WATCH REPORT

岡田斗司夫さんが本『陰謀論バカ』を紹介、陰謀論にハマる人を責める前に知りたい脳の仕組み

2026.10.17

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube のチャンネル『OTAKING Anime Seminar』で、岡田斗司夫さんが『陰謀論バカ』という本を紹介した動画を紹介するね。

ニュースやSNSで、同じ出来事を見ても、人によって受け止めが大きく分かれます。陰謀論にハマる人を、切り捨てたくはありません。

では、どう考えたらよいのでしょう?そんな経営者や会社員に向けて書きました。

動画は51分。そのうち本の話は冒頭の約12分だけです。残りは、過去の別の語りの切り抜きが続きます。

前半で読み上げられるのは、橘玲さんの記事。VRで再現した地下鉄の実験。「灰色の眼鏡」と「バラ色の眼鏡」の話。

そこへ岡田さんが、同じ配分は1人の中にもある、という見方を足します。

読み終えた後に手元に残るのは、3つ。本の紹介がどこまでかが分かり、見る時間を選べます。

橘さんの記事と、岡田さんの解釈も分けて読めます。陰謀論にハマる人を外から眺めるのではなく、自分のニュースの見え方を振り返る手がかり。それを持ち帰ってもらえたらと思います。

SPEAKER

岡田斗司夫さん

動画の語り手です。冒頭で、橘玲さんの記事を読み上げながら、宝島社新書『陰謀論バカ』を紹介します。

3行でわかるポイント

  1. 岡田斗司夫さんは、橘玲さんの記事を読み上げ、自分の解釈を足して本を紹介します。本の話は冒頭の約12分、その後の約38分は過去の別の語りの切り抜き。(第1章へ)
  2. 動画で読み上げられた記事では、何も起きないVRの地下鉄を見た人の6割が、何も起きなかったと答えます。2割は好意的に、2割は敵意をもって見た、という結果。岡田さんは、この2割・6割・2割が1人の中にもあると足します。(第2章へ)
  3. 私なら、ニュースを見て心が先に動いた時は、その頭の中の会話に気づくところから始めます。(第3章へ)

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01

『陰謀論バカ』の冒頭で語られる、脳は陰謀論的に考えるように作られているとは

▲目次
左から右へ、150人の村、噂話、ドーパミン、正義の快感と4つの場面が矢印でつながる流れ図
図解: 150人の村から、噂話、ドーパミン、正義の快感へ
動画の画面。『陰謀論バカ』の本の表紙が映る場面
動画キャプチャ: 本の表紙(0:03頃)

陰謀論を信じるのは、考えが浅いから。そう片づけて、本当にいいのでしょうか?ひどい題だと笑いながら、岡田さんはある本の冒頭を読み上げます。

紹介されるのは、宝島社新書の『陰謀論バカ』。冒頭部分は東洋経済オンラインで読める橘玲さんの記事で、面白かったから読み上げる、という入りです。

橘さんの記事は、こう書きます。科学的で合理的な考え方こそまともで、陰謀論は考えの浅い人が信じるものだと思われがち。

でも人類の進化を考えれば、脳は陰謀論的に考えるように作られている、という主張です。

岡田斗司夫さん(橘玲さんの記事の読み上げ)(動画の中で・0:30〜)

私たちは当たり前のように科学的合理的思考が正しくて陰謀論をバカが信じるものだと思っています。でも人類の進化の歴史を考えれば脳が陰謀論的な思考するように作られていることは間違いないと。

記事によると、祖先は顔見知り150人ほどの村社会で暮らしていました。噂話と、政治的な駆け引きの中の暮らし。ライバルを蹴落とす効率のいい方法は、悪い噂を流すこと。

岡田斗司夫さん(橘玲さんの記事の読み上げ)(動画の中で・1:01〜)

人は徹底的に社会的な動物なので共同体から排除されると生きてくことができない。

生き延びるには、常に自分の噂を気にして、評判を確かめること。相手の序列を下げ、自分の序列を上げるよう、自ら陰謀を巡らせること。正直者は真っ先に陰謀の餌になった、とあります。

ここで岡田さんは、記事をいったんまとめ直します。陰謀を信じる気持ちは、社会的な生き物には当たり前。信じない人は、社会から外されて生き残れなかった、という言い直しです。

記事は続けて、脳の報酬に触れます。不道徳な人を罰すると、脳にドーパミンという報酬が与えられる、という指摘。

正義には、ギャンブルやドラッグと同じ中毒性がある。記事は、これを不都合な真実と呼びます。

マスメディアは、正義というドーパミンの快楽を届ける娯楽産業。記事はそう書き、匿名で好きなだけ叩けるSNSが、正義の暴走を止められなくした、と続けます。

善と悪に分けて見るのは、人間の本性。悪と戦って正義を取り戻すと、強い快感が得られる仕組みが脳に入っている、とあります。

旧石器時代は、誰かが常に自分へ陰謀を仕掛けている前提でないと、生き残れませんでした。

記事の理屈では、警戒して失うのは多少の労力。陰謀の罠に気づかなければ、どうなるか。失うのは命です。

ここからは、岡田さん自身の言葉。ウクライナ戦争より芸能人の不倫がワイドショーで大きく扱われる理由が、よく分かる、と話します。善悪がはっきりしていて、ドーパミンが出やすいから。

不倫に興奮するのも、くだらない不倫ばかり流すなと怒るのも、同じドーパミンだと言います。

そう言われると参ってしまう、一体どうすればいいのか。岡田さんはそうこぼしてから、面白いのはここからだ、と続けます。

橘さんの記事の芯は、信じる仕組みが誰の脳にも入っている、という所。陰謀論を信じる人が愚かだ、という話ではありません。

噂を流す側に回ることも、悪を罰して快感を得ることも、昔の暮らしでは生き残るための働きでした。今の脳にも残る働き。

事実と見立てをどこで分けるかは、生配信で語られた憶測と事実の線引きを6つに分けた整理に書いています。

責める前に、仕組みを見る。橘さんの記事の冒頭は、その順で読める所です。

02

VRの地下鉄で、同じ映像を見た人の2割だけが睨まれたと答えた実験

▲目次
同じVRの地下鉄の映像から、睨まれたと答えた2割(灰色の眼鏡)、何も起きなかったと答えた6割、微笑まれたと答えた2割(バラ色の眼鏡)の3つに分かれる図
図解: 同じ映像が、2割・6割・2割に分かれる
動画の画面。書斎の机で、橘さんの記事を読み上げ、警戒心の強さの個体差の話が始まる場面
動画キャプチャ: 警戒心の強さの個体差を読み上げる場面(4:48頃)

何も起きない地下鉄の映像を見て、睨まれたと答える人も、微笑まれたと答える人もいます。なぜ答えが分かれるのでしょう?その実験を、岡田さんは橘さんの記事で説明します。

記事はまず、警戒心の強さには個体差があり、その傾向は今も人の中に残っている、と書きます。

実験をしたのは、強い不審と不安を専門に研究する、オックスフォード大学のフリーマン教授。実験は教授の著書に書かれている、と岡田さんは添えます。

教授は、満員のロンドンの地下鉄をVRで再現しました。映像は、何も事件が起きない普通の地下鉄。それを大勢の人に見せる実験です。

岡田斗司夫さん(橘玲さんの記事の説明)(動画の中で・5:10〜)

この実験に参加した被験者の6割は普通の地下鉄で特別なことは何も起きませんでしたという風に答えた。

実際に何も起きていない映像。それでも残る4割は、二つに分かれます。好意と、敵意。

動画で読み上げられた記事では、2割が、微笑みかけてくれた人がいた、と好意的な体験を答えました。

残りの2割の答えは、睨みつけられた、という否定的な体験。どちらも男女は問わなかった、とあります。

好意的な側は「バラ色の眼鏡」、否定的な側は「灰色の眼鏡」をかけて世界を見ている、と記事は表します。

ここで岡田さんが口にするのは、人類の2割は楽観的、2割は否定的で、この配分でないと民族は生き残れないと思う、という言葉。

岡田斗司夫さん(動画の中で・6:45〜)

え、すいません。今の、ま、これぐらいないと人類生き延れないってのは僕の解釈でした。

すぐに、これは自分の解釈だったと岡田さんは断ります。

記事に戻ると、実験のまとめは3つ。現実をそのまま受け止めているのは6割。2割は世界を好意的に、残る2割は敵対的に解釈している、とあります。

記事が伝えるフリーマン教授の見方では、コロナ下で陰謀論にハマったのは、灰色の眼鏡をかけた人たち。

岡田斗司夫さん(橘玲さんの記事の読み上げ)(動画の中で・7:16〜)

彼ら彼女たちは社会や他人に対する信頼度が元々低く政府やメディア専門家の言うことを信用しません

記事のまとめはこうです。灰色の眼鏡の警戒心は、狩猟採集の時代には生き残るために役立ちました。豊かで平和な現代では、逆効果。

バラ色の人は、今は付き合って楽しい人と評価され、幸せに暮らしている、とあります。

ここから岡田さんが足すのは、この論の面白さ。噂を広める側に回った方が、生き残りやすかった、という前提です。

例は、身近な噂話。道端での近所の噂話、会社の給湯室での同僚の噂話、サラリーマンが集まって盛り上がる上司の話。

あれは当たり前で、生きるために必要な行為だった、と話します。

SNSやネットが育った今は、有利だったはずのその行為が、生き残るうえで不利な側へ。そこが面白い所だ、と岡田さんは言います。

岡田さんの比喩は、大きすぎる身長や、脂肪をためる体です。飢えの時代には生き残るのに有利だったのに、今は不利になった体質。

灰色の眼鏡の警戒心も、同じように受け継いだ体質だと考えられる、と話します。

この記事は、灰色の眼鏡の人をおかしな人として描いてはいません。昔は命を守った警戒心が、今の暮らしには合わなくなった、という読み方。

変わったのは、暮らしのほう。

民族が生き残れないという一言は、岡田さん自身が解釈だったと断った部分です。

03

2割・6割・2割は1人の中にもある。岡田さんが付け足した読み方

▲目次
灰色の眼鏡、ふつう、バラ色の眼鏡の3つの区間がある半円のダイヤルで、針が場面によって動く図
図解: 1人の中のダイヤルで、針が動く
動画の画面。書斎の正面で、2割・6割・2割は1人の中にもある、と説明する場面
動画キャプチャ: 2割・6割・2割は1人の中にもある、と説明する場面(11:13頃)

実験の数字は、人を6割・2割・2割に分ける材料に見えます。では、その数字は、人を分けるための数字なのでしょうか?岡田さんは、ここで一言足します。

さらに付け加えることがある、という前置き。橘さんの2割・6割・2割は、1人の人間の中にもあると思う、と岡田さんは言います。

岡田斗司夫さん(動画の中で・9:50〜)

2割6割2割っていうのは1人の人間の中にもあると思うんですよ。

岡田さんの見方では、6割の人、2割の人と分けるのではありません。いま脳のどの部分、どの価値観が動いているか。人は楽観と悲観の間の中央値で動いていて、その位置が動く、と話します。

動かすのは、天気や気圧、ネットやテレビで見た情報、人と会って直に聞く話。悲観寄りにも、楽観寄りにも振れます。

たとえば、雨が降った日は悲観寄りになりやすい人。元々人と会うのが好きで、会うと楽観寄りになる人。ネットやテレビで見て思い込む人もいれば、人と直に話して急に変わる人もいます。

いろいろな出方があるだけ、と岡田さんは言います。中央値がどちらに寄りやすいかで、敏感か鈍感かの差が出る、という見方。

フリーマン教授のデータは、おそらく人の中で出てくるものを取ったデータだ、とも話します。

それでも2割・6割・2割には納得がいく、と岡田さんは続けます。名前は「262の法則」。今後のゼミでも使う、と言います。

個別の陰謀論については、信じるのも変だし、見下すのも野暮、という立場。まず、こう考えたら信じる人の気持ちが分かる、と共感する見方を挙げます。

地球平面説は信じていない、と断ったうえで、その説を馬鹿にする方法を考えるのも、なかなか面白いと話します。どうやれば論破できるか、という考え方。

自分は楽観的な2割の方だと思う、と岡田さんは言います。そのうえで、自分の中央値はどの辺りか。

どんな話題や環境だと振れ幅が大きくなり、灰色寄りになるのか。それを探すのも楽しい、と続けます。

岡田斗司夫さん(動画の中で・12:24〜)

そういうレンズだけで解釈しなくなると思います。

2割の人、と他人を分けて眺める見方から、自分の中の振れ幅を見る見方へ。岡田さんの足した一言は、そこを動かします。見る先は、自分の中。

さて、2026年7月24日の魂磨きで、私は、左脳は「ありもしない妄想会話で勝手にリスク回避したりする」と答えています。魂磨きは、AIが問いを出し、私が自分の言葉で答える時間。

別の問いでは、左脳の妄想や会話に気づいた瞬間、左脳さんとしてメタに自分を俯瞰して、自分がゲームのプレイヤーとして操作するコントローラを握る、と答えています。

左脳さんという呼び名の出どころは、ネドじゅんさんの本を読んだことです。

動画は、人の中で警戒心が動く幅の話。私のほうは、頭の中の会話に気づく話。

立つ所は違いますが、起きていないことに反応して警戒する働きを、気づいて見る、という点は重なります。

私なら、ニュースを見て心が先に動いた時は、その頭の中の会話に気づくところから始めます。

04

後半38分は本の紹介ではなく、過去の別の語りの切り抜き。何が語られるか

▲目次
動画の時間軸を、前半12分の本の紹介と、後半38分の過去の別の語りに分け、後半に物語と神話、占いと宗教、月面着陸の説、都市伝説の4つの立て札を並べた地図
図解: 動画51分の地図。前半12分は本、後半38分は過去の語り
動画の画面。過去の映像で、ホワイトボードを使ってアニメ作品のシナリオを語る場面
動画キャプチャ: 過去の映像で、アニメ作品のシナリオを語る場面(27:15頃)

本の話が終わった所で、画面は過去の映像へ。口調も変わります。ここから先は、本の紹介ではありません。

では、何が語られるのでしょう?見る時間を選べるよう、話題の地図を置きます。地図は、話題の順です。

最初は、現実は物語にしないと把握できない、という話。脳の容量は猿の時代から増えておらず、複雑な社会はそのままでは頭に入らない、と岡田さんは話します。

例に出るのは、ローマ人。冷静で論理的なローマ人が、ギリシャ神話を信じていたのは意外だ、と言います。

ローマは、道路の整備や、食料と人の配置で勝つ、合理的な民族。だからこそ地中海世界を征服できた、と話します。勝ち方まで合理的。

そのローマ人でさえ、神話を必要としました。

現代人に宗教が要らなかったのは、テレビが物語を与えたから。テレビは有限のチャンネル、ネットは無限。テレビの力が弱まり、みんながネットに入ると、共通の物語が失われる、という流れです。

岡田斗司夫さん(過去の映像)(動画の中で・13:27〜)

現実そのものでは今の僕らですら受け入れられないもんなんだ。

次は、占いや宗教の話。理解できないことや納得できないことを飲み込んで、人は行動できる、と話します。迷信と宗教の違いは論理体系だ、という言葉もあります。

あるアニメ作品を、科学から生まれた宗教として語る場面も。

さらに、アポロの月面着陸は嘘だという説の話。隠す方が高くつく、と岡田さんは言います。悪の組織はなく、儲けたい組織があるだけ、という見方です。

マスコミにタブーはなく、面倒くさいのが嫌いなだけ。そう話す場面もあります。タブーより、手間。

岡田斗司夫さん(過去の映像)(動画の中で・34:07〜)

分からないことが不安なんだ。

世の中の分からないこと。それを認められないことが、都市伝説が生まれる原因だ、という話が続きます。締めくくりは、都市伝説の検証です。

前半は橘さんの記事、後半は岡田さんの過去の語り。素材は別ですが、どちらも、人の頭は世界をそのままは受け取れない、という所でつながります。地続きの話。

手がかりは、構成にあります。前半の直後に後半が置かれ、その最初の言葉は、現実そのものは受け入れがたい、というもの。

本の紹介だけなら、前半の約12分。岡田さんの語りも聞きたいなら、後半まで。見る時間は、ここから選べます。

岡田さんの過去の語りや本の紹介は、評価経済といい人戦略の視聴レポ、ベーシックインカムと公式資料の視聴レポ、出典が本物でも文が偽になる理由の記事にもまとめています。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. 灰色の眼鏡とは、何のことですか?

A. 動画で読み上げられた橘さんの記事に出てくる呼び名です。VRの地下鉄の映像を見て、睨まれたなど否定的な体験を答えた2割の人を指します。反対側の2割は、バラ色の眼鏡。

Q. 本の話は、動画のどこまでですか?

A. 冒頭の約12分です。橘さんの記事の読み上げと、岡田さん自身の補足が続きます。その後の約38分は、本とは別の、岡田さんの過去の語りの切り抜き。

Q. 2割・6割・2割は、誰の主張ですか?

A. 実験の数字は、岡田さんが読み上げた橘さんの記事のものです。1人の中にもある、という見方は、岡田さんが足したもの。民族が生き残る配分の一言も、岡田さんの解釈です。

Q. 後半の38分は、何の話ですか?

A. 物語と宗教、テレビとネットの話から始まります。続いて、悪の組織はないという話と、分からないことが不安だという話。最後は都市伝説の検証です。

MATOME

まとめ。本の紹介は冒頭12分、2割・6割・2割は1人の中にもある

▲目次

動画51分のうち本の紹介は、冒頭の約12分。残りは、岡田さんの過去の別の語りの切り抜きです。

灰色の眼鏡とバラ色の眼鏡の実験は、橘さんの記事の話。民族が生き残るための配分という一言は、岡田さんが自分の解釈と断った部分です。

そのうえで岡田さんが足したのは、2割・6割・2割は1人の中にもある、という見方。人を分けるより、自分の中で振れる幅を見る読み方です。

ニュースを見て心が先に動いた時、自分の頭の中では、どんな会話が先に始まっているでしょうか?

今回紹介した動画

チャンネルOTAKING Anime Seminar
出演岡田斗司夫さん(語り手)
公開日2026年10月6日
長さ51分17秒(日本語)
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=5eCJabEgKIY

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