『無意識のすごい見える化』梯谷幸司の要約と書評を全6章で読む

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。

今回読むのは、梯谷幸司さんの『無意識のすごい見える化 「脳内の親」から解放されれば未来は思い通り!』(KADOKAWA・2021年)です。

手元の資料では、この本を選んだ理由を確かめられません。なので、理由は作りません。

今回の入口は、「ちゃんとしなきゃ」のような言葉です。「親が原因か」を決めたいわけではないんです。以前の問答で私は、「恥ずかしい、ちゃんとしなきゃ、普通でありたい」と答えました。そういう言葉を、今どう読み直せるのか。そこから読みます。

あなたにも、親のことを聞かれて言葉に詰まる感じはありませんか?著者は、まさにその質問から本を始めています。

今回読む入口の札と、開いたノートに書かれたちゃんとしなきゃ、普通でありたいの札、その先に今どう読み直せるのかの札を置いた図
図1|今回読む入口の札と、開いたノートに書かれたちゃんとしなきゃ、普通でありたいの札、その先に今どう読み直せるのかの札を置いた図

3行でわかるポイント

  • 著者は行動の癖を12の対で説明し、その出所を、親をどう受け止めたかという「脳内の親」に置きます。
  • 親の視点から先に入る順番と「べき」の書き出しは、自分の基準を見る道具として借りられます。
  • 病気や虐待を思い込みから語る説明は採りません。想像のワークは、現実の親や過去の事実を変える保証にもなりません。

無意識のすごい見える化 「脳内の親」から解放されれば未来は思い通り!

梯谷幸司 著/KADOKAWA/2021年7月26日発売/四六判224ページ

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梯谷幸司『無意識のすごい見える化』の表紙

無意識のすごい見える化

梯谷幸司 著

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『無意識のすごい見える化』の背骨は、親そのものより「親をどう受け止めたか」にある

見えないルール、12の対、脳内の親を一本の背骨でつなぎ、効く所は借り因果の断定は返すと示す図
図2|見えないルール、12の対、脳内の親を一本の背骨でつなぎ、効く所は借り因果の断定は返すと示す図

この本には一本の筋があります。

人の行動には、本人に見えないルールがある。そのルールをつくる意識の器を、著者はメタ無意識と呼びます。ルールは12の対で見える。出所をたどると、親に行き着く。ただし実在の親そのものより、その親を本人がどう受け止めたかが大きい。著者はこの受け止めを脳内の親と呼びます。

著者はこう言い切ります。「脳内の親が原因であるといえるのです。」

私はこの「原因」という言葉までは受け取りません。検証の方法が本文に示されていないからです。それでも、親を自分がどう受け止めてきたかを見直す道具としては、使える所があります。

だから今回の読み方は一つです。効く所は借り、因果の断定は返す。

章著者が語ること私の扱い
第1章行動の癖を12の対で見る札にせず、口癖を見直す道具にする
第2章脳は望みと逆に動く病気の説明は採らない。器の比喩は借りる
第3章親の受け止めが現実に表れる原因を一つに決めない
第4章親になりきって洗い出す順番と書き出しを借りる。答えを事実にしない
第5章親の人生から使命を探す被害に「必要だった」を当てない
第6章脳内の親を育て直す想像と現実を分ける

はじめに|著者は約8万人との相談から「親」という共通点を語る

約8万人の相談から共通点が親だとする著者の話を、経験談として読むことを示す図
図3|約8万人の相談から共通点が親だとする著者の話を、経験談として読むことを示す図

はじめには、短い質問で始まります。あなたは両親のことを、どう思っていますか。著者によると、ほとんどの人が即答できないそうです。

著者は約30年、コンサルタント、メンタルトレーナー、心理カウンセラーとして活動してきたと書きます。接した相談者は約8万人。その中で、悩みを抱える人の共通点が親だと気づいた、という流れです。

挙げられるのは大事件ではありません。帰宅するなりため息をつく親。何も言っていないのに、お金がないと話を遮る親。ありふれたやりとりです。虐待とまでは言えない小さな違和感こそ見落とされる、と著者は言います。

そして、脳や潜在意識は願望と逆に動く、という前提を置きます。お金で苦しむ親を嫌った人が、同じようにお金で苦しむ例が出てきます。

ここは著者の経験談として読みます。相談に来た人から見えた共通点で、悩みのない人と比べた調査ではありません。第2章では、同じ話を著者自身が仮説とも書いています。

受け取りたいのは、小さな言葉も残ることがある、という見方です。親を悪者にしなくても、ふり返っていい。ここは私もうなずけます。

全6章の要約と書評|12のメタプログラムから脳内の親の育て直しまで

全6章を目次の順に、本の中身と私の場合の二段で進むことを示す図
図4|全6章を目次の順に、本の中身と私の場合の二段で進むことを示す図

ここから全6章を、目次の順に見ていきます。各章は、先に本の中身をまとめます。そのあとに「私の場合」として、私がどう受け止めたかを書きます。

第1章 あなたの行動を決定づける12のメタプログラム

第1章は思い込みの話から始まります。著者が紹介するのは、ステレオタイプ脅威の実験です。社会の偏った見方を意識させると、女性や黒人のテストの点が下がった、という研究です。効果の大きさや再現性は、原典で確かめたい所です。

次に著者は、意識を層で説明します。表面に顕在意識。その下に潜在意識。さらに深い所にメタ無意識。最後の名前は著者の命名です。見えないルールをつくる器だと説明されます。

行動の癖は、次の12の対で整理されます。

  • ① 主体行動型/反映分析型:すぐ動くか、様子を見てから決めるか
  • ② 目的志向型/問題回避型:何かを得るためか、何かを避けるためか
  • ③ 他者基準/自分基準:評価を人に求めるか、自分で判断するか
  • ④ 過去基準/未来基準:「なぜ」で考えるか、「何のために」で考えるか
  • ⑤ プロセス型/オプション型:方法を与えられたいか、自分で編み出したいか
  • ⑥ 人間重視型/物質タスク重視型:途中の感覚を見るか、達成後の結果を見るか
  • ⑦ 目的基準/体験基準:最終的な目的に喜ぶか、楽しさや心地よさを目的にするか
  • ⑧ 悲観基準/楽観基準:問題を嫌なことと見るか、面白いと見るか
  • ⑨ 分離体験型/実体験型:外の権威で決めるか、自分の価値観で決めるか
  • ⑩ 義務/欲求:「やるべき」か「やりたい」か
  • ⑪ 限定的自我/絶対的自我:条件がそろわないとダメと思うか、そもそもOKと思うか
  • ⑫ 結果期待型/結果行動型:条件がそろったら動くか、そろえるために動くか

どれも本書の分類です。飲食店の例は分かりやすいです。客が戻るのを待つ社長と、客を呼び戻す側に立つ社長。ほぼ同じ内容でも、言葉の立ち位置が違います。著者は、本気の言葉なら脳が動くと説明します。脳を人のように語る比喩として読むのがよさそうです。

本書の分類である12の対を二列に並べ、正解は状況で変わると添えた図
図5|本書の分類である12の対を二列に並べ、正解は状況で変わると添えた図

⑪では、やることが60%で終わった日の言葉が出てきます。「これで完璧。残りの 40%は明日やるものだ」

著者は、正解は状況で変わると断ります。ただ事例では、片側が成功し、反対側が失敗する形で描かれます。有名選手の発言と競技結果を結ぶ話は、後付けの解釈です。ここは採りません。

注意したい所もあります。強制収容所の生還者が外の世界に目標を持っていた、という紹介から、著者は目的基準が生命力を強めると広げます。でもこれは、生き残った人だけを見た話です。亡くなった人に目的が足りなかった、という意味にしてはいけません。感染後の経過を楽観と結ぶ話も、受講者からの伝聞で統計がありません。

章の終わりで、著者は問います。その価値観は、どこから来たのか。答えは親だとして、第2章へ進みます。

私の場合|ワクワクを、結果から遠い側に置かない

12の対のうち、今回取り上げたいのは⑥と⑦です。楽しさやワクワク感を重視する型が、結果を逃した例の側に並んでいます。本書が結果から遠い側に置くワクワク。今回読むと、ここには違和感があります。

親として子どもを見る時の印は「ワクワクうずうず言われなくてもやってしまうこと」なんですよね。以前の問答で、親の働きかけが子どもの内側からのやりたい気持ちにつながっているかを何で見分けるか、と聞かれた時の答えです。

言われなくても、やってしまう。親の目から見れば、途中の気分だけの話ではありません。子どもが自分から動き出している姿です。だから今回の解釈として、私はワクワクと結果を一本の線の両端に置きたくないんです。

本書が結果から遠い側に置くワクワクと、親として子どもを見る時の印であるワクワクうずうず、言われなくてもやってしまうことを並べ、型で決めず言葉を見直すと示す図
図6|本書が結果から遠い側に置くワクワクと、親として子どもを見る時の印であるワクワクうずうず、言われなくてもやってしまうことを並べ、型で決めず言葉を見直すと示す図

もちろん、この分類が役に立つ場面はあります。「やるべき」と言っている自分に気づく。「何のために」と言い直してみる。それで見えるものはあります。ただ、札にして自分や人に貼ると、急に狭くなります。型で決めず、言葉を見直す。私の読み方はそれです。

子どもが挑戦してうまくいかなかった時、父親としてどう在りたいか。そう聞かれて、以前の私はこう答えました。「結果の捉え方のヒントを伝える。相対ではなく絶対感。」この「絶対感」を、ここで定義はしません。本書の絶対的自我と同じものとも扱いません。語が似ているだけで、つなげる根拠が手元にないからです。

著者の「これで完璧」から受け取るのは、できなかった分を消さず、次の目標へ置き直す所です。つぶやけば現実がつくられる、という説明までは受け取りません。

あなたの最近の口癖は、どうでしょう。「やるべき」と「やりたい」、どちらが多いですか?

第2章 脳は思ったことと逆に動く!「無意識のわな」がつくられるまで

第2章は研究の話から始まります。著者は東京大学大学院に助成金を納めて研究を依頼したと書きます。ラットの実験などから、報告が二つ届いたそうです。生き残りたいと強く思うと、脳が苦痛な記憶を保存する。報酬系を刺激すると、TNF-αが増える。依頼者が助成した研究で、論文名は本文にありません。

続いて、喜びを扱う報酬系と、苦痛を扱う苦痛系が説明されます。コルチゾールやアドレナリンが出るストレス状態を、著者は危機回避モードと呼びます。リラックスして喜びを感じる状態が成長モードです。

ここから話が大きく動きます。前向きな言葉の裏に恐怖や不安があると、状況が悪くなる。相談経験からそう見た著者は、脳は望みと逆に動く、という仮説を立てます。章が進むと、仮説はメカニズムという言い方に変わります。

二重拘束の話も出ます。ベイトソンが親子のコミュニケーションから示した概念を、著者は顕在意識と潜在意識の間へ広げます。早生まれの葛藤で自分を追い込んだ、著者自身の話も語られます。自分はバカだという信じ込みを肯定に変えたあと、独占販売の話が相次いだ体験も出てきます。因果は確かめられていません。

ここは線を引きます。著者は病気や事故まで、この仕組みで語ります。報酬系を正しく動かせばがんが消えるのではないか、という推測もあります。これは著者の仮説で、治療の根拠にはなりません。国立がん研究センターは、がんの発生には喫煙、飲酒、食生活、運動不足、太りすぎ痩せすぎ、感染などの要因が関係していると説明しています(それぞれのがんの発生要因)。思い込みが原因だと確定する材料は、この本にありません。治療の判断は主治医に相談してください。

生きたいと願うことを悪循環の入口のように語る所も、私は採りません。本人に会っていない段階で、手術の目的を推測した話も同じです。闘病中の人の願いを責める読み方にはしたくないんです。

ここは今回の解釈です。私の判断軸に、「暴力・差別・誹謗中傷を助長する仕事」はやらない、というものがあります。病気を本人の思いのせいにする説明をそのまま広めると、人を責める側に立ちかねない。だから採りません。

用語にも注意が要ります。本文はTNF-αを免疫細胞と書きますが、細胞ではなくサイトカインです(米国国立がん研究所の用語解説)。

章の最後は器の比喩です。同じ量のごはんでも、大きな丼と小ぶりの茶碗では印象が違う。「内容(現実)が同じでも、器(思考のクセ)を変えることで、脳の反応を変えることはできます。」

器を変える、という言い方は覚えやすいです。もちろん、これも著者の説明です。

同じ量のごはんを大きな丼と小ぶりの茶碗に盛り、器を変えると見え方が変わるという著者の比喩の図
図7|同じ量のごはんを大きな丼と小ぶりの茶碗に盛り、器を変えると見え方が変わるという著者の比喩の図

私の場合|反対の願いは、どちらかにまとめない

この章で受け取りにくいのは、脳が願いと逆に現実を集める、という説明です。ただ、一人の中に反対の願いが同時にあること自体は分かります。

以前の問答で、当時求めていた普通の姿を私はこう答えました。「ちゃんと学校もいって勉強も我慢してやって食事も制限して普通体型で常識ある子ども」。実際にそうできていた、という話ではありません。求めていた姿です。自分の体については「太ってて嫌だった人と違って目立つし」と答えています。

同じ問答の別の答えが、これです。「一方で目立ちたい褒められたい思いもあった」。

「太ってて嫌だった人と違って目立つし」と「一方で目立ちたい褒められたい思いもあった」。どちらも私の答えです。

形だけ見れば、著者の二重拘束に似ています。ただ、二重拘束は、これらの答えで私が使った言葉ではありません。著者はこの食い違いを脳の誤作動へつなげます。私は誤作動と呼びません。どちらか一方にまとめない。片方を消して、きれいな話にしない。両方あるまま置いておく。それが今の私の読み方です。

一つの輪郭の中に普通体型で常識ある子どもと目立ちたい褒められたいの札が並び、どちらか一方にまとめないと示す図
図8|一つの輪郭の中に普通体型で常識ある子どもと目立ちたい褒められたいの札が並び、どちらか一方にまとめないと示す図

器の比喩も、この形で借ります。現実をつくる話にはしません。同じ自分を、どの器に盛って見ているか。受け取り方の話です。目立ちたい自分を恥と見る器もあれば、そういう願いもあると見る器もある。中身は同じで、見え方だけが変わります。

あなたの中にも、反対の願いが並んでいませんか?片方を消さなくても、書き出すことはできます。

第3章 不都合な現実の根源はあなたの「脳内の親」の存在にある

第3章は、この本の中心に入ります。のべ8万人の症例研究として、著者はこう述べます。メタ無意識のパターンの大半は、胎内と幼少期の体験でできる。中でも親の影響が大きい。その親を本人がどう受け止めたかで左右される。症例研究の方法は、本文に示されていません。

例はお金の話です。貧乏になりたくないから働く人がいる。そこで、お金持ちになりたいと書き換える。それでもうまくいかない。なぜ貧乏が嫌なのかをたどると、親のようになりたくなかった、という感情が出てくる。著者は、ここを見落とすと脳が逆に動くと説明します。

続いて5件の事例が並びます。ケース1は、尽くす母への反発が、恋愛で重いと言われる形で出たという話。ケース2は、我慢強い父を嫌った経営者が、自分も我慢を強いられる状況をつくり、部下の凡ミスを誘発していたという話。ケース4は、偉大な父への憧れが成功直前の失敗を生むという話です。

ケース3と5は、がんの話です。父の愚痴を見て育った女性のがんの始まりを、仕事への思い込みに置く。過保護に育った女性の乳がんを、親の先入観に応える誤作動として語る。どちらも採りません。対照群も、追跡期間も、医療の併用状況も示されていないからです。

もう一つ気になる点があります。親のようになりたくない人にも、親のようになりたい人にも、同じ誤作動という説明が使われます。どんな結果にも当てはまる説明は、外れたことを確かめにくいんです。

それでも、読み進めると焦点が動きます。見出しは親を原因と呼びます。でも本文が見ているのは、実在の親よりも本人の解釈です。私が受け取るのは、この焦点の方です。

図では、3件を別々の列に分けました。ケース1は、恋愛で重いと言われる相談と、尽くす母への反発。ケース2は、我慢を強いられる経営と、我慢強い父への反発。ケース4は、成功直前の失敗と、偉大な父への憧れ。どの組み合わせも著者の見立てで、因果を確かめた話ではありません。

独立した3列の図。ケース1は恋愛で重いと言われると尽くす母への反発、ケース2は我慢を強いられる経営と我慢強い父への反発、ケース4は成功直前の失敗と偉大な父への憧れを示し、全体を著者の見立てと明記している
図9|独立した3列の図。ケース1は恋愛で重いと言われると尽くす母への反発、ケース2は我慢を強いられる経営と我慢強い父への反発、ケース4は成功直前の失敗と偉大な父への憧れを示し、全体を著者の見立てと明記している

私の場合|「感謝に変わる」は、私が私の経験に言う言葉

5つの事例は親を入口にします。読んでいると、原因を一つに決めたくなります。でも、私が自分の親について答えた言葉は、そういう形をしていません。

以前の問答で、私はまずこう答えました。「当時は全く理解できなかったけど、家族やビジネスをする中で選択肢が生まれなくなってくると逃げ場所がなくなり、結果的に家族が目の前のことに当たってしまうというのは、人間として当たり前のことであるし、そういった行動に出てしまったことも良くはないけれども、理解はできるようになった」。

この一文だけ読むと、理解はできる、でも良くはない、と二つに分けた話に見えます。問答でも、最初はAIがそう分けて受け取りました。私はその分け方を、同じ問答の中で直しています。

「いいか悪いかという」見方を、私はそこで「低次元」と言いました。そして続けたのが、「高次元のメタなところから見た時に、そのような機会も全て学びになり、感謝に変わる」です。

「良くはない」と答えた事実は消えません。前の一文は、前の一文として残ります。ただ、私の答えはそこで止まっていないんです。いいか悪いかを決める場所から離れて、同じ経験を上から見直す。私が語ったのは、その見方でした。

では、何への感謝なのか。次の答えは具体的でした。「逆に自分が暴力を振ったりしないように学べた」。さらにその次の答えでは、暴力を受けた経験について、「肉体的な痛み」だけでなく「心の痛みも理解できる」と言っています。

どちらも、親を評価する言葉ではありません。自分が暴力を振るわないこと。痛みを理解できること。私の側に残った学びの話です。

ここからは、今回この章を読んで考えたことです。著者は親への反発や憧れを、現実の失敗や誤作動の原因として語ります。私の答えがしているのは、原因探しではありません。親を裁いてもいません。親の行動を必要だったと片づけてもいません。起きたことを良かったと言い換えてもいません。

語っているのは、自分の経験から何を受け取ったかです。第3章の事例も、私はこの距離で読みます。親を原因に決めない。どんな結果も親で説明できる形には乗らない。事例の人がどう受け取るべきかも、私は決めません。

私の答えは、私が私の経験について答えた言葉です。取り消すものではありません。

この先も今回の解釈です。第2章で書いた判断軸は、ここでも同じです。私の言葉を、他の人の経験に当てはめません。「低次元」も、誰かの苦しみに高い低いを付ける言葉としては使いません。暴力や虐待を受けた人に、必要だった、感謝しなさい、許しなさいと言うつもりもありません。あなたに求めるものではありません。

私にとって学びと感謝になったことと、あなたの経験がどうなるかは別です。学びにならなくても、感謝できなくても、私はかまわないと思います。親をどう受け止めてきたかを見ることと、親を許すことは、別の作業です。

いいか悪いかという平らな地面から高次元のメタなところへ上る道の先に、全て学びになり、感謝に変わると自分が暴力を振ったりしないように学べたの札を置き、区切り線の外にあなたに求めるものではありませんと示す図
図10|いいか悪いかという平らな地面から高次元のメタなところへ上る道の先に、全て学びになり、感謝に変わると自分が暴力を振ったりしないように学べたの札を置き、区切り線の外にあなたに求めるものではありませんと示す図

第4章 「なりきりワーク」で脳内の親を洗い出す

第4章はワークの章です。目的ははっきりしています。現実の親の本心を知ることではありません。自分が親をどう解釈していたかを確かめることです。親が亡くなっていても、音信不通でもよいと著者は書きます。接点が少ない親についても、人から聞いたイメージを含めて両親分を行います。

順番にも理由があります。いきなり自分を掘ると、罪悪感や無力感でつらくなる。だから親の感情から先に入る。著者はそう説明します。

肩慣らしは、親を居酒屋のメニューにたとえることです。だし巻き卵なら、人当たりがよい。サイコロステーキなら、アグレッシブで目立ちたがり。たとえると、人柄が言葉になりやすいそうです。

本番は着ぐるみワークです。親の後ろ姿を思い描き、背中のファスナーから入る。目と耳を合わせて質問に答える。終わったら出て自分に戻る。入る親の姿は、子育て中の頃のイメージです。持ち物はノートとペンだけ。日常から離れた場所で、電子機器は切って行います。これは著者の手法です。

背中のファスナーから入り、目と耳を合わせて質問に答え、出て自分に戻る著者の手法を示す流れ図
図11|背中のファスナーから入り、目と耳を合わせて質問に答え、出て自分に戻る著者の手法を示す流れ図

質問は4段階です。STEP1で親の失敗、我慢、病気、頑張りを洗い出す。STEP2で、親が自分の人生を素晴らしいと感じていたかを考える。STEP3で16の感覚と、それに対する自分の思いを書く。STEP4で、自分の負の感情と親の状態を照らし合わせる。著者は「途中でしんどくなったら、休憩をはさみましょう。」とも書いています。途中で休憩してよい。この配慮は大事です。

後半は基準の話です。自分の中の「べき」から外れた時に、負の感情が生まれる。そこで、完璧であるべき、怒ってはいけない、といった基準をチェックし、分野別に親と自分を比べます。世界幸福度ランキングから日本とデンマークを比べる話もありますが、国民性の話に単純化しないで読みたい所です。

注意点も書いておきます。質問を繰り返すと記憶が出てくる、と著者は言います。ただ、子どもの頃の出来事を想像すると、それが起きたという確信が強まる場合があると報告した研究があります(Garryら、1996年)。いつもそうなる、という話ではありません。出てきた内容を事実認定に使わないでください。虐待や暴力の記憶がある人に、親へのなりきりを私は勧めません。無理に行わず、中断や専門家への相談を選んでください。

私の場合|言葉にならない時の、間接の入口を借りる

ここで書くのは、ワークの結果ではありません。読んで考えたことです。

以前の問答に、こんな答えがあります。「話したいけど誰にも話したくないし言語化もできていなかった。」

話したい。でも話したくない。その上、言葉もない。この状態の人に、さあ自分の話をしてくださいと言っても、言葉は出ないかもしれません。だから、親の視点から先に入る順番には理由があると思います。自分の正面から入らない。横の戸口から入る。そういう設計として受け取ります。

基準のチェックリストも、自分の答えと並べてみます。「恥ずかしい、ちゃんとしなきゃ、普通でありたい」「いつも他人の目を気にしていた」。どちらも以前の問答の答えです。

「ちゃんとしなきゃ」は、著者の言う「べき」の仲間に見えます。「普通でありたい」も、基準の一つとして書き出せそうです。チェック項目と照らす作業は、自分の基準を見る鏡になると思います。ただ、この基準の出所を、親の一言に結びつけることはしません。私の言葉としてここに置くだけです。

もう一つ分けたいことがあります。着ぐるみの中で出てくる答えは、親の事実ではありません。親の本心や出来事は確定しない。親の気持ちとして書いた一行は、推測のままです。そこを混ぜると、親についての新しい物語ができてしまいます。

中央の線の左に親の本心や出来事は確定しない、右に私の言葉としてちゃんとしなきゃ、普通でありたい、いつも他人の目を気にしていたを置く図
図12|中央の線の左に親の本心や出来事は確定しない、右に私の言葉としてちゃんとしなきゃ、普通でありたい、いつも他人の目を気にしていたを置く図

第5章 「親の人生のテーマ」を探究し現実を一気に変える

第5章は、著者の世界観がいちばん濃く出る章です。口癖を入れ替えるだけでは足りない、と著者は書きます。雑草の根が残っていれば、また生えてくる。脳内の親という根を、土ごと掘り返すようなものだという比喩です。

フランクルを引いて、問いの主語を変えます。「人生は、あなたに何を求めているのか?」自分が何を求めるかより、人生が何を求めているかを問う。フランクルの原典は別途確かめたい所です。

そのうえで、問題を3段階で捉えます。人間レベルは起きた現象を見る。脳レベルは信じ込みと出来事の関係を見る。神レベルは、その出来事にどんな目的と使命があったかを問う。これは著者の枠組みで、科学的な段階ではありません。

人生は、完成図のない付録付きの不定期刊行物にもたとえられます。ネガティブな出来事はパーツで、組み立てると思いがけないものができる。次に8分野で親の信じ込みを探り、親の人生のテーマを考えます。桃の種の比喩では、使命も環境も最初から組み込まれていると語られます。

著者は自分の話として、こづかいのない家で育ち、水晶を売って稼いだ体験を挙げ、貧乏が必要だったと振り返ります。最後は知識・直感・信じ込みの3段階です。架空のビジネスを言い切る練習で、信じ込みレベルへ導くと言います。願望が現実になる段階表としては、私は受け取りません。

人間レベル、脳レベル、神レベルの階段と、知識・直感・信じ込みの層を並べた著者の枠組みの図
図13|人間レベル、脳レベル、神レベルの階段と、知識・直感・信じ込みの層を並べた著者の枠組みの図

ここで、いちばん強く線を引きます。著者は虐待を受けた女性の事例で、本人の信じ込みが親の虐待や交際相手の暴力を脳に用意させた、という説明をします。親と離れて育った人の事例では、使命のためにそうなったとも語ります。私はこの説明を採りません。被害を、受けた人の思い込みのせいにはできません。こども家庭庁は、全てのこどもに適切な養育を受ける権利があり、児童虐待の防止は社会全体で取り組むべき課題だと説明しています(児童虐待防止対策)。責任は、加害行為をした側にあります。

退職後に膠原病の数値が正常に入った、という医師の事例も単一の話です。退職や治療の判断の根拠にしないでください。使命が最初から組み込まれているなら、第6章の未来は思い通りとどうつながるのか。その緊張も残ったままです。

私の場合|「失敗は成功」は、自分で踏み出した行動の話

この章が「必要だった」と語る範囲は、私には広すぎます。

子どもの挑戦について、以前の問答で私が答えた言葉に、「失敗は成功」があります。その中身は「行動したことによる経験」です。子どもが失敗したと思っている時に祝いたいものは「チャレンジした行動と勇気」と答えました。つまり、自分で踏み出した行動の話なんですよね。子どもに増やしたいものも「チャレンジする選択肢と自信」でした。失敗した直後に、親として出したい言葉は「おめでとう」です。

では、受けた被害、別れ、病気はどうか。ここからは今回の解釈です。同じ言葉は使えません。必要だったとは言わない。本人が選んで踏み出したものではないからです。以前の答えにこの線引きがあるわけではありません。受けた被害への線は、暴力を助長する仕事はしない、という判断軸から引きます。別れと病気への線は、その判断軸に書かれたものではありません。今回この章を読んだ私の解釈です。

太い境界線で二分した図。左の箱に自分で踏み出した行動を見出しとして小さな足跡を描き、失敗は成功、行動したことによる経験を吹き出しのカードで置く。右の箱に今回の解釈の札と開いた本を描き、受けた被害、別れ、病気を見出しとして、必要だったとは言わないを置く
図14|太い境界線で二分した図。左の箱に自分で踏み出した行動を見出しとして小さな足跡を描き、失敗は成功、行動したことによる経験を吹き出しのカードで置く。右の箱に今回の解釈の札と開いた本を描き、受けた被害、別れ、病気を見出しとして、必要だったとは言わないを置く

著者が水晶の話で、自分の貧しさに意味を見つけた。これは著者自身の人生の話として読みます。自分の経験に、自分で意味をつけることはできます。そこから他の人の傷へ使命を当てはめる話とは、分けて考えたいんです。

意味づけを渡す相手を間違えると、言葉は重い荷物になります。「その苦しみには意味がある」と人に言う前に、その人が自分でそう言ったかを見る。私が守りたいのは、その順番です。

あなたの中に、触りたくない出来事があるなら、意味を探さなくても大丈夫です。今週の小さな挑戦なら、結果がどうあれ祝える。私が借りるのは、そこからです。

第6章 「脳内の親」を育て直せば未来は常に思い通り

第6章は、遺伝だから仕方ない、という思い込みを外す話から始まります。メンデル、DNA、メチル化、テレビ番組の紹介と進み、運動でDNAスイッチが切り替わると述べます。ピアノの研究も出てきます。イメージ練習だけで、演奏技術と神経細胞の機能が向上したという実験です。著者は、言葉で概念をつかみ、絵で補強し、身体を動かして定着させる順番を勧めます。

脳内の親から卒業する手法も並びます。記憶の中で小学生に戻り、親に言い返す。巨人になって、ミニチュアの母へ言いたいことをぶつける。脳内の母を説得する。笑い飛ばせれば最高だとも書きます。

後半は、親の欠点を子が解決することが使命だ、という話です。脳内の親を育て直すと、現実の親も変わるとも述べます。偉人コーチングでは、シャネルやルーズベルトの言葉を親に投げかける見本が示されます。「偉人の言葉だけを借りて、あなた自身が自分目線でアドバイスをしてもかまいません。」親の知識やセルフイメージも、想像の中で組み立て直します。

最後は多世界解釈の紹介です。育て直した親に育てられた自分を想像し、記憶を上書きする。さらに、寿命を迎える自分から人生を振り返る。著者はこれを未来の記憶と呼びます。流れをまとめると、言葉・絵・身体で定着させ、偉人の言葉を借りる。親の新しい姿を想像する。未来から振り返る。どれも著者のワークです。

言葉・絵・身体、偉人の言葉を借りる、親の新しい姿を想像する、未来から振り返るという著者のワークの流れ図
図15|言葉・絵・身体、偉人の言葉を借りる、親の新しい姿を想像する、未来から振り返るという著者のワークの流れ図

ここは読み方に注意が要ります。現実の親の変化について、著者は超能力ではなく向き合い方の変化だと書きます。その一方で、ミラーニューロンを介して親の脳が子の印象を感じ取る、認知症の引き金ではないか、とも書きます。本の中で説明が揺れています。後者は著者の推測で、私は採りません。子どもの気持ちが親の病気を起こす、という読み方は家族を責めるだけです。

想像のワークは、自分の受け止めを変えるためのものです。現実の親や過去の事実が変わる保証にはなりません。メチル化、ピアノ、多世界解釈も、願望実現の証明にはなりません。発作が消えたという事例も、治療効果として受け取らないでください。症状があれば医療機関へ。現実の親と対決する勧めでもありません。暴力をふるった相手に会いに行く必要はありません。

私の場合|想像の育て直しと、現実の関わりを分ける

親を育て直す。言葉としては強いです。想像の中で、言えなかった言葉を言ってみる作業として読むなら、その意味は受け取れます。偉人の言葉を借りて第三者の目を入れるのも、一つの工夫です。

ただ、それは想像の中の話です。現実の親を変える話にはしません。親の脳が子の印象を感じ取って姿を合わせる、という説明も採りません。

親の側からこの章を読むと、私が大事にしたいのは別のことです。以前の問答で、どんな親子でありたいかを聞かれて、私は「お互いが干渉せずワクワク夢中に遊び探求するだけで自然と繋がる」と答えました。干渉しないことの中身は「愛があること。手放す委ねるありのまま。でも愛はある。」です。形にすると「安心安全な家庭の場と愛情込めた料理」でした。

著者は、親の欠点を解決する役割を子に置きます。ここは今回の解釈です。私はその役割を、子にも親にも置きたくありません。私の判断軸に、「全部やってあげます」は優しさじゃない、という言葉があります。仕事についての言葉ですが、今回はこの章を読む物差しに借ります。直そうとしない。でも、愛は置いておく。現実の関わりで大事にしたいのは、そちらです。

上に想像の中、下に現実の関わりを置き、お互いが干渉せず、でも愛はある、安心安全な家庭の場を下側に置いて線で分けた図
図16|上に想像の中、下に現実の関わりを置き、お互いが干渉せず、でも愛はある、安心安全な家庭の場を下側に置いて線で分けた図

想像の中で言葉を書くことと、現実の関わりの間には線を引きます。その線を矢印でつなぐと、想像したから親が変わる、という話に戻ってしまうからです。

未来を思い通りにする話より、そういう場が残っていることのほうが、今の私にはしっくりきます。書名の言葉は、書名として受け取ります。

おわりに|「無意識のわな」から抜ける話を、自分を責める言葉にしない

水で天ぷらの比喩から前提を疑うが、自分を責めるためではないと示す図
図17|水で天ぷらの比喩から前提を疑うが、自分を責めるためではないと示す図

おわりには、受講者の感想に続いて、印象に残る比喩が出てきます。「水で天ぷらを揚げよう!」という努力です。努力や運や勉強の前に、そもそもの前提が違っていないか。著者はそう問いかけます。

続いて、外の世界は意識の内側の投影だと述べます。自分を大切にすれば、周りも大切にしてくれる。最後はりんごの種です。種に木の情報があるように、自分の中に使命を生きる自分がいる、と結ばれます。

前提を疑う問いは、借りたいです。がんばっているのに動かない時、努力の量だけを責めなくていいからです。

ただ、外の出来事が全部内側の投影だとすると、困難の原因がその人に戻ってしまいます。被害も病気も、投影では説明しません。前提を疑うのは、自分を責めるためではない。そこだけは守って読みたいんです。

AI時代にこの本をどう読むか|AIの答えを、新しい「脳内の親」にしない

私の読み方|AIの案と、自分の基準を見分ける

全6章とおわりにまで読んだ上で、AI時代の話として読み替えたことを書きます。ここは全部、今回の解釈です。

この本の背骨は、親そのものより、親をどう受け止めたか、でした。私はこの形が、今はAIの答えにも重なると読みました。AIが案を出す。それを自分が「べき」として受け取る。案を基準に変えているのは、受け取る側なんですよね。この受け止めを、今回は「脳内のAI」と呼んでみます。

仮の例です。売上の相談をAIにして、「まず目標を立てるべきです」と返ってきたとします。筋は通っています。でも「何のために」を自分で言えないまま従えば、見えないルールの持ち主が、親からAIに替わっただけかもしれません。

読み替えたい所は2つあります。第1章の⑨は、外の権威で決めるか、自分の価値観で決めるか、の対でした。著者は、学説や専門家の名前を出して語ることを、外の権威の側の特徴に挙げます。今なら、その名前の所に「AIがこう言っていた」が入りそうです。

もう一つは第6章です。「偉人の言葉だけを借りて、あなた自身が自分目線でアドバイスをしてもかまいません。」借りるのは言葉で、目線は自分のまま。AIの言葉も、この形で借りたいんです。

私の判断軸に「AIに委ねて、人は積み減らして生き直す」があります。今回はこれを、基準の話としても読みました。AIの答えをそのまま基準にしたら、積み減らしたつもりで、「べき」が一つ増えるからです。

「人間は縦に掘る。AIは横に広げる」も同じです。AIが案を横に広げるほど、どれを自分の基準にするかを掘る役目は、人間の側に残ると思います。

判断軸では、「どのモデルか」より「原液が入っているか」を先に見ます。原液とは私の体験と判断軸のことで、そちらが主で、モデルは器です。どのAIの答えであっても、見たいのは、そこに私の原液が入っているかです。

AIを遠ざけたいわけではありません。判断軸にある分身AIは、「自分らしさを保ったまま拡張する」ものです。案に違和感が出たら、その違和感の側に、まだ言葉になっていない自分の基準があるかもしれません。同じAIの案が、基準をすり替えるものにも、基準に気づく鏡にもなる。分かれ目は受け止め方だと、今回は読みました。

だから、AIの案には「味見は卒業しない」を当てたいです。ズレに気づいたら、「ブレたら都度修正」で直す。委ねることと、基準まで明け渡すことは、分けておきたいんです。

図にすると、こうなります。「AIは横に広げる」所に案が並びます。そこから「味見」を通して、「原液が入っているか」を見ます。「人間は縦に掘る」の先にあるのが「私の基準」です。味見を通らない案は、「新しい「べき」にしない」の札の所で止めます。

横に広がるAIは横に広げるの札から、味見、原液が入っているかの札を通り、人間は縦に掘るの線の先にある私の基準の札へ進み、味見を通らない線の先に新しい「べき」にしないの札を置いた図
図18|横に広がるAIは横に広げるの札から、味見、原液が入っているかの札を通り、人間は縦に掘るの線の先にある私の基準の札へ進み、味見を通らない線の先に新しい「べき」にしないの札を置いた図

あなたが最近AIから受け取った言葉に、「べき」はありませんか?それは案のままですか?それとも、もう基準になっていますか?

無意識の「べき」を見える化する実践編|親の事実と自分の解釈を分けて書く

口癖を書き出す、事実・解釈・推測に分ける、何のために、小さな行動を一つ選ぶという実践の流れの図
図19|口癖を書き出す、事実・解釈・推測に分ける、何のために、小さな行動を一つ選ぶという実践の流れの図

ここからは、この本を読んで今日からできる形にまとめます。親になりきらなくてもできる部分だけを取り出しました。ノートに1ページで十分です。

  1. 口癖を書き出す。「〜べき」「〜しなきゃ」「普通は」を、思いつくだけ書きます。本のチェックリストを入口にしてもいいです。
  2. 事実・解釈・推測に分ける。親が実際に言ったと確かめられること。自分がそう受け取ったこと。親の本音の想像。一行ごとに印をつけます。親の本音は、推測のままにします。
  3. 反対の願いも書く。休みたい、の隣に、認められたい。片方を消さずに並べます。
  4. 「何のために」と言い直す。社長なら、売上を上げるべき、を、何のために上げたいのかと言い直します。著者は、べきの裏に不安がある様子を「アクセルとブレーキが同時に踏まれた状態」とたとえます。2か月で前年比2.4倍という話は単一の逸話として読み、言い直しの練習だけ借ります。答えが出なくても大丈夫です。
  5. 小さな行動を一つ選ぶ。今週、自分で踏み出せることを一つ。うまくいかなくても、踏み出した行動を祝います。

止める基準も書いておきます。苦しくなったら、そこで閉じてください。暴力や虐待の記憶が出てきそうな時は、親になりきるワークをしないでください。信頼できる人や専門家に相談する道があります。眠れない、発作が出るなど、体や心の症状がある時は医療機関が先です。

虐待かもと思ったら、児童相談所につながる189があります。匿名でも相談できます。18歳未満のこどもと保護者は、こども家庭庁の親子のための相談LINEも使えます(こども家庭庁の案内)。

親に直接ぶつける宿題ではありません。親に会いに行く必要もありません。ノートの中で、自分の言葉を見るだけです。

この記事をAIに読ませて、自分の環境で使う依頼文

下の枠をコピーして、いつも使っているAIに貼ってください。枠にこの記事のURLが入っているので、書き直しは要りません。AIが一問ずつあなたの状況を聞き、その環境で使える追加プロンプトを1〜3本返します。パスワードや人に言いたくない出来事は、入れなくて大丈夫です。

依頼文を開く
【記事のURL】 https://ai-kidou.jp/muishiki-mieruka-book-review/

最初に、上の記事のURLを読んでください。
読めなかったら「読めなかった」と伝え、下の【記事の要点】だけで進めてください。

【記事の要点】
・梯谷幸司さんの『無意識のすごい見える化』の要約と書評です。
・「べき」「しなきゃ」などの口癖を書き出し、事実・解釈・推測に分けて見直します。
・親の本音の想像は推測のままにします。
・病気や虐待を思い込みのせいにする説明は採りません。

【目的】
私が自分の口癖や基準を書き出して見直すことを、手伝ってください。

【やってよいこと】
・使っている環境(AIの種類、スマホかパソコンか、メモの場所)を一問ずつ聞く。
・一度に一問だけ、私の状況を聞く。
・記事の実践編を私の環境に合わせて整える。

【守ること】
・パスワードや秘密の情報、第三者の個人情報は聞かない。
・設定変更、削除、送信、購入は実行しない。確認と提案だけにする。
・心理診断をしない。親の内心を断定しない。
・治療や服薬など医療の判断をしない。症状の話が出たら医療機関への相談を勧める。
・過去の記憶を作らない。無理に思い出させない。
・虐待や暴力の話が出たら深掘りをやめ、専門の相談先を案内する。
・私がつらいと言ったら、すぐ止める。

【返す形】
1. 聞き終えたら、私の環境で使える追加プロンプトを1〜3本返す。
2. 追加プロンプトの先頭には毎回、次の行を入れる。
【記事のURL】 https://ai-kidou.jp/muishiki-mieruka-book-review/
3. 最後に、私が確かめることを短く書く。

『無意識のすごい見える化』と脳内の親についてのよくある質問

どんな本か、脳内の親とは、親を許さないと、AIに親の本音という質問の札が並ぶ図
図20|どんな本か、脳内の親とは、親を許さないと、AIに親の本音という質問の札が並ぶ図

『無意識のすごい見える化』はどんな本ですか?

梯谷幸司さんが、行動の癖を12の対で説明し、その出所を親の受け止めに置く本です。後半は、親になりきるワークと、想像で親を育て直すワークが続きます。

脳内の親とは何ですか?

実在の親そのものより、自分が親をどう受け止めてきたかを指す言葉です。本書の用語として読むのがよいと思います。

病気は思い込みが原因なのですか?

そう確定する根拠は、この本にはありません。私はこの説明を採りません。がんの発生要因は国立がん研究センターの説明を確かめてください。治療の判断は主治医に相談してください。

親を許さないと前に進めませんか?

そうは考えません。著者も、ワークの途中で親を許せるかどうかを入れると目的からずれると書いています。親の受け止めを見ることと、親を許すことは別です。

虐待を受けた記憶があっても、なりきりワークをしていいですか?

無理にしないでください。中断しても、やらなくてもかまいません。起きたことを、あなたの思い込みのせいにする必要はありません。つらい時は専門家や相談窓口を頼ってください。

AIに親の本音を聞いてもいいですか?

親の内心は、AIにも分かりません。出てくるのは推測です。AIは書き出しの整理に使ってください。記憶の穴埋めや医療の判断はさせないでください。

『無意識のすごい見える化』の要約まとめ|親の受け止めを見直す道具として借りる

借りたいのは言葉を見直す道具、返すのは因果の断定という二つの盆と、ノートに一行を示す図
図21|借りたいのは言葉を見直す道具、返すのは因果の断定という二つの盆と、ノートに一行を示す図

この本は、行動の癖を12の対で見せ、その出所を脳内の親に置き、親になりきって洗い出し、想像で育て直す本です。

借りたいのは、言葉を見直す道具です。親の視点から入る順番。「べき」の書き出し。器の比喩。途中で休んでいいという配慮。

返すのは、因果の断定です。病気を思い込みから語る説明。被害に「必要だった」を当てる説明。子どもの気持ちが親の病気を起こすという説明。想像で現実の親が変わるという話。

あなたが最初にやるなら、ノートに一行です。最近言った「べき」を書く。その横に、事実か解釈か推測かを書く。そこから始められます。

梯谷幸司『無意識のすごい見える化』の表紙

無意識のすごい見える化

気になった章から、手に取って確かめてみてください。

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話したくない気持ちも、その人のものとして残す

この本に重ねて、今回並べて読みたい自分の言葉があります。一つは「話したいけど誰にも話したくないし言語化もできていなかった。」です。

短髪で丸い細い金属メガネ、口ひげと顎ひげのある本人が、二枚の札と湯気の立つ料理の形を静かに見ている図
図22|短髪で丸い細い金属メガネ、口ひげと顎ひげのある本人が、二枚の札と湯気の立つ料理の形を静かに見ている図

もう一つは「愛があること。手放す委ねるありのまま。でも愛はある。」です。

どちらも以前の問答の答えです。別々の問いへの答えで、並びに時間の流れはありません。前の言葉が後の言葉を生んだ、という物語も作りません。

それでも今回は、並べて読みます。

話したいのに、話したくない人がいる。その人に何ができるのか。この本は質問を重ねて掘り起こします。親の側から入る工夫もあります。自分の正面から入らずに済むので、その工夫は借りたいです。ただ、掘ることを急がせたくはありません。話したくない気持ちも、その人のものだからです。

聞き出さない。でも、愛はある。私は、この二つを一緒に置きたいんです。放っておくこととは違います。そこに愛があるかどうかです。

形にすると何か。私の答えは「安心安全な家庭の場と愛情込めた料理」でした。どちらも、相手の心の中を掘らなくても置いておけるものです。言葉が出るまでの間に残せるものとして、今回読み直しています。

あなたの中に、まだ言葉にならないものがあるなら、今日無理に出さなくていいです。書けそうな日に、一行だけ書いてみてください。

分身AIと過ごした最初の100日の記録は、分身AIと歩んだ100日の全まとめにあります。分身AIについては、分身AI.comにまとめています。

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