AI研修を受けた翌週、なぜ現場は何も変わらないのか

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。

今日は、読んでいて背筋がヒヤッとしたX記事の話をするね。書いたのはmana(株式会社MakeAI CEO)。タイトルが「日本企業100社にAI研修入った結果、恐怖で眠れなくなった話」。

研修を売っている本人が、自分の商売の土台を崩しかねない話を先に出してる。しかもその中身が、私が企業のAI導入に関わるたびに感じていた違和感と、ぴったり同じ形をしていた。

AI研修を受けた翌週、なぜ現場は何も変わらないのか。この問いに、彼は「受講者のやる気が足りないから」とは一言も書いていない。むしろ逆で、原因は受け手の外側にあると言い切っている。

3行でわかるポイント

  1. 研修は個人に届く。業務は組織に属している。この非対称が、満足度が高いのに翌週が変わらない本当の理由。
  2. 手が止まるのはAIの操作じゃない。「自分の仕事を工程に分けたことがない」から前提が書けない。
  3. 数える数字を入れ替える。研修した人数じゃなく、置き換わった工程数を数える——包丁の講座を何回やっても、仕込み手順書を書き換えないと厨房は変わらない。

COMMUNITY

GPTs研究会に参加する(無料・8,800名突破!)

▶ 無料で参加する

研修は成功している。なのに月曜日が変わらない

研修は成功しているのに翌週の月曜が変わらない構造の図解

まず前提として、mana氏は「AI研修そのものはうまくいく」と書いている。ここが怖いところなんだよね。

研修会場は毎回盛り上がる。ある大手出版社の案件では、1クラス十数名を3クラス、合計約40名。営業も編集も管理部門も情報システムも横断で入って、生成AIの現在地、プロンプトの6要素、情報区分とセキュリティ、NotebookLMやDeep Researchでの調査、画像生成、動画生成まで扱う。

とくに画像生成と動画生成は毎回ざわつく。自分が入力した一行から、それらしいビジュアルが出てくる瞬間。あの「おおっ」は何回やっても起きる、と書いてある。

なのに……。

受講者の反応は、想像よりずっと良いんですよ。(中略)なのに、翌週の仕事が、何ひとつ変わっていない。

mana|株式会社MakeAI CEO(X記事)を読む

メールの処理方法は同じ。会議の進め方も同じ。提案書の作り方も同じ。承認フローも同じ。評価指標も同じ。

AIを使える人は確実に増えた。それなのに、AIで変わった業務がほとんど増えていない。

これ、料理に例えると、包丁の研ぎ方講座がめちゃくちゃ良くて、参加者全員が「切れ味ってこんなに違うのか」と感動して帰る。でも翌週、店の仕込み手順は先月と一文字も変わっていない。そういう状態なんだよ。

研修が失敗しているなら、話は簡単なんだ。講師を変える、内容を易しくする、時間を増やす。全部やりようがある。

でも研修は成功しているのに仕事が変わらない。このとき、犯人は研修の中にいない。

犯人は受講者じゃない。「個人に届く」と「組織に属する」の非対称

研修は個人に届き業務は組織に属するという非対称の図解

mana氏の分析でいちばん切れ味が鋭かったのが、ここ。

研修が終わって受講者が持ち帰るものは、便利だという実感、いくつかのプロンプト、ツールの名前、「自分でもできそう」という手応え。これ、全部その人の頭の中にあるものなんだよね。

一方で、持ち帰れないものがある。業務そのもの。

メールの処理フローは、その人ひとりの持ち物じゃない。上司の承認が挟まるし、テンプレートは共有フォルダにあるし、顧客への返信文には過去の判例めいた社内慣習がある。議事録のフォーマットも、提案書のレビュー体制も同じ。

つまり、変えたい対象が個人の外側にある。研修は個人に届く。業務は組織に属している。この非対称が、定着しない構造的な原因だ、と。

だから受講者が悪いわけでも、意欲がないわけでもない。むしろ意欲がある人ほど、月曜日に「あれ、これ勝手に変えていいんだっけ」で止まる。

私はこれを読んで、AIエージェントの設計で書いたことと同じ形だなと思った。AIエージェントは増やすほど止まるという記事で、AIを何体並べても役割と決定と検証を設計しないと矛盾が増えるだけ、という話を書いたんだけど、あれのAI側の話が、そのまま人間側でも起きているんだよ。

AIを増やしても、人を賢くしても、フロー(役割・決定・検証)が変わらなければ、増えた分だけ止まる。主語がAIか人間かの違いだけで、詰まっている場所は同じだった。

手が止まるのは操作じゃない。「自分の仕事を工程に分けたことがない」から

自分の仕事を工程に分けたことがないから手が止まる図解

研修の中で、はっきり空気が変わる瞬間があるとmana氏は書いている。

ワークの時間にこう言うとき。「自分がやっている業務を工程に分解してください。そのうえで、どの工程をAIに任せて、どの工程を自分が判断するか決めてください」

さっきまで画像生成で盛り上がっていた会場が、しんとする。

止まる理由はAIの操作がわからないからじゃない。そこは直前の2時間でクリアしている。止まるのはこっち側。

  • 自分の業務を、工程に分けたことがない
  • どこからどこまでが「一つの仕事」なのか、言葉にしたことがない
  • AIに渡すべき材料が、自分の頭とメールボックスとフォルダに散らばっていて、集められない
  • 「良い出力」の基準を、自分の言葉で説明できない
  • 人間がどこを確認すればいいのか、決めたことがない

プロンプトの6要素(役割・目的・前提・制約・出力形式・評価基準)は理解されている。でも自分の業務に当てはめる段になると、前提のところで手が止まる人が多い。自分の仕事の前提を、自分が言語化できていないから。

これ、AIの問題じゃないよね。20年やってきた仕事を、初めて外から説明しろと言われている状態。そりゃ止まる。

ここ、私が実際に読者の方からもらう声とも重なっているんだ。「重要なのはわかりました。でも肝になる部分が思いつかないのが現実です」「自動化のためのツールと方法がわからないので教えてほしい」。理解はできている。でも自分のに当てはめられない。全員がここで止まる。

必要なのはすごいプロンプトじゃなくて、AIの機能を、自社の業務工程に翻訳する作業なんだ。この翻訳が抜けたまま機能だけ教えると、会場は盛り上がって、月曜日は何も変わらない。

数えている数字が、全部「入れた量」だった

入れた量の数字と変わった量の数字を天秤で比べた図解

もうひとつ、耳が痛い指摘があった。

企業がAI活用の報告に使っている数字を並べると、こうなる。研修を受けた人数、研修の実施回数、アンケートの満足度、社内で共有されたプロンプトの数、生成した資料の数、導入したツールの数。

全部、投入した量の数字。

「AIをどれだけ会社に入れたか」は表しているけど、「AIで会社がどう変わったか」は一つも表していない。研修に100人参加しました、という数字は、体育館に100人集めましたと同じ情報量だ、と書かれていて、これは笑えなかった。

しかもこの手の数字には悪い性質がある。簡単に増やせる。研修をもう一回やれば受講者数は増えるし、ツールを一つ契約すれば導入ツール数は増える。増やせる数字だけを見ていると、行動が「増やす」方向に固定される。本当は「変える」ほうに動かないといけないのに。

mana氏がクライアントに提案している差し替え後の3つが、これ。

よく数えている数字(入れた量)差し替える数字(変わった量)
研修を受けた人数AIに置き換わった工程数(ゼロならゼロと書く)
作ったプロンプトの数今週実際に開いて使われたテンプレートの数
生成した資料の数その業務が何分から何分になったか/差し戻し・修正回数

面白いのが、2つ目の数え方に変えると何が起きるか。共有フォルダに100個並んでいても、今週使われたのが2個なら、それは2個。すると、使われていないテンプレートを作った人が「なぜ使われないのか」を考え始める。保存場所が悪いのか、入力する材料が集めにくいのか、出力の形が業務に合っていないのか。

数え方を変えるだけで、改善の会話が始まる。

最初は数字が小さくて、上に出すのが怖いかもしれない。でも小さい数字のほうが、次の一手が決まるんだよね。置き換わった工程が2つなら、来月3つにする。100人研修しましたという数字からは、次の一手が一つも出てこない。

私がPDCAとループエンジニアリングの話で書いたのも、結局これと同じ。回した回数じゃなくて、何が一周して戻ってきたかを見ないと、ループは回っていない。

私の場合はどうか——「型を渡す」に全部かけている

紙のメモから型を積み上げて209枚のスキルになった図解

じゃあお前はどうなんだ、という話をする。

私も、まったく同じところで詰まっていた時期がある。以前「AI使ってるけど結局ブレる」経営者へという記事に、その頃のことをこう書いた。

同じ流れで回しているのに、ChatGPTに渡す指示の言葉が今日は少し短い。Geminiに頼む画像の雰囲気が今日は少し曖昧。(中略)「AIは優秀なのに、なぜ私のコンテンツだけブレるんだろう」と悩んでいた時期がありました。

「AI使ってるけど結局ブレる」経営者へ(ai-kidou.jp)

ツールの性能じゃなかったんだよ。毎回、渡す指示の粒度が変わっていた。同じ記事にこう書いた例えが、いまでも自分の基準になっている。

初めて行った定食屋で「いつもの」と言っても、店員さんは首をかしげるだけですよね。

同記事(ai-kidou.jp)

AIに「いつもの」が通じないのは、AIが鈍いんじゃなくて、こっちが「いつもの」を一度も言葉にしていないからなんだ。

そこから私は、この「翻訳」を仕組み側に置くやり方に切り替えた。同じ記事で一番伝えたかったのは、実はこの一文。

いきなりYAMLで型を書くのはハードルが高いと感じた方、大丈夫です。私もいきなりそこから始めたわけではありません。最初は紙のメモ帳と手書きでした。

「AI使ってるけど結局ブレる」経営者へ(ai-kidou.jp)

同じ記事のステップ②に書いた作業が、mana氏の言う「工程への翻訳」の経営者版の入口そのものだった。

その業務を次にやるとき、普段なら流れで済ませている指示を、メモ帳に書き出してみます。「誰に」「何を」「どんなトーンで」「どれくらいの長さで」──頭の中の暗黙知を紙に出す作業です。

同記事 ステップ②(ai-kidou.jp)

地味なんだよ、この作業。でもここを飛ばすと、どれだけ良いツールを入れても月曜日は変わらない。

で、実際に今どうなっているか。数字で出すね。私の作業環境には、いま209個のスキル(作業手順を型にしたもの)と、設定ファイルに登録して実際に動いているチェック機構が98本、それに18体の専門エージェントが入っている。

この数字、自慢で出してるんじゃないんだ。逆。

209個になったということは、209回「これ毎回同じこと言ってるな」と気づいて、そのたびに紙に書き出したということなんだよ。1回の研修で209個の型が手に入るわけがない。1個ずつ、詰まるたびに翻訳してきた結果がこの数字。

そして98本のチェック機構は、ほぼ全部が失敗から生まれてる。同じミスを二度させないために、機械に見張らせる場所を1個ずつ増やしてきた。研修で配られたテンプレートじゃなくて、事故ってから作ったものばかり。

正直に言うと、私も全部の業務を翻訳し終えたわけじゃない。頭の中にあるまま回している仕事は……まだある。これも同じ記事に、そのまま書いてあった。

私もまだ試行錯誤の途中です。先月は「ここはAI秘書に任せる」と決めたのに、今月になって「やっぱりここは自分で見たい」と揺り戻しが起きたりします。完成系があるわけじゃなくて、凸凹の地図を更新し続けている状態が、たぶん普通なんだと思います。

「AI使ってるけど結局ブレる」経営者へ(ai-kidou.jp)

方向だけは決まっている。詰まったら、そこを紙に出す。それだけ。

料理で言うなら、レシピカードが209枚たまった状態。天才的な料理人になったわけじゃなくて、同じ料理を2回作るたびに1枚ずつ書いてきただけなんだよね。

mana氏のやり方と私のやり方を並べると、入口は違うのに着地がほぼ同じで面白かった。

論点mana氏(100社に研修を入れる側)私(自分の会社で回している側)
翻訳をどこでやるか研修の時間内で決めきる(持ち帰らせない)詰まった日に1個ずつ紙に出す
型の残し方課題一覧+ステータス列で組織に残すスキル209個として作業環境に残す
AIの記憶ナレッジ4本柱を月次ループで育てる記録の置き場を先に決めてAIに毎回読ませる
人が残る場所承認の5分(選ぶだけ・書かせない)判断と味見(最終OKは自分が出す)
検証引用の逐語照合など機械照合を必須化チェック機構98本を事故のたびに追加
失敗の扱い事故ってから検証工程を足した同じミスを二度させない仕組みに変える

AIは毎回「新人」として出社してくる

AIは毎回新人として出社し引き継ぎ資料が育つ図解

mana氏の記事で、もう1個うなったのがこれ。

AI導入を始めた企業が最初に絶望するポイントは、先週教えたことを、AIが覚えていないこと

先週さんざんフィードバックして、やっとこちらの求める品質になった。今週また同じ作業を頼んだら、また最初のレベルに戻っている。

これを彼は「AIは毎回新人」問題と呼んでいる。優秀な新人が毎朝出社してくる。飲み込みは異常に速い。でも、昨日のことを何も覚えていない。

この状態で人は疲弊する。教えるコストが毎回かかるなら自分でやったほうが速い、という結論に必ずなる。そして半年後、AIは使われなくなる。

ここでの対策として多くの企業が「AIを育てる」と言い出すんだけど、mana氏は「方向が違う」と書いている。

AIそのものは育たない。育てられるのは、AIに読ませる側。

毎回新人が来るのは変えられないから、新人に渡す引き継ぎ資料を分厚くしていく。この切り替えができた会社とできなかった会社で、1年後の差が信じられないくらい開く、と。

そして厄介なのが、担当者が個人のメモアプリにプロンプトを溜めていくパターン。本人の中では育っているけど、組織としては何も残っていない。異動したら全部消える。残っても、他の人が開いたときに「なぜこの一文が入っているのか」が誰にもわからない。

だから彼は、ナレッジ更新の作業を月次の業務フローに埋め込んだ。しかも分担がうまい。追記候補の抽出はAI、承認は人で5分。しかも承認画面は「選ぶだけ、書かせない」。ここを「コメントを書いてください」にした瞬間、5分が20分になって、20分かかる作業は続かないから。

この「人の5分だけ残す」設計、私も同じ結論に立っている。AI秘書をClaude Cowork+Notionで作る話でも書いたけど、記録が溜まる場所を先に決めておかないと、AIは毎朝ゼロから始まる。

彼が5分を残す理由を3つ挙げていて、これがまた的確だった。事故を止めるため、当事者意識を残すため、権限の所在を明確にするため。責任者がいない自動化は、社内で必ず止められる。「誰の許可でこれが動いているんですか」と言われた瞬間に終わる、と。

ちなみに彼が実際にやらかした事故も全部書いてあって、生花店のクライアントをAIが「精肉店」と書き続けた話が強烈だった。文章としては完璧に自然で、「精肉店の特性を踏まえると、来店動機は日常的な購買にあり」みたいなそれっぽい分析が続く。

AIの間違いは「間違いっぽい顔」をしていない。間違った前提の上に、完璧に整った文章が積み上がる。だから読み流すと、まず見つからない。ここから彼は「人間が目視で確認する、は対策として成立しない。機械で照合できる形に落とさないと必ずすり抜ける」という結論に至っている。

私の98本のチェック機構が全部失敗から生まれているのと、同じ道の同じ景色だと思った。

明日の朝、AIを開く前にやる3つのこと

明日の朝AIを開く前にやる3つのステップの図解

読んで終わりにしないために、手を動かせる形に落とすね。

ステップ1:今週いちばん時間を使った仕事を、1つだけ書き出す

全業務じゃなくていい。1つ。「顧客への提案書づくり」でも「週次レポートの作成」でもいい。ここで全部やろうとすると必ず止まる。私も同じことを書いていた。

「ブログ記事」「営業メール」「顧客対応メール」「会議議事録」──どれでも構いません。毎週3回以上やっている業務をひとつだけ選びます。複数選ばないのがコツです。ひとつに絞ることで、型を作りやすくなります。

「AI使ってるけど結局ブレる」経営者へ ステップ①(ai-kidou.jp)

ステップ2:その仕事を、普段どう指示しているかを紙に出す

誰に、何を、どんなトーンで、どれくらいの長さで。もし部下やAIに頼むとしたら何と言うか。書けたら翻訳は始まっている。書けないなら、そこが詰まっている場所。

これ、「欲しい道具を思いつける頭になる」という記事で書いた発想の順番とも繋がっていて、道具を探す前に「何が欲しいか」が言語化できていないと、どんなツールを持ってきても宝の持ち腐れになる。

ステップ3:測る数字を1個だけ差し替える

「今月AIに置き換わった工程数」を数え始める。ゼロならゼロと書く。ここを正直に書けるかどうかで本気度が出る、というのは本当にそのとおりだと思う。

3つとも、AIを1回も開かずにできる。むしろ開かないほうがいい。AIを触る前の段階で詰まっているのに、AIを触る時間を増やしても解決しないから。

よくある質問

Q1. うちの会社、研修はまだ入れていません。先に何をすべき?

先に業務の棚卸しをおすすめするよ。業務名の横に、頻度と1回あたりの所要時間と週あたり時間を並べるだけでいい。週8時間使っている業務を30%削れば週2.4時間浮くけど、週30分の業務をまるごと自動化しても、浮くのは週30分。どっちに手をつけるべきかは、数字を並べた瞬間に決まる。感覚で優先順位を決めると、だいたい「やりやすいけど効かないところ」から手をつけることになるんだよね。

Q2. AI活用の課題一覧は作ったのに、何も動いていません

mana氏いわく、それは「ステータス列がないから」。未着手/要件定義中/試作済み/本番導入済み/利用停止/効果測定済み/横展開済み、の7つのどれかを全課題に必ず入れて、月次で更新する。ステータスがない一覧は、3か月で「やりたかったことリスト」に変質して、半年で誰も開かなくなる。しかもステータスを埋めようとすると、担当者がいない項目が自動的にあぶり出される。

もうひとつ、課題の粒度がバラバラなのも止まる原因。「今月中に試せるもの」と「仕込みが必要なもの」に必ず2分割して、前者だけ先に走らせて成功体験を1つ作る。順番を間違えると、一番難しいものに半年かけて何も出ないまま予算が止まる。

Q3. AIに聞いてはいけないことって、あるんですか?

ある。mana氏は自分の講座で事故を経験していて、受講生が善意でAIに聞いた答えをコミュニティに共有した結果、それが誤情報で、全体が間違ったルールで動きかけたそうなんだ。特にSNSのアルゴリズムや規約まわり。公開情報が少なくて頻繁に変わるから、学習データに正解が入っていない。それでもAIは「わかりません」より、それらしい答えを返してしまう。

企業なら、法改正・業界規制・社内規程・契約条件がこれに当たる。「AIに聞いてはいけない領域」を先に決めておくのは、AIリテラシー研修で最初にやるべきことだと思う。

Q4. 一人社長でも同じ問題は起きますか?

起きるよ。というか、一人社長のほうが気づきにくい。承認フローも他部署もないぶん、「個人に届く」と「組織に属する」の非対称が見えにくいから。でも、翌週も同じやり方に戻っているなら、組織の代わりに自分の習慣が同じ役割を果たしている。AIに作らせると平均点になるという話ともつながるんだけど、渡す材料と型を自分で決めないと、出てくるものは平均点に寄っていく。

まとめ

料理に例えると、今回の話はこういうことなんだ。

AI研修は、最新の調理器具の使い方講座。参加すれば感動するし、使い方も覚える。でも店の仕込み手順書を書き換えないと、翌週の厨房は先月と同じ動き方をする

そして手順書を書き換えるためには、まず自分が毎日どういう順番で仕込んでいるかを、紙に出さないといけない。20年やってきた人ほど、これが書けない。体が覚えているから。

AI研修を受けた翌週、なぜ現場が元どおりに戻るのか。答えは根性でも予算でもなくて、翻訳という一工程が丸ごと抜けているから。逆に言えば、そこさえ埋めれば翌週から変わりはじめる。

  • 研修は個人に届く。業務は組織に属している。この非対称が定着を止めている
  • 手が止まるのはAIの操作じゃなく「自分の仕事を工程に分けたことがない」から
  • 数える数字を「入れた量」から「変わった量」に差し替えると、改善の会話が始まる
  • AIは毎回新人。育てるのはAIじゃなくて、AIに渡す引き継ぎ資料のほう

209個のスキルも98本のチェック機構も、最初の1個は紙のメモ帳から始まってる。結局のところ、私がハーネスの記事の最後に書いたことと、今日の話は同じ場所に着地する。

AI活用の本質は、高性能なAIを揃えることではなく、自分の仕事の型を言葉にして、AIに先に渡しておくことだと私は思っています。

「AI使ってるけど結局ブレる」経営者へ(ai-kidou.jp)

今週いちばん時間を使った仕事を1つ、紙に書き出すところから始めてみてほしい。

元記事は情報量がすごいので、ぜひ本文で読んでみて。→ 日本企業100社にAI研修入った結果、恐怖で眠れなくなった話(mana|株式会社MakeAI CEO)

COLUMN

ひろくんのコラム——「翻訳できない」は、恥ずかしいことじゃない

翻訳できないのは恥ずかしくないというひろくんのコラム図解

この記事を書きながら、ずっと自分に刺さってた。私も、頭の中にあるまま回している仕事がまだある。「これ人に説明できるな」と思って型にした仕事もあれば、なんとなく毎回自分でやってしまっている仕事もある。209個のスキルがあるって書いたけど、裏を返せば209回「毎回同じこと言ってるな」と気づくまで、それは翻訳されないまま私の頭の中にあったってこと。

で、思うんだ。この「翻訳できていない状態」を、恥ずかしいことにしちゃいけない。研修の会場でワークの時間に手が止まった人って、能力が低いわけじゃなくて、むしろ長く真剣にやってきた人ほど止まる。体で覚えているものを、初めて言葉にしろと言われているんだから。

料理でいえば、20年毎日味噌汁を作ってきた人に「だしの量を何グラムか書いてください」と聞くようなもので、答えられないのは腕が悪いんじゃなくて、手が覚えているからなんだよね。だから私は、翻訳を「一気にやる」ものだと思わないようにしてる。

詰まったところだけ、その日に1個だけ紙に出す。それを積むと、気づいたら数が増えている。AI秘書の凛ちゃんとやり取りしていても、うまくいかない日は必ず「私の言い方が毎回違う」ことが原因で、そこを1個ずつ型にしてきた。

最近も、AI秘書が「もう終わってるじゃん」に見える報告を出してきて、危うく騙されるところだった話を分身AI.comに書いた。あれも失敗だけど、あの失敗があったから「報告は実物を確認してからしか出させない」というチェックが1本増えた。悪いことこそ宝物っていうのは、こういうところで効いてくる。

👉 分身AIについてもっと知りたい方は分身AI.comもチェックしてね!

🎁 無料プレゼント

Aiport(ClaudeCode AIエージェント実践会)

ClaudeCodeでAI秘書+分身AI+AIカンパニー無料で作れるキット&解説動画をプレゼント!

▶ 無料で入会してキットを受け取る

🤖 AI生成コンテンツについて

この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作していて、構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。

関連記事