WATCH REPORT

Reverse Engineer Anything で分解しても目的は自分で持つ

2026.10.15

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、Zubair Trabzada | AI Workshopの動画「I Gave My AI Assistant the Power to Reverse Engineer ANYTHING!」を紹介するね。

気になるサイトやアプリを見ると、どう作られているのか知りたくなります。けれどAIに似た物を作ってと頼んでも、見えない所は推測で埋められがちです。分解までAIに任せていいのか。迷う人に向けて書きました。

Zubair Trabzada | AI WorkshopがYouTubeに出した、2026年10月14日公開・18分11秒の英語の動画です。Zubairさんが自分用に作った音声アシスタント JARVIS に、オープンソースのREAをつなぎます。声で分解させるのは、igloo.incとApple Notes。

Reverse Engineer Anything の実演を、声で頼む場面から順に整理しました。REAが何を見ているのか、約15分で似たアプリが出来た流れ、Zubairさんの言う青写真の考え方まで、日本語でたどります。LIVEで話した言葉も、各章の隣に置きました。

SPEAKER

Zubair Trabzada | AI Workshop

解説: Zubairさん。自作の音声アシスタント JARVIS に REA(Reverse Engineer Anything)をつなぎ、サイトと Mac のアプリを分解させる実演を、画面録画とスライドで見せる動画です。

2026年10月14日の公開、英語です(本文の引用は英語の逐語に、日本語の意味を添えています)。

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01

声で頼むだけで、AIはサイトを開いて分解するのか

▲目次
声で頼むと音声アシスタントJARVISが動き、サイトを開いてスクロールし、REAが裏で分解して、要約が戻ってくる流れの図解
動画キャプチャ: igloo.inc の分解カード。分解にかかった46.7秒と8ステップの表示、使われている技術の一覧が出ている(3:08頃)
動画キャプチャ: igloo.inc の分解カード。分解にかかった46.7秒と8ステップの表示、使われている技術の一覧が出ている(3:08頃)

声で一言頼むだけで、AIはサイトを開いて中身を分解するのでしょうか。動画は、その答えを見せる実演から始まります。

0:00の実演は「Jarvis, reverse engineer igloo.inc for me.」の一言から。JARVISがigloo.incをクリーンなブラウザで開きます。

Zubairさん(動画の中で・0:39〜)

So, for reference, so this GitHub repo reverse engineer anything has taken over the internet. So, I wired it to my AI assistant Jarvis. And now I just say reverse engineer this. And Jarvis takes any website or any app, breaks it apart, and then rebuilds me one of my own.

GitHubで話題のREAをJARVISにつなぎ、ひと言でサイトやアプリを分解して作り直せる、という説明です。

サイトを開くのは、JARVIS。そのままスクロールしていきます。その間、Zubairさんは何も触っていないんです。

画面のカードを見てください。コードを読む、全ファイルを一覧にする、と進み具合が順に出ていくんです。

3:47の説明では、分解にかかったのは30〜40秒ほど。要約が返り、詳しいレポートも開きます。

使われている技術も、レポートに並びます。Three.js、GSAPとScrollTrigger、それにSvelteが出てくるんです。

DOMは27要素で、1画面分だけでした。

ここまでで、まだ数十秒なんです。

2026年9月14日のAI経営術LIVEで、私は「インターフェースが大事ってだけでやってることは何にも変わってない」と話しました。「ただインターフェースが変わるってことだけでめちゃくちゃ目覚ましい変化が起きる」のは、「アナログな現場に落とし込みやすい」からだ、とも話しています。

声で頼むことと仕事を任せることは、同じではありません。始動と委譲を混同しないのが、私の判断の軸です。

Zubairさんが見せているのは、声で頼む手軽さです。

02

Reverse Engineer Anything は既存の道具で何を見るのか

▲目次
自分が頼む、AIが調査を計画してREAを呼ぶ、REAがサイトの動きを見てコードを記録する、証拠のレポートが戻る、の4段階と、既存の開発者ツールを使うという帯の図解
動画キャプチャ: スライド Give your AI X-ray vision. 自分が頼む、AI、REA、証拠、の4段階が並んでいる(5:58頃)
動画キャプチャ: スライド Give your AI X-ray vision. 自分が頼む、AI、REA、証拠、の4段階が並んでいる(5:58頃)

Reverse Engineer Anything は、サイトの何を見ているのでしょうか。中身が見えないまま推測で作るのと、どこが違うのか。手がかりは、5:09からの説明です。

Zubairさん(動画の中で・5:09〜)

this is not using some kind of a proprietary uh tool or it’s hacking or anything, right? What Rea does is uses existing developer tools like the ChromeDev tool to break down all of the resources and exactly figure out what’s inside this particular website.

Zubairさんの説明では、REAは独自の道具でもハッキングでもありません。Chromeの開発者ツールのような既存の道具で、全リソースを分解して中身を割り出します。

Zubairさん(動画の中で・5:53〜)

So essentially to put it in simple words, you give your AI agent X-ray vision.

スライドは、頼む、AIがREAを呼ぶ、REAがコードと全ファイルを記録する、証拠が戻る、の4段階。これをAIエージェントに「X線の目」を与えること、と言い直しました。

Zubairさん(動画の中で・7:22〜)

you open the site, Rea starts watching what’s going on while Jarvis scrolls. Rea reads the code, lines up the evidence, and then saves the tear down.

7:36では、推測ではなく、実際の作り方のレシピが出る、と続きます。

REAは調査役です。立つのは、AIと対象のサイトの間。頼む入口はClaude CodeでもJARVISでもよく、スライドにも2つが並んでいます。

頼まれたAIが調査を計画して、REAを呼び出します。REAはサイトが動く様子を見て、読み込まれるコードを読み、読み込む全ファイルを記録します。

使う道具そのものは、既存の物。Chromeの開発者ツールのような道具を使う、とZubairさんが説明しています。

証拠はレポートにまとまり、AIの手元へ。見えない所を推測で埋めずに済む作りです。

画面のカードにも時間が出ています。表示は46.7秒で、Zubairさんが話す30〜40秒より、少し長めです。

igloo.incのレポートでは、DOMが27要素で1画面分、画像もSVGも動画も無いと分かりました。並ぶのは、スタック、効果の仕組み、読み込むもの、再構築の方針、証拠です。

私なら、AIに既存のものを読ませる時は、一次情報を読ませます。要約や整った物語で穴を埋めさせません。

ここでの一次情報は、実際に動いているサイトそのものです。

REAが読むのは読み込まれるコードです。

2026年7月13日のAI経営術LIVEで、私は「プロ版のソースコードを読ませて何ができるかを」AIに頼んだものが、「出来てきた」と話しました。

Claude Codeの公式スキルを試した流れは、html-planで認識ズレが減るか試した記事にまとめてあるんです。

公式の手順を読ませるのも、実物のサイトを読ませるのも、一次情報に当たる点は同じです。

Zubairさんは、サイトの中身を割り出す道具としてREAを見せます。分解の記録(teardown)は、最後に保存されます。

読ませる相手が実際の物なら、答えはどう変わるのか。推測で組んだ物より確かになる。それが私の見方です。

03

Macのメモを分解して、約15分で似たノートアプリを作らせた実演

▲目次
Apple Notesを分解したレポートから、約15分で似たノートアプリができ、見た目は違うが機能は同じ、という流れの図解
動画キャプチャ: 作らせたノートアプリ Slate(左)と Apple Notes(右)を並べた画面。フォルダとノートの一覧が出ている(14:50頃)
動画キャプチャ: 作らせたノートアプリ Slate(左)と Apple Notes(右)を並べた画面。フォルダとノートの一覧が出ている(14:50頃)

9:20、JARVISへの次の頼みごとは、Mac の Apple Notes の分解です。相手はブラウザで開くサイトではなく、Mac に最初から入っているアプリです。

2つめの実演は、サイトの時より長め。分解には数分かかります。

JARVIS(Zubairさんの音声アシスタント・合成音声の応答)(動画の中で・11:00〜)

Tear down complete. Sir notes is a thin appkit shell with five plugins and the real engine lives outside the bundle in Apple’s private frameworks.

Notes(Apple Notes)はバージョン4.11の AppKit アプリで、薄い殻と5つの拡張。エンジンは Apple のフレームワーク側にある、と JARVIS は答えます。

この実演の途中では、手元のMacにあるアプリで試せば仕組みが分かる、という話も出ます。

Zubairさん(動画の中で・14:18〜)

All right. So, after a good 15 minutes or so, it was able to build our own notes app.

結果は JARVIS と Claude Code の長期記憶に自動で入ります。続けて似たノートアプリを頼むと、14:18に約15分で出来上がりました。

頼まれたJARVISは、隠れたブラウザでテストしてから開く、と答えます。左のパネルでビルドが進みます。足場、コード、テスト、起動の順。

Zubairさん(動画の中で・15:28〜)

formatting looks different and rightfully so because it’s not going to clone the exact thing but you can see all of the functionalities are there

画面に出たアプリの名前は Slate。Apple Notes と横に並べて、機能を順に動かしていきます。

ノート一覧、ピン留め、フォルダ、新しいノート、削除、太字、斜体。どれも使える状態です。

書式の見た目は Apple Notes と違い、そっくり複製するものではないので当然、という説明なんです。それでも、ノートアプリとして使う機能は一通りそろっている。

見本から受け取れるのは、強い型と到達水準まで。本人のストーリー、価値観、判断軸、在り方、そしてWhyは、見本の側にはありません。

AIは見本の型に載せて形にできます。それでも、もっともらしい物語や因果を足して、本人の本当のWhyを変えてはいけない。見た目は違っても機能はそろう、という結果は、この分け方に重なります。

青写真をAIに渡す前に、作る目的を、一行の言葉にして手元に置いておくのがいい。私はそう見ます。その一行は、どれだけ細かく分解しても、見本の中からは出てこない。

分解して受け取る物と、手元に残す物。AIに何を渡すかを分けて考える時は、Skillsを中身ごと渡さずに届ける方法の記事も手がかりになるんです。

Zubairさんが成果として見せるのは、Apple Notes と並べて機能がそろったこと。

04

青写真があるとゼロから始めない。ただし新しい技術ではない

▲目次
青写真なしは推測で作ってやり取りが増え、青写真ありはゼロから始めない、ただし新しい技術ではない、という比較の図解
動画キャプチャ: REA の GitHub の README。題は REA: Reverse Engineer Anything(17:30頃)
動画キャプチャ: REA の GitHub の README。題は REA: Reverse Engineer Anything(17:30頃)

REAがあると、何が変わるのか。違いは、AIが作り始める地点にあります。

推測から入るのか、サイトやアプリを分解した記録から入るのか。その差を、Zubairさんは、REAがない場合と並べて話します。

Zubairさん(動画の中で・16:36〜)

where before it was kind of guessing and you have to go back and forth a lot but now it just gives it kind of like a nice blueprint so that way it’s not starting from scratch and you don’t have to go back and forth 10 times.

16:09の見立ては、REAなしでも似たものはできそうでも、機能の正確さは落ちる、というもの。機能と見た目を分解したレポートが渡れば、推測の往復を重ねずに済むんです。

Zubairさん(動画の中で・16:51〜)

this is not a this is not some brand new technology right the concept of uh reverse engineering applications and website has existed

考え方自体は昔からあり、エージェントが使いやすくしたもの、という位置づけ。17:08には、見えなかった機能やライブラリが見えるようになる、と続けます。

青写真が先に渡れば、AIはゼロから始めずに済む。推測で作っては直す往復を、10回も重ねなくていい。

10回はZubairさんの挙げた数です。

ここで言う青写真は、igloo.incやApple Notesの分解で出た、作りのレポートのことです。

スタック、効果の仕組み、再構築の方針。こうした中身が、AIの作り始めの材料になります。

Apple Notesの分解の記録は、JARVISとClaude Codeの長期記憶に自動で残りました。その続きで、似たノートアプリを頼みます。

私なら、AIに任せるのは下ごしらえと青写真づくりまでにします。「AIに委ねて、人は積み減らして生き直す」の積み減らしはこの範囲で狙い、やりたいことと味は自分で足します。

任せる範囲が決まると、手元に残る仕事も見えてきます。残るのは、やりたいことと味の二つです。

2026年8月18日の朝LIVEで、私は「結論的に言うと見本と自分の経験混ぜるのが一番強いよね」と話しました。見本はレシピ本のように完成されたもので、「自分の我が家の味ではない」とも話しました。

同じ8月18日の朝LIVEでは、盛り付けやゲームの音楽のような細部は見本に習いつつ、中のだしや秘伝のタレにあたる部分は自分で作っていけるといい、という話もしました。

青写真に何を足すのか。作り始める前に決めて、一行で書いておきます。

見本と経験を混ぜる話は、見本とカルピス原液を混ぜるのが一番強い話と、その元になった朝LIVEの見本だけでも物語だけでも足りない話の記事にもあるんです。

Zubairさんが見せるのは、青写真を作業の近道にする使い方。近道で着いた先に、自分の味を足す余白を残す。私の見方では、そちらの側に重みがあります。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. REA(Reverse Engineer Anything)とは何ですか?

A. Zubairさんの説明では、AIエージェントがサイトやアプリを分解し、動きと読み込むコードを記録して、証拠付きのレポートを返す仕組みです。AIエージェントにX線の目を与えるもの、とも語られています。

Q. REAはハッキングなのですか?

A. 動画の説明では、独自の道具でもハッキングでもなく、Chromeの開発者ツールのような既存の開発者ツールを使って、サイトの中身を割り出すとされています。そっくり複製するわけではない、とも話しています。

Q. REAでそっくり同じアプリが作れますか?

A. 動画では、Apple Notesを分解させて約15分で似たノートアプリを作り、書式の見た目は違うものの機能は全部そろった、と評価しています。そっくり複製するわけではない、という説明つきです。

Q. REAを使うのは、声で頼む時だけですか?

A. 入口は声に限りません。頼む入口はClaude CodeでもJARVISでもよく、Zubairさんはスライドに2つを並べて説明しています。

Q. 分解や、似たアプリ作りには、どのくらい時間がかかりますか?

A. igloo.incの分解は30〜40秒ほど、とZubairさんは話しています(画面のカードは46.7秒)。Apple Notesの分解は数分かかる、と説明しています。似たノートアプリは約15分で出来上がった、と話しています。

MATOME

まとめ

▲目次

Zubairさんの実演は、声で頼む、既存の開発者ツールでサイトを読む、Apple Notesを分解して約15分で似たアプリを作る、の3つです。

Zubairさんによると、青写真が渡るのでゼロから始めずに済む。ただし新しい技術ではない。終盤ではこの2つが並べて語られます。

分解と青写真まではAIに任せられても、作る目的は見本からは出ません。そこは自分で持つ、が私の見方の芯。

頼んで任せた後に論点となる報告や利用枠は、Claude Codeのプロジェクトで気をつける点の記事にあります。

持ち帰ってほしいのは、作る前に自分で決めておく一行です。

たとえばノートアプリなら、誰のどんな手間を減らすために作るのか。それを一行にしておく、という具合です。

「AIに委ねて、人は積み減らして生き直す」。私は、青写真づくりまでをAIに委ねて、何のために作るかは自分の手で込めます。

LINK

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REF

参考リンク

今回紹介した動画

チャンネルZubair Trabzada | AI Workshop
公開日2026年10月14日
長さ18分11秒(英語・画面録画とスライド)
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=84CkBM_jF4g

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