秋田が舞台のRPG「キタズナ」にAIゲーム開発の現場を見た

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん@passion_tanaka)です。いやー、これはね、正直途中から時間を忘れていました。

毎週水曜日の朝6時半は高崎さん(if塾 塾頭)が登場する日。今回は事前の5分でもう盛り上がってしまって、「配信始めるの忘れそう」という空気のままスタートしました。テーマはAIとゲーム。でも終わってみると、それだけじゃなかった。

高崎さんが画面共有で見せてくれたのは、秋田県を舞台にしたRPG「キタズナ」。縦長の秋田の地図が、そのままワールドマップになっていて。各地の名所を巡りながら、魂の蝶賃を集めていくストーリーなんです。

で、それだけじゃなくて。ゲームの中からリアルな決済ページに飛べる仕組みもあって、秋田の事業者さんが商品を置ける構造を目指しているという。ゲーム内のNPCにはGeminiが仕込まれていて、秋田の地元ブログを丸ごと食わせて会話させるとか。ナノバナナとSeedreamで画像素材を量産して、Veo3(高崎さんはベオ3と呼んでいました)でドット絵をアニメーション動画にしてからフレームを切り取ってパラパラ漫画にするとか……話を聞けば聞くほど、「AIのおかげでここまでできるようになったのか」って、驚きがどんどん積み重なっていきました。

そして最後には、不登校の子どもたちが居場所を持てる仕組みの話まで広がって。いやー、1時間があっという間でした。

秋田RPG「キタズナ」——ゲームで地域と人をつなぐ構想

▶ この話題を動画で見る(3:33〜)

タイトル画面のキャプチャ

「キタズナ」のタイトル画面が映った瞬間、私は「これ、本気で作ってるな」と思いました。タイトルの文字感だけじゃなくて、画面の端々に秋田への愛みたいなものが滲んでいて。その後ワールドマップが出てくると、秋田県の縦長の形がそのままゲームのフィールドになっていて、各地の名所がポイントとして配置されている。子どもが飛行機の中でこれを遊んでいたら、着いた先の観光地に「ここ、ゲームで見た!」ってなりそう。そういう体験を設計しているんだと、すぐわかりました。

ワールドマップ(Akitaをマップ化)

高崎さん(3:33〜)

「秋田県を舞台にしたRPGキタズナっていうやつなんですけど。タイトル画面ですね。これは秋田県です。縦長の形をしてます。こうやって秋田県の各地の名所があっていくと、全部説明が見れるような状態で、各地のマップにこういう秋田を代表する人たちがいて、こういうキャラのとこに行くと、こんなふうに『魂の蝶神ってどこにあんの?』みたいな話をしてたりとかして。各地に行くとこういうミニゲーム。全部アクションゲームとかシューティングとかゲームの種類は変えようと思ってて、こんな感じで。各地に行っては、魂の蝶賃を集めるっていうのが、大まかなストーリーの開発中のゲームとなってます。」

ひろくん(5:09〜)

「なんかめっちゃ楽しそうだし、なんかめちゃくちゃ学べそうですね。」

高崎さん

「そうですね。目標としては秋田県に観光客をいっぱい増やして、秋田県をもっと世の中の人に、世界に知ってもらうっていう」

エリアごとにミニゲームの種類が違う——これって、飽きさせないための設計として理にかなっているんです。同じゲームを10エリア繰り返したら途中で飽きる。でも各地に行くたびに違う体験が待っているなら、次のエリアに行きたくなる。秋田の各地を巡るモチベーションが、ゲームの設計そのものに組み込まれている感じがしました。私が「これ普通に遊べそうですね」と言ったのも、本心から。ゲームとしての完成度を、ちゃんと考えているのが伝わります。

そのゲームをなぜ作っているのかという話になって、高崎さんの答えがスケールの大きいものでした。

高崎さん(5:13〜)

「そうですね。目標としては秋田県に観光客をいっぱい増やして、秋田県をもっと世の中の人に、世界に知ってもらうっていうところで。なので例えばゲームの中にあるお店、今商品テストでしか出してないんですけど、こうやって画面が変わって、実際の決済リンクが立ち上がる。こういうふうになってて、今はテスト商品しかないけど、秋田の商品とかをどんどん置いたりとかして、秋田の事業者さんにもゲームに参加させるっていうような感じにしています。」

ゲームの中から実際の決済ページに飛べるというのが、私には一番刺さった部分です。「遊んでいたら買ってしまった」という導線を、RPGの自然な流れの中に仕込む。しかも地元の事業者さんが参加できる仕組みにしておくことで、ゲームが秋田の経済と直接つながる。これはもう、観光客誘致だけじゃなくて、地域のマーケットプレイスを作ろうとしているんだなと感じました。「ゲームっぽいけど中はちゃんとAI」という私の言葉が自然に出てきたのも、外側の見た目と内側の仕組みのギャップが面白かったからです。「これ普通に観光になりますよね。誘致されそう。ここ行ってみたいってなりますもんね」と言ったのも、本音で出た言葉でした。

AIガイドが画面に表示される様子

ゲーム内のNPCについても、面白い話が出てきました。キャラクターがプログラムで決まった台詞を話すのではなく、GeminiがAPIとして仕込まれていて、実際に対話できる。秋田についての情報を学習させた状態で会話をさせるというのが、高崎さんの構想です。

高崎さん(7:17〜)

「秋田のこととかをまとめてるブログとかが結構いっぱいあって、正直そのブログを丸ごと食わせようと思ってます。そうすることで細やかな、多分何々町のおいしいラーメン屋とかまで出せるようになると思うんで。っていうまあこういういろんな機能があるんですけど基本今まで出てきたと全部、AIで作りました。」

秋田在住の人が書いた地元ブログを丸ごと読み込ませる——そうすることで「○○町のうまいラーメン屋」みたいな話まで地域NPCが語れるようになる。私が「でもそうすると結構生々しい、秋田県の人が書いたブログとかだといいですね」と言ったのも、AIが外から学ぶのではなく、地域の内側から語ってくれるという感覚が面白かったから。観光ガイドのデジタル版という言い方もできますが、それよりも「地域の記憶を持った存在」という感じがします。

高崎さんは秋田に移住して生活しながら、このゲームを作っている。フィールドワークしながら開発している感じがあって、そこには「秋田を知ってほしい」という熱量が本物であることが伝わってくるんですよね。「ゲームをリリースしたら、秋田に来るときご案内しますよ」という言葉も、招待というより、本当に一緒に回りたいんだなというニュアンスがあって。私の母方が山形の米沢出身ということもあって、東北との縁を感じながら聞いていました。「リアルに秋田に行きたいですね」って言葉、実は本音です。

ローカルメディアの人と一緒にAIで何かやりたいという話を私からしたら、「ネタ全部持ってるから、何ならおっしゃっていただければゲームも作れますよ」と高崎さんが返してくれて。地域情報をたっぷり持っているメディアと、ゲームという体験装置を組み合わせると——「キタズナ」と同じことが、日本中どこでもできる可能性がある。そんな気がしました。

Claude Codeで何百本ものスクリプトを束ねる——1人でRPGを作れる理由

▶ この話題を動画で見る(8:40〜)

Claude Codeでプロンプトやキャラ設計を語る場面

テトリスなら1個のスクリプトでポンと作れる——でも「キタズナ」みたいなRPGは話が違います。複数のエリア、複数のミニゲーム、NPCとの会話、ショッピング機能、背景アニメーション。それぞれに対応したスクリプトが必要になる。「実際、何個あるんだろう」と高崎さんが自分で言いながらファイル一覧を見せてくれた瞬間が、このLIVEで一番印象的な場面のひとつでした。

高崎さん(8:40〜)

「毎度必要な機能があるたびにスクリプトをまるっと作るっていうような感じですね。なので、たとえばさっきのワールドのシーンだったら、このケンタ君の歩くスクリプト、ケンタ君が上下に歩いたり、さっきの説明を出したりするっていうスクリプトが、今のこの上に映ってるとこですね。2、3、4、6。これだけで988行あります。これが1個です。それがこのシャープの数分だけあります。」

1個のスクリプトが988行。それが1つのキャラクターの動き1種類分。そしてそういうスクリプトが、シャープの記号の数だけある。私が「凄まじい量ですね」と言ったのは、思わず口から出た本心です。

さらに高崎さんが「小賀というエリアだけで、会話やら、アクションゲームやら、街の調整やらいろいろで、8、9、10、11、12」と数えていくと——1エリアだけで12本以上のスクリプトが存在する。これが複数エリア分あるわけだから、トータルの量は想像を超えます。しかも各スクリプトは独立して動くだけじゃなくて、お互い連携しながらゲームとして機能する。1つ変えたら別の場所が壊れる、というのがゲーム開発の怖さのひとつ。全体を俯瞰できるツールがなければ、複雑なゲームは1人じゃ作れないんですよね。

でね、これだけの量のスクリプトを1人で管理できているのは、Claude Codeが中心的な役割を果たしているからなんですよね。

高崎さん(10:12〜)

「8,9,10,11,12。1個1個の中身が全部こんな感じです。これらを全部、クロードコードだと何がいいのっていうので、こういう全部のやつが入ってるフォルダーの一番の大元——これアセットってフォルダーなんですけど——これの下に全部入ってるんですね。この大元のやつをクロードコードに読ませると、こういう状態になって、あとはもうコードに対して例えばどうしようかな、なんか機能でも足したいとかっていうのをそのままプロンプトで言える感じになってます。」

全スクリプトが入ったフォルダーをまるごとClaude Codeに読み込ませることで、既存のコード全体を覚えたまま開発できる。「ケンタ君にこういう動きを追加したい」って言うだけで、他のスクリプトとの干渉まで考えて実装してくれる。これ、「Claude Codeだからできること」の本質だなあと思ったんです。

だってね、速く書けるとか、そういう話じゃないんですよ。988行×何十本という量を、迷子にならずに全部覚えていられる。そこがすごい。テトリスとRPGの違いって、結局スクリプトの数じゃなくて「お互いがどれだけ絡み合ってるか」なんですよね。その絡み合いを丸ごと抱えていられるのが、Claude Codeなんだと思います。

大量のスクリプトとアセット管理の説明

高崎さんが「どんどんさっきの、ショップの連携で実際に決済システムをリンク発行するとか、中のキャラクターにジェミニをぶち込んじゃうとか、そういうのも全部AIで」と言ったのは——ゲームの機能が積み重なるほど、AIを使った実装の可能性もどんどん広がっていく。そういう手応えを、言葉の端々から感じました。「ちょっと自分の街を作りたくなりますね」と私が言ったのも、それが決してひとごとではなくて、やってみたいという気持ちが素直に出た言葉です。

この開発が1人でできているのは、AIがエンジニアリングの「大工仕事」を担ってくれているからなんですよね。どこに何を作るかを決めるのは人間で、それを実装する部分をAIが担う。ゲーム開発も、もうその構造に変わってきている。高崎さんが「なんかじゃあ1個1個どうやって作っていくのよっていうところで、だいたいテトリスを作るってなると1個ぐらいのスクリプトをポンって出すって感じなんですけど、今回のこのゲームはそういう1個あたりのスクリプトみたいなのが何個あるんだろう?」と言いながら画面を見せてくれたことで、スケールの違いがリアルに伝わりました。テトリスは1個の料理、「キタズナ」はフルコースのレストランのメニュー全部、みたいな差があります。そのフルコースを1人のシェフが回せてしまうのは——AIというキッチンスタッフがいてくれるから。それに尽きます。

ナノバナナとSeedreamが変えた素材制作——表情差分も秋田の風景も

▶ この話題を動画で見る(14:38〜)

ゲームのシステムを作ることと同じくらい——いや、場合によってはそれ以上に手間がかかるのが「絵」の部分。RPGだと、キャラクターの表情差分が大量に必要になるんですよね。嬉しい顔、悲しい顔、驚いた顔、怒った顔——会話シーンで感情を表現するたびに絵が切り替わります。1キャラクターに何十種類もの表情を用意して、それがキャラクターの数だけある。普通にデザイナーさんに発注したら、費用も時間も膨大になる。しかも途中で「あの表情も追加して」となると、また追加料金がかかる。そこに高崎さんが持ち込んだのが、ナノバナナというAI画像ツールでした。

高崎さん(14:38〜)

「しかもこれらを本来は、例えばデザイナーさんに依頼するときでも最初に全部必要な素材決めてそれで依頼しないと追加でどんどんオーダー代がかかっちゃったりとかするんですけど、こういうのも全部、この元の画像を読ませて悲しい顔にしてとかを、最近はもうナノバナナでやっていて。タップがですね。まさにそこもAIでね。ナノバナナのおかげで相当そういう意味でゲーム開発になってますね。グラフィックいっぱい使うから。表情差分は全てこれナノバナナです。これで全部、結構犬とかの表情違いとかむずいんですけど、こういうのとかもうまくできます。」

元の画像を読み込ませて「悲しい顔にして」と指示するだけで、同じキャラクターのまま表情だけが変わった画像が出てくる——これがナノバナナの仕組みです。しかも人間キャラクターだけじゃなくて、犬などの難しい形のキャラクターにも対応しているとのこと。「差分を作るときはナノバナナ」という言葉が、このツールが開発フローのどこに不可欠かを端的に示していました。差分を作るたびにデザイナーさんに発注する時代から、元画像を1枚用意して後はAIに任せる時代に変わっている。デザイン費用のコントロールという意味でも——これ、もうゲーム開発の革命なんじゃないかな。

Seedreamで生成した高品質な画像

一方、秋田の名所の背景画像には、Seedreamを使っているとのことでした。「写真を全部アニメ化する」と高崎さんが言ったとき、私は思わず「写真からSeedream?」と聞き返しました。実際の場所の写真を、そのままアニメ風に変換してゲームの背景に使う、という話です。

高崎さん(16:04〜)

「そうです。写真を全部アニメ化するっていうのがシードリームの1個の特徴で、この端っこ。今の画像生成はわりと端っことかをよーく見ると、ちょっとブニョブニョってなってたりとか、反射がなかったりとか変なのが、このシードリームはめちゃくちゃ少ないですね。自然に。画像を4Kとかまで作れるんで。なので、画像生成は画像維持のナノバナナか、高画質のシードリームだと。差分を作るときはナノバナナで、ぴったり一緒じゃなくてもいいんだよなーみたいなとき、高画質なものが欲しいときはシードリームと、使い分けです。」

「差分を作るときはナノバナナ、高画質のものが欲しいときはSeedream」——この使い分けは、ツールの特性を実戦の中から学んできた人の言葉です。Seedreamは4K対応で、画像の端部分の破綻が少ないという特徴があるとのこと。ゲームの背景画像は細部まで見られるので、端が「ブニョブニョ」していては没入感が壊れる。それを防ぐためのツール選択が、ちゃんと行われている。私がゲームを触りながら「なんか綺麗だな」って感じる、そのすぐ裏に、こういう判断があったんですね。

ゲーム内の買い物ボタンと実際の外部リンク

さらに面白かったのが、実際には同じ場所には存在しない2つの秋田の名所を1枚の絵に合成するという話です。大湯環状列石という縄文時代の遺跡と、八幡平の山の上にある不思議な湖。この2つは実際には近くにないけれど、ゲームの中ではセットで登場させたい。そのために、2つの場所の写真と山の画像を組み合わせて、AIに「この2つが近くにあるような不思議な風景」を描かせたとのことです。

高崎さん(18:06〜)

「なので、この2つが近くにあるような不思議な風景みたいなのを、大湯環状列跡の画像とドラゴンアイの画像を2つやって、さらに山の画像もやってっていうので、AIで指示に絵と絵を組み合わせて、AIで絵を描くっていう。あんま伝わんないかもしんないんですけど、結構これ、わりとAI画像生成のトップランクに来るぐらい、元の絵なしで、必要な画像と画像と画像を組み合わせて、さらにそれをプロンプトで操作して。」

「元の絵なし」で「複数の写真を組み合わせて」「現実には存在しない風景を生成する」。これは普通の画像生成とは違う使い方で、AIにとってもかなり難易度の高い処理のはず。「わりとAI画像生成のトップランクに来るぐらい」という高崎さんの表現は、控えめな言い方だなあと思わずニヤッとしました。私が「ある意味、似顔絵というかデフォルメというか、凝縮して一コマに収めるみたいな」と言ったら、うなずいてくれた。秋田の土地の魅力を、ありえない視点から切り取ることで、かえってその本質が伝わる絵になっている——ゲームの背景画像は、そういう役割まで担っているんですよね。

ナノバナナとSeedreamという2つのツールを役割で使い分けながら、大量の素材を用意している。これがなければ、1人でRPGのグラフィックをまかなうことは難しかったはずです。AI画像生成が「とりあえず絵を作る」ではなく、「このシーンに必要なこの画像を、この品質で作る」という実装の道具になっている。そのことがこの話を聞きながら、じわじわ伝わってきました。外から見ると「きれいな絵のゲームだな」で終わるところを、その裏にこういう選択と工夫が積み重なっている——それが、高崎さんのLIVEを聞く醍醐味なんですよね。

Veo3でドット絵を動かす——「タコ問題」と試行錯誤の現場

▶ この話題を動画で見る(20:07〜)

Veo3(Beo3)を語るシーン

画像が作れたら、次はそれを動かしたい。キャラクターがパタパタと羽ばたく、NPCがアイドルモーションをする、背景に揺らぎがある——そういう動きがゲームの世界を生き生きとさせます。ここで出てきたのが、Veo3(ベオ3)を使ったドット絵アニメーションです。この話が、私がこのLIVEで個人的に一番びっくりした場面でした。

「キタズナ」には辰子ちゃんというドット絵キャラクターがいて、フラッピーバードみたいなミニゲームに登場する予定だそうです。このキャラを「手をパタパタさせて飛ぶ」ようにアニメーションさせたい。でもドット絵のアニメーションは、普通の2Dキャラクターとは別の難しさがある。高崎さんはその方法を話してくれました。

高崎さん(20:07〜)

「なんですけどこのドット絵の静止画を読ませて、たつこちゃんは手をパタパタさせて、フラッピーバードみたいなゲームに登場する予定なんで、パタパタするモーションが欲しかったんでパタパタさせてって言ったら、大体こんな感じ。このまま動画だとゲームには使えないんで、使うフレームを1、2、3、5、6みたいなので、6フレームぐらいを全部画像で切り取って、それをパラパラ漫画のようにゲームエンジンに読み込ませることで、ドット絵のアニメーションができあがります。」

Veo3でドット絵を動かした動画を生成して、そこから使えるフレームを切り取って、それをパラパラ漫画のようにゲームに読み込ませる——この発想は、Veo3という動画生成AIを「アニメーション素材の自動生成ツール」として使うことです。動画そのものではなく、動画の一部フレームを素材として活用する。これ、完全に発想の転換ですよね。

ドット絵アニメーションのフレームを示す図

普通の2Dアニメーションでは、体のパーツをバラバラにして、パーツの組み合わせで動きを表現できます。でもドット絵はピクセル単位の絵なので、パーツを回転させると「ドットが斜めになって絵が崩れる」という特性がある。だから従来のやり方が使えない。かわりに1コマずつ手で描くしかなかった。高崎さんの計算によると、1キャラクターに3〜4種類のアニメーション、1アニメーションに最低6フレームとすると、1キャラクターで24枚、それがキャラクター10体になると240枚。「もう死んでも死にきれない作業量が発生しちゃうんで、それをこれでやっている」という言葉が、すべてを語っています。Veo3はその「死にきれない量」の仕事を引き受けている。ドット絵というレトロな表現が、最新のAI動画生成技術によって救われているという構図が、とても面白かった。

ただし、Veo3を使えば全部うまくいくわけでもなく、現場の試行錯誤があります。その中でも特に面白かった「タコ問題」の話。

高崎さん(25:44〜)

「わざわざ枝でできてる右腕って言ってるのには理由があって。何も言わないと、ジェミニさんがこのキャラをタコだと判断するんですよね。何回やっても最初、手が全部タコの足に変化しちゃって、めっちゃキモい動画になったんですよ。ちゃんと枝でできている腕を2本に伸ばすカメラワークは入れず固定って言ったら、ようやく正しく認識する感じです。結構動画生成は意外と画像のものが何なのかっていうのを誤認されることが多くて、明らかに犬だとわかる画像でも、このふわふわした犬のとか言います。そうするとたぶん、ふわふわさせた感じは動画に出したいんだなはわかってくれる感じになります。」

「何も言わないとタコになる」——これが笑えるようで、実は本質的なことを指摘しています。AIの動画生成は、入力画像の「何がどう見えているか」を解釈してから動かす。その解釈がズレると、意図しない動きになる。だから「枝でできた右腕」「ふわふわした犬」と、画像の特徴を言葉で丁寧に教える必要がある。プロンプトエンジニアリングというと難しく聞こえますが、要は「AIが何を見ているか」を想像して、それを言葉にすることです。私が「この構造、物体の構造理解度がすごいですよね。関節とかちゃんとわかってるんだな」と言ったのは、AIが画像を単なるパターンではなく「何かの動く物体」として解釈しようとしていることへの驚きがあったからです。

Veo3には、1日に作れる動画が3本までという制限があるそうです。それを乗り越えるために、複数のGoogleアカウントを使い分けているとのことです。上位プランについて私が「ウルトラにするしかないですね」と言ったら「すごい高くなるんですよ」という返答があって、ここにAI開発のコスト問題が見えてきます。

ひろくん(30:33〜)

「API代のグラフがバーニング、ボーンってなんかね、怖いですよね。なんか3.1になって、あれ確か値下がったのかな? なんか安くなったっていう。違うかな、あれはソラだったのかな、わかんないけど。なんか安くなったっていう話も聞いた気がする。」

「値下がったのかな、違ったかな」と、記憶があやふやなまま口に出してしまった私。でもそのくらい、AI開発をしている人間ならAPIコストの増減には敏感になるもんですよね。大量に生成すると費用がどんどん増えていく、でもだからといって生成を控えると開発が遅くなる。このトレードオフを、高崎さんはGoogleアカウントを複数使うという現場の工夫で乗り越えながら開発を続けている。「ベオ3は本当にどんなのにも対応してて」という手応えと、「1日3本しか作れない」という制約が同居している。それが今のAIゲーム開発の現実です。ベオ3がかなり高精度で動きを理解してくれるからこそ、その制約が悔しい。使えば使うほど「もっと使いたい」という状況が生まれてくる——そういうAIツールのサイクルに、高崎さんは正面から向き合いながら開発を進めていました。

子どもたちに居場所を——イフ塾とAI教育が目指す永久ループ

▶ この話題を動画で見る(36:11〜)

APIコストやモデル選択に触れる場面

ゲームとAIの話が一段落したところで、高崎さんがif塾(イフ塾)の最近の動きを話してくれました。AIとプログラミングを学べるオンラインの塾で、最近ようやく「宣伝しよう」という気持ちが芽生えてきたと言っていました。「気持ちが大事ですか」と私が聞いたら、「気持ちが芽生えました」と笑いながら返してくれて。その言葉の奥に、着実に形が見えてきたという手応えが感じられました。

高崎さん(36:11〜)

「使ってAIを使って投稿内容を考えるとかはAIに考えさせて、画像生成とかを作ったりキャンバーでちょこちょこやるっていうのと、予約ツールに投稿するっていうのを小規模構成だったら多分それもできそうなんで。僕はカレンダーだけをぶん回って作ってみんなにぶん投げれば、僕らのことをみんなが宣伝するシステムになる。さっきのキタズナとかもどんどんこうやって、ある程度の作り方をマニュアル化して、中高生がゲームクリエイターとしてこれも参加する。なんか、イフ塾のことをみんなで盛り上げながら、でもその盛り上げてることが自分たちの成長につながって、将来にもつながって、今のNOWではお金につながる。それを目指して、どんどんどんどん新しくいろんな子が入っていっては、新しくいろんな子たちに教えたり、自分たちの宣伝をしたりっていうので永久ループして、教育を軸にして成長を無限に繰り返していくのがイフ塾です。」

「永久ループ」という言葉が刺さりました。学んで成長する、稼ぐ体験をする、それがイフ塾の宣伝になる、新しい子が入ってくる、その子たちが先輩になって教える——この循環が回り続けることで、関わるすべての人が同時に成長していく。私が「急にこれも指数関数的にくるAIじゃないですけど、まして子どもたちの才能、天才性が発揮したとき、本当世界を動かす出てくるんじゃないですかね」と言ったのは、半分以上が本気です。子どもたちがAIを道具として使いこなせるようになったとき、その組み合わせは計算できない力になる。「キタズナ」の開発に中高生が参加して、ゲームクリエイターとしての経験を積む。それがまたイフ塾の実績になって、次の子が来る。この流れが動き始めていると感じさせる話でした。

オンラインプログラミングや子ども向けワークショップを語る場面

ここでLIVEの空気が少し変わった瞬間がありました。高崎さんが不登校の子どもたちの話を始めたんです。

高崎さん(38:49〜)

「最近結構不登校の子たちと話してて気づいたんですけど、不登校の子たち、思ったよりみんな開き直って不登校してないんですよね。結構1,2年とか行ってなかったりもするけど、でも毎日、『今日は行こうかな? どうしようかな?』って、ずっとその葛藤があって。しかもその葛藤があんまり良くない、今日もいけなかった、俺はダメだーに毎回なっちゃう。でもそのときに、『俺今日学校休んだけど、100日投稿して3万稼いだからいいわ。』みたいになったら、たぶんガチでやれば100日分ぐらいそのツール使えばできるんで。」

「開き直っていない」という観察が、私には一番刺さりました。外から見ると「学校に行かない」という事実だけが見えるけど、当事者はずっと「今日は行こうかな、どうしようかな」と葛藤している。その葛藤の中にいる子が、「今日3万円稼いだ」という事実を持てたとき、何かが変わる。「俺はダメだ」という自己評価に対して、別の評価軸が生まれる。それが居場所になる。この話をしながら、私も自分のことが出てきてしまいました。

ひろくん(39:53〜)

「いや、だって僕も、僕高校だった時、僕中1ぐらいからも不登校でしたけど、家で家事と子育て、まさに妹ちっちゃかったんで、子育てと家事してお小遣いをもらうという役割があって、居場所がないから。あと役割があってね、評価されるっていうところが社会的な部分でいくと。特に稼ぎるって子供時代に体験できるってめちゃくちゃ大事かも。」

私も中1から不登校でした。妹が小さかったから、家での家事と子育てを引き受けることが役割になって、それが居場所になった。「評価される」という体験が、自分を保つ軸になっていた。高崎さんが言っている「稼ぐ体験」は、それと同じ構造だと思います。外の基準で評価されなくても、ここに来たらやったことが形になる、数字になる。それが自分を肯定できる根拠になる。

「AIとうまく複合した教育システム、コミュニティみたいなのがだんだんできてきたのがいいかなと思う」と高崎さんが話したとき、それは遠い未来の構想ではなくて、すでに動き始めている現在の話なんだと感じました。1日投稿300円、100日で3万円。数字として小さくないし、子どもが学校の合間や休んだ日に到達できるスケール感でもある。「学校休んだときほど稼げる」という話に、皮肉ではなくて、本当の意味での居場所の設計が見えました。ゲームを作ることと、子どもたちに居場所を作ることと、秋田を世界に届けることが、1つのプロジェクトの中に収まっている。高崎さんがやっていることは、技術の話だけじゃない——そう感じた1時間でした。

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ひろくんコラム:地域の物語をゲームで届けるという発想の先に

SNSやメルマガでプロモーションする話

このLIVEが終わったあと、しばらく余韻がありました。秋田を舞台にした「キタズナ」というゲーム、その設計にある「遊びながら地域を知る」という発想。これって私が分身AI.comでやろうとしていることと、根っこの部分でつながっているんです。

分身AIという概念は、自分の「好き」や「得意」や「言いたいこと」をAIの形にして、それが知らない誰かのところへ届く——という仕組みを作ることです。高崎さんがやっていることも、秋田という場所の魅力と物語を、RPGというフォーマットに乗せて世界中に届けようとしている。届け方は違っても、「自分が大切にしているものを仕組みに変えて、知らない誰かに届ける」という方向は同じです。

AIが高度化するほど、「何を届けたいか」という人間側の意図が問われる。高崎さんは秋田を届けたい、子どもたちに居場所を届けたい、という意図が明確だからこそ、ツールをうまく使いこなせている。意図のないところにAIを持ってきても、面白いものはなかなか生まれない。今回のLIVEを通じて、その感覚が改めて強くなりました。SNSでキタズナの情報を中高生が発信して、それが秋田への観光客を増やして、ゲーム内で秋田の商品が売れる——この連鎖の中で、人とAIと地域が互いに支え合っている。

私の場合は「分身AIひろくん」を育てながら、自分の言葉や考え方を整理しています。その蓄積がまた次の発信や開発の土台になっていく。高崎さんのゲームも、今は開発中だけれど、リリースしたらプレイした人の記憶の中に秋田が残る。そういうものを積み重ねていくことが、AIの時代に人間ができる一番大事な仕事だと感じています。

よくある質問

Q. 「キタズナ」はどんなゲームですか?

秋田県を舞台にしたRPGです。秋田県の形をそのままワールドマップにして各地の名所を巡るゲームで、各エリアでミニゲームの種類が変わる設計です。NPCにはGeminiが仕込まれ、秋田の地元ブログを学習データとして使う予定と話されていました。ゲーム内のショップから実際の決済ページに飛ぶ仕組みもあり、秋田の事業者さんが商品を置ける形を目指しているとのことです。

Q. Claude Codeはゲーム開発でどう役に立つんですか?

全スクリプトが入ったフォルダーをまるごと読み込ませることで、コード全体を文脈として保持した状態で開発できます。LIVEでは1エリアだけで12本以上のスクリプトがあり、1本あたり988行を超えるものもあると紹介されていました。「この機能を追加したい」と言葉で指示するだけで既存コードとの整合性を取りながら実装してくれる点が、複雑なゲームを1人で開発する際に有効だと話されていました。

Q. ナノバナナとSeedreamはどう使い分けているんですか?

LIVEでの説明によると「差分を作るときはナノバナナ、高画質のものが欲しいときはSeedream」という使い分けです。表情差分のように元のキャラクターを保ちながら変化させる場合はナノバナナ、秋田の名所の背景画像や4Kの高品質素材が必要な場合はSeedreamが適しているとのことです。Seedreamは画像の端部分の破綻が少ないという特徴も話されていました。

Q. Veo3でドット絵を動かすとき、なぜプロンプトで詳細を伝える必要があるんですか?

動画生成AIは入力画像の内容を解釈してから動かすため、解釈がズレると意図しない動きになることがあります。LIVEでは「枝でできた腕」と指定しないとAIがキャラクターをタコと解釈して、腕が全部タコの足に変化してしまったという事例が紹介されていました。画像の特徴を言葉で具体的に説明することで、意図通りの動画に近づくとのことです。

Q. if塾はどんな人が対象ですか?

AIと起業を学べるオンラインのプログラミング塾で、特に子どもたちが対象です。LIVEでは不登校の子どもたちが「今日学校を休んだけど100日投稿して3万円稼いだからいい」と思えるような居場所を作ることを目指していると話されていました。生徒たちがゲームを作ったりSNSを運用したりする活動が、自分たちの成長と宣伝と収入に同時につながる「永久ループ」の仕組みを構築しているとのことです。

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IF塾 塾頭・ハグレ心理士の高崎さんと塾長たくみくん、NPO法人if(AI)理事が運営する学び場。「嫌いな物が極力ない世界」を目指す。

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🤖 AI生成コンテンツについて

この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。

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