ネタ切れに悩んだら、自分の経験を三行にして動画・記事・本へ編集する

マーケティング図解 第5回
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
毎日発信しようと決めると、次に来るのが「今日は何を書こう」って悩みです。
投稿欄を開いて、ネタを探す。ニュースを見て、人の投稿を見て、昨日と違う話を考える。一人で発信を担っている経営者なら、覚えのある場面かもしれません。
今回は、その探し方を変える話です。外にネタを探す前に、自分が困って、試して、分かったことを一つ取り出す。それを届けたい相手に合わせて、動画・記事・本へ編集します。
持ち帰ってほしいこと
最近、人に説明した経験を一つ選んで、「困ったこと・試したこと・分かったこと」の三行にするワークです。誰に届けるかを一行で決めて、動画は要点、記事は手順、本は学ぶ順番に書き分けます。編集はAIに手伝ってもらい、経験と事実の確認は自分が持ちます。

記事の中の記入例は、書き方を見せるための例です。私や特定の方の実際の出来事ではありません。媒体を増やせば反応や売上が増える、と約束する記事でもありません。
毎日の発信を、ネタ探しから始めていませんか

発信のネタを、毎日外に探しに行く。これをくり返していると、ネタ切れの心配がずっと続きます。
ネタ切れに悩んだら、探す場所を、外から自分の経験に移してみます。自分が困って、試して、分かったこと。これなら、毎日のネタ探しとは違って、手元にもう材料があります。
うまくいかなかったことも、そのまま材料になります。
私は「悪いことこそ宝物」という言葉を大事にしています。失敗も成功も隠さずに出す。つまずいた場面は、同じところで困っている人にとって、いちばん知りたい部分かもしれません。
自分の経験から始めるのは、外の話題で人と競うためではありません。自分にしか書けないところから書くためです。
一つの経験を、困った・試した・分かったの三行にする


まず、経験を一つ選びます。大きな成功談はいりません。
選ぶ目安は、最近、人に説明したことです。人に聞かれて説明したことは、相手が困っていたことでもあります。そして、自分が一度言葉にしたことでもある。私は「教えることで学ぶ」と考えていて、説明した経験は、自分の理解も深めてくれます。
選んだら、次の欄に書きます。
経験の記録シート
困ったこと:________ 試したこと:________ 分かったこと:________ うまくいかなかったこと(あれば):________
記入例(書き方を見せるための例です。実際の出来事ではありません)
困ったこと:お知らせのメールを書くたびに、書き出しで手が止まる 試したこと:前に送ったメールを読み返して、止まった場所に印をつけた 分かったこと:何を書くかより先に、誰に送るかが決まっていなかった うまくいかなかったこと:先に文章の型を探したが、相手が決まらないままでは書けなかった
書くときに守ることは一つです。やっていないことは書かない。
「試したこと」の欄に、試していないことを入れない。分かったことが小さくても、そのまま書きます。小さく書いたものほど、あとでAIに編集を頼むときの確かな材料になります。
誰の困りごとに届けるかを、場面で一行に決める

三行ができたら、次は届ける相手です。
相手は、同じところで困っている人。言いかえると、その経験をする前の自分に近い人って考えると分かりやすいかな、と思います。
相手を「経営者」「初心者」とだけ書くと、何を伝えればいいかが決まりません。年齢や肩書きより先に、困っている場面で書きます。第3回の年齢より先に、困っている場面を一行で書く話と同じ考え方です。
届ける相手を決める問い
・この経験をする前の自分は、どこで止まっていたか ・その場面にいる人は、どんなときに困っているか ・その人が最初に知りたいことは何か
記入例(上の例の続きです)
止まっていた場所:お知らせのメールの書き出し 届ける相手:一人でお店の案内を書いていて、書き出しで手が止まる人 最初に知りたいこと:書く前に、何を決めればいいか
相手が決まると、書かなくていいことも見えてきます。その人が今知りたいことを、先に出せばいいんです。
動画は要点、記事は手順、本は学ぶ順番に編集する


同じ記録、同じ相手でも、媒体によって伝えることを変えます。
| 媒体 | 伝えること | 記録から使うところ |
|---|---|---|
| 短い動画 | 解決の要点を一つ | 「分かったこと」 |
| ブログ記事 | 試せる手順と、つまずいたところ | 「試したこと」「うまくいかなかったこと」 |
| 本 | 順番に学べる流れ | いくつかの記録を、学ぶ順に並べ直す |
動画では、見た人が一つ持ち帰れれば十分です。手順を全部入れようとすると、要点が見えなくなります。
記事では、読んだ人が自分で試せるように手順を書きます。つまずいたところも残す。カッコつけずに、泥臭い部分も見せる。私が大事にしている「プロセスエコノミー」の考え方です。
本では、一つの記録だけでは足りません。いくつかの記録を、学ぶ人がつまずかない順番に並べ直します。
この連載も、この形で作っています。マーケティングの解説を図解動画にして、ブログやKindleの本にストックしたい。そう考えて始めました。動画と記事は公開してきましたが、Kindleの本はまだできていません。これからです。
媒体の数を増やすこと自体は、成果にしません。三つそろえても、届ける相手がずれていたら、その人には届かないからです。
媒体ごとの書き分けシート
動画で見せる要点(一つ):________ 記事に書く手順:________ 記事に残すつまずき:________ 本で置く順番(前に学ぶこと→この記録→次に学ぶこと):________
記入例(上の例の続きです)
動画で見せる要点:書く前に、送る相手を一行で決める 記事に書く手順:前のメールを読み返す→止まった場所に印をつける→送る相手を一行書く→書き出す 記事に残すつまずき:先に文章の型を探して、書けなかったこと 本で置く順番:相手を決める→伝えることを一つにする→書き出す
AIには編集を頼み、経験と判断は自分が持つ


ここで、AIに手伝ってもらいます。
人間は縦に掘る。AIは横に広げる。私はそう分けて考えています。
自分の経験を掘るのは、人間の仕事です。三行の記録を、動画・記事・本の形に広げて組み直すのは、AIに頼めるところです。
| AIに頼むこと | 自分が持つこと |
|---|---|
| 記録を、媒体ごとの形に組み直す | 何を経験したか |
| 見出しや順番の案を出す | 誰に届けるか |
| 足りない情報を、質問の形で出す | 書いてあることが本当か確かめる |
頼むときは、たとえばこう書きます。
次の経験の記録を、短い動画・ブログ記事・本の一章の形に編集する案を出してください。 記録: 困ったこと:[自分の言葉で] 試したこと:[実際にやったことだけ] 分かったこと:[小さくてもそのまま] うまくいかなかったこと:[あれば] 届ける相手:[困っている場面で一行] 出してほしいもの: ・短い動画で伝える要点を一つ ・ブログ記事の手順と見出し案、つまずいたところを書く場所 ・本の一章にするときの順番(この前に学ぶこと、この後に学ぶこと) ・記録だけでは足りない情報があれば、私への質問として やらないでほしいこと: ・記録にない体験、成果、数字、お客さんの声を足さないこと ・結果を約束する言い方をしないこと
返ってきた案は、そのまま出さずに読み返します。見るところは、自分が試していない成功談が混ざっていないか、です。
AIは話をきれいにまとめてくれます。その分、やっていないことまで「やった」って形で書くことがあるんです。記録の欄にないことが出てきたら、消すか、自分で確かめてから残します。
経験まで作ってもらうのではなく、編集を手伝ってもらう。ここを分けておけば、AIに任せるところが増えても、中身は自分の経験のままです。「自動化」ではなく「分身化」。自分らしさを保ったまま広げる、というのが私の考え方です。
最近、人に説明したことを一つ選んで一本にするワーク

ここまでを、一枚のワークにまとめます。
今日のワーク
①最近、人に説明したことを一つ選ぶ:________ ②困ったこと・試したこと・分かったことを書く:________ ③届ける相手を、困っている場面で一行書く:________ ④動画・記事・本のうち、最初に作る一つを選ぶ:________ ⑤AIに編集案を頼み、記録にないことが混ざっていないか確かめる
最初から全部の媒体をそろえなくて大丈夫です。まず一本!
「完璧より完了」も、私が大事にしている言葉です。一本出してみて、そこで気づいたことや、つまずいたことを、また次の記録にします。次にネタに悩んだら、まずその記録を開いてみてください。
よくある質問
小さな経験でも、発信の材料になりますか?
なります。大きさより、困っていた場面がはっきり書けているかを見ます。同じ場面にいる人には、小さな一歩の話が役に立つことがあります。
うまくいかなかった話は、出した方がいいですか?
出すかどうかは、自分で決めて構いません。出すときは、つまずいたところと、そこから分かったことを並べて書きます。
AIに全部書いてもらってはいけませんか?
編集は任せられます。経験の中身と、書いてあることが本当かの確認は自分でします。記録にない体験や成果が混ざっていないか、読み返してから出します。
動画・記事・本を、全部作らないといけませんか?
いいえ。まず一つで大丈夫です。媒体の数ではなく、届ける相手に合っているかを先に見ます。