められました。自分の記憶だけに頼らず、調べたデータにあるかを確かめられる。さらに、紹介された本そのものがなくても、近い話題の手持ちの本が見つかります。読む候補を、新しく買う本だけに絞らずに済む方法です。

デメリット

索引の2,140冊には、買った本1,741冊と、マーカーだけが残る本399冊が入っています。その索引の最新の更新は9月7日、購入リストは9月20日時点で、その後の購入が抜けている可能性があります。著者欄は索引2,140冊のうち411冊。紙の本とAmazonの購入履歴は対象外です。本文まで引ける本も所有1,741冊のうち236冊に限られ、蔵書棚の画面は開けず、データを直接調べました。

ベネフィット

重複買いを避け、次に読む手持ちの1冊を決められます。私が所有している本のうち、書名に歴史の語を含む本は10冊、読書の語を含む本は8冊、AIなどの語を含む本は41冊。番組と同じ本を持っていなくても、話題へ入る本はある。読みたい気持ちを、手元の本を開くところへつなげられます。

AIにどこまで任せるかは、『知性大全』の全容解説でも書いたことです。

過去記事より(2026年9月21日・『知性大全』全容解説)

この本は「AIを使うな」とは言っていません。否定しているのは丸投げのほうで、3章には目的ごとに任せる割合を変えろと書いてあります

→ 買う前の3冊照合

気になった本の書名と著者を3冊書き出す。Kindleのライブラリにある書名の一覧をAIに貼り、その3冊が入っているか照合を頼む。確実に持つ本も1冊混ぜ、見つかるか確かめる。索引の更新日も見てから、買うか手持ちから読むか決めよう。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. 『Page Turners』は、誰が出演している何分の動画ですか?

A. TBS CROSS DIG with Bloombergの番組で、文芸評論家の三宅香帆さんとMCの竹下隆一郎さんが出演しています。今回の動画は30分7秒。2026年10月11日公開です。二人が1か月に読んだ本を持ち寄って紹介し合います。

Q. 今回紹介された11冊は何ですか?

A. 概要欄の11冊は、次の本と雑誌です。 – 『風雲児たち』:みなもと太郎さん – 『白い巨塔』第1〜5巻:山崎豊子さん – 『さがドーン~江藤新平と肥前の妖怪~』:泰三子さん – 『隣の畑は青々と』:河﨑秋子さん – 『AI白書 2026』:岩澤有祐さんほか監修、東京大学 松尾・岩澤研究室協力 – 『実験医学 2026年5月号』:尾崎遼さんほか編集 – 『談話室米澤』:米澤穂信さん – 『旅はゲストルーム』:浦一也さん – 『43歳頂点論』:角幡唯介さん – 『ラーメンと愛国』:速水健朗さん – 『中央公論 2026年7月号』:中央公論新社 『白い巨塔』は、第1〜5巻を一つの紹介として数えています。

Q. 買う前に、AIで自分の蔵書と突き合わせるにはどうしますか?

A. 気になる本の書名と著者を渡し、蔵書の一覧や購入リストを検索してもらいます。書名の一部、著者、別表記も使う。同時に、確実に持っている本を1冊混ぜ、その本が見つかることを確かめます。 この確認が陽性コントロールです。最後に、一覧の更新日と、紙の本を含むかも見る。似た書名が出ても、同じ本かどうかは書名と著者で確かめてください。

Q. 後楽園ホールのイベントは、いつ、どこで開催されますか?

A. 番組で案内された「TOKYO BOOKFIGHT in 後楽園ホール」は、2026年11月12日(木)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されます。画面表示では開場15時(予定)。発言には16時という案内もあり、食い違っています。 公開収録やゲストのトークショー、番組で紹介した本を並べるコーナーなどが案内されています。応募案内は動画概要欄の公式ページで確認できます。

MATOME

まとめ。買う前に、持っているかを数える

▲目次

新しい本を知ることと、自分の本棚から読む本を選ぶことは、つなげられます。番組の11冊は、今回調べた私の蔵書では11冊中0冊。でも、所有している本の中に、歴史や読書、AIの話題へ入る本はありました。

今日やるなら、気になった本の書名と著者を3冊書き出す。買う前に蔵書と突き合わせ、確実に持つ1冊で検索も確かめる。調べる手間はAIへ委ねて、自分は次に開く本を選ぼう。

COLUMN

買う前に、在庫を数える

ひろくんが、同じ本が2冊届いた箱と、在庫を数える帳面を指さす図解。「同じ本が2冊」「在庫を数える」の札が付いている

買う前に、持っているものを数える。たとえるなら、店が新しい商品を仕入れる前に、すでにある在庫を数えることです。数えずに仕入れると、同じものが二つ届く。棚卸しには手間がかかるけれど、数字が出れば足りない物と余っている物が分かる。読みたい本を見つけたときも、先に手元を確かめれば、次の選択に使える材料が増えます。新しいものへの関心を止めるために数えるのではない。何を迎えたいのかを、自分で選びやすくするためです。

在庫の数だけでは、仕入れる物は決まりません。同じ種類の商品が多くても、求めているものとは違う場合がある。本も同じです。「AIの本がある」だけでは、その本に読みたい話があるかは分からない。書名を見て、目次を開き、今の関心と照らすところが残ります。AIが一覧を出してくれたら、そこから先は読む人の問い。今、何を知りたいのか。どこを考え直したいのか。数える仕事が済むと、その問いに時間を使えるようになります。

棚卸しで大事なのは、何を数えたかが分かることです。店頭だけか、別の保管場所も含めたか。いつ数えたか。その範囲が曖昧なら、数字を使って判断しにくい。本棚の一覧も、紙と電子の両方を含むのか、最近手に入れた本まで入っているのかで意味が変わる。「見つからなかった」と出たら、検索した範囲を一緒に見る。これは読みたい気持ちへ水を差す話ではありません。数字を、自分が選ぶために使える形へ整える話です。

在庫を数えて終わる店はありません。その数字を見て、次に何を置くか決める。本棚も、一覧を整えることが目的になると、開く時間が後ろへ行ってしまいます。調べたら、次に読む本を選ぶ。持っていれば開く。別の本で関心に届くなら、その本から入る。新しく読みたい理由が残るなら、迎える本を決める。AIには数える手間と探す手間を委ねたい。私は、どの本へ関心が動くのかを見たい。整理された一覧の先に、実際に本を開く時間を残すためです。

任せ方の考え方は、分身AI日記のDAY160「賢いAI」より「委ねるAI」にも書きました。分身AIについてもっと知りたい方は分身AI.comもチェックしてね!

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タイトル【作者の“過剰”を詰め込んだ本】三宅香帆「旅エッセイなのに、観光地の話はゼロ」/“AI迷子”は書店に行こう/「43歳」が仕事のピーク?/11月12日「後楽園ホール」イベント【Page Turners】
チャンネルTBS CROSS DIG with Bloomberg
長さ30分7秒
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=YtjsoPGXgws

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