WATCH REPORT

南場智子さんが起業家5人の質問に答えた、新規事業とプレゼンのコツ

2026.10.18

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube のチャンネル 事業家のDNA(DeNA公式)で、DeNA創業者の南場智子さんが、起業家5人から届いた質問に答える約24分の動画を紹介します。

新規事業をどう見極めるか。人にどう任せて、感情や居場所、意思決定をどう持つか。DeNAの創業者がどう考えているのか知りたくても、通しで見る時間がない。そんな人に向けて書きました。

寺本百花さんが起業家5人の質問を読み上げ、南場智子さんが1つずつ答えた回です。新規事業の見極めに始まり、プレゼンの話まで、質問は全部で8つの話題にわたります。

任せ方、感情、居場所、決め方、伝え方を、動画の順に一つずつ追っていきます。

SPEAKER

南場智子さん

DeNAの創業者です。動画では、起業家5人から届いた質問を聞き役が読み上げ、南場さんが1つずつ答えます。

SPEAKER

寺本百花さん

DeNAでYouTubeの運営責任者をしている、入社5年目の人です。動画では、質問を読み上げて南場さんに聞き返す聞き役をします。

3行でわかるポイント

  1. 新規事業は、届けるデライトの大きさ、DeNAがやる意義と勝てるか、担う人とチームがやりたくてたまらないか、の3つで見ると、南場さんが話します。やり方まで任せる会社で、辞めた仲間ともつながり続けます。(第1章・第2章へ)
  2. 感情を我慢せず、怒りもほぼ毎日あると南場さんが話します。仕事の外の居場所、トップスピードの考え方、起業家の共通点のガッツも、質問に答えた中で語っています。(第3章・第5章・第7章へ)
  3. 私なら、一番大事な情報は自分で確かめ、人前で話す時も伝えたい中身は自分で持ち、伝わる形にする所だけをAIに任せます。(第6章・第8章へ)

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01

南場智子さんが語る、新規事業の見極め。デライトの大きさとやる意義と人の気持ち

▲目次
新規事業を見る物差しの図解。届けるデライトの大きさ、DeNAがやる意義と勝てるか、担う人とチームがやりたくてたまらないか、の札が3枚並んでいる
図解: 新規事業を見る物差し
動画の画面。笑顔で話す南場さんの下に、その事業を担い手 やる人・チームが、という字幕が出ている場面。左上に、新規事業をつくる時 意識していることは?、という帯
動画キャプチャ: 新規事業を担う人とチームの気持ちを見ると話している場面(2:05頃)

動画は、起業家5人から届いた質問を、寺本さんが読み上げる形で進みます。最初の1人は、ビビッドガーデンの代表で、DeNA出身の秋元里奈さん。2本目、3本目の新規事業は、どう育てればいいのでしょうか?

質問は、既存事業が柱になった後に、2本目、3本目の新規事業を育てる難しさについて。創業の時のゼロからの立ち上げとは、別の難しさがあると書かれています。

創業者として、新規事業に向き合う時に何を意識しているか。そう問われた南場さんの答えは、DeNAでも全部が成功しているわけではない、という所から始まります。

南場さん(動画の中で・1:36〜)

うちもね、全部成功してはいないじゃない。新規事業やって失敗の方が多い

では、どう見るのか。挙げたのは次の観点です。1つ目は、届けるデライト、つまり喜びや驚きの大きさ。南場さんは、これを一番大事にしていると話します。

南場さん(動画の中で・1:50〜)

ま、届けるデライトの大きさっていうのは1番大事にしていて、

2つ目は、DeNAがやる意義があるか、DeNAが勝てるか。3つ目は、その事業を担う人とチームが、心の底からやりたいと思っているかどうか。

南場さん(動画の中で・2:06〜)

やるチームがもう本当にやりたくてたまんないっていう

自分がやりたい事業を何度か手がけたこともあるけれど、成功の確率は高くない、と南場さんは話します。DeNAはメンバーが優秀なので、メンバーがやりたい事業の中から、デライトの大きさとDeNAの強みが生きるかを見る、という順番です。

答えには、自分が言えることは多くないし、いつも合っているとは限らない、という前置きも付きました。企画ごとに、この3つで見ていく。

物差しの3つ目は、人の気持ち。事業の大きさや意義と同じ並びに、担う人がやりたいかどうかが置かれています。この物差しだけは、数字では測れません。やりたくてたまらない、は、本人の中にしかないからです。

私は、売れるかどうかを追いかけるより、売らずして売れる状態が理想だと話してきました。集客やセールスは、パーパスが合う人やAIに委ねていい。自分は、やめろと言われても思わずやってしまう好きなことに集中します。そういう考えです。

南場さんの物差しは、会社として新規事業を選ぶ時の観点です。私が話してきたのは、集客やセールスを委ねて、好きなことに集中する、という組み方です。

新規事業に人生をかける判断を、マナブさんのライブ配信から整理した記事も、あわせて読めます。

私なら、続ける理由を、人に言われた理由ではなく、自分が自然と手を動かしてしまう側に置きます。

02

全部任せる会社と、辞めた仲間とつながる銀河

▲目次
任せる会社と、辞めた仲間とのつながりの図解。左に、やり方から何から任せる、中央に、起業して外へ出る、右に、星座よりギャラクシー、と矢印で並んでいる
図解: 任せる会社と、辞めた仲間とのつながり
動画の画面。広いラウンジで、南場さんと聞き手の寺本さんが向かい合って座り、下に、何もない中で もがいて、という字幕が出ている場面
動画キャプチャ: やり方から何から任せる、と話している場面(3:52頃)

秋元さんはDeNA出身。そこで寺本さんが聞きます。DeNAから起業家がたくさん出るのは、なぜなのでしょうか?

理由は2つある、と南場さんは話します。1つ目は、採用の時点で、挑戦魂のある人を採ること。2つ目は、入社したらかなり任せること。

成果の出し方が文書にまとまっていて、それに沿えば一定の所まで行ける会社とは違う、と南場さんは言います。DeNAは、進め方まで含めて任せる会社です。

南場さん(動画の中で・3:47〜)

やり方から何から任せますっていう何もない中であのもがいて

何もない所でもがきながら成果を出すので、人が鍛えられます。優秀な人が起業して抜ける面もあるけれど、残る人の方が多く、次々に優秀な人が入ってくる、という話です。

続けて、もっと出てもいいくらいだ、とも話します。外に出るのは健全で、仲間が広がるから。

南場さん(動画の中で・4:22〜)

いや、最初はね、誰もやめなかったから最初にやめた時はショックだった

今は、辞めた仲間とも、事業のネタを拾い合ったり、登壇し合ったりしています。その広がりを、南場さんはギャラクシーと呼びます。

南場さん(動画の中で・4:43〜)

だからギャラクシーって呼んでるんだけど、1つの星じゃなくて星座だし、

1つの星より星座、星座よりギャラクシー。その方が、デライトを世の中に大きく届けられます。そういう考え方でつながっていこう、という答えです。

任せる会社と、辞めた人とのつながり。この2つは、同じ話の表と裏です。

私は、AIがどれだけ進化しても、最後に大事になるのは人と人、場、コミュニティ、仲間だ、と話しています。AIは、その人に合う余白を作るために使う、とも話しています。

辞めた仲間ともつながり続ける、という話は、AIの話ではありません。それでも、人のつながりを残す先に置く点で、同じ方を向いています。

手放すのは、魂ではありません。魂を込める所は、本人が掘って磨く。そのあとの実行を、ボールの持ち主を1人決めて手放す。

任せるのは、実行です。何を目指すかと、どこまで磨くかは、持ち主が決めたままにします。

辞めた人も含めて、つながりを切りません。人が抜けても、残る人の方が多く、新しい人が入ってくる、と南場さんが話していました。

AIの任せ方は、分身AIの任せ方を3段階に分類したら品質が安定した話を書いた、分身AI日記のDAY43に書きました。抱え込む経営者が、結果を握らずに人と関わる考え方を書いた記事も、続けて読めます。

私が話してきたのは、AIが進化しても、最後に大事なのは人と人、場、コミュニティ、仲間だ、ということです。

03

感情を我慢せず、怒りもほぼ毎日、本人に直接

▲目次
感情を我慢しないチームの図解。我慢しない、怒りは本人に直接、透明性が高いチーム、の札が3枚並び、下に、アンガーマネジメントは必要、と添えている
図解: 感情を我慢しないチーム
動画の画面。広いラウンジで、南場さんと聞き手の寺本さんが向かい合って座り、下に、だから あんまり我慢してないし、という字幕が出ている場面。左上に、感情を出せる瞬間は?、という帯
動画キャプチャ: 感情をあまり我慢していないと話している場面(5:24頃)

続いては、秋元さんの2つ目の質問です。立場が上がるほど、素直な感情は表に出しにくくなります。南場さんが感情を素直に出せるのは、どんな瞬間か、という問いでした。

質問を読み上げた寺本さんは、ずっとこのままなんですか、と、その場で聞き返します。南場さんの答えは、意外と出す、でした。笑いながらの一言。

南場さん(動画の中で・5:22〜)

あんまり我慢してないし全然ストレス溜まんないよね。

明るくしないと自分が退屈しちゃう、とも話します。元々そうかというと、そうでもないそうです。どちらかというと内向的で、外に壁がある、と言います。無理はしていないそうです。

いろんなことを面白がる人で、ユーモアのセンスもとても重視している、とのことです。それが明るく見える理由ではないか、と自分で振り返り、寺本さんも、確かに、と応じます。

経営をしていると、大変なことや辛いこともあるはず。寺本さんがそう振って、そういう感情はどうですか、と聞くと、南場さんは、怒りはほぼ毎日ある、と答え、それも表現しますよ、と間を置かずに続けます。

南場さん(動画の中で・6:42〜)

ほぼほぼ毎日ありますよ。

怒りも、表に出す。それも本人に直接ぶつけるので、言い過ぎたかなと申し訳なく思うくらい。アンガーマネジメントは必要で、もっとちゃんとマネージしないといけない、とも話します。

南場さん(動画の中で・7:16〜)

ま、割と透明性高いチームですね。

周りの人が思ったことを全部は言っていないのでは。そういう不安は、自分に関しては無いと言います。寺本さんが、めっちゃ分かります、と頷くと、割と透明性が高いチームですね、と続けます。話は、ここでチームの姿につながります。

怒りまで含めた、感情の話。言い過ぎたかな、と振り返るところまで、南場さんは話しています。

立場が上がるほど出しにくい、という問いに、返ってきたのは、出す、の一言。これを南場さんは、透明性が高いチーム、と呼んでいました。

では、私の場合は?

私は、好き嫌いや尖りを、デコボコのまま突っ込む方がいい、と話しています。忖度や、相手に合わせることや、協調性は、一切無視します。はっきり言えない人は、どこにも突き刺さらないし、誰とも組めない、とも話しています。

私は、感情も好き嫌いも、隠さずに出します。

04

アプリケーションの層は、ユーザーに揉まれる場所。両方、誇り高く

▲目次
アプリケーションの層とプラットフォームの層の図解。上の段に、ユーザーに直接評価される層、下の段に、産業の構造を作る層が重なり、両方、誇り高く、と添えている
図解: アプリケーションの層とプラットフォームの層
動画の画面。南場さんの下に、一番 ユーザーに揉まれる場所、という字幕が出ている場面
動画キャプチャ: アプリケーションは一番ユーザーに揉まれる場所だと話している場面(10:34頃)

次は、MIXIの代表の木村さんの1つ目の質問です。木村さんとは動画で対談もしている仲良し、と南場さんが話します。問いは、日本でアプリケーションの層を作る企業の役割を、どう捉えるか。

質問には前置きがありました。日本のWebサービスやアプリは、世界に通用するものが作れないとも言われます。キーはAIだと思うが、DeNAが担う領域のイメージを聞きたい、という内容です。

南場さんは、ど直球のビジネスの質問、と受けて答えます。ユーザーへのきめ細かさは、日本の感覚で、とても高い次元。そう話します。

南場さん(動画の中で・8:13〜)

日本企業のっていうことを質問されているんであれば世界に通用するものが作れないと私は思わなくて

基盤、つまりファンデーションのレベルでは、意外と差を開けられている印象です。ただ、アプリケーションの層には、おびただしいビジネスの機会がある、と言います。

産業の全ての営みと、個人の生活の全ての局面で、AIが活躍してきます。そのうち、まだ捉えられているのは、ほんの一部。そういう見立てです。

日本企業のきめ細かい寄り添いは、BにもCにも大きい。フィジカルAIでは、基盤の部分も垂直に伸びる余地があります。泥臭くデータを貯めることや、ソフトとハードのすり合わせも大きい、と続けます。

では、AppleやGoogleへの気持ちはどうなのか?寺本さんが聞くと、答えは短いものでした。

南場さん(動画の中で・9:33〜)

悔しさ半分リスペクト半分

ガラケーの時代に、自分たちが担っていたプラットフォーマーの立場を、AppleとGoogleに持っていかれました。プラットフォームの層では、完全に敗戦。自分たちも戦いを挑んだので悔しく、勝った彼らには敬意がある、と話します。

ただ、主役は変わりつつある、とも言います。AIの時代に、ずっとAppleとGoogleが主役でい続けられるのか。そこは別の話、という見方です。

南場さん(動画の中で・10:34〜)

アプリケーションはもっとユーザーに直接評価されるレイヤーなんで、両方誇り高くあの取り組んだらいいと思うんですけど。

アプリケーションの層は、ユーザーに直接評価される層で、一番ユーザーに揉まれる場所。プラットフォームの層は、産業の構造を作る層です。

どちらの層にも、誇りを持って取り組めばいい。動画は、両方の層を誇り高く、という言葉で、この問いを閉じます。

05

仕事の外の居場所は、怠ける時間と町の印刷屋の人生ゲーム

▲目次
仕事の外の居場所の図解。怠ける・お風呂と小説、いつかバーのカウンター、町の印刷屋で人生ゲーム、の札が3枚並んでいる
図解: 仕事の外の居場所
動画の画面。広いラウンジで、南場さんが口元を手で押さえて笑い、下に、全然 私のこと全く知ってる人がいない世界に行って、という字幕が出ている場面。左上に、仕事以外の居場所はある?、という帯
動画キャプチャ: 自分を知らない町の印刷屋で働いてみたいと話している場面(11:58頃)

木村さんの2つ目の質問は、仕事の外の居場所です。木村さん自身は、仕事以外の居場所があまりなく、将来どこに求めたらいいのか分からない、と書き添えています。仕事の外に、居場所はありますか?

質問は、南場さんにとって、仕事や仕事場以外の居場所はどこか。引退したら、どんな時間を過ごすのか、というものです。

南場さんは、びっくりした様子で、いっぱいあるよ、と答えます。木村さんがそういうタイプなのか、と驚いたあとの一言です。

南場さん(動画の中で・11:15〜)

あのね、私はもうとにかく怠けたいから

ぼっとお風呂に入って、小説を読む。それが至福の時間だと言います。いくつか趣味もあるけれど、ちょっと恥ずかしいから言わない、と笑います。

いつか、居酒屋かカウンターバーで、ドリンクを出しながら、サラリーマンの愚痴を聞いて喝を入れたい。そんな話も出ます。自分を知らない所でやりたい、という条件つきです。

南場さん(動画の中で・11:56〜)

あとね、全然私のこと全く知ってる人がいない世界に行って、地元の町の印刷屋さんとかに就職して

アルバイトから入って正社員になり、その会社のトップになれるか。一歩ずつ難しいことを進めていく、人生ゲームのような話です。そういうのが好き、と南場さんは言います。

最後は、居場所が分からないと書いた木村さんへの一言。南場さんの答えはこうでした。

南場さん(動画の中で・12:37〜)

木村さん居場所あるよ。絶対一緒に飲みましょうよ。

木村さんは楽しい人だから、みんなが呼ぶと思う。動画での対談も楽しかった、と続けます。

これからやってみたい物は、愚痴を聞くバーのカウンターと、町の印刷屋での人生ゲーム。どちらも、自分を知らない場所です。

居場所の答えは、2つに分かれていました。体を休める時間と、自分を知らない場所での遊び。片方は今日からでも持てて、もう片方は、これから試してみたい物として語られています。

2026年10月12日の振り返りで、私はこう答えています。区民まつりで、妻と娘2人と遊んで、楽しめた一日。

晴れて暑い日でしたが、公園で一緒に走るだけで楽しかったんです。AIやスマホも、デジタルデトックスになりました。

南場さんの居場所の話は、自分を知らない場所へ向かう物が多め。私が書き残した場面は、家族と過ごした一日です。

06

意思決定は、一番大事な情報を自分で確かめます。MBTIは嫌い

▲目次
意思決定の図解。左に、一番重要な情報は自分でも確かめる、勘よりロジック、右に、16個の箱に分けるのは嫌い、と並んでいる
図解: 意思決定の考え方
動画の画面。目を閉じて話す南場さんの下に、たった16個の箱に分ける以上に、という字幕が出ている場面
動画キャプチャ: 16個の箱に分ける以上に細かく分かっていると話している場面(15:12頃)

3人目は、PIVOTの代表の佐々木紀彦さんです。質問は、意思決定の成功の打率を上げるために、心がけていることは何か。とてもシンプルな問いです。

南場さんの答えは、一番重要な情報を、自分でもできるだけ確かめる、というものです。

南場さん(動画の中で・13:16〜)

1番重要な情報はできるだけ自分でも確かめるっていう

全部は無理だ、と前置きがあります。今はチームが机に載せた情報で判断することが多く、そこはAIが解決してくれるとも話します。それでも、ここが一番のキーだと思う所は、疑うわけではないけれど、自分で直接確かめます。

もう1つは、勘よりロジック。南場さんは、優れた勘を持っているわけではない、と話します。スピリチュアルは全然ダメで、占いも信じません。勘が働く人もいるけれど、自分はとても鈍感だ、と笑います。

話はMBTIに進みます。MBTIも全然ダメ、という答え。聞き役の寺本さんは、ENFPで、MBTIが好きな人です。

南場さん(動画の中で・15:00〜)

私ね、それ本当嫌いなの。その話。

理由はこうです。寺本さんとは、これだけ付き合ってきました。お互いのことは、箱に分けるより細かく分かっています。

南場さん(動画の中で・15:10〜)

たった16の箱に分ける以上に細かく分かってるじゃないですか。

それなのに、なぜ改めて16個の箱に整理するのか。だから全然ダメ、と南場さんは言います。

寺本さんが、じゃあやめましょう、と引いても、MBTIの話はダメです、と重ねます。

寺本さんが好きな物を、南場さんが嫌いと言い切れます。

確かめます。ロジックで行きます。箱には入れません。この3つとも、答えは、自分の手元で確かめる、という1本の線でつながっています。勘が鈍いと自分で認めたうえで、確かめる回数を増やす。決め方の中に、自分の弱さの扱い方が入っています。

私は以前、現場の生の一次情報と、最終的にアウトプットするところは人間にあり、その中間は全部AIがやってもいいと思う、と話したことがあります。今も、外に出す・お金を払う・削除する、の直前は私が決めています。

南場さんは、一番大事な情報を自分で確かめます。私も、入口と出口は人の手に残します。違うのは、その間をAIに任せる所です。その日のことは、AIの検査が全部合格でも、人間はこんなこと書かないだろ、と返した日を書いた分身AI日記DAY192にまとめています。

私は、一番大事な情報は自分で確かめ、その中間は、現場で得た元の情報に基づく判断軸を渡したうえで、AIに委ねます。

07

挑戦・志・ベロシティと、トップスピード、起業家の共通点

▲目次
DeNAが大切にする挑戦・志・ベロシティの図解。札が3枚並び、下に、起業家の共通点はガッツ、と添えている
図解: 挑戦・志・ベロシティと、ガッツ
DeNA VALUE|重視する考え方、という一覧のスライド。挑戦を最も大切にする、動力は志である、ベロシティにこだわる、挑戦を支える挑戦を大切にする、成功も失敗も、次へ循環させる、など8項目が並び、ベロシティにこだわる、が赤い枠で囲まれている
動画キャプチャ: DeNA VALUEの一覧が画面に出ている場面(18:05頃)

4人目の質問者は、GOの中島宏さんです。1つ目の質問は特にない、と届きます。添えられていたのは、DeNAが世の中に新しい風を吹き込み続けてくれることを期待している、という言葉。

2つ目の質問は、事業家として何歳までトップスピードで行けそうか、です。27歳でDeNAに入り、今はアラフィフ。今もスピード感と迫力を保っているのは驚異的だ、と書かれています。

南場さんの答えは、年齢が関係するかというと、と考えるところから。

南場さん(動画の中で・16:12〜)

年齢がね、やっぱ関係するかって言うと徹夜ができなくなったぐらいかな。

AIがだいぶ楽にしてくれている、とも言います。トップスピードを体力で測るなら、それは20代。睡眠は、薬を飲むようにちゃんと取ろうと気をつけているそうです。

では、年齢を重ねて増えたものは何でしょう?経験値と、自分の中で使える引き出しです。経験が増えるほど物事に動じなくなる、と南場さんは話します。

中島さんには、大丈夫、と一言。運動は、去年から始めたばかりだそうです。

5人目の質問者は、Momentorの代表で、DeNA出身の坂井風太さんです。質問は、8月にDeNA VALUE(DeNAが大切にする考え方)を刷新した背景と、今最も重視したいValueとその理由。

南場さんは、何が一番という順番はない、と答えます。今いちばん大事なのは、挑戦と、ビジョン(志)と、ベロシティ(スピード感)です。

加えて、ど真ん中で踊る人だけが主役ではなく、挑戦を支える挑戦も大事。成功だけでなく失敗も大事で、失敗も含めて次の挑戦者へ情報を伝えていくことも大事、と続けます。答えは、全部大事、でした。

刷新の背景は何だったのでしょう?1つは、DeNAが成長企業として世の中で見られていないのでは、という思い。続く背景について、南場さんの答えは次のとおりです。

南場さん(動画の中で・18:37〜)

経営者である私の責任だなと思い会社のありようっていうのをちょっと新しくしたいと

起業家でうまくいく人の共通点は、と寺本さんが聞くと、返ってきた答えは1つ。

南場さん(動画の中で・19:23〜)

やっぱガッツあるよね。それが分かりやすく表に出るガッツの場合もあれば静かだけれどもあるっていうのでもやっぱりガッツありますよ。共通して。

起業のタイミングで相談を受けることもあり、坂井さんも相談した1人です。南場さんの声かけは、自分の内側から出てきている、本当にやりたいことならやってほしい、というもの。

思いが曖昧に見える時は、人の人生に責任は持てないので押し付けず、自分にはこう見える、とは伝えます。起業した人たちは、親心ではなく、仲間やライバルで、つながっていたい、とも話します。

体力の話から始まって、会社の見え方、人の見え方まで広がった答え。

この章で私が目を留めたいのは、刷新の背景の話です。

相乗効果になっていないのは経営者である自分の責任、という見方。会社のありようを、自分の持ち場として引き受ける話です。

私が立つのは、一つひとつの成果物に判を押す場所ではなく、仕組み全体の育ち方を見る場所です。

成功する経営者の共通点を、玉田響さんの対談から読んだ記事も、続きとして読めます。

08

プレゼンは1人に向けて話します。ロジックを崩して、中身を持つ

▲目次
プレゼンの図解。1人の人に伝える、ロジックを崩す、結局何を伝えたいかを自分で分かる、の札が3枚並んでいる
図解: プレゼンで大切にしていること
動画の画面。話す南場さんの下に、結局 何を伝えたいのか、という字幕が出ている場面。左上に、プレゼンで最も大切にしていることは?、という帯
動画キャプチャ: 結局何を伝えたいのかを自分で分かって話す、と語っている場面(22:30頃)

坂井さんの2つ目の質問は、プレゼンです。圧倒的にプレゼンが上手だと思っているが、最も大切にしていることは何か。読み上げるのは寺本さんです。

南場さんは、坂井さんの方が上手、と笑います。そのうえで語り始めたのは、自分のやり方。

南場さん(動画の中で・21:16〜)

それをあんまりこうクラウドっていうか、その大勢の人って捉えないでなるべく1人の人に伝えるように

そう話すのが本当はいい、と言います。できていないことの方が多い、という一言つき。

南場さん自身は、ロジックが立ってしまう方。だから論理的に全部を話そうとするけれど、聞く方には退屈だ、と話します。

南場さん(動画の中で・21:48〜)

最後まで聞いてもらうには結構ロジック崩すっていうことを

脈絡なくトピックを話すこともあるし、ロジカルになりすぎる所を抑えるよう努力している、と言います。3つあって、のような前置きへの、どうでもいいよ、という感覚。

では、なるほど、とエンゲージしてもらえる話は何でできているのでしょう?ロジックよりも、中身とスタンス。だから、フレームワークやロジックにこだわらないようにしている、という話です。

南場さん(動画の中で・22:28〜)

結局何を伝えたいのかっていうことは自分で分かって喋んないとなっていう。

大人数の場でも、緊張はしない、と南場さん。場数を踏むうちにどんどん緊張しなくなり、いつからかは記憶にないそうです。

話し方の技から入って、最後は、伝えたい中身を自分で分かって話す所へ戻っていく答えです。技より先に、中身。

私は、AIを使ったら、より大きな価値にして、より最適に届く、と話してきました。でも、ゼロイチの足し算の部分(体験・痛み・気づき・価値観)は、人間がやるしかない、とも話してきました。私の運用では、AIの役割は、人にしか出せない中身を薄めずに、相手ごとの文脈に翻訳して、伝わるように届けること。中身を足すのが人で、届け方を整えるのがAI、という分担です。

南場さんの話は、人前で話す時に自分の中身を持つ話。私の方は、中身を人が持ち、届ける形をAIに任せる分担です。売れるセミナーの作り方を、しゃべくり社長チャンネルの翔さんの講義から整理した記事では、届ける側の話を読めます。

大勢の前でも、頭の中では1人に向けて話す。ロジックは、聞く人が退屈しない所まで崩す。そのうえで、伝えたい中身は動かしません。

届け方は、相手ごとに変えてかまいません。変えないのは、中身の方。

私なら、伝えたい中身は自分で持ち、伝わる形にする所だけをAIに任せます。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. 南場さんは、新規事業を何で見ていますか。

A. 物差しは3つ。届けるデライトの大きさ、DeNAがやる意義と勝てるか、担う人とチームがやりたくてたまらないか、の3つで見ると南場さんは話します。

Q. DeNAから起業家が多く出るのは、なぜですか。

A. 理由は2つ。採用の時点で挑戦魂のある人を採ることと、入社したらやり方から何から任せること。何もない中でもがいて成果を出すので鍛えられる、と南場さんは話します。

Q. 南場さんは、感情を我慢しているのですか。

A. 答えは、意外と出す。怒りもほぼ毎日あって、本人に直接ぶつけるので、言い過ぎたかなと申し訳なく思うこともある、と話します。

Q. 起業家でうまくいく人の共通点は何ですか。

A. 南場さんの答えは、ガッツ。分かりやすく表に出るガッツの人もいれば、静かだけれどガッツがある人もいて、共通してガッツがある、という話です。

Q. 南場さんは、プレゼンで何を大切にしていますか。

A. 大勢ではなく、なるべく1人の人に伝えるように話すこと。ロジックを崩して、退屈させない工夫もしています。結局、何を伝えたいかを自分で分かって話すこと、と続けます。

MATOME

まとめ。新規事業も、感情も、プレゼンも、中身は自分で持つ

▲目次

届いた質問に、南場さんが順に答えていく回でした。新規事業の物差しに始まり、プレゼンの話まで、答えはどれも、人との関わり方につながっていました。

私が持ち帰ったのは、魂を込める所は自分で磨いて実行は手放すこと、一番大事な情報は自分で確かめること、伝えたい中身は自分で持つこと。DeNA南場智子さんの組織論を、AIが担う前提で整理した記事も、あわせて読めます。

私が話してきたことの中にも、集客やセールスを委ねて好きなことに集中すること、AIが進化しても最後に大事なのは人と人、場、仲間だということがありました。任せる範囲をどう決めても、人の手に残る物は残ります。

新規事業でも、人との関わりでも、人前で話す場でも、任せる物を決める前に一度だけ考えてみてほしいんです。自分の手に最後まで残したい中身は、何ですか?

LINK

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REF

参考リンク

今回紹介した動画

チャンネル事業家のDNA(DeNA公式)
出演南場智子さん、寺本百花さん
公開日2026年10月17日
長さ24分20秒(日本語)
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=PWyCG0ga-NQ

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