AI × PR STRATEGY

AI時代の広報は、生の声を置いてからAIで配る順番になる

2026.07.27

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。

今日は、朝にブックマークした1本のX投稿から、私の中でずっと言葉にできていなかったものが、きれいに一列に並んだ話をします。

投稿の主は、けんすうさんこと古川健介さん。アル株式会社の代表取締役で、ネットの世界では知らない人がいないくらいの発信者です。その投稿の中身は、ざっくり言うと「AI時代のPR戦略って、AIでプレスリリースを書くことじゃないよね」という話。

今回は「生の声を置いてから、AIで配る」という広報の順番を、私自身の2年分の朝LIVEパイプラインと重ねてお届けします。

3行でわかるポイント

  1. AI時代の広報でズレるのは道具じゃなく「順番」。生の声を先に置き、AIは後から配る側に回す
  2. 私の朝LIVEも、けんすうさんのPodyの実例も、構造は同じ——1つの生の声を複数フォーマットへ再構築している
  3. 「ネタがない」んじゃなく「加工していない」だけ。あなたはもう生の声を出す場を持っている

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01

AI時代の広報はどこでズレるのか——道具じゃなくて「順番」だった

散らばった道具の道と、一本の川のように流れる道の分かれ道
散らばった道具の道と、一本の川のように流れる道の分かれ道

元投稿はこちら

けんすうさん(@kensuu)のX投稿

いやー、読んだ瞬間、私は自分の朝の景色を思い出しました。

私は月・火・水の朝に、YouTubeで朝LIVEをやっています。月曜は7時からただっちと「AI自動化・社長無人化」、火曜は6時半から公ちゃんと「共感ストーリー×AI」、水曜は6時半から高崎さんと「AIマニアック」。木・金・土はただっちが別の出演者と担当していて、私は出ません。

その朝LIVEが終わると、私は基本、何もしません。あとはAIチームが動いて、その日のうちにブログの下書きが上がってくる。私はそれを味見して、公開ボタンを押すだけです。

ずっとこれを「自動化がうまくいってる話」だと思って語ってきました。でも、けんすうさんの整理を借りた瞬間に…これは自動化の話じゃなくて、広報の資産をどう作るかの話だったと気づいたんだよね。

私はずっと便利な道具を組み合わせた話をしてたんですが、本当に価値があったのは、毎朝、自分の生の声が勝手に手元に残る仕組みを作っていたことでした。AI時代の広報は、道具の話じゃなくて素材の話だったんです。

差がつくのは、使っているAIの新しさじゃない。生の声を先に置いて、あとからAIで配る。この順番を持っているかどうかだった。

——今日の気づき

そしてこれ、私だけの話ではありません。この記事を読んでいるあなたも、たぶんもう素材を持ってる。加工していないだけかもしれません。

02

「AIでプレスリリースを書く」は、AI時代の広報の答えじゃない

硬い印刷物とあたたかいマイクの対比
硬い印刷物とあたたかいマイクの対比

まず、元ネタをちゃんと紹介させてください。けんすうさん(古川健介さん)はアル株式会社の代表取締役。ポッドキャスト番組「限界突破ライフハック」を田中渓さんと共同ホストで運営していて、その音声編集・制作はアル株式会社が担当しています。つまり、発信を語るだけの人じゃなくて、自分で毎週回している当事者。

その人が言っている論の要旨を、私なりに要約すると、こうなります。

AI時代のPR戦略は、AIでプレスリリースを書くことではない。自社発信の量を、信頼できる形で増やす。そしてそれを、人間が理解しやすい形(音声・テキスト・長尺動画・短尺動画)に加工して配布する。

——けんすうさん(@kensuu)のX投稿より、前半の要旨を私がまとめたもの。原文はこちら

ここ、私は最初に読んだとき「そりゃそうだ」と思って通り過ぎそうになりました。でも、二度読んで手が止まった。だって、世の中の「AI×広報」の話って、ほとんどが出口の効率化なんです。プレスリリースをAIに書かせる。SNS投稿をAIに量産させる。メールの文面をAIに整えさせる。全部、出口です。でも、出口をどれだけ速くしても、入口に入れるものが薄かったら、出てくるものも薄いんです。

🍳 料理に例えると

レトルトの惣菜を買ってきて、盛り付けだけ豪華にしているようなものです。皿がきれいでも、食べた人は「あ、これどこかで食べた味だな」ってわかります。AIが書いた文章が「なんか読んだことある感じ」になるのは、まさにこれ。

だから、けんすうさんの論のキモは「AIで書く」ではなく、「信頼できる自社発信の量を増やす」+「人間が理解しやすい形に加工して配る」の2段構えです。順番が先で、AIは後。生の声を置いてから、AIで配る順番です。ここを逆にしてる人が、たぶんめちゃくちゃ多いと思います。

私も逆にしてた時期がある。以前書いたAIはどれも「器」、9割は自分の原液だった|Fable5・Codex・Grokの使い分け術という記事で、そのへんの反省を書きました。どのAIを使うかで悩んでいましたが、結局は自分の中身が9割だったという話です。

03

入口をPodcastに置く理由——「生の声」は加工に強い一次食材だから

1つの食材が複数の料理へ生まれ変わる図
1つの食材が複数の料理へ生まれ変わる図

じゃあ、なぜ入口が「Podcast(音声)」なのか。ここについても、同じ投稿の後半でこう言っています。

今できる最適解は、Podcastに生の声を置き、それをAIで加工して配布すること。Podcastは他フォーマットに加工しやすく、深い理解をしてもらうのに有利。

——けんすうさん(@kensuu)のX投稿より、後半の要旨を私がまとめたもの。原文はこちら

そして、けんすうさんは実例まで出しています。その投稿の中の一文がこれです。

弊社がやっている「Pody」で作られたものを、withnewsの形式にあわせて再構築した

——けんすうさん(@kensuu)のX投稿より。原文はこちら

Podyは「学べるポッドキャストプレイヤー」を掲げる実在のポッドキャストサービスです。ここで作られた自社のポッドキャストコンテンツを、朝日新聞のwithnewsというまったく別のメディアの形式に合わせて再構築して配信した——つまり、1つの生の声を、別の場所の作法に合わせて作り直して届けた実例なんです。

これ、地味に見えてすごい話なんだよね。普通、メディアに載せてもらおうと思ったら、その媒体向けに一から取材を受けたり、原稿を書き下ろしたりしますよね。でもこの構造だと、すでにある自社の生の声が原材料になります。ゼロから作っていない。作り直しているだけです。

🍳 料理に例えると

丸ごとの魚を買ってきた状態に近いです。丸ごとあれば、刺身にもできるし、煮付けにもできるし、アラで出汁もとれる。でも最初から「切り身のパック」を買っていたら、刺身にしかできません。音声(Podcast)が加工に強いのは、この「丸ごと感」があるからです。

  • 音声 → 文字起こしすればテキストになる
  • テキスト → 見出しをつければブログ記事になる
  • 話している映像があれば長尺動画になる
  • 一番濃い1分を切れば短尺動画になる
  • 深い話をそのまま置けるので、理解の深さで勝負できる

逆に、最初から140字のSNS投稿しか残していないと、そこから長尺は作れません。切り身からは魚に戻せないんです。

そしてもうひとつ大事なのが、けんすうさんが言う「深い理解をしてもらうのに有利」という点。SNSの短い投稿は、認知は取れるけど、信頼までは届きにくいものです。でも音声は、その人の間の取り方、言い淀み、迷い、笑い方まで乗ります。人柄がまるごと乗る。

私が朝LIVEを2年以上続けている理由も、結局ここでした。台本どおりに完璧に喋る場じゃなくて、「うわ、これ動かないんだけど…」って失敗をそのまま出せる場だから、信頼が貯まっていく。カッコつけない生の声が一番強いんですよね。

04

比較表で見る:発信を「消費物」にするか「資産」にするか

閉じた瓶と光が漏れる開いた瓶の対比
閉じた瓶と光が漏れる開いた瓶の対比

さて、ここからが本題です。同じ発信でも、扱い方が違うだけで、まったく別のものになる。まずは、私がずっと見てきた2つのタイプの比較からです。

比較表①:1回きりの消費物 vs 生の声を資産にする

比べる軸発信を「1回きりの消費物」にする人生の声を「資産」にする人
発信のゴール今日の投稿を埋めること素材を1つ増やすこと
残る形投稿してタイムラインに流れて終わり音声・テキストとして手元に残る
ネタの調達毎回ゼロから「何を書こう」と考えるすでにある生の声から選ぶ
二次利用ほぼしない(使い回しは手抜きだと思っている)前提として複数フォーマットに展開する
時間が経つと価値がゼロに近づく検索・AI経由で読まれ続ける
AIとの相性AIに「書かせる」ので薄くなるAIに「加工させる」ので濃さが残る
続ける負荷毎回フルパワーで消耗する1回の仕込みで何品も出せる
本人の残業発信そのものが作業として増える味見だけが残る

🍳 料理に例えると

上は毎食ゼロから献立を考えて買い出しに行く人、下は週末に一度だけ仕込みをして、平日は温めて盛り付ける人です。どっちが長続きするかは、もう説明いらないですよね。

そしてもうひとつ。けんすうさんの実例と、私の朝LIVEの実例を並べてみたら、驚くほど同じ構造をしていました。

比較表②:けんすうさんのPodyの例 vs 私の朝LIVEの例

比べる軸けんすうさんの例(Pody)私の例(GPTs研究会 朝LIVE)
一次ソース自社ポッドキャストの生の声月・火・水の朝LIVE(生配信の会話)
収録の場Podyで運用するポッドキャストYouTube LIVE(仲間との対話)
記録の形音声コンテンツとして蓄積録画+文字起こし+話者分離で蓄積
加工の担い手AIで加工して配布AI秘書の凛ちゃん+分身AIが下書きまで担当
出口①withnewsの形式に合わせて再構築して配信ai-kidou.jpのブログ記事として公開
出口②音声・テキスト・動画へ展開ポッドキャスト・X記事へ展開
人が最後にやること何を出すかの判断味見して公開ボタンを押す
共通する構造1つの生の声 → 複数フォーマットへ再構築

見事に同じでした。規模も業種も違うのに、骨格が同じなんです。私が2年かけて手探りで作ってきたものに、けんすうさんが先に名前をつけてくれた感じ。「あ、これ…広報の資産の作り方って言えばよかったのか」って、朝から一人で唸っていました。

ちなみに、この「生の声を貯める」の一番深いところまで掘った話は、以前書いた52万発言の「カルピス原液」でAIが分身になる|AI共創OSの中身を初公開にまとめてある。生の声が貯まると、記事だけじゃなく「自分の分身」まで作れるようになる、という話です。

05

正直に言うと、2年かかった。しかも最初は全部手作業だった

2年という時間の中で散らばっていた道具が整理されていく様子
2年という時間の中で散らばっていた道具が整理されていく様子

ここは正直に書きます。今の流れは、いきなりできたわけじゃありません。始まりは2024年の4月。私が言っていたのは、たった一言でした。

30分の朝ライブをやったら、その日の仕事が終わるようにしたい。

——2024年4月ごろから私が言い続けてきた目標(のちにClaude Codeのセミナーでも同じ話をしました)。当時の言い回しをそのまま録音しているわけではないので、私の言葉で書き直しています

かっこいい戦略でもなんでもありません。ただの願望。当時は、朝LIVEをやったあとに、自分で録画をダウンロードして、自分で文字起こしを貼り付けて、自分で記事を書いていました。LIVEは30分なのに、そのあとの作業が2時間3時間とかかる。「発信するほど本業が圧迫される」という、たぶん多くの人がぶつかるやつです。

そこから2年ちょっと、少しずつ手作業を減らしてきた。今はこうなっています。

  1. 朝LIVEが終わる
  2. タイマーで動くAI秘書の凛ちゃんが、動画を自動でダウンロードする
  3. 文字起こしをして、誰がどこを話したかを分ける(話者分離)
  4. 分身AIが、私の過去の体験——ダイエットの話、がんの話、失敗の話——を「カルピス原液」として使いながら、記事を書く
  5. 図解(グラレコ)画像を生成する
  6. WordPressに下書きとして投稿する
  7. Chatworkにプレビュー通知が飛んでくる
  8. 私がスマホで開いて味見して、OKなら公開
  9. そこからポッドキャストやXの記事へ展開していく

私がやっているのは、実質「8番」だけです。

で、ここが今日いちばん言いたいところなんですが——私はこれをずっと「自動化」として語ってきました。LIVEのたびに「こんな仕組みを作ったよ」って、ツールの話、スクリプトの話、AIの話ばっかり。でも、けんすうさんの論を読んで並べ直したら、これは自動化の話じゃなかったんです。

💡 本体は「資産の作り方」だった

毎朝、自分の生の声を一次資料として発生させる場があって、それを腐らせずに複数のフォーマットに変えて配っている。つまり、広報の資産を毎日作っていたんです。自動化は手段でしかなくて、本体は「資産の作り方」でした。

🍳 料理に例えると

私はずっと「調理器具の自慢」をしていて、本当にすごかったのは「毎朝、いい魚が入る漁港と契約していたこと」だった、みたいな話です。

このパイプラインを作る過程で何度もつまずいた話は、AIに動画そのものを見せたら記事の質が変わった話(ClaudeVideoの使い方)にも書きました。文字起こしだけ渡していた頃と、映像そのものをAIに見せた後で、返ってくる記事がまるで違った。あと、2年分のLIVE発言がどれだけの量になるかは、AIで自分の本を作る方法|2年分のLIVE発言が一晩で6万字になった日を読んでもらうのが早いと思います。生の声って、貯めると本になるんですよ。

正直、まだ完成形じゃない。味見は今も私がやっているし、直しを入れる日もあります。でも、そこは自動化するつもりがないところなんです。最後に舌で確かめるのは、店主の仕事だから。

下書きは全部AIに任せる。でも味見だけは、いつまでも自分でやる。

——2026年2月に自分のAIチームの運用ルールとして決めた3つのうちの1つ(「味見は卒業しない」)を、私の言葉でまとめ直したもの

06

これはエンジニアの話じゃない。もう「場」を持っている人の話

それぞれの持ち場で話す様々な職業の人たち
それぞれの持ち場で話す様々な職業の人たち

ここまで読んで、「いや、それはAIに詳しい人の話でしょ」と思った人がいると思います。でも、私が本当に伝えたいのは、そこじゃありません。

私がよく相談を受けるのは、建築系のB2Bをやっている社長さんとか、地域で長くやっている職人系の事業者さんとか、一人で全部やっている個人事業主さん。共通して言われるのが、これです。

「うちには発信するネタがないんだよね」

——よく受ける相談

でも、話を聞いていくと、毎日こんなことをやっています。

  • 朝礼で職人さんに段取りを説明している
  • 現場でお客さんに「なぜこの工法なのか」を説明している
  • 見積もりの根拠を、電話で15分かけて丁寧に話している
  • 「他社さんはこう言ってましたけど」に対して、自分の考えを毎回答えている
  • 若い子に技術を教えている

これ、ぶっちゃけ全部生の声なんです。しかも、その業界で20年30年やってきた人にしか出せない、密度の高い声です。ネタがないんじゃない。加工していないだけなんです。

ネタがないんじゃない。あなたの毎日の説明が、記録されていないだけ。

——今日いちばん伝えたいこと

もっと言えば、記録すらしていません。毎日、最高の出汁をとっては、そのまま流しに捨てているような状態です。飲食店だったら大事件ですよね。でも情報の世界だと、これが普通に起きています。

私が「凸凹ありのままでいい」と言い続けているのも、ここに繋がります。うまく話せなくていい。噛んでもいい。専門用語が多くてもいい。むしろ、その人が普段どおりに喋った声のほうが、聞いた人には信頼として届きます。整えた文章より、生の声のほうが強いんです。

以前書いた分身AIを育てるほど”自分”が育つ理由|AI時代に「好き」を掘る人が強いでも触れたけど、AIに渡す素材を作る作業って、実は自分の頭の中を整理する作業でもあるんだよね。だから、発信の資産化は「外向けの広報」であると同時に、「自分の理解の深まり」でもあります。一石二鳥どころじゃありません。

🍳 料理に例えると

「うちには出せる料理がない」と言っているお店の厨房に、毎日すごい食材が届いていて、誰も冷蔵庫を開けていない状態です。まず、開けましょう、という話です。

07

今日から始める3ステップ——生の声を置いてから、AIで配る順番を作る

マイクに向かって歩く3つの踏み石
マイクに向かって歩く3つの踏み石

じゃあ、何から始めるか。私が2年かけて遠回りした分、順番だけ先に渡しておきます。

ステップ1:生の声が出る場を1つだけ決める

新しく作らなくていいです。すでにある場でいいんです。

  • 週1回の社内ミーティングの冒頭10分
  • お客さんへの説明で毎回話している定番の話
  • 職人さんへの朝礼
  • 誰かとの雑談(対談形式は一番ラクです)

大事なのは、「一人で喋る」より「誰かと喋る」ほうが圧倒的に続くということ。私の朝LIVEも、全部ペアでやっています。月曜はただっち、火曜は公ちゃん、水曜は高崎さん。相手がいるから、私の準備が甘い日でも場が回るんです。厨房が2人いると、片方が焦げつかせても、もう片方が拾えます。

ステップ2:とにかく「録る」を先に決める

生の声を資産にするために必要な唯一のことは、残っていることです。スマホの録音アプリでいい。ZoomやGoogle Meetの録画でも構いません。大事なのは、「録る」を毎回の儀式に組み込むこと。「今日はいい話をしたから録っておこう」だと、まず続きません。録るのはデフォルト、使うかどうかは後で決める。この順番です。食材と同じで、まず冷蔵庫に入れる。献立を考えるのはその後です。

ステップ3:1つの声を、2つの形に変えてみる

最初から全自動を作ろうとしないでください。ここ、私が一番遠回りしたところ。まずは手作業でいいので、1本の音声を2つの形に変えてみます。

  1. 文字起こしをする(AIに音声ファイルを渡せば、すぐテキストになります)
  2. そのテキストから「今日の要点3つ」を抜き出す
  3. 要点3つをブログ記事にする、またはメルマガに流す

これだけで、1つの声が2つの発信になります。1回の仕込みで2品。ここが体感できると、「発信のたびにゼロから考える」という消耗から抜けられます。

そして自動化するのは、3回以上手でやって「毎回同じ手順だな」と確信してから。手順が固まっていないものを自動化すると、間違ったまま速く走るだけなので、かえって遠回りになります。

💡 やらないほうがいいこと:最後の味見まで手放す

私は下書きまでは全部AIに任せていますが、公開ボタンは自分で押しています。理由はシンプルで、名前が自分だからです。自分の名前で出るものを、自分で確認しないのは筋が通らない。ここは効率の話じゃなくて、信頼の話です。私が毎月まとめている月刊GPTs研究会 2026年6月号 Vol.16|任せる時代の幕開け。でも書きましたが、任せる時代だからこそ、任せない一点を決めておくことが大事なんですよね。全部手放すのが正解じゃありません。

FAQ

よくある質問

Q1. 話すのが苦手で、声を出すのが恥ずかしいんですが……

わかります。私も最初のころは、自分の声を聞き返すのが本当に嫌でした。今でもたまに「なんでここで噛んだんだ」って思います。でも、これは経験上はっきり言えるんですが、聞いてる人は上手さを求めていません。むしろ、詰まりながら考えている声のほうが「この人、本当に自分の頭で考えてるな」と伝わります。どうしても一人で喋るのがしんどいなら、対談形式にしてください。誰かに質問してもらって、それに答えるだけ。これなら「話す」じゃなくて「答える」になるので、ハードルが一気に下がります。

Q2. ポッドキャストって、そんなに聞かれないですよね?

再生数だけ見たら、たしかにSNS投稿のほうが数字は出ます。でも、けんすうさんの論のポイントは「Podcastが伸びるから」じゃなくて、「加工しやすい形で生の声を置いておける」ことにあります。音声そのものが直接ヒットしなくても、そこから作られたテキストが検索で読まれたり、AIに引用されたり、切り抜き動画が伸びたりします。料理で言えば、出汁そのものを飲む人は少なくても、その出汁を使った料理は全部おいしくなる、という関係です。出汁は主役じゃないけど、なくなると全部の味が落ちます。

Q3. AIに書かせたら、自分の言葉じゃなくなりませんか?

これは本当に大事な質問で、私の答えは「素材が自分の声なら、自分の言葉のまま残る」です。逆に言うと、素材がなくてAIに「それっぽく書いて」と頼むと、たいていどこかで見たような文章になります。私のブログの下書きをAIが書けるのは、私が2年以上、生の声を貯め続けてきたからです。原液があるから、薄めても味がします。原液がないところに水を足しても、ただの水なんですよね。だから順番は、AIを導入することじゃなくて、まず自分の声を残すことです。

Q4. 形になるまで、どのくらいかかりますか?

正直に言うと、私はここまで2年かかりました。ただ、これは私が誰の型も持たずに手探りでやったからで、順番がわかっていればもっと短くできると思います。実際、最初の「1本の音声を2つの形にする」は、今日中にできます。今日録って、今日文字起こしして、今日要点を3つ出す。それだけで、あなたの広報資産の1本目が生まれます。大事なのは、完成形を先に作ろうとしないこと。仕組みは、素材が溜まってから育てても間に合います。

COLUMN

「ネタがない」の正体は、自分の普通が見えていないこと

「発信するネタがない」と言う人の話を、私は何百回も聞いてきた。そのたびに思うのは、ネタがないんじゃなくて、自分の普通が特別だと気づいていないだけだということ。

私自身がそうだった。大きく体重を落とした話も、がんになった話も、事業に失敗した話も、最初は全部「恥ずかしいこと」だったんだよね。人に言うようなことじゃないと思っていた。中学生のころ、太っていることをからかわれて学校に行けなくなった時期があって、そこからずっと「普通じゃない自分」を隠して生きてきたから。

でも、隠していたその部分こそが、いちばん人に届く場所だった。

脂肪は財宝。悪いことこそ宝物。私がブログや朝LIVEで使い続けている言葉だよ。きれいごとで言っているんじゃなくて、自分の凸凹が誰かの役に立つ瞬間を何度も見てきたから使っている。

あなたが毎日、当たり前にやっている説明。当たり前に答えている質問。当たり前に直している他社の失敗。それ、あなたにとっては普通でも、聞く人には全部が学びなんだよね。

だから、うまく喋ろうとしなくていい。凸凹のまま、そのまま録ってほしい。加工は、AIと一緒にやればいい。一緒に、生の声を財宝に変えていこうね。

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あなたの生の声も、資産になる

仕込みは一度、盛り付けは何度でも。仲間がいると、続きます。

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この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。

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