
WATCH REPORT
Grok Bot AI社員を何体も雇う前に、仕事ごとの持ち主を一人決める理由
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、Grok Bot の更新を、動画2本と X の投稿2件を並べて読んでいくね。
今回は1本の動画ではなく、4つの元から読みます。テーマは、Grok Bot で AI社員を何体も持つ時に何を決めるかです。軸は Peter Yang さんの更新紹介の動画です。作ったチームの Pen さんと Lauren さんの対談、林 駿甫さんと Alex Finn さんの X の投稿を添えます。
Peter さんは、日程調整のメールを毎回の承認なしで進めてほしいと話します。Lauren さんは、出張の予約を押す前に確認して、と頼みます。同じ道具でも、頼む仕事が違えば前提が変わります。
SPEAKERS
Peter Yang さんと、Grok Bot を作った人・使う人
軸は、Peter Yang さんが自分の Grok Bot の画面を見せながら一人で話す英語の動画です(約21分)。Grok Bot の大きな更新を3つ紹介しています。
あわせて読んだのは、Peter さんが聞き手になり、Grok Bot を作ったチームの Pen さんと Lauren さんが自分のボットを見せる対談(約45分)と、林 駿甫さん(@The_AGI_WAY)と Alex Finn さん(@AlexFinn)の X の投稿です。
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ボットを役割ごとに何体も作る。すると、AI社員がそろったように見えます。名前と仕事を書けば、社員の名簿のようです。では、何体も持てば本当に雇ったことになるのでしょうか。
Peter Yang さんは、役割ごとにボットを分けて使っています。サポート、YouTube の制作の下調べ、週末の計画、健康のコーチなどです。単位はチャットのスレッドではありません。ボットとペルソナだという話です。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・18:15〜)
it really does feel like hiring employees to work for you
仕事ごとに担当がいます。一つずつ持ち場を受け持つ。Peter さんの言葉では、従業員を雇っているという感覚です。
林 駿甫さんの投稿は、役割の分け方を書いています。営業、調査、開発、経理のように分ける。見た目は AI社員を何人も雇ったようになる、と林さんは書きます。
林 駿甫さんの X の投稿(投稿を開く)
裏側では複数のBotが同じクラウドPC、ブラウザのログイン状態、認証情報、ローカルPCへの接続権限を共有する部分がある。
Bot を分けても、別の社員として隔離されたわけではありません。欲しいのは、Bot を分けたら仕事場と鍵も分けられる機能です。林さんはそう書きます。
指揮の形から入るのが、Alex Finn さんの投稿です。いくつか並ぶコツの1つ目は、最初のボットの置き方です。
Alex Finn さんの X の投稿(投稿を開く)
Make your first bot a CEO. Then make all your other bots workers the CEO delegates to.
Lauren さんの発言(Grok Bot を作った2人の対談・26:12〜)
never do work on your own and always uh delegate to those four bots.
最初のボットを CEO にして、仕事を通す。Alex さんが勧める形です。作った側の Lauren さんは、長のボットに4体へ振らせています。
Alex さんも Lauren さんも、振る先より先に、長になるボットを1体決めています。林さんが書くとおり鍵と仕事場が共有なら、持ち主を人が決めておかない限り、誰の仕事かが曖昧になります。
一つのボールは、人・AI・仕組みの誰か一人が全部持ちます。その一人が、やり切ります。共同責任にはしません。所有者を一人にするのが、私の線です。
朝LIVEで、私はこう話しました。Grok Bot は何体ものAIエージェントを束ねる。窓口に言うと、製作・カリキュラム・回答・画面の担当が動く。なかなかうまくいかない時もある、と。
AIに頼んで、MBTI の組織図どおりに社員11人の名簿を Paperclip に作りました。全員を Grok のモデルに替えました。動かしたのは、右腕の1人だけです。
Paperclip の右腕に課題を1つ渡しましたが、3回の試運転は完走しませんでした。部下への振り分けは0件です。Grok の2回は、約28万と約29万トークンでした。原因は特定できていません。
私なら、ボットを何体雇うかより先に、仕事ごとの持ち主を一人決めます。


Grok Bot に X を読ませたら、どこまで手を離せるのか。X の投稿を読んで集める仕事は、AI に任せたい仕事の上の方に来ますよね。
Peter Yang さんが話す更新は3つあります。その1つ目が、X のデータに触れられるという話です。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・2:51〜)
Grok Bot is now the only personal agent that has free access to X.
Grok Bot が、標準で X のデータに触れられるようになりました。それができる唯一のパーソナルエージェントだ、というのが Peter さんの言い方です。ほかは X の API かブラウザの操作が要る、とも説明します。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・3:09〜)
Grok Bot can only pull from X 1,000 times a day, and each time it can only search up to 25 tweets.
上限は1日1,000回、1回25件までです。DM は暗号化されています。中身までは読めなかったそうです。この上限でも普通の人には十分だと、Peter さんは言います。
作った側の Lauren さんは、読む仕事を定期に回します。X につないだボットの1体に、メンションを集める routine を持たせています。
Lauren さんの発言(Grok Bot を作った2人の対談・33:17〜)
has a routine where it’s checking x uh I think I set it to every 30 minutes or so uh to check for all the mentions
Lauren さんのボットは、30分ごとに X を見ます。集めるのはメンションです。Peter さんの上限は、一度に読める量の話です。Lauren さんのボットは、どれくらいの頻度で読みに行くかの話です。
X を読む仕事は、普段 Hermes の x_search でやっています。Grok の有料プランで動く道具です。AIに頼んで @karpathy さんの投稿を取ると、20件が本文全文・日付・URL つきで返りました。Peter さんの上限は1回25件です。私が取った時は、1回に約20件でした。全件を集めるなら、月ごとに分けて回す形になります。


ボットに、専用のメールアドレスを持たせる。すると、同僚との日程調整や出張の予約まで任せられそうに見えます。では、送る前や予約を押す前の承認は、どこまで人の手に残しておけばいいのでしょうか。
Peter Yang さんが挙げる2つ目の更新は、専用のメールアドレスです。Grok Bot が、自分のアドレスを持てます。最初に出てくるのは、名前の付け方のコツです。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・8:58〜)
naming Grok Bot something else, like a virtual assistant name
名前は Peter さん本人にせず、秘書役の名前にしておきます。同僚との日程調整に CC で入れる時、その方が自然だから。Peter さんはそう話します。
この専用メールで、Peter さんは日程調整を試します。Grok Bot は空いている時間を見つけ、返信案を作りました。送る前に、Peter さんへ確認を求めてきました。そこが不満の種になります。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・9:52〜)
true virtual assistant doesn’t ask the user for approval each time and just does things.
本当の秘書役なら、毎回承認を求めずに動く。これが Peter さんの見方です。作った側の Lauren さんは、出張の予約を任せた時の話をします。
Lauren さんの発言(Grok Bot を作った2人の対談・23:05〜)
check in with me before you hit approve uh sorry if you hit book
予約のボタンを押す前に、一度確認してほしい。Lauren さんは、ホテルと飛行機を頼む時にそう伝えたそうです。林 駿甫さんは、足してほしい機能の一つとして、別の線を挙げています。
林 駿甫さんの X の投稿(投稿を開く)
ファイルの読み取りは自動、外部送信は確認、請求や契約は必ず人間が承認、という設定を簡単に作りたい。
Peter さんは、日程調整の承認を減らしたいと話します。Lauren さんが予約の確認を残したのは、深夜発の飛行機や、飛行機の後ろの席を避けたかったからだそうです。林さんは、操作の種類ごとに線を分けたいと書きます。
本人にしかできない最後の一手があります。出す・止める・任せるの境界を決めることです。三人の言葉の違いは、その境界をどこに引くかの違いです。
dots(ChatGPT の窓口)に、仕事を頼む試運転をしました。メール・カレンダー・ドライブを読む棚卸しは、確認なしで進みました。
Mac でコマンドを動かす依頼と週次の登録では、dots が止まって、私の返事を求めました。dots が止まった場面では、「いいよ」「実行して」「登録して」の返事を私が送りました。送信・返信・削除・予定変更・下書き作成は、指示文で禁止しました。dots の報告でも0件でした。
この dots の話は、仕事を任せるAIに頼む前に決めておく3つにも書きました。私なら、承認を外すか残すかを道具まかせにしません。読む・動かす・送るの境界を、先に自分で決めて渡します。
承認の数より、線の場所が先です。
Peter さんは、承認を減らす方向を向いています。私の手元の話は、送る操作を最初から禁じています。そのうえで、確認が出る所と出ない所を見分ける話です。


ボットに定期の仕事を回させる。すると、聞きに行かなくても報告が届くようになります。けれど、回した分だけ使う量も積み上がります。毎日・毎週の仕事を回させる時、何を回して、何を止めますか。
専用メールの本当の価値として、Peter Yang さんは次の点を話します。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・10:25〜)
it can now proactively send me the schedule reports on a daily, weekly, and monthly basis.
日次・週次・月次のレポートを、Grok Bot の側から送ってくる。そこに価値がある、という話です。
Peter さんが見せるのは、事業の概要、週末の家族の過ごし方、健康のレポートです。チャットのスレッドよりメールの方を読む、とも話します。画面には、Weekend Planner のボットが毎週金曜の朝に動くと出ています。
作った側の Lauren さんは、回しすぎの重さに触れます。
Lauren さんの発言(Grok Bot を作った2人の対談・21:12〜)
if you have them run too often it can be quite expensive on your usage
routine を回しすぎると、使用量がかさむ。Lauren さんの注意です。同じく作った側の Pen さんは、始める順番を話します。
Pen さんの発言(Grok Bot を作った2人の対談・43:25〜)
start a simple task then start a recurring task and then do this set up routines let it automate it
簡単な依頼から始め、定期の依頼にして、routine で自動にする。これが Pen さんの順番です。
本人が進捗を思い出し、催促する。その瞬間、管理のボールは本人へ戻ります。委ねた先が嘘をつく、逃げる、やらないなら、任せられません。信頼できる仕組みが先です。
先日、Grok の週の枠が、リセットから約15時間でなくなりました。画面の内訳は、API 74%、Grok のビルド 19%、Cursor 4%、Grok Bot 3% でした。
明細を開くと、自動で回していた X 検索3回(投稿756件・人17件)と、別の作業の動画4本が並んでいました。ログイン状態を保つ見張りの空打ちも、12回ありました。Grok Bot の会話は17回でした。自動で回していた X 検索は止まり、見張りの空打ちも減りました。
私なら、Pen さんの順番で始めます。簡単な依頼で中身を確かめてから、定期にして、routine で自動にする。定期レポートは、あれはどうなったか、と私が聞きに行く役を引き取らせる物にします。回す回数は、中身を確かめてから増やします。
Peter さんが見せるのは、レポートが届く価値です。私の手元の数字が示すのは、レポートの外で回る自動の巡回の重さです。Grok Bot そのものは、枠の3%です。同じ道具の、別の面を見ている話かな。


ボットに実際の仕事を任せたら、全部を自動で片づけてくれるのか。毎日のサポートを1体に預けている例があります。見ると、気になるのは逆の所です。実際の仕事を任せたボットは、どこで手を止めて人に聞くのでしょうか。
Peter Yang さんは、有料のコミュニティのサポートを1体の Grok Bot に任せています。返金・解約・請求の問い合わせに答える。有料の人だけがいる状態を保つ。それが、そのボットの仕事です。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・17:33〜)
every day I have it run a daily support sweep of my Slack and look at member requests
毎日届く Slack の問い合わせは、ボットが巡回します。返金や紛争は自動で処理させる。Peter さんはそう話します。生涯プランが欲しいという問い合わせには、ボットが自分から返信案を作ったそうです。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・18:03〜)
And it asked me if I want to send this reply or not.
返信案は、ボットが作ります。送るかどうかは、Peter さんに聞いてくる。
委ねるAIの最低条件は「わからないことは憶測しないできく。わかることは2度聞かない」です。自動で進める所と人に聞く所の線は、この一文で引けます。


Peter Yang さんが最後の更新として話すのは、Grok Bot の既定のモデルです。更新の中でも大事な機能として、Peter さんはこの話を紹介します。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・14:54〜)
Grokbot now defaults to the best model in the market, and right now that is Opus from Anthropic.
Grok Bot の既定のモデルは、市場で一番のモデルになる。Peter さんはそう言います。今はそれが Anthropic の Opus だ、という話です。
Peter Yang さんの発言(Grok Bot の更新紹介の動画・15:34〜)
If you know Opus, you know that it’s incredible at making motion graphics and editing videos.
Opus はモーショングラフィックスと動画の編集が得意だ、と Peter さんは言います。Grok Bot に頼んだのは、ラップバトルの短い動画です。音楽や見せ方のやりとりを何度か重ね、仕上げた流れを見せます。
依頼は、「リール動画にして」という1行です。Claude Opus 5.5 が60秒の縦ショートを作り、YouTube Shorts と TikTok に出しました。その経緯のブログ記事と講座動画まで、公開できました。
ショート動画を1行で公開まで任せた記事にも、その流れをまとめてあります。
私なら、出す前に止まる所を先に決めておきます。1行の依頼でも、公開まで届いたからです。
Q. Grok Bot の大きな更新で、何が変わったのですか?
A. Peter Yang さんは、更新を3つ挙げています。X のデータに標準で触れられるようになったこと、Grok Bot 専用のメールアドレスを持てること、既定のモデルが Anthropic の Opus になったことです。
Q. Grok Bot を作った人は、承認をどう扱っていますか?
A. 作った側の Lauren さんは、出張のホテルと飛行機の予約を任せる時に、予約を押す前に確認して、と頼んだと話します。そのうえで、結局はどれだけ任せられるかの信頼の話だ、と言います。
Q. Grok Bot でボットを何体も持つ時、何に気をつければいいですか?
A. 林 駿甫さんは、役割を分けると見た目は AI社員を何人も雇ったようでも、裏ではクラウドPC、ログイン状態、認証情報を共有する部分がある、と書いています。Bot を分けたら仕事場と鍵も分けられる機能が欲しい、とも書いています。
雇う感覚から X を読むこと、承認、定期レポート、サポートのボット、既定のモデルまでを並べました。言葉の主は、Peter Yang さんと作った側の2人、林 駿甫さん、Alex Finn さんです。
Peter さんは承認を減らしたいと話し、Lauren さんは予約を押す前の確認を残します。同じ道具でも、頼む仕事が違えば前提が変わります。
持ち帰りは1つです。ボットを雇う前に、仕事ごとの持ち主を一人決める。出す・止める・任せるの境界は、使う本人が決める。
持ち主のいない仕事は、ボットを何体増やしても、管理のボールが手元へ戻ってきます。
私にとって先に要るのは、ボットの数でもモデルの賢さでもありません。仕事を一人が持ち、止まる所が決まっている、信頼できる仕組みです。
関連記事
ChatGPT の dots に仕事を頼む前に決めておくことを、踏んだ失敗から書いた記事です。承認の線の話とつながります。
Grok Bot を1体に全部任せず、役割ごとにボットを分ける使い方の記事です。雇う感覚の話の続きとして読めます。
ショート動画作りを Claude Opus 5.5 に任せた記事です。既定のモデルが上がった時の話とつながります。
参考リンク(この記事で取り上げた元)
Peter Yang さんが自分の Grok Bot の画面を見せながら一人で話す、英語の動画です(約21分・この記事の軸)。https://www.youtube.com/watch?v=8hhFOmxEbT0
Grok Bot を作ったチームの Pen さんと Lauren さんが、自分のボットを見せる英語の対談です(約45分)。https://www.youtube.com/watch?v=xZ5TEaleUdg
Grok Bot を実機と仕様で追いかけた、日本語の長文の投稿です。https://x.com/The_AGI_WAY/status/2093535411444588793
Grok Bot の使い方のコツを並べた、英語の投稿です。https://x.com/AlexFinn/status/2089914182380790103
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