AIを安全に、仕組みにして、地に足つけて使う——同じ日に見えた3つの気づき

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくんです。

毎朝AI秘書の凛と一緒に、ブックマークしたXの投稿を「これ、今の私に刺さるかな?」って味見する時間があるんですけど、この前、全然違う人が書いた3つの投稿が、同じ日にまとめて目に入ってきたんですよね。

1つは「非エンジニアがClaude Codeでやりがちな危険な使い方14項目」。
1つは「Anthropicが公式に出したスキルの作り方ガイド」。
1つは「直感で言い切る人と、本当にできる人の違いは実力を追いつかせる誠実さ」。

正直、最初はバラバラのネタだと思いました。でもAI秘書の凛と一緒に「これ、既存の記事とかぶってない?」「私の過去のどの経験と繋がる?」って棚卸ししてたら、3つとも根っこは同じところに繋がってたんです。

「AIを使いこなす」って、結局この3つが揃って初めて成立するんだな、と。

  • 安全に使う(危険な使い方を知らずにやらない)
  • 仕組みにする(毎回説明し直さなくていい形にする)
  • 地に足つけてやる(大きいこと言う前に、実力を追いつかせる)

今日はこの3つを、私自身の現場での経験や反省を混ぜながら、非エンジニア経営者向けに翻訳していきます。

気づき①安全に使う

気づき①:安全に使う——非エンジニアが気づかず踏んでる地雷

きっかけは、なかじさん(中島大介@ウェブ職TV)というAIセキュリティ相談を法人向けにやってる方の投稿でした。26.4万表示・33件の引用ポストというかなりの反響で、「非エンジニアがClaude Codeでやりがちな危険な使い方」を14項目、そのまま列挙してたんです。

なかじさんの投稿には、こう書いてありました。

「エンジニアじゃない人のClaude Codeの使い方

・ホームディレクトリでClaude Code起動
・全ファイルにAIがアクセス可能
・settings.jsonが存在しない
・サンドボックスを知らない
・APIキーを無制限で使用する
・機密情報は.envに平文保存
・全てのコマンドを全承認

やってたら危ないから、今すぐやめよう。」 元投稿を見る(X・なかじ / 中島大介@ウェブ職TV)

全部書くと長くなるので、私が「これ、経営者が一番踏みやすいやつだな」と思った7つに絞ります。

  1. ホームディレクトリでClaude Codeを起動する(=PC全体にAIがアクセスできる状態)
  2. settings.jsonを作らず、初期設定のまま使い続ける
  3. サンドボックス(AIの作業範囲を区切る仕組み)の存在を知らない
  4. APIキーを無制限で使う設定のまま放置する
  5. 機密情報を.envファイルに平文(暗号化なし)で保存する
  6. AIが提案する全てのコマンドを、内容を見ずに全承認する
  7. 常に--dangerously-skip-permissions(危険を承知で権限確認を全部スキップする設定)を使う

読んでいて、正直ちょっとヒヤッとしました。この14項目そのものはやってなくても、「便利さの前で地味な確認を後回しにする」感覚には、私も覚えがあったからです。

私にも同じ根っこの話がある

以前、「AIにSEOを180日丸投げした結果、”削った”サイトが一番伸びた」という記事で、正直に書いたことがあります。

「私は3サイトで月70本以上の記事を出している。164個のスキルと102個のhookで品質管理を自動化しているし、ハーネス設計で結果が別物になるという記事も書いた。AIの品質管理については、かなり意識している方だと思っていた。

でも、コンテンツの品質管理と、コードの品質管理は別物だということに、この検証結果で気づかされた。

私がやっていたこと:
✅ AIの出力品質を上げる仕組み(hook、CLAUDE.md、スキル)
✅ 記事が正確かどうかのファクトチェック
❌ 公開後の記事の棚卸し」 当時の記事を見る(ai-kidou.jp)

セキュリティの話ではなかったですが、根っこは同じでした。「仕込みの品質管理」は完璧にやってたつもりなのに、「公開した後の棚卸し」という地味な作業を後回しにしてた。なかじさんの14項目も、便利に動かすことは覚えても、地味な権限管理を後回しにする話です。

だからなかじさんの14項目を読んで、私が言えるのは「知らなかったから危ない」んじゃなくて、「便利だから、つい地味な確認を後回しにしちゃう」という方が正確だということです。

管理栄養士の資格を持つAI秘書の凛が言うには、「これ栄養バランスと同じだよ。カロリーだけ見て中身を見ないと、後で必ずツケが回ってくる」とのこと。妙に納得しました。

今日からできること:ホームディレクトリではなく、プロジェクトごとにフォルダを分けてClaude Codeを起動する。これだけで、地雷の半分近くは避けられます。

気づき②仕組みにする

気づき②:仕組みにする——AnthropicがSKILL.mdの作り方を公式に出した理由

2つ目は、すぐるさん(ChatGPTガチ勢X)が解説してた「Anthropic公式のエージェントスキル作成完全ガイド」です。28ページのPDFで、Anthropic自身のエンジニアリングブログでも同じ数字が紹介されています。

「Anthropicが『The Complete Guide to Building Skills for Claude』という公式ガイドを無料公開しています。(中略)数字を先に見せると、ガイドに載っている公式の実測比較がこれです。同じ仕事を頼んだとき、スキルなしだと『15往復・API失敗3回・12,000トークン』。スキルありだと『確認の質問2回・失敗ゼロ・6,000トークン』。」 元投稿を見る(X・すぐる|ChatGPTガチ勢X)Anthropic公式ブログで同数値を確認
項目スキルなしスキルあり
やり取りの往復回数15往復2往復
途中の失敗回数3回0回
消費トークン量12,000トークン6,000トークン

往復が15回から2回。トークンはほぼ半分。これ、私が「分身AI」でずっとやろうとしてきたことと、本質的には同じ話なんです。

スキルというのは、要は「毎回説明し直さなくていいように、手順書を1つのフォルダにまとめておく」だけの仕組みです。SKILL.md(手順書)・scripts(実行できるコード)・references(必要な時だけ読む資料)・assets(テンプレートやフォント)の4つで構成されていて、中身はどれもただのファイルとフォルダ。難しい技術じゃありません。

私自身の経験で言うとこう

私は日々の気づきや反省を、自分用のメモに残すようにしています。2026年7月17日付のメモにはこう書いてありました。

「活用フローの本質:縦掘り(魂磨き)→スキル化→横展開→自動化の順序を飛ばさない。CCブースタープロの正しい使い方は『言語化→最適化(手でこねる)→最大化(スキル組合せ)→自動化』の順序を必ず守ること。いきなり自動化すると再現性が低く炎上リスクがある」 → 出典:ひろくん本人メモ(2026-07-17)

そして2026年5月25日付ではこう書いていました。

「AIに結論だけでなく、判断の過程ごと渡せ。まとまった結論を渡すと薄い答えになる。迷いや判断のクセごと渡すとその人らしさで動く」 → 出典:ひろくん本人メモ(2026-05-25)

つまりスキル化って、「結論だけ渡す」んじゃなくて「自分の判断のクセ・迷い・手順ごと1つのフォルダに固める」作業なんです。Anthropicの公式ガイドが「まず1つの難しいタスクで成功するまで磨き込め。テストケースを最初から複数作るな」と書いてるのも、私が「いきなり自動化すると再現性が低い」と言ってるのも、方向は同じでした。

今日からできること:毎回同じ説明をAIにしている作業が1つでもあれば、それを1つのフォルダ(スキル)にまとめてみる。最初の1つは15〜30分で作れます。

気づき③地に足つける

気づき③:地に足つける——直感で言い切る人と、本当にできる人の違い

3つ目は、まさおさん(AI駆動開発)の短い投稿でした。

「直観する力と、それを具現化できる解像度は別物。曖昧な直観を徐々に鮮明にしていく力も、広がった概念の一貫性を保つ力も、それぞれ別の能力なんよな。教祖ムーブをしたり大きな構想を掲げたりする人は、直観自体は鋭いことが多いと思う。ただ、その教祖が本物になるか、期待値詐欺師になるかを分けるのは、その後に実力を追いつかせられるかどうかってのをいつも思う。」 元投稿を見る(X・まさお@AI駆動開発)

正直、これは私が業界で一番腹が立ってるテーマそのものでした。私自身、こう決めています。

「1億円積まれても絶対にやらない仕事——『AIで売上10倍』と大風呂敷を広げるコンサル、何百万払って何も変わらない。難しいカタカナで煙に巻く業者、経営者を自己嫌悪に陥らせる。『誰でも簡単に』『今すぐ』という嘘、AIは魔法じゃない。」 → 出典:ひろくん本人の価値観SOT(values.md「業界への怒り」)

「AIで売上10倍」と大風呂敷を広げるコンサルや、「誰でも簡単に」と煙に巻く業者。彼らも直感自体は鋭いのかもしれません。でも、その後に実力を追いつかせる作業をサボってるから、結局お客さんが何も変わらないまま何百万か払って終わる。

私自身、事業に失敗した経験があります。あの時の私も「これはいける」という直感だけで突っ走って、実力を追いつかせる部分——地道な検証、失敗の振り返り、仕組み化——を後回しにしてました。今振り返ると、あれは「教祖ムーブ」に片足突っ込んでたんだと思います。

大きいことを言う前に、実力を追いつかせる誠実さがあるか。これが、①の安全性と②の仕組み化を、口だけで終わらせないための最後のピースでした。

元ネタと私の実践の比較

比較:3つの投稿と、私の実践

元ネタ(海外・国内の発信)私の実践(現場での経験)
なかじさん:非エンジニアの危険な使い方14項目2026年4月「AIにSEOを180日丸投げした結果」——仕込みの品質管理は完璧でも公開後の棚卸しを後回しにしていた話
すぐるさん:Anthropic公式スキルガイド(15往復→2往復)2026年7月「縦掘り→スキル化→横展開→自動化」の順序厳守/2026年5月「結論だけでなく判断の過程ごと渡せ」
まさおさん:直観と解像度は別能力事業失敗の経験——直感だけで突っ走り、実力を追いつかせる作業を後回しにした反省

三者三様の投稿でしたが、並べてみると「知らずに危険を冒す」「仕組み化をサボる」「実力を追いつかせない」の3つは、結局同じ根っこ——「便利さの前で、地味な作業を後回しにする」——から生えてる問題だとわかりました。

正直な現在地

正直な現在地——私はどこまでできてて、どこがまだ甘いか

ここまで偉そうに書きましたが、正直に言うと、私自身まだ完璧じゃありません。

  • 安全性:プロジェクトごとにフォルダは分けるようになりましたが、--dangerously-skip-permissions的な「全部承認」の設定は、忙しい時についオンにしがちです。ここはまだ甘い。
  • 仕組み化:164個以上のスキルを作ってますが、フロントマター(=スキルの説明文)の書き方が甘くて「一生発動しないスキル」も何個か眠ってると思います。棚卸しが必要。
  • 地に足つける:これは日々の対話ログやカードで振り返ってるので、比較的マシですが、「今だけ」「絶対に」みたいな強い言葉を使いたくなる誘惑は、正直まだあります。

完璧より完了。今日60点でも出して、明日磨けばいい。この記事もその実践の1つです。

「完璧より完了——100点を目指して0点より、60点でも出す。自動化できることは自動化——人間にしかできないことに集中する。」 → 出典:ひろくん本人の価値観SOT(values.md「仕事の信念」)
非エンジニアのあなたにも関係ある話

非エンジニアのあなたにも関係ある話

「私はエンジニアじゃないから関係ない」と思う方もいるかもしれません。でも、この3つは技術の話というより、「便利な道具を渡された時、人はどう振る舞うか」という普遍的な話です。

私自身もエンジニアではない、パソコンが好きな中卒で学歴もない、元お惣菜屋さん、元リフォーム屋さんです。だからこそ、なかじさんの14項目を読んだ時に「難しい話」じゃなく「自分ごと」として刺さりました。

車の免許を取った時、最初は「アクセルとブレーキ」だけ覚えて、車庫入れの練習は後回しにしませんでしたか? AIも同じで、「便利に動く」ことだけ覚えて、「安全に・仕組みで・誠実に」使う部分は後回しにされがちです。

非エンジニア経営者ほど、現場は回っているからこそ、この3つの後回しが積み重なりやすい。売上は立ってる、現場も動いてる、だから「今のやり方で問題ない」と思いがちです。でも、AIという新しい道具が入った瞬間、その「今のやり方」の前提が変わります。今まで通りのつもりで動いた結果、知らないうちに①〜③のどこかを後回しにしてる——それが一番怖いパターンです。だからこそ、今日この3つを知っておく価値があります。

今日から始められる3ステップ

今日から始められる3ステップ

  1. 安全に:Claude CodeやAIツールを使うプロジェクトごとに、作業フォルダを分ける。ホームディレクトリで直接起動するのをやめる
  2. 仕組みに:毎回同じ説明をAIにしてる作業を1つ選び、手順を1つのメモやフォルダにまとめる(完璧じゃなくていい。まず1つ)
  3. 地に足つけて:「これはいける」と思った時ほど、1回立ち止まって「実力、追いついてるかな?」と自分に聞く

ひろくんのコラム——「便利」は罠にもなる

AIって、本当に便利なんですよね。便利すぎて、つい「まあ大丈夫でしょ」で全部承認しちゃう。でも、私が事業で失敗した時も、便利さに飛びついて地味な検証を飛ばしたのが原因でした。AIも同じ罠にハマります。便利だからこそ、安全・仕組み・誠実の3つは、意識してブレーキを踏む場所だと思ってます。

よくある質問

Q1. Claude Codeのプロジェクトフォルダって、具体的にどう分ければいいですか?

A. 案件ごと・サイトごとに専用フォルダを作り、その中だけでAIを起動する形にします。ホームディレクトリ全体にアクセスできる状態を避けるのが目的です。

Q2. スキル化って、プログラミングの知識がないとできませんか?

A. いいえ。SKILL.mdは基本Markdown(普通の文章)で書けます。「何をするか」「いつ使うか」を書くだけで、Anthropicもガイドの中で「15〜30分で作れる」と説明しています。

Q3. 「実力を追いつかせる」って、具体的に何をすればいいですか?

A. 私の場合は、対話ログやカードに日々の判断・失敗を残して、定期的に振り返る仕組みを作っています。特別なことじゃなく、「言ったことを記録して見返す」だけでも十分な一歩になります。

Q4. 3つとも一気にやらないとダメですか?

A. いいえ。私自身、正直な現在地でも書いた通り①〜③は全部同時に完璧にできてはいません。まずは自分が一番「あ、これ後回しにしてるな」と思う1つから手をつければ十分です。順番より、後回しにしてる自覚を持つことの方が大事です。

まとめ

安全に使う。仕組みにする。地に足つけてやる。

3つとも地味です。バズりません。でも、この地味な3つを飛ばした人から順番に、AIとの付き合い方でつまずいていく——今日読んだ3つの投稿を並べて、そう感じました。

便利な道具ほど、地味な基本を大事にする。凸凹ありのまま、今日もひとつずつ整えていきます。3つ全部を今日中に完璧にする必要はありません。まず1つ、フォルダを分けるところからでも、スキル化のメモを1枚書くところからでも、実力を追いつかせる振り返りを1つ始めるところからでも構いません。

関連記事