「録画するだけでAIが仕事を覚える」——Codex Record & Replayの凄さと、ここから広がる可能性
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
2026年6月18日、OpenAIがCodexに「Record & Replay」という新機能を出しました。ざっくり言うと、自分のパソコン操作を録画するだけで、AIがその作業を覚えて、次からは指示するだけで同じ作業を勝手にやってくれる機能です。
このニュース、サラッと流れていった人も多いかもしれません。でも私は、正直、これはかなり大きな転換点だと思っています。
なぜなら、これまで「AIに何かをやらせる」には、言葉で事細かに説明する(プロンプトを書く)必要がありました。それが、「やって見せるだけ」で伝わるようになった。人間が新人に仕事を教えるときと、まったく同じやり方です。
今日は、自慢でも個人の体験談でもなく、この機能の何がそんなに凄いのか、そしてここからどんな可能性が広がるのかを、経営者の目線で整理します。
そもそも今、AIの使い方そのものが大きく変わってきています。先日の週刊LIVEのまとめ(AIは「使う」から「任せる」へ)でも、専門家のみんなと話したんですが——
「AIを使う」から「AIに仕事の流れごと任せる」へ、はっきり動いている。人がやるのは「なぜ・どこへ」を決めることに移っていく。——週刊LIVEまとめ「AIは『使う』から『任せる』へ」より
Record & Replayは、まさにこの「任せる」の最前線にある機能なんですよね。AIが「制作」まで丸ごと引き受け始めた(今週の最新AIニュース)という流れの、ひとつの到達点だと思います。
先日の土曜朝LIVEで、ただっち(多田啓二)が画面共有でこの機能を実演してくれました。「実際どう動くの?」が気になる方はCodex新機能Record & Replayとは|作業を見せて覚えさせるAIを先にどうぞ。あの記事が「実演で見る入口」、この記事が「凄さと可能性を読む」編です。
3行でわかるポイント
- Codex「Record & Replay」=録画した操作をAIがスキル化して自動再現。OpenAIが6/18に公式リリース。
- 凄さ=「説明」より「やって見せる」/プログラミング不要/暗黙知が資産に。自動化が民主化される。
- 可能性=中小企業の自動化・属人化の継承・「使う」から「任せる」へ。料理で言えば、レシピを書かなくても背中で味を継げる時代。
目次
そもそもRecord & Replayとは何か

まず、機能そのものを整理します。ここは公式情報とITmediaの報道で裏を取った事実だけ書きます。
Record & Replayは、OpenAIが2026年6月18日にCodexへ正式リリースした機能です。流れはこうです。
- Mac上で「スキルを記録(Record a skill)」を選ぶ
- 自分のパソコン操作を実際にやってみせる(例: YouTube Studioを開いて動画のタイトルを設定する一連の手順)
- Codexがその操作を理解して、再利用できる「スキル」に変換する
- 次からは、新しいスレッドで指示するだけで、Codexが同じ作業を自動で再現する
録画するだけで、AIが操作を覚えて、次から自動で再現する。——Codex「Record & Replay」公式機能の要旨(ITmedia NEWS, 2026年6月19日)
ポイントは、プログラミングがいらないことです。コードを書く代わりに、お手本を一度見せるだけ。タイミングや必要な入力値、複数の操作パターンまでCodexが自動で読み取って、テンプレートとして微調整もできます。注意点として、現状はmacOS中心の段階的な提供で、EEA(欧州経済領域)・スイス・英国は対象外とされています。
何が"凄い"のか —— 3つのブレイクスルー

ただの便利機能ではありません。私が「これは時代が動く」と感じた理由を、3つに分けます。
① 「説明する」から「やって見せる」へ
これまでAIに仕事を任せるには、言葉で全部説明する必要がありました。手順、例外、判断基準——文章にできないと、AIは動けなかった。Record & Replayは、その前提をひっくり返します。言葉にできない作業でも、やって見せれば伝わる。人間が後輩に背中を見せて教えるのと、まったく同じ。AIとの「教え方」そのものが変わった、という話なんですよね。
説明するより、見せて覚えさせる。これは、人間が昔から一番得意な「教え方」です。——Record & Replay の本質
② プログラミングの壁が、消える
これまで業務の自動化といえば、RPAツールやマクロ。どれも専門知識やお金が必要で、「うちには無理」と感じる中小企業が大半でした。Record & Replayは、録画するだけ。コードも専門家もいりません。これは「自動化の民主化」だと思います。
一部の詳しい人のものだった「自動化の力」が、現場のみんなの手に渡る。これが本当の民主化です。——プログラミングの壁が消える意味
たとえば、これまで「マクロが組める人」が社内に一人いて、その人にお願いしないと自動化できなかった。これからは、作業をしている本人が、自分でやって見せるだけ。ボトルネックそのものが消えるんですよね。
③ 「手が覚えている」作業が、資産になる
ベテランほど、作業を言葉で説明できないものです。クリックの順番、ちょっとした判断、間の取り方——「体で覚えている」やつ。これまでは、その人にしかできない"暗黙知"でした。Record & Replayは、その暗黙知をAIが観察して、再現可能なスキルに変換する。
「あの人の手が覚えている」だった作業が、誰でも呼び出せる会社の資産に変わる。——暗黙知が形式知になるということ
言葉にできなかったノウハウが、会社の資産として残る。マニュアル化を諦めていた作業ほど、効いてきます。
可能性① 中小企業の自動化が、専門家なしでできる

ここからは「で、何が可能になるの?」という話です。一番大きいのは、高価なRPAツールやSIerに頼らなくても、現場の人が業務を自動化できるようになること。
経理の入力、受発注の処理、定型レポートの作成、システム間のデータ転記——こういう「毎回同じ手順の繰り返し」は、どの会社にも山ほどあります。これまでは人がコツコツやるか、お金をかけて自動化するかの二択でした。Record & Replayなら、その作業をしている人が一度録画するだけ。自動化の初期コストが、ほぼゼロに近づくんですよね。
これまで「お金と専門家がないと無理」だった自動化が、現場の一録画で始められる。中小企業ほど効いてくる。——業務自動化の入り口が変わる
毎月の請求書処理、勤怠の集計、複数システムへの同じ入力——「人がやるしかないと思っていた地味な繰り返し」こそ、最初の一歩にぴったりです。中小企業ほど恩恵が大きい、と私は見ています。
可能性② 属人化した作業を「継承」できる

「あの人がいないと、この作業が回らない」——どの会社にもある悩みです。Record & Replayは、この属人化の問題に効きます。ベテランの作業手順を録画してスキルにしておけば、その人が休んでも、辞めても、作業は回る。引き継ぎマニュアルを何十ページも書く代わりに、一度やって見せるだけ。
引き継ぎは「分厚いマニュアル」から「一度やって見せる」へ。退職リスクも、教育コストも、ここで軽くなる。——属人化解消としての可能性
人手不足が深刻な今、これは経営の守りとして本当に大きい。技術やノウハウが、人と一緒に去っていかなくなるんですよね。この「知識をAIに残す」という発想は、以前まとめた社内の知識をAIに読ませる時代へとも地続きです。
可能性③ 「使う」から「任せる」へ、働き方の重心が動く

そして一番本質的な可能性が、これです。これまでのAIは「使う」道具でした。都度プロンプトを書いて、結果を受け取って、また指示して——人間が運転席に座りっぱなし。Record & Replayは、一度教えれば、あとは任せられる。
人間は「実行」から解放されて、「何をやるか・どこへ向かうか」に集中できる。これが「使う」と「任せる」の決定的な違いです。——働き方の重心が動く
人間は、繰り返しの実行から解放されて、判断と方向づけに集中できる。これは個人の働き方にも効きます。副業でも、フリーランスでも、家のことでも、「繰り返し作業」をAIに肩代わりさせれば、自分の時間が生まれる。経営者なら、その空いた時間を、本来やるべき「決める仕事」に回せるんですよね。AIが定期作業を引き受けていく流れは、こちらの最新AIニュース解説でも紹介しています。
正直に言うと、私自身も、参考になる画像を一枚見せただけでAIがスキルを組み立てたとき、「あ、これは時代が変わる」と肌で感じました。だから今回の公式機能の登場には、確信があるんですよね。「任せる時代」は、もう始まっています。
正直な現在地 —— 凄いけど、まだ気をつけたいこと

ここまで凄さと可能性を語ってきましたが、コンサルとして誠実に、限界も書いておきます。「今すぐ全部これに置き換えよう」とは、まだ言いません。
- 対象範囲が限定的:macOS中心で、欧州などは対象外。会社全体を一気に載せ替えるには、まだ守備範囲が狭いです。
- 画面が変わると壊れる:録画した手順は、画面のレイアウトが変わるとズレます。録画式の宿命で、保守は必要です。
- 判断が要る仕事は不向き:毎回内容が変わる交渉や、相手を見て言葉を選ぶ仕事は、録画では再現できません。得意なのは「手順が安定した定型作業」です。
でも、これらは「方向性が間違っている」という話ではありません。入り口がまだ狭いだけで、向かっている先は本物。だからこそ、今のうちに触って、自分の現場の「どこに効くか」を見極めておく価値があるんですよね。
どう活かす? —— 今日からの第一歩

「凄いのは分かった。で、何から?」という方へ。プログラミング不要なので、入り口はとても低いです。順番だけ守ってください。
- 置き換える作業を1つだけ選ぶ:毎週やっている、手順が毎回同じ作業を1つ。欲張らない。
- 手順を一度、自分で完璧にやってから録画する:録画式は「お手本」が命。迷う操作は先に固める。
- 小さく試して、効果を測る:いきなり本番に載せず、「ちゃんと再現できた?」を毎回確認する。
- 壊れたときの戻し方を決めておく:誰が直すか・手動に戻せるか。これを決めずに広げない。
小さく選んで、効果を測って、安全に広げる。新しい道具がどれだけ凄くても、活かす順番はこれが基本なんですよね。
よくある質問(FAQ)

Q1. Record & Replay(録画式)と、プロンプト(指示文)、どっちを使えばいいですか?
A. 作業の性質で分けてください。「毎回ほぼ同じ画面操作」なら録画式。「その都度、内容や判断が変わる」ならプロンプトのほうが柔軟です。定型は録画、判断が要るものは対話、と使い分けるのが現実的です。
Q2. RPAツールを解約して、全部これに乗り換えるべきですか?
A. いきなり全部はおすすめしません。対象範囲がまだ限定的で、画面変更にも弱いからです。まずは「画面が安定した定型作業1つ」を置き換えて、効果を測ってから広げるのが安全だと思うんですよね。
Q3. 日本では使えますか?
A. 使えます。ただし現状はmacOS中心の段階的な提供で、EEA(欧州経済領域)・スイス・英国は対象外とされています。環境やアップデート状況によって表示が異なる場合があります。
Q4. プログラミングができなくても本当に使えますか?
A. 使えます。これがこの機能の一番の凄さで、コードを書く代わりに「やって見せる」だけ。専門知識がなくても、自分の業務を自動化できます。
まとめ —— 道具の価値は「何ができるか」で決まる

Codexの「Record & Replay」は、「説明するより、見せて覚えさせる」という、すごく人間くさい発想をAIに持ち込んだ機能です。プログラミングの壁を消し、暗黙知を資産に変え、「使う」から「任せる」への扉を開きました。
もちろん、今はまだ入り口です。対象も限られているし、万能でもない。でも、向かっている方向は本物。中小企業の自動化、属人化の解消、働き方の重心移動——ここから広がる可能性は、想像以上に大きいと思っています。
道具の価値は、性能スペックじゃなく「自分の現場で何ができるか」で決まる。——道具との付き合い方
料理で言えば、これは「一度見せれば、弟子が同じ味を再現できる」ようになった瞬間です。レシピを言葉で全部書かなくても、背中で教えられる。あとは、その力を自分の厨房のどこに効かせるか。それを見極めるのが、私たちの仕事ですよね。
新しい道具が出たら、まず触る。そして「何ができるか」で価値を測る。AI初心者の方も、難しく考えなくて大丈夫です。手順がいつも同じ作業を1つ選んで、今日、録画ボタンを押してみてくださいね。その一歩が、「任せる時代」の入り口になりますから。
参考リンク
🔗Codex「Record & Replay」関連報道(ITmedia NEWS, 2026年6月19日) 🔗OpenAI Codex(公式リポジトリ) 🔗朝LIVEでの実演まとめ|Record & Replayとは 🔗AIは「使う」から「任せる」へ|今週の生成AIニュース🤖 AI生成コンテンツについて
この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。
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