WATCH REPORT

MRAMとは、超低電力で宇宙線にも強い新しいメモリを対談から解説

2026.10.20

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube のチャンネル 松井証券_MatsuiSecurities の動画で、中島聡さん、ものづくり太郎さん、野村泰紀さんと、進行役の成田修造さんが、5〜10年後の世界企業の序列と、AIの詰まりの場所、米中、MRAM、人が暇になる未来を、約28分で話した回を紹介します。

AIや半導体、世界の大きな会社の話は気になる。でも、投資の専門家ではない。4人がそれぞれ違うことを言うと、誰が何を話したかが混ざってしまう。長い対談を通しで見る時間もない。そんな人に向けて書きました。

動画は28分の対談です。この記事は、その対談から解説する形でまとめました。4人が書いてきたTier表の割れ方から入ります。そこからAIの詰まり、米中、エヌビディアの交代論とMRAM、AIが進める科学と人が暇になる未来へと、順に話が進みます。

読み終えると、動画の筋道を順に追えます。誰が何を話したかを取り違えずに、見立ては見立てとして、確かめた事実と分けて読めるはずです。その横に、私ならどうするかの一言を添えました。

SPEAKER

中島聡さん(エンジニア/投資家)

画面の肩書はエンジニア/投資家。この回では、アルファベットやスペースXの見立て、ドローンとロボットの話をします。

SPEAKER

ものづくり太郎さん(製造業YouTuber)

画面の略歴は、認証機関から製造業の営業を経て、2020年にYouTuberとして活動を始めた人。登録者は37万人超(2026年9月時点)。この回では、電力・水・メモリ、中国、MRAMの話をします。

SPEAKER

野村泰紀さん(理論物理学者)

画面の肩書は理論物理学者。この回では、米国の研究機関に属する立場から、米中の研究者の共著を巡る話をします。

SPEAKER

成田修造さん(株式会社MW CEO)

画面の略歴は、クラウドワークスの役員を経て、2024年にMWを共同創業した人。この回では進行役を務め、AIと科学の話にも触れます。

3行でわかるポイント

  1. 4人のTier表で、同じエヌビディアがSとAに割れました。太郎さんは、AIの詰まりをGPUより電気と水とメモリに見ています。(第1章・第3章へ)
  2. 米中の競争と中立の立ち位置、エヌビディアの交代論、スペースXとの提携、MRAMの見立てを、4人が順に話します。(第4章・第5章へ)
  3. 私なら、人が暇になる時代の問いは、空いた余白で何をするか、から立てます。(第6章へ)

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01

エヌビディアはSにもAにも。世界企業の序列は4人で割れた

▲目次
和紙に描いた水彩の図解。三段の棚に札が並ぶS・A・Bの表、エヌビディアはSとA、発言として並べる、の3つが矢印でつながり、下の帯に序列は見立て、と書かれている。
図解: 世界企業の序列は人ごとに割れた
動画の画面。5〜10年後の世界企業Tierの題の下に、野村泰紀さん、中島聡さん、ものづくり太郎さんの顔写真つきで、S・A・Bの3段の表が3人分並ぶ。右下に、出所は各出演者の情報をもとに松井証券作成、と出ている。
動画キャプチャ: 3人分のTier表が映る場面(1:30頃)

動画が最初に置くのは、答えではありません。4人が別々に書いてきた表です。同じ会社でも、人によって置く段が違う。どこで、どう割れたのか。順に見ていきます。

動画の後半戦は、2つのテーマで進みます。5年後、10年後の世界のトップ企業は。そして、今注目の技術は。4人は事前にTier表を書いてきて、それを見ながら話します。

野村さんのSは、GAFAMとエヌビディア。Aに置くのはTSMCとブロードコム。スペースXもAです。

中島さんのSは、スペースXとテスラ、エヌビディア、アルファベット。Aには、マイクロソフト、アップル、メタ、アマゾンが並びます。

太郎さんの表は、最上段に中国のテック企業。GAFAM、テスラ、CPO関連、MRAM関連、サムスンもSで、エヌビディアはAです。CPOは光の半導体、MRAMは新しいメモリで、コアを握る領域として入れた、という説明です。

続いて中島さんは、GAFAMにテスラとエヌビディアを足した7社で、どこが君臨し続けるかを話します。テスラはスペースXと合併せざるを得ない、という見立て。エヌビディアは相変わらず強い、とも話します。

中島聡さん(動画 2:58〜)

やっぱりアルファベットが1番ポテンシャルはあるかなと。

メタについては、大きなユーザープラットフォームと高い収益力が挙がります。AIグラスが広がれば、アップルとグーグルとメタの戦いになる、という見立てです。成田さんは、友人の間でスマートグラスを使う人が増え、子どもの写真を撮る用途が多い、と話します。

マイクロソフトは企業向けに強く、アマゾンにも強い土台があります。この2社は簡単には消えません。話は、そんなやり取りへ続きます。

ここで見たいのは、誰が上かではありません。

同じエヌビディアが、野村さんと中島さんではS、太郎さんではA。この割れ方です。誰の置き方を取るかは、ここでは決めません。

序列は、5年後、10年後の予想です。今、確かめられる事実ではありません。

だから、この表は答えとしてではなく、4人それぞれの見方の一覧として読むと、話が追いやすくなります。同じ会社なのに、なぜ段が違うのか?そこに、それぞれが何を大事に見ているかが出てきます。

私の記事より(AIバブルは弾けるかを、安野貴博さんの解説から整理した記事・NVIDIAが時価総額600兆円になった、たった1つの理由の節)

でも一番下の半導体だけは、事実上NVIDIA一強。全部の層が、最終的にはこの土台に依存しているから、土台を持ってる会社が一番強いんです。

その記事は、半導体という一番下の土台が、上の層すべてを支える、という話でした。

今回の表では、その土台の会社に置く段が割れました。土台を持つこと。いつまで上に居続けるか。この2つは、別の問いです。

序列は発言として受け取ります。確かめた事実とは、別の棚に分けて書いておきます。

02

ドローンの話から、AIの使いこなしはまだ入り口という話へ

▲目次
和紙に描いた水彩の図解。ドローン、使いこなす人は少ない、頼み方で上げる、の3つが矢印でつながり、小さな機体と戦闘機が空に並び、下の帯に入り口の先へ、と書かれている。
図解: AIはまだ入り口
動画の画面。左上に、戦争を変えるドローン、の題。中島聡さんが左を向いて話し、画面下の字幕に、人間が耐えられるのは2〜3G、ドローンは10Gでも耐えられる、と出ている。
動画キャプチャ: ドローンと人間が耐えられるGの話の場面(5:13頃)

序列の話は、ここで一度、地面に降ります。具体的な例はドローン。章の後半は、AIを使いこなす人の数の話へ進みます。

動画は、ドローンの会社の話に入ります。従来の軍需は、コストに利益を上乗せする契約で、値段が上がりやすく、技術の更新も進みにくい、という説明です。

そこへ、安く量産できるドローンがはまります。小型の迎撃ドローンが、高価な相手を落とす例も出て、戦争が変わった、というやり取りが続きます。

戦闘機について、中島さんは、人間が耐えられる加速度は2〜3G、ドローンは10G以上でも動ける、と話します。戦闘性能では勝てない、という見立てです。

基盤となるモデルを握るAIの会社は強く、AIインフラは大きい。中島さんは、そう見ています。

動画では、最上位の有料プランを使いまくっている、という話も出ます。そこまで使いこなす人は、まだ0.2%しかいない、という見方です。

中島聡さん(動画 5:50〜)

あれを使いまくってるんですけど、それぐらい使いこなしてる人間がまだ0.2%しかいないので、

まだ2合目どころか、入り口だという見立て。成田さんは、AIバブルではなく、とても大きな変化になる、という見方を重ねます。続く話では、AIが人の関与なしに動き続け、家の温度管理まで任せる姿が描かれます。そこにロボットが入れば、常に何かが動いている状況になる、という見通しです。

ドローンの話と、0.2%の話。この2つは、同じ向きを見ています。

どちらも、いまはまだ入り口に過ぎない、という見方です。

では、使いこなす人が0.2%だとして、その差は何で決まるのでしょう?

私の記事より(AIの使いこなしとは何かを、文脈とゴールを渡して良い答えの確率を上げることとして整理した記事・AIの正体はオートコンプリート。使いこなしは、良い答えを引く確率を上げることの節)

当たりが出る確率を、頼み方で上げます。それが使いこなしだ、と私は見ています。

中島さんの0.2%は、使う量の話として聞こえます。私の見方は、量ではなく、頼み方。

入り口を越えたかどうかは、どれだけ使ったかより、何を渡して、どこまで持たせたかで分かれます。入り口の先にあるのは、任せ方。

私なら、使いこなしは頼み方で当たりの確率を上げることだと考え、渡す相手を1人に決めて、終点まで持たせます。

03

AIの詰まりはGPUより電力・水・メモリ。太郎さんの話を整理する

▲目次
和紙に描いた水彩の図解。電柱の電力、蛇口の水、棚のメモリが矢印で横に並び、下の帯に詰まりの場所は移る、と書かれている。
図解: 詰まりは電力・水・メモリ
動画の画面。左上に、サムスンがエヌビディアを超える?、の題。サングラスのものづくり太郎さんが身を乗り出して話し、画面下に、メモリ技術、の字幕が出ている。
動画キャプチャ: メモリ技術のテロップが出る場面(11:22頃)

AIの話なのに、この章で出てくるのは半導体の性能ではありません。電気と水、そしてメモリ。詰まっているのは、本当にGPUなのでしょうか?

成田さんは、データセンターの要になる会社も表に入れた、と話します。太郎さんが表に書いた重工業・インフラは、データセンターの電力と水のことです。

いまのデータセンターのボトルネックは、GPUというより電気と水だと言われている、と太郎さん。水冷で冷やし、水は熱を奪って蒸発するので、水がないとAI半導体を冷やし続けられません。

日本は、蛇口をひねれば水が出る国。ただ、アメリカなど大規模に動かす所では、電気があっても水がなければ動かせない、という話です。

ものづくり太郎さん(動画 7:48〜)

大規模的に動かすところは電気があっても結局水がなければ

水を扱う会社が、次の主役になる可能性もあります。動画は、そこまで踏み込みます。

話はサムスンへ移ります。強いと見る理由は、メモリ技術。DRAMとHBMとフラッシュを押さえている点だと、太郎さんは説明します。

ものづくり太郎さん(動画 11:23〜)

メモリーが今ボトルネックになりかけてるので。

エヌビディアの次世代の半導体は、メモリを16個重ねる戦略を減らす方向に動いています。要は、メモリが手に入らないから、という話です。

ウェハーを流せる量は決まっていて、メモリには好況と不況の波もあります。だから3〜5年は、メモリが枯渇し続けると想定しています。

ここで動画が描くのは、詰まりの移り先。半導体そのものから、周りの電気と水とメモリへ、場所が移っていく筋です。

私の運用で詰まっていたのは、機械の側ではありませんでした。

2026年10月9日から16日の8日間。AIの作業の途中で届く確認に私が答えた件数は、2,670件でした。1日あたり、約334件。

そのうち1,353件、51%は、選択肢を選ぶのではなく、自分で文を書いて返した回答です。

棚卸しの結論は、はっきりしていました。詰まっているのは機械ではなく、私が答える確認の量そのもの。

私の記事より(M5 UltraとDGX Sparkを比べて、AIが答えを返し始めるまでの待ちを整理した記事・推論は読む段階と書く段階。公称値と実測は別の節)

2つ目は、答えを1トークンずつ書く段階。1トークンごとにモデルの重みをメモリから読むので、メモリからデータを運ぶ速さ(メモリ帯域)で決まります。

機械の中でも、作業の段階で詰まる所は変わります。太郎さんの話は、データセンターの規模での詰まり。私の手元では、それが人の側にありました。

詰まりの場所は、規模や段階で移ります。足りないのは、機械の側だけではありません。

足りない物を数える時は、人の側の詰まりも数に入れておく。それが、私の数え方です。

04

米中の競争と、どっちつかずの立ち位置という見方

▲目次
和紙に描いた水彩の図解。安いエネルギー、米国は数年で変わる、どっちつかずの立ち位置の3つが矢印でつながり、中央に天秤、左に工場、右に議事堂の風景が描かれ、下の帯に一つに寄せない、と書かれている。
図解: 米中の競争と中立の立ち位置
動画の画面。左上に、米GAFAM vs 中BAT、の題。サングラスのものづくり太郎さんが両手を広げて話し、画面下の字幕に、西部で計算して東部に資源を戻す、と出ている。
動画キャプチャ: 西部で計算して東部に資源を戻す、のテロップが出る場面(9:37頃)

電気と水の次に、動画が置くのは国の話。AIと半導体が、会社どうしの競争から国の争いへ変わっていく流れです。

太郎さんは、中国のBAT、バイドゥとアリババとテンセントが、2010年代には世界の上位20社に入っていた、と振り返ります。いまでは、バイトダンスなども巨大企業。

半導体の国家ファンドが、中国のAIの会社に出資した話も出ます。半導体とAIが国家の争いになるのは避けられないトレンドだ、と太郎さんは話します。

中国の独自のAIは、米国の最上位に半年ほど遅れで迫ります。動画はそう説明します。強みの1つは、エネルギーを非常に安く作れる点です。

ものづくり太郎さん(動画 9:15〜)

エネルギーが非常に安く作れるっていうのが中国の1つの強さで

東にデータがあり、エネルギーの多い西の内陸で計算して、東へ戻す。そんな国家プロジェクトが走っている、と太郎さん。利益が出るかは別として、中国のテック企業は侮れない、という見方です。

中国ではGAFAがほとんど使えません。だから別物だ、と成田さん。

野村さんは、米国の政権が、米国の研究機関の研究者に、中国の研究機関の研究者との共著を禁止する案を出した、と話します。自分もその対象。ただし、通らないと思う、という見立てです。

話はここから、立ち位置へ移ります。

ものづくり太郎さん(動画 10:34〜)

アメリカはコロっと変わるんですよ。どっちつかずのこのうまいポジショニングを使った方がいいと思うんですね、僕。

米国は2〜3年の時間軸で変わります。だから、どちらにも寄せ切らない位置を使うほうがいい、という見方です。

日本は、貿易額で中国、国防で米国に依存しています。だから大きく影響を受ける、と話は続きます。これは企業というより、地政学のメタトレンド。外せない所です。

ここで、序列の話が国の話に変わります。会社どうしの比べ合いから、国どうしの綱引きへ。

この章は、2つの見方を並べると追いやすいです。米国は2〜3年で変わる、という見方。どちらかに寄せ切らずにいる、という見方。

2つは別の話に見えて、一つの側に寄せ切らない点で並びます。読みながら、どちらの話がいまの自分に近いか、思い浮かべてみてください。

私の記事より(AIモデルがコモディティ化しても、大手が最先端を競い続ける理由を整理した記事・量は安いAIへ流れるのに、なぜお金は最先端のモデルに集まるのかの節)

OpenRouter 経由の処理量で、米国モデルのシェアは約7割から約3割に下がりました。処理量がいちばん大きいのは、DeepSeek です。

この数字は、湯川さんの解説にある数字です。中国のAIが米国の最上位に迫る、という動画の話と、同じ流れの中にあります。

一つの国のモデルが、ずっと上に居続けるとは限らない流れ。

どの国のモデルかより大事なのは、乗り換えられる形にしておくことだと考えます。

05

エヌビディア交代論、スペースXとの提携、宇宙線にも強い新しいメモリMRAM

▲目次
和紙に描いた水彩の図解。エヌビディアのチップ、スペースXのロケット、MRAMのチップが矢印で並び、地球と衛星が描かれ、下の帯に伸びる需要と足りない供給、と書かれている。
図解: 次の主役はどこか
動画の画面。左上に、エヌビディア×スペースXが実現?、の題。中島聡さんがうつむいて話し、画面下の字幕に、テラワット級のデータセンターを宇宙に作るスペースXと、と出ている。
動画キャプチャ: テラワット級のデータセンターを宇宙に作る、のテロップが出る場面(16:37頃)

エヌビディアは、いつまで今の位置にいるのか。動画の中盤は、この問いから始まります。話は宇宙へ、そして宇宙線にも強い新しいメモリへ。1本の筋でつながっていく流れです。

成田さんが、エヌビディアは若干交代するのかと聞くと、そう思う、と答える声があります。理由は、もともと画像認識の技術をAIに応用した半導体で、推論に特化していない点です。

AIに最適化された半導体を作る会社が出れば、その優位性は減るのでは。議論はそう続きます。太郎さんは、エヌビディアが推論に特化した高速な半導体の会社を取り込んだ話もします。

話は、大きな会社の動きに広がります。アルファベットはもともと検索の会社、アマゾンはもともと通販の会社。それが量子コンピューターや発電まで自分たちで始める、という見方です。

成田さんは、アルファベットが生成AIの会社に主力の検索事業を脅かされている点を挙げます。交代の可能性はゼロではない、という指摘。

中島さんは、GPUは汎用なので専用の半導体には敵わない、と話します。専用の半導体は、エヌビディアのデータセンターの一部に入れられます。投資額が巨大になり、半導体を作る会社が増える、という筋です。

話の先にあるのが、スペースXとエヌビディアが水面下で組んでいる、という中島さん自身の見立てです。宇宙に上げるデータセンターの半導体は、最近の発表で全部エヌビディアにすると言いました。巨大な半導体工場への出資の噂もある、という内容。

エヌビディアの需要は、来年も大きく伸びる見込み。ただ、作る側が追いつかない、と中島さんは話します。

中島聡さん(動画 15:54〜)

伸びるけど実は供給側が足りない、作れない

動画は、宇宙のデータセンターを、いまの規模からさらに桁を上げて目指す話として紹介します。地上ではなく、宇宙で計算する発想です。

太郎さんは、宇宙では宇宙線による半導体の誤動作と、高温が問題になると話します。空気がなく、放射でしか冷やせないからです。いまの半導体は90℃ぐらいまで。150℃に耐え、誤動作しない半導体が要ります。

そこで出てくるのがMRAMです。これなら動く、と太郎さん。超低電力で記憶を保持できる、新しいメモリの一つ。

ものづくり太郎さん(動画 18:09〜)

超低電力で動くしかつ宇宙線にも強いっていうことで

MRAMは、グーグルのフィットビットにすでに採用されている、と話は続きます。充電は約2週間持つ。スマートウォッチの約2日と比べた話です。

太郎さんは先月、日本の半導体メーカーの会長と大学の教授から直接聞いた話として、MRAMを宇宙に飛ばして試している、と話します。作ったのは日本人。

成田さんと見られる声は、ポテンシャルはあるが実用化のイメージはまだない、と返します。応じる答えは、TSMCの先端の工程で採用されたらしい、というもの。そろそろAI向けの半導体にMRAMが乗り始める、と太郎さんは見ています。

交代論も、宇宙との提携も、MRAMも。別々の話に見えて、宇宙で計算するなら熱と放射線に耐えるメモリが要る、という1本の筋でつながっています。中盤の芯。

ただ、並べ方には気をつけたいんです。スペースXとの提携は、中島さん本人が、水面下で進んでいると思います、と推測の言い方で話しています。

MRAMがAI向けに乗り始める話も、採用されたらしい、という伝え聞きの形。どちらも、起きたと決まった話ではありません。

見立てと伝聞を、事実と同じ棚に置いてしまうと、後から読み返した時に、どこまでが確かな話か分からなくなります。だから、ここでは全部、見立ての扱い。

載ったと言われる話と、載ったと確かめた話は、別々に置いておきます。

06

AIが科学を進め、人が暇になる未来。日本の自動化まで

▲目次
和紙に描いた水彩の図解。AIが科学を進める、人が暇になる、ロボットで補う、の3つが矢印でつながり、実験室、窓辺の机と空いた椅子、農地で荷物を運ぶロボットが描かれ、下の帯に余白で何をするか、と書かれている。
図解: 人が暇になる時代の余白
動画の画面。左上に、メタトレンド AI×医療、の題。4人の出演者が横に並んで映り、画面下の字幕に、医学の領域でAIの研究者がノーベル化学賞を取るという歴史的なことが起きている、と出ている。
動画キャプチャ: AIの研究者がノーベル化学賞を取る、のテロップが出る場面(20:07頃)

最後の章は、AIが進める科学から、人が暇になる未来、日本の自動化へ。投資の話から、暮らしの話に近づいていきます。人の手が空いたら、何が起きるのか?

次のメタトレンドは、AIと医療。野村さんは、医療技術の領域、とくに創薬とAIが大きく変わる可能性を話します。AIを使った創薬は明らかに来る、と中島さんも続けます。

成田さんは、AIの研究者がノーベル賞を取る、歴史的なことが起きていると挙げます。全ての科学にAIが入っていく流れ。

成田修造さん(動画 20:14〜)

AIが入っていってでその速度がなんか1年前と比べるとその研究のレベルがもう次元が違うというか

AIは24時間365日動き、生産性は人間より高い。だから発見も増える、と話は続きます。生成AIの会社が生物の分野のチームを作った話や、アルファベットが会社を作った話も出ます。

20〜30年のスパンでは、電気や資源が詰まる可能性はあるが、核融合と娯楽が来る、という見立てが出ます。成田さんは太郎さんの見方を、人間が究極に暇になって楽しいところに向かう、とまとめます。

暇になっても食は要るので、農業も自動化される、と議論は進みます。成田さんの知人は、ニューヨークでイチゴをほぼデジタルで管理して作っています。日本の職人技をAIとデジタルで継承する話も出ます。

太郎さんは、IoTの時代はあらゆるものにチップが載る、と話します。ゴミ袋にもメモリが載って、自動で分別するイメージ。全部がフィジカルAIになる、という見方です。

日本の話に移ります。少子高齢化と介護、それに職人技の消失。中島さんは、介護専用の人型ロボットを、政府が金を出してでも日本が押さえればいい、と話します。日本で育てて、海外に売ればいい、とも。

太郎さんは、ブロック化は今後も続くので、日本もフィジカルAIなど戦略17分野に投資する、と話します。官が向く所に民も向き、日本の得意なコア技術を突き詰める方向です。

野村さんは、AIの進化はとても速く、やり続けないとついていけないと話します。だから、諦めずにやることが大事。対談は、そこで締めくくられます。

創薬も、イチゴの畑も、介護のロボットも。並べてみると、どれも人の手が空く、という一点で束ねられます。この章の見どころは、その先。暇になった後に、何をするかの問いです。

AIやシステムを使うことで、経営者も家事と子育てができる環境の選択肢を作れた、と私は話してきました。狙って作ったのではなく、たまたまできた、という言い方で。

その出発点は、子どものころ、経営に苦しむ父を見たことです。自分が経営者になって、同じ孤独を経験して、初めて父が分かりました。

暇は、私にとってゴールではありません。余白の入り口です。

私の記事より(集中治療室で安心して委ねられた経験から、委ねて手放せる場を考えた記事・委ねても、自分で選ぶ。空いた手で、ワクワク夢中に遊び探求するの節)

委ねる目的は、効率化が全てではありません。手放し委ねて余白をつくり、その余白でワクワク夢中に遊び探求して、自分を満たす! そのための余白をつくることも、目的の一つです。

引用した一節と、動画の暇は、同じ場所を指しています。暇になるのは、AIで効率が上がった結果にすぎません。そこで話を終えると、余白の使い道が抜け落ちます。

大事なのは、その先で何をするか。手放して空けた時間を、何で満たすのか?

動画では、暇になった人は楽しいところに向かう、とまとめられていました。その手前に、一人ひとりの家の時間があります。私は、そこから考えたいんです。

人が暇になる時代の問いは、空いた余白で何をするか、から立てたいんです。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. この動画では、4人が何を話しますか。

A. 対談から解説すると、5〜10年後の世界企業の序列から入り、AIの詰まりの場所、米中の競争、エヌビディアの交代論とMRAM、AIが進める科学と人が暇になる未来へ、動画の順に話が進みます。

Q. 4人の序列は、どこで割れましたか。

A. 同じエヌビディアが、野村さんと中島さんのTier表ではS、太郎さんの表ではAに置かれました。中島さんは、GAFAMの残りの中ではアルファベットにいちばんポテンシャルがある、と見ています。

Q. AIの詰まりは、どこにあると話していますか。

A. 太郎さんは、今のデータセンターの詰まりはGPUというより電気と水だと話します。冷やす水がなければ動かせない、とも。メモリも詰まりかけていて、3〜5年は枯渇が続くと見ています。

Q. MRAMは、なぜ話題になっていますか。

A. 太郎さんは、MRAMは超低電力で動き、宇宙線にも強いと話します。宇宙のデータセンターで求められる性質。TSMCの先端の工程で採用されたらしい、という話も出ます。

Q. 動画を見たあと、何を確かめますか。

A. 序列や予想は、誰かの発言なのか、確かめた事実なのかを分けて読みます。足りない物を数える時は、機械の側だけでなく、人の側の詰まりも数えます。

MATOME

まとめ。序列は割れても、詰まりの場所と余白の問いは残る

▲目次

序列の割れ方から始まり、ドローンとAIはまだ入り口という話、電力・水・メモリの詰まり、米中と中立、エヌビディアの交代論とMRAM、そして科学が進み人が暇になる未来へ。

この回から私が持ち帰ったのは、序列は発言として受け取って確かめた事実と分けること、使いこなしは頼み方で決まること、足りない物は人の側の詰まりも数えること、です。

私なら、どのモデルにも乗り換えられる形にしておきます。載ったと言われる話と、載ったと確かめた話も分けておく。そのうえで、人が暇になる時代の問いは、空いた余白で何をするか、から立てます。

人が暇になる時代に、空いた時間で最初にやりたいことは何ですか?

COLUMN

空いた時間は、置く物を先に決める

和紙に描いた水彩の図解。ひろくんが遊びと書かれた朱色の札を、空いた時間と書かれた丸い枠に置いている。右の灰色の札の山には仕事と書かれ、枠の外に置かれている。
図解: 空いた時間に置く物を、先に決めておく

本文の最後に、人が暇になる時代の問いは、空いた余白で何をするか、から立てる、と書きました。ただ、その手前に、まだ書いていない弱い所が一つ。空いた時間は、放っておくと仕事で埋まってしまいます。私自身の話。前に書いたAIに任せて空いた時間を、仕事ではなく遊びに使うと決めた、魂磨きの記事から、一節を引きます。

私の記事より(AIに任せて空いた時間を、仕事ではなく遊びに使うと決めた、魂磨きの記事・AIに任せる目的は、子供のように夢中に遊ぶ時間を持つことの節)

AIに任せた結果が、仕事を回す量を増やしただけになる。手放したはずなのに、手は空かないままです。

手放したはずなのに、手は空かないまま。言い直すと、仕事は減っても、空いた所へ次の仕事が流れ込んでくる状態です。任せた分だけ、回す量が増えていく形。時間が空いたこと自体は、本当に起きています。それでも、私の手元には残らない時間。動画が話した、人が暇になる未来も、この流れのままだと、暇になるはずの時間が忙しさのほうへ流れていきます。

暇になる、という見立てが言っているのは、時間が空く所まで。空いた時間が空いたまま残るかは、別の問いです。時間の量と、その使い道は別物。私の見方は、一つ。空いた時間に置く物は、時間が空いてから探しても間に合いません。空いた瞬間に、次の仕事のほうが先に手を挙げるからです。だから、置く物は空く前に。

私の記事より(AIに任せて空いた時間を、仕事ではなく遊びに使うと決めた、魂磨きの記事・AIに任せる目的は、子供のように夢中に遊ぶ時間を持つことの節の続き)

子供のようにワクワク夢中に遊ぶ時間です。仕事を手放した先に置きたいのは、遊びです。

この引用で私が置いたのは、遊びそのもの。遊びを、仕事に役立てるための手段にはしていません。運動は集中力のため、趣味は発想のため。そう位置づけた途端、遊びにまで成果を求めることになります。そうなると、空いた時間は、遊びの形をした仕事に逆戻り。効率の話とは、ここで切り分けたいんです。遊びは、遊びのままで。

私なら、AIに任せる範囲を広げる前に、空いた時間に置く物を一つ決めておきます。大きな物でなくても大丈夫。決めておけば、空いた瞬間に流れ込む仕事より先に、そこへ手が伸びます。本文の最後に置いた、空いた時間で最初にやりたいことの問い。その答えは、時間が空く前に用意しておく物だと、私は考えています。

LINK

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今回紹介した動画

チャンネル松井証券_MatsuiSecurities
出演中島聡さん(エンジニア/投資家)、ものづくり太郎さん(製造業YouTuber)、野村泰紀さん(理論物理学者)、成田修造さん(株式会社MW CEO)
公開日2026年9月30日
長さ28分2秒(日本語)
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=3-DahnI0tJM

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