AI経営術・発信テーマ

AIの使い方より先に
“欲しい道具”を思いつける頭になる

2026年7月22日 | 田中啓之(ひろくん)

3行でわかるポイント

  1. 出版プロデューサーの箕輪厚介さんが「Claude Codeは自分だけの“ドラえもんの道具”を作るツール」と発信し、45万表示・2,672リポストの反響を呼んだ。
  2. 大事なのは道具を作れる技術より、「どんな道具が欲しいか」を思いつける頭になること。私自身、7月16日にある構想を言葉にできたとき、この順番の意味がようやく体でわかった。
  3. 「思いつく力」は才能じゃなく習慣。今日からできるのは、日常の“ちょっとした面倒”を我慢せずメモする、という小さな一歩から。

家事と子育てのスキマで経営する、三方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくんです。

今日はブックマークの棚卸しをしていて、あるポストが目に留まりました。出版プロデューサーの箕輪厚介さんが書いた「Claude Codeを触って考えが変わった」という投稿です。45万表示・2,672リポストという反響もさることながら、書いてある中身が、私が7月16日に自分のAI秘書に投げたある一言と、驚くほど重なっていたので、今日はこれを縦に掘ってみます。

Claude Codeは“ドラえもんの道具”を作るツールだった

ドラえもんの道具箱から色々な道具が飛び出す図解

箕輪厚介さんは、X(旧Twitter)への投稿でこう書いています。

箕輪厚介さんの投稿より(X)

AIに関しては、僕はずっと少し斜に構えていました。「いずれ主婦でも学生でも簡単に使えるようになる。だから慌てて飛びつく必要はない」と考えていたからです。でも、Claude Codeを触ってみて、その考えは少し変わりました。Claude Codeは、コードを書くためのツールというより、自分だけの「ドラえもんの道具」を作るためのツールです。そして一番大事なのは、その道具を作れることではなく、「どんな道具が欲しいか」を思いつける頭になることのような気がします。今日あやたんに何か作りたいものあります?と聞かれても、自分が何を作ればいいのか全然思いつかなかったです。でも、多分使っているうちに、日常のあらゆる場面で「あ、これ自動化できる」「こんな道具があったら便利だな」と考えるようになる気がします。

出典: 箕輪厚介さんの投稿(X)

この投稿には45.3万件の表示と、2,672件のリポストがついていました。返信欄を見ても「作れることより”何が欲しいか思いつく頭”が本体、が刺さります。自動化で一番効くのも開発力より、現場のどの作業が重いかを知ってること」「毎日触ってるうちに”これ自動化できる”の感度が上がってきた」といった共感の声が並んでいます。

Claude Codeというのは、Anthropic社が公開しているAIコーディングツールで、日本語で指示を出すだけでプログラムやツールを作ってくれます。エンジニアでなくても、対話するように使い方を覚えられるのが特徴です。ただ、箕輪さんの投稿が面白いのは、このツール名の話としてではなく、「技術を覚える」ことと「欲しいものを思いつく」ことは、まったく別の力だという指摘のほうにあります。

私自身、この投稿を読んだとき、真っ先に思い出したのは自分がAI経営を始めた頃のことでした。最初の数ヶ月は「AIに何ができるか」を覚えることに必死で、操作を一つ覚えるたびに満足していた時期があります。でも、しばらく経つと気づくんです。操作を覚えることと、事業が前に進むことは、別のスピードで動いている。操作は誰でも同じように覚えられるけれど、「それを使って何をしたいか」は、自分にしか答えが出せない問いだったんです。

なぜ「技術力」より「発想力」の差が開くのか

技術の差は縮み発想の差は開くことを示す図解

箕輪さんは投稿の中で、これをSNS発信に例えていました。SNSに慣れていない人は「何を投稿すればいいかわからない」と言うけれど、初期から毎日発信してきた人は、目に入るものすべてがネタになる。才能ではなく、続けてきたことで脳の回路が変わっている、という指摘です。

これは私の実感とも一致します。AIを触る技術のハードルは、この数年で驚くほど下がりました。指示の出し方も、日本語で普通に話しかければ通じるようになってきています。だとすると、これから差がつくのは「操作できるかどうか」ではなく、「そもそも何を作らせたいかを思いつけるかどうか」です。技術は誰でも同じスピードで追いつけますが、発想は積み重ねた分だけ差が開いていく。ここに気づいている人と気づいていない人で、これから数年の伸び方がまったく変わってくると思っています。

以前「52万発言の『カルピス原液』でAIが分身になる|AI共創OSの中身を初公開」という記事で書いたんですが、私はここ数年、朝LIVEや会議で話した言葉を52万発言分、ずっと蓄積してきました。これも技術というより、「自分の言葉を後で使えるようにしておきたい」という発想が先にあって、それをAIに実装させた結果です。技術は後からついてきます。同じことは「AIはどれも『器』、9割は自分の原液だった|Fable5・Codex・Grokの使い分け術」でも書きました。どのAIツールを使うかより、その器に何を注ぐかを先に決めておかないと、いくら性能のいいAIを使っても、出てくるものは薄っぺらいままなんです。

これは、今後さらに顕著になっていくと私は見ています。AIの性能が上がるほど、「使いこなせる人」と「使いこなせない人」の技術的な差はむしろ縮まっていきます。指示の出し方が多少下手でも、AI側が汲み取ってくれる時代になってきているからです。その代わり、「そもそも何を頼むか」を思いつけない人と、次々に思いつける人の差は、技術の差以上に開いていく。これは脅しではなく、私自身が日々の経営の中で肌で感じていることです。

比較:2つの投稿と、私が実際にやったこと

思いつく道具の中身は人によって違うことを示す図解

箕輪さんの投稿と、私が実際に体験したことを並べてみると、同じ構造をしていることがわかります。

もう一つ、時期の近い比較もあります。同じ週に、海外の開発者Lunarさん(@LunarResearcher)の投稿が流れてきました。「Claudeを42個のスキルで7部署(開発・デザイン・マーケティング・SNS運用・財務・スモールビジネス・法務)に分け、従業員ゼロの会社を作った」という内容で、こちらも大きな反響を呼んでいました。

Lunarさんの投稿より(X・和訳)

Claudeを一つの会社全体に変えました。42のスキル。7つの部署。1つのモデル。0人の従業員。すべての部署は本物です。すべてのスキルはインストール可能です。プロンプトではありません。ラッパーではありません。一つのモデルで稼働する完全なAI企業です。

出典: Lunarさんの投稿(X)

これも「技術で会社を作った」自慢に見えて、実は「どんな部署が欲しいかを思いつく力」の話だと私は読みました。私が作りたいのは、人を減らすための無人化ではなく、家事や子育てを抱えた一人社長が、人間らしく生きる時間を取り戻すための無人化です。同じ「AIで会社を作る」でも、思いつく道具の中身は人によって全然違う。ここが技術力の差ではなく、発想力の差だと思うんです。

正直な現在地——私も最初から見えていたわけじゃない

モヤモヤが言葉になった瞬間を示す図解

ここは正直に書きます。私は最初から「分身AI共創OSを作りたい」という完成形が見えていたわけではありませんでした。

7月16日、私はAI秘書にこう言いました。「マルモクラウドと今のAI共創OSを参考に新規で独自開発はできるかな? 分身AIを作り育てるAI秘書を通じて分身AIとAIカンパニーが動的生成され日々成長するccBoosterのコア機能のはいった分身AI共創OSとして。UIは初心者向けにして拡張性は無限大」。ここで言う「マルモクラウド」は、正確にはMulmoClaude(receptron社が公開しているオープンソースのマルチモーダルClaude Codeクライアント)のことです。Claude Codeを使って自分専用のAIアシスタントを手元のPCで育てる仕組みで、会計システムや個人用ウィキまで動くAIネイティブなアプリケーション基盤になっています。この一言は、何もないところから出てきたわけではなく、他社の実装(MulmoClaude)を見て初めて、自分の中でくすぶっていたモヤモヤが「あ、これが欲しかったんだ」と言葉になった瞬間でした。

これは、以前「AIエージェントは増やすほど止まる|一人社長のための『役割・決定・検証』設計図」という記事で書いた失敗とも地続きです。あのときの私は、同じ役割のAIを3体並べて「メタ矛盾」を起こしました。原因を振り返ると、「並列で動かしたい」という技術的な発想が先にあって、「何のためにそれをやりたいのか」という欲しいものの輪郭がまだぼんやりしていたんです。技術を先に触っても、欲しいものが曖昧なままだと、結局同じ失敗を繰り返します。

もう一つ正直に言うと、「欲しい道具を思いつく」ことができても、それをすぐに完成形として作れるわけではありません。7月16日の構想も、まだ動くものにはなっていません。以前「ClaudeとObsidianでセカンドブレインは15分で作れる。でも9ヶ月運用して分かった本当の壁」という記事でも書いたんですが、「作れた」と「使い続けられる」の間には、想像以上の距離があります。だからこそ、「思いつく力」の次に必要なのは、それを小さく試して、育てていく忍耐力なんだと思っています。「思いつく力」は、机の前でじっと考えて鍛えられるものではなく、他人の実装や他人の道具を見て、「これは違う、私が欲しいのはこっちだ」という比較の中でしか磨かれない——これが、今の私の正直な結論です。

これはエンジニアだけの話じゃない

包丁より今日の献立を示す惣菜屋の厨房の図解

ここまで読んで「Claude Codeを触らない人には関係ない話」と感じた方もいると思います。でも、この話はツールを使うか使わないかとは別のところにあります。

以前「AIソロプレナーとは?LINEヤフー前会長も動いた『社長無人化計画』の本質」という記事でも書いたんですが、AIに仕事を渡していくと、最後に人間に残るのは「何をしたいか」「誰に頼むか」「何を良しとするか」という意思の部分です。作業を渡せば渡すほど、実は「欲しいものを思いつく力」の比重が増えていく。これはエンジニアだけでなく、家事と子育てをしながら経営している私のような一人社長にこそ、切実な話だと思っています。

これは非エンジニアの経営者にも同じ壁があります。以前「社員200人が1か月で『自作アプリをデプロイ』——グッドパッチ土屋社長に学ぶ、非エンジニア中心組織でAIを根付かせる号令のかけ方」という記事で紹介したグッドパッチ社の事例でも、社員がAIツールの操作を覚えること自体はそれほど時間がかかっていませんでした。時間がかかったのは、「自分の業務のどこを、どんな形でアプリにしたいか」を言葉にする部分だったそうです。

料理で言うと

包丁の使い方が上手いだけでは、美味しい惣菜は作れません。「今日は何を作りたいか」というメニューの発想がなければ、どれだけ包丁が速く動いても、冷蔵庫の中身をただ切り刻むだけで終わってしまいます。AIという包丁の性能は、この数年でものすごく上がりました。だからこそ、次に磨くべきは「今日の献立を思いつく力」のほうなんです。

私は元々、惣菜屋の店主でした。惣菜作りも、包丁さばきや火加減の技術だけでは商売になりません。「今日はどんな惣菜がお客さんに喜ばれるか」を毎日考え続けたから、リピートしてもらえる店になりました。AI経営も同じで、技術を磨く時間と同じくらい、あるいはそれ以上に、「何を作りたいか」を考える時間を確保することが、遠回りに見えて一番の近道だと思っています。

今日から始められる3ステップ

我慢しない他人を見る技術は最後の3ステップを示す図解

「発想力を鍛える」と言われても、抽象的でどう始めればいいかわかりにくいと思います。私自身がやって効果があった、小さな3ステップを紹介します。

今日から試せる3ステップ

ステップ1(我慢しない): 日常で「これ、ちょっと面倒だな」と感じた瞬間を我慢せずメモする。私は52万発言のうち、かなりの部分がこの「面倒だな」の言語化から始まっています。頭の中で流してしまうと、二度と同じ強さでは思い出せません。
ステップ2(他人の実装を見る): 自分で作る前に、他人がすでに作ったものを見る。7月16日の私の一言も、MulmoClaudeという他社の実装を見たから出てきました。ゼロから発想する必要はなく、「これは近いけど、ここが違う」の比較から言葉にするほうが、実は早く、そして具体的になります。
ステップ3(技術は最後): 欲しいものの輪郭が見えてから、初めて「どう作るか」を考える。技術を先に学んでから欲しいものを探すと、以前書いた「メタ矛盾」のように、技術先行の失敗を繰り返しやすくなります。順番を間違えると、せっかく覚えた技術が空回りしてしまうんです。

この順番を守るだけで、AIに何を頼むかがずいぶんクリアになります。私自身、この3ステップを意識するようになってから、AI秘書に投げる指示の中身が変わりました。以前は「これをやっておいて」という作業の依頼が中心でしたが、最近は「こういうモヤモヤがあるんだけど、近い実装ってある?」という、欲しいものを探すための依頼が増えています。これは、技術の使い方を覚えたからではなく、順番を意識的に変えた結果だと思っています。

今日のまとめ

道具の使い方より先に、欲しい道具を思いつける頭になる——これが今日いちばん伝えたいことです。技術の差はこれから縮まっていきます。差がつくのは、面倒だと感じた瞬間を逃さず、他人の実装と比べながら、自分だけの「欲しいもの」を言葉にできるかどうかです。

よくある質問

よくある質問を示す吹き出しの図解

FAQ よくある質問

Q. 箕輪厚介さんって誰?
出版プロデューサー・実業家。編集者としてキャリアをスタートし、著書の企画・プロデュース業や複数の事業を手がける発信者として知られている。今回引用した投稿は、本人のX(旧Twitter)アカウントで2026年7月21日に発信されたもの。
Q. Claude Codeを触ったことがなくても、この話は関係ある?
関係あります。今回の話の本質は「ツールの操作方法」ではなく、「何が欲しいかを思いつく力」のほうです。この力は、AIツールを触っていない人にも同じように必要になります。
Q. 「欲しい道具を思いつく力」は、才能がないと無理?
才能というより習慣だと私は思っています。箕輪さんも「毎日発信してきたことで脳の回路が変わった」と書いていて、私自身も52万発言を積み重ねてきたことで、日常の面倒がそのままアイデアに変わる回路ができました。続けることで育つ力です。
Q. 「マルモクラウド」って何?
MulmoClaudeという、receptron社が公開しているオープンソースのマルチモーダルClaude Codeクライアントのことです。手元のPCでClaude Codeを使い自分専用のAIアシスタントを育てる仕組みで、会計システムや個人用ウィキまで動くAIネイティブなアプリケーション基盤になっています。私は自分のOSをゼロから空想するのではなく、こうした既存の実装を実際に見ることで、自分が本当に欲しいものの輪郭を掴むきっかけにしています。
Q. 発想力を鍛えるのに、特別なツールは必要?
必要ありません。私が今回書いたステップも、メモとAIへの一言だけで始められます。大事なのは、面倒だと感じた瞬間を逃さずに言葉にしておくことで、道具はあとからついてくるものだと考えています。

COLUMN ひろくんのコラム:道具を思いつく目的を見失わないために

「癌より家事と子育てしながらAIで一人社長で経営」という、少し前に自分で口にした言葉があります。文章も社長無人化計画も、人間らしくワクワク夢中でありのまま、俺らしくして——そう自分に言い聞かせたのは、無人化や効率化そのものが目的になっていないか、時々立ち止まって確認したかったからです。「欲しい道具を思いつく力」の話も、油断するとすぐに「便利な道具をたくさん作ること」にすり替わってしまいます。私が本当に欲しいのは、道具の数ではなく、家事や子育てをしながらでも夢中でいられる時間そのものです。道具を思いつくときは、いつもこの原点に戻るようにしています。

がんの手術を経験してから、私は「時間が有限である」ことを、頭ではなく体で理解するようになりました。だからこそ、道具を思いつく力を鍛える目的も、「もっと稼ぐため」「もっと効率化するため」だけには絞りたくないんです。子どもと過ごす時間、家事をする時間、そのままでいられる時間を守るために、AIという道具を使う。この優先順位を間違えなければ、思いついた道具は、きっと自分を追い詰めるものにはならないはずだと信じています。

残った問い

私が7月16日に言葉にした「分身AI共創OS」も、まだ構想の段階です。次に自分の手で小さく作り始めたとき、この「思いつく力」が本当に道具として形になるのか。次の記事で、この続きを書きます。

🤖 AI生成コンテンツについて

この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。

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