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みてねの笠原健治さんに学ぶ、ユーザーサプライズファーストと、AI時代に選ばれるサービスの作り方

2026年10月20日

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、AERA DIGITALの記事です。MIXI創業者の笠原健治さんの後編インタビューを紹介します。子育てから生まれた「家族アルバム みてね」が3000万人に広がるまでと、第三の創業期の主役がAIだという話です。

この記事は、私が保存したブックマークです。読んで、これまでの記事とつながると思いました。つながる話が、ほかにもあります。南場智子さんの回で整理した「届けるデライト」。ライブコマースの回で書いた「人の熱が伝わる場」。馬田隆明さんの回のコラムの「小皿で味を聞く」です。

笠原さんの話は、大企業の創業者の成功談に見えます。でも、他人事ではありません。自分のサービスや商品を持つ一人社長や小さなチームの人も、自分の仕事に引き寄せて読めると考えています。私は写真共有アプリを作ったことがない立場です。記事を読んで、自分の仕事に引き寄せて整理していきます。

子どもの写真を撮りすぎた。使いやすい共有アプリがないことに気づく。そこで生まれたのが「みてね」です。世界3000万人に広げたのが、MIXI創業者の笠原健治さんです。この記事では、2つの話を整理します。声を聞き続けた先に「ユーザーサプライズファースト」がある、という順番。そして、第三の創業期の主役がAIだという話です。小さなサービスを持つ人の目線で、笠原さんの話から学ぶ形で読みます。

3行でわかるポイント

  1. 笠原さんの話は、順番に特徴があります。自分が困った所から作る。声を聞き続ける。声の先にサプライズを足す。
  2. ユーザーファーストは当たり前。なくても困らないが、あったら嬉しい1秒動画のようなサプライズが、愛されるかどうかを分けると笠原さんは話します。
  3. 第三の創業期の主役はAI。私なら、声の整理と候補出しはAIに任せます。驚かせる判断と最初のありがとうは、自分で持ちます。
01

子どもの写真を撮りすぎて気づいた、使いやすい共有アプリがない。自分が困った所から作った笠原健治さん

遠方の両親と子どもの写真を見るのが不便だった困りごと(写真の選別が面倒、動画の再生が遅い、画質が悪い、両親が見られているか分からない)から、だったら自分たちで作ると家族アルバムみてねを2015年にリリースした流れの図解。2004年mixi、2013年第1子誕生と社長退任、2015年みてね、2024年mixi2の年表つき

AERA DIGITALの笠原健治さん後編インタビューの「社長を退いた2013年と第1子誕生、『みてね』につながる経験」の節

だったら、自分たちで使いやすいアプリを作ろうと思いました。

元記事の画面。社長を退いた2013年に第1子が生まれ、遠方の両親と写真を共有する使いやすいアプリがなく、だったら自分たちで作ろうと思った、という笠原さんの発言
元記事キャプチャ: 自分たちで使いやすいアプリを作ろうと思った(2013年)

笠原さんが「みてね」を作ったきっかけは、遠方に住む両親と子どもの写真を見るのに、自分が一番困ったことでした。だったら自分たちで使いやすいアプリを作ろう。この一言に、出発点が詰まっています。

社長を退いた2013年に、第1子が生まれました。子育ては妻に頼り切りだったと、笠原さんは話します。当時はまだ、男性が育休を取る風潮がなかった。育休を取ろうとは考えなかった。

妻には感謝しかなく、まったく頭があがらないそうです。今では、MIXIの女性社員の育休取得率は100%です。男性も50%を超えるといいます。

その一方で、撮る量が増えました。子どもの写真や動画を、自分でも驚くほど撮るようになったのです。遠方の両親と共有するために、既存のクラウドサービスを使っていたそうです。

クラウドサービスとは、ネット上に写真や動画を預けておく保管庫のことです。ただ、共有や振り返り用に作られていません。だから写真を選別するのも面倒。動画の再生は遅くて、画質も悪い。

両親がちゃんと見られているのかも、よく分からない。

笠原さんの略歴も、ここで1段落で押さえておきます。1975年生まれで、97年に求人情報サイトのFind Job!を立ち上げ、99年にイー・マーキュリーを設立しました。

2004年にSNSのmixi、06年に東証マザーズへ上場。13年に社長を退任して会長になり、15年に「みてね」をリリースし、24年にはmixi2の提供を始めています。

ここから私が読んだのは、1つです。企画の種は、市場調査より先に、自分が一番困った場面にあった、ということです。これは笠原さんの話です。私は、写真共有アプリを作ったことがありません。

立場としては読者です。記事を読んで、自分の仕事に引き寄せて整理しています。あなたのサービスにも、使っている本人が一番ストレスを感じた場面があるはずです。そこが、最初の入口になります。

02

開始前に20組のテスト、公園で一人チラシ、1年半は自分でサポート。声を聞き続けた笠原さんのやり方とAI

サービス開始前のチームでのすり合わせと0歳児のママ・パパ20組のテスト、開始後の1年半の自分でのカスタマーサポートと都内の公園での一人チラシ配りから、ユーザーの希望を取り入れてコアな機能を改良した図解。私の読みとして、声の並べ替えと分類はAIに頼み、どの声を拾うかと公園で顔を見て聞くのは自分

AERA DIGITALの笠原健治さん後編インタビューの「『みてね』が利用者の支持を集めていった道のり」の節(20組のテストとサポートの発言)

サービス開始から1年半ほどは自分でカスタマーサポートを担当して、ユーザーの生の声も聞き続けた。

元記事の画面。チラシを配っていた節。サービス開始前に0歳児のママ・パパ20組のテスト、開始から1年半は自分でカスタマーサポート、都内の公園でチラシを配った、という笠原さんの発言
元記事キャプチャ: 20組のテスト、1年半のサポート、公園のチラシ

笠原さんは、サービス開始から1年半ほど、自分でカスタマーサポートを担当しました。ユーザーの生の声を、聞き続けたのです。カスタマーサポートとは、使っている人からの質問や困りごとを受ける窓口のことです。

順番に見ます。まず社内のチームメンバーと、コンセプトや機能を何度もすり合わせました。サービス開始前です。0歳児のママ・パパ20組ほどに、テストへ協力してもらっています。

開始後の1年半は、自分でサポートの窓口に立ちました。さらに、公園にも出ました。都内の公園へ一人で繰り出して、「みてね」のチラシを配ったこともあるそうです。

そうして集めた、実際のユーザーの希望。それを取り入れながら、「みてね」のコアな機能を改良していきました。大企業の創業者の話に聞こえます。でも、やっていることは地味です。

作る前に20組に聞き、作った後は自分の耳で聞く。それだけの手順です。ここが大事です。声を聞く量より、聞き続けた期間に、笠原さんの本気が出ています。

AI氣道『馬田隆明さんの「売れるようにしてから作る」を解説。AIで作れるようになった今、作る前に相手が使いたくなる条件を、AIと1枚の仕様にして確かめる』より

「新しい煮物を、お客さんの分、大鍋でまとめて仕込む前に、小皿に一口分だけ取って、「この味付けなら、買いたいですか」と聞いてみる。その答えを聞いてから、大鍋に火を入れる。」

作る前に相手の口に合わせる向きは、私は『馬田隆明さんの「売れるようにしてから作る」を解説。AIで作れるようになった今、作る前に相手が使いたくなる条件を、AIと1枚の仕様にして確かめる』で書いています。

笠原さんの、作る前の20組のテストと、私が書いた、大鍋で仕込む前に小皿を1つ出して味を聞く話。この2つは、同じ向きだと読みました。どちらも、全部作り込んでから反応を待ちません。小さく見せる。

そして、相手の口に合うかを先に確かめる。そんな動きです。笠原さんは、それを開始前の20組でやりました。開始後も、1年半の窓口で続けた。そう私は読みました。

AIの話は、ここで私の読みとして足します。私なら、聞いた声をAIに渡します。20組分でも、1年半分の問い合わせでも構いません。

ChatGPTやClaudeに渡して、「同じ言葉で何回も出てくる困りごと」と「1回だけだが強い言葉」に分けて並べてもらいます。ただ、自分で持つ所があります。

公園に出て人の顔を見て聞く所と、どの声を拾うか決める所です。AIは、声を並べ替える手が速いだけです。

03

ユーザーファーストの先へ。「ユーザーサプライズファースト」と写真から作る1秒動画、AIには洗い出しを頼み選ぶのは人

ユーザーファーストは声に応えること、ユーザーサプライズファーストは声に出ていない喜びを足すこと。写真を自動で組み合わせる1秒動画は、なくても困らないがあったら嬉しい例で、両親がみてねが生きがいと言う。AIに候補を10個挙げてもらい、どれで驚かせるかを選ぶのは自分、の図解

AERA DIGITALの笠原健治さん後編インタビューの「『みてね』が利用者の支持を集めていった道のり」の節(ユーザーサプライズファーストの発言)

サービスを提供する以上、ユーザーファーストなのは当たり前だから。もう一歩先を行く「ユーザーサプライズファースト」でないと多くの人に愛されるサービスにはならないと思うんです。

元記事の画面。ユーザーファーストは当たり前で、もう一歩先のユーザーサプライズファーストが必要、写真から自動で作る1秒動画の例、という笠原さんの発言
元記事キャプチャ: ユーザーサプライズファーストと1秒動画

声を聞いて直すのは、サービスを提供する以上、当たり前。笠原さんは、もう一歩先を見ています。「ユーザーサプライズファースト」がなければ、多くの人に愛されるサービスにはならない、という考えです。

声を聞いて直す所までは、どのサービスもやります。その先に何を置くか。そこが、愛されるかどうかの分かれ目だという話です。

ユーザーファーストとは、使う人の声に応えること。サプライズとは、声には出ていない喜びを先回りして足すこと。この2つを分けて考えると分かりやすいです。

例として挙げたのは、1秒動画です。アップロードした写真を自動的に組み合わせて作る機能です。笠原さんがSNSで見た、子どもの成長過程の動画に感動して、取り入れたものだそうです。

写真共有アプリとしては、なくても困らない機能。でも「あったら嬉しい」サプライズになると思った、と話します。

実際、笠原さんの両親も、孫の1秒動画を喜んで見てくれていて、今では「『みてね』が生きがいや」と言ってくれているそうです。笠原さんは、ここで笑っています。

AI氣道『南場智子さんが起業家5人の質問に答えた、新規事業とプレゼンのコツ』より

「では、どう見るのか。挙げたのは次の観点です。1つ目は、届けるデライト、つまり喜びや驚きの大きさ。南場さんは、これを一番大事にしていると話します。」

この向きを、私は『南場智子さんが起業家5人の質問に答えた、新規事業とプレゼンのコツ』で書いています。

南場さんの「届けるデライト、つまり喜びや驚きの大きさ」と、笠原さんの「あったら嬉しいサプライズ」。この2つは同じ向きだと読みました。声に応えるだけでは足りません。喜びや驚きの大きさで測る。その点が重なります。

AIはここで使えると私は考えます。私なら、お客さんの声を全部AIに渡して、「ここまでの声は直し終えた。声には出ていないが、あったら嬉しい物の候補を10個挙げて」と頼みます。

ただ、AIの10個は候補の一覧です。どれがその人を本当に驚かせるか。選ぶのは、お客さんの顔を知っている自分です。

04

「安心して親バカできる環境」。推しのマネジャーの気分と視聴率100%の配信プラットフォーム、3000万人の理由

みてねのユーザー3000万人、その4割が海外。安心して親バカできる環境、推しのマネジャーの気分、視聴率100%の配信プラットフォーム、20人以上の大家族で使う、購入率は欧米が高い、の図解。選ばれる理由は機能の数より、見せる相手が必ず見てくれる安心

AERA DIGITALの笠原健治さん後編インタビューの「『みてね』が多くの家族に支持されている理由」の節

「みてね」はママ・パパが安心して親バカできる環境なんです。

元記事の画面。みてねはママ・パパが安心して親バカできる環境で、視聴率100%の配信プラットフォーム。ユーザーは3000万人を超え4割が海外、という笠原さんの発言
元記事キャプチャ: 安心して親バカできる環境と3000万人

笠原さんは、「みてね」はママ・パパが安心して親バカできる環境だと話します。親バカとは、我が子を人に見せて自慢したくなる気持ちのことです。笠原さん自身にとっても、そうなのだそうです。

ユーザーの中には、「推しのアイドルのマネジャーをやってる気分」という人もいます。アップした写真の全部に、みんなが歓声を上げて見てくれるからです。

笠原さんは、これを視聴率100%の配信プラットフォームとも言っています。

数字も出ています。現在のユーザーは3000万人を超え、その4割が海外です。購入率は、欧米のほうが高いそうです。対象は、月額課金サービスの「みてねプレミアム」や、有料版のフォトブックなどです。

20人以上の大家族で写真を共有するユーザーが多いのも、海外の特徴だといいます。

海外のユーザーは、日本以上に熱狂的といっていいかもしれない。笠原さんは、そうも話しています。熱量の高さが、購入率の高さにもつながっているように見える。これが、私の数字の読み方です。

ここで目に留まるのは、機能の話がほとんど出てこないことです。笠原さんが挙げた理由は、安心でした。見せる相手が必ず見てくれて、歓声を上げてくれる安心です。

3000万人が使う理由は、機能の数より、見せる相手が必ず見てくれて喜ぶ安心にある、と私は読みました。写真を預ける保管庫としてではありません。見てもらえる場として選ばれている、という読みです。

あなたの商品はどうでしょうか。使った人が安心して喜べる場になっているかどうか、一度見直してみる価値があります。

05

みてね基金は、既存の制度では届きにくい団体や活動を支える。コンセプトを調整し続けた経験が土台

既存の基金の一部は利用条件が厳しく、目的変更ができないことも多い。みてね基金は既存制度では届きにくい団体や活動を支え、昨年一般財団法人になった。事業で学んだ途中でコンセプトを調整する大事さと、社員が喜んでくれて驚いた、の図解

AERA DIGITALの笠原健治さん後編インタビューの「『みてね基金』の活動を始めた理由」の節

だったら、そうした既存制度では支援が届きにくい団体や活動を支えたいと思ったんです。

元記事の画面。みてね基金は既存制度では支援が届きにくい団体や活動を支えたいと始め、昨年一般財団法人化した、という笠原さんの発言
元記事キャプチャ: みてね基金と一般財団法人化

みてね基金の活動を始めた理由を聞かれて、笠原さんは、既存制度では支援が届きにくい団体や活動を支えたいと思ったから、と話します。

きっかけは、コロナ禍でした。子育てを取り巻く課題がまだまだ多いと感じ始めた頃に、重なったのです。子育て家族を支援する基金はいくつもある。

けれど、利用条件が厳しく、柔軟性に欠けるものが少なくないと知ったそうです。お金の用途はきっちり決められています。目的変更ができないケースも多いといいます。

そこで効いているのが、笠原さんの経験です。いくつもの事業を立ち上げる中で、新しい事業を立ち上げる難しさと、途中でコンセプトを調整していく大事さを学んできた。だから、決まった枠の外の活動を支えたい。

そう考えた、という流れです。

みてね基金は、昨年、一般財団法人になりました。一般財団法人とは、法人の一種です。特定の目的のために財産を集めて運営します。今後は、もっと支援の輪を広げていくつもりだと話します。

意外だったことも語っています。いちばん驚いたのは、社員が「みてね基金」の活動を喜んでくれたこと。収益につながる活動ではなかったのに、社員に喜ばれたのが、すごくうれしかったそうです。

決まった枠の中に収まらない困りごとを、枠を調整しながら支える。これは、事業を作る時の、途中で直す、という考え方と同じだと私は読みました。

あなたのサービスでも、最初に決めた枠にお客さんの困りごとが収まらない時があると思います。その時に、枠を守るのか、枠を調整するのか。笠原さんの基金の話は、後者の考え方です。

事業の外にまで広げた形に見えます。

06

50歳で体力づくり、持ち株を約1700人の社員と役員に贈ると発表した。MIXIの第三の創業期

第一期mixi、第二期モンスト、第三期AIの流れ。今年5月に18億円相当の持ち株を社員・役員約1700人に贈ると発表し、50歳で体力づくりに励み体力も気力も充実。利益を返す先が、社会へのみてね基金、社員への持ち株、ユーザーへのみてねの3つに広がった図解

AERA DIGITALの笠原健治さん後編インタビューの「50歳を迎え、ご自身の中で変わったこと/持ち株の無償譲渡」の節

MIXIの株を持ってもらって、これからの成長を身近に感じてほしいという気持ちがあって。

元記事の画面。体力、気力とも充実の節。50歳で体力づくりに励み、今年5月に18億円相当の持ち株を社員や役員約1700人に無償譲渡すると発表した、という内容
元記事キャプチャ: 50歳の体力づくりと持ち株の無償譲渡

笠原さんが持ち株を贈る理由です。MIXIの株を持ってもらって、これからの成長を身近に感じてほしい。そんな気持ちでした。持ち株とは、会社の株を持つことです。

今年5月に発表しました。18億円相当の持ち株を、社員や役員約1700人に贈るというものです。「みてね基金」で、ある程度は社会に貢献できるようになった。社員にも、会社の利益をもっと還元できれば。

ずっと、そう考えていたそうです。実現するなら、今がちょうど良い。第三の創業期といえる今が、そのタイミングだと思った、と話します。

第三の創業期の意味は、期ごとに分けて話されています。第一期は、パソコン向けのSNS「mixi」が急成長した時期。第二期は、スマホ向けゲームの「モンスト」が成長のけん引役になった時期。

そして今の第三期の主役は、やっぱりAIでしょう、と言います。

もう一つ、笠原さん自身の変化があります。昨年12月に50歳になりました。数年前から、健康を気遣うようになったそうです。子どもたちが小学生になり、泳げるようになりました。

自分もその横で、また泳ぐようになった。すると、体力や筋力がすごく落ちていることに気づいたそうです。それから体力づくりに励みました。今はここ数年のなかで、体力も気力も充実している状態だといいます。

このままプロデューサーとして仕事を続けられたら、とも話しています。プロデューサーとは、作り手を束ねて全体を仕上げる役のことです。

無償譲渡を決めてからの話です。エレベーターで社員とすれ違うと、みんなニコニコしている感じがする、と笑っています。

利益は、お客さんだけでなく、働く人にも返す。そういう順番だと私は読みました。みてね基金で社会に、持ち株で社員に、そして「みてね」でユーザーに。返す先が広がっている、という整理もできます。

サービスが育った後に、誰へ返すかを考える。小さな会社でも、順番として真似できる部分です。

07

第三の創業期の主役はAI。会話ロボットRomiと「コミュニケーション×AI」を、人の熱という目で読む

笠原さんの話(AI会話ロボットRomiを事業化、コミュニケーション×AIの新規事業を練り中)と、私の線引き(AIに任せるのは返信の下書き、声の整理、候補出し。自分で持つのは最初のありがとうとサプライズを選ぶ判断)の図解

AERA DIGITALの笠原健治さん後編インタビューの「『第三の創業期』の主役」の節

今の第三期の主役はやっぱりAIでしょう。

元記事の画面。第三の創業期の主役はAI。会話ロボットRomiを事業化し、コミュニケーション×AIをテーマにした新規事業も練っている、という内容
元記事キャプチャ: 第三の創業期の主役はAI

笠原さんの答えは、はっきりしています。今の第三期の主役は、やっぱりAIでしょう。AIを、事業の主役に置くという宣言です。

具体的には、2つあります。すでにAI会話ロボットのRomiを事業化していて、「コミュニケーション×AI」をテーマにした別の新規事業も練っているところだそうです。Romiはすでに事業になっています。

新規事業のほうは、いま練っている最中です。

記事の結びは、笠原さんについてです。「マイミクになろう」で始まった“コミュニケーション屋”が、話題性や炎上が注目を集めるSNS社会に、今も別の価値を問いかけ続けている、と結んでいます。

年表で並べてみます。mixiが2004年、みてねが2015年、mixi2が2024年、そしてAI。どれも人と人をつなぐ事業だと見ることもできます。これは私の読みです。

AI氣道『ライブコマースは、AIの接客が増えても人間的コミュニケーションが強みになる。ECの次の差別化を動画で整理』より

「私なら、AIで作れる物が増えるほど、人の熱が伝わる場を大事にします。」

人の熱を大事にする向きは、私は『ライブコマースは、AIの接客が増えても人間的コミュニケーションが強みになる。ECの次の差別化を動画で整理』で書いています。

笠原さんの「コミュニケーション×AI」と、私が書いた「AIで作れる物が増えるほど、人の熱が伝わる場を大事にします」は、同じ向きだと読みました。

AIが主役になるほど、人と人のコミュニケーションの価値を、もう一度考える流れになる。そういう見方です。

最後に、あなたの仕事に引き寄せます。おすすめは、1行ずつ決めておくこと。AIに任せる所と、人の熱を残す所です。私なら、返信の下書きや、声の整理や、候補出しはAIに任せます。

一方で、自分で持つ所もあります。お客さんに最初にありがとうを言う一言や、サプライズを選ぶ判断です。AIに任せる所を増やすほど、人が持つ所をはっきり決める。それが大事になる、と私は考えます。

1秒動画が自動で作られても、見て喜ぶのは両親という人です。そこが笠原さんの話の芯だと、私は読みました。

FAQ

よくある質問

Q. ユーザーサプライズファーストとは何ですか。

A. 笠原さんの言葉で、ユーザーファースト(使う人の声に応えること)のもう一歩先を行く考え方です。声には出ていない喜びを先回りして足すこと、と言い換えられます。例として、写真から自動で作る1秒動画があり、写真共有アプリとしてはなくても困らないが、あったら嬉しいサプライズになると笠原さんは話しています。

Q. 「家族アルバム みてね」はどんなアプリですか。

A. 子どもの写真・動画を共有するアプリで、2015年にリリースされました。笠原さんが、遠方の両親と共有するための使いやすいアプリがなく、自分たちで作ったのが始まりです。現在のユーザーは3000万人を超え、その4割が海外だと笠原さんは話しています。

Q. みてね基金とは何ですか。

A. 既存制度では支援が届きにくい団体や活動を支える基金です。笠原さんによると、子育て家族を支援する基金には利用条件が厳しいものが少なくないと知ったことが、始めた理由の一つです。昨年、一般財団法人になりました。

Q. MIXIの第三の創業期とは何ですか。

A. 笠原さんの整理では、第一期がパソコン向けSNSのmixiが急成長した時期、第二期がスマホ向けゲームのモンストがけん引した時期、第三期の主役がAIです。AI会話ロボットのRomiを事業化していて、コミュニケーション×AIをテーマにした新規事業も練っているそうです。

Q. 自分のサービスに使うにはどうすればよいですか。

A. 私の読みでは、次の順番で考えられます。自分が一番困った場面を書き出す。お客さんの声を聞き続ける。声の先に、あったら嬉しいサプライズを1つ選ぶ。私なら、声の整理はAIに頼み、どのサプライズで驚かせるかを選ぶのは自分で持ちます。

MATOME

まとめ。声を聞いた先に、あったら嬉しい一つを足す

笠原さんの話は、順番に特徴がありました。自分が困った所から作る、声を聞き続ける、声の先にサプライズを足す、です。私が学ぶのは、この順番です。

出発点は、困りごとでした。遠方の両親と子どもの写真を見るのに、既存のクラウドサービスでは困ったのです。聞く所は、次のとおりです。開始前の20組のテスト、開始後1年半の自分でのサポート、公園での一人チラシ配りです。

その先に、機能を足します。写真から自動で作る1秒動画のような、なくても困らないが、あったら嬉しい機能です。南場智子さんの「届けるデライト」とも同じ向きだと、私は読みました。

安心して親バカできる環境。既存制度で届かない所を支えるみてね基金。約1700人への持ち株。どれも、人が安心して喜べる場を広げる動きに見えます。そして第三の創業期の主役は、AIです。

AIの時代だからこそです。私なら、声を並べる手や候補を出す手はAIに任せます。誰を驚かせるかを選ぶ判断と、最初のありがとうは自分で持ちます。同じ物が作れる時代に選ばれる理由は、そこに残る人の熱だと、私は考えています。

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COLUMN

常連さんが通う食堂は、頼んでいない一品が帰り際にそっと付く

小さな食堂のカウンターで、エプロン姿のひろくんが、おまけの一品の小鉢をお盆に載せてそっと差し出している情景。手前に本日のおしながきの立て札と湯呑み

あるところに、常連さんが何度も通う食堂があるとします。お客さんから「もう少し濃い味で」という声が出れば、店主は聞いて、味を直します。これは、飲食店ならどこでもやる、当たり前のことです。ところが、少し違います。声を聞いて直すだけの店と、何度も通いたくなる店は。通いたくなる店では、帰り際に小さな一品がそっと付いてくる。頼んでいないのに、です。その一品は、メニューに載っていません。なくても困らないのに、あると、その日の食事が少し特別になります。お客さんは、注文した覚えのない一品に、思わず笑顔になります。

笠原さんの話を、この食堂に重ねてみます。自分が困った所から作るのは、店主が自分で一番食べたい味から店を始めること。声を聞き続けるのは、毎日の仕事です。カウンター越しにお客さんの顔を見て、味を直し続けること。そして、声の先にサプライズを足すのが、帰り際の一品です。AIは、この食堂で言えば、手の速い助手です。お客さんの声のメモを整理してくれます。同じ言葉で何回も出てくる声と、1回だけだが強い言葉を並べてくれます。でも、決めるのは店主です。帰り際に誰へどの一品を付けるかは、お客さんの顔を知っている店主が決めます。

今日の1手は、小さいものでいいです。自分のお客さんの声を、直近のものから10件だけ、AIに並べてもらってください。そのうえで、声には出ていないけれど、あったら嬉しい物を1つだけ、自分の頭で選んでみる。大鍋に火を入れる前です。小皿を1つ出すつもりで、そのサプライズの小さい版を、お客さん1人に見せて、反応を聞いてみてください。反応が返ってきたら、そこから先は、また声を聞いて直す番です。

分身AIと歩んだ記録は、分身AIと歩んだ100日の全まとめにまとめています。

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REF

参考リンク

今回紹介した記事

著者AERA DIGITAL編集部(聞き手:田茂井治)
媒体AERA DIGITAL(Yahoo!ニュース配信)
公開日2026年10月19日
元URLhttps://news.yahoo.co.jp/articles/f08bb81f36e9638203fe72181f5d3f95eedd0789

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