WATCH REPORT

VTuberと博物館のクラウドファンディング|7,020万円は誰のおかげか

2026.10.30

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube で公開されている日本語の動画を、順を追って紹介するね。

小さな会社やお店、発信をしている人で、好きでいてくれる人との関係を作りたい。でも、有名な人に1回紹介してもらうだけでは続かない気がする。そんな人に向けて書きました。

VTuberビジネス研究チャンネルの、約30分の日本語の動画。解説役のKANAIさんと聞き役の女性が、東京国立博物館のクラウドファンディングと、儒烏風亭らでんさんの応援から育った関係を整理します。

画面のスライドに出る数字は、目標3,000万円に対して寄付総額7,020万円。この7,020万円は博物館のプロジェクト全体の結果で、らでんさん個人の成果ではない、と動画も最初に断っています。数字は一人のものではない。

話は7つです。7,020万円の中身、頼まれずに始まった応援、博物館の困りごとと好きの重なり、募集後も続く関係、関係が広がった5つの理由、好きな人の探し方、そして、やりすぎないことと成果の見方。

動画の順に、何が起きたかと、KANAIさんの見方を追えます。読み終えたら、自分の仕事で好きでいてくれる人との関係をどう育てるか、考える手がかりになるはず。私の考えは、第2章・第4章・第5章・第7章と、最後のコラムで書きます。

SPEAKER

動画の話し手

VTuberビジネス研究チャンネルの動画で、解説するのは男性のKANAIさん、聞き役は女性の方です。机に並んで話す形で、要所で画面いっぱいにスライドが出ます。

3行でわかるポイント

  1. 7,020万円は、博物館の取り組み全体の成果。らでんさん個人の成果とは分けて読みます。(第1章へ)
  2. 応援は頼まれた仕事ではなく自発で始まり、募集後に取材動画が公開され、展示と館内コラボは2027年の予定。(第2章へ)
  3. 好きでいてくれる人の探し方と、やりすぎないための注意、成果の見方が分かります。(第6章へ)

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七つの章を一本の川の七つの停留所に見立て、7,020万円の中身、自発の応援、困りごとと好きの重なり、募集後も続く関係、広がる五つの理由、好きな人の探し方、成果の見方、の順に並べた全体図
図解: 七つの章の流れ
01

7,020万円は何の数字?博物館の成果と個人の成果を分けて読む

▲目次
7,020万円を、博物館のプロジェクト全体の成果と、らでんさん個人に分けて読む図解。全体の中に、資金、活動を知る入口、次の企画への連携、の三つ。下に、分けて見る、の帯
図解: 成果を分けて読む
スライド「①文化財を残すための資金が集まった」。クラファン概要(実施主体 東京国立博物館・対象 源氏物語図屏風の修理・募集終了2025.12.19)と、寄付者数3,301人・当初目標3,000万円・目標超過額4,020万円、寄付総額7,020万円・目標達成率234%
動画キャプチャ: クラファンの成果スライド 寄付総額7,020万円・目標達成率234%・寄付者3,301人(1:52頃)

大きな金額を見ると、つい誰か一人のおかげにしたくなります。有名な人が関わっていれば、なおさら。名前の知られた人の顔が、真っ先に浮かぶかもしれません。ところが、この動画は、まず別の断りから始まるんですよね。

画面のスライドには、募集終了は2025年12月19日、寄付者3,301人、寄付総額7,020万円(目標3,000万円・達成率234%)と出ます。

動画の発言(動画の中で・0:28〜)

ただこの7000万円以上を全部1人が集めたというわけでは当然なくて、今日はこの好きから始まった関係がどうやってコラボに行くまで育っていったのか企業が取り入れられるポイントも含めてお話ししていこうと思います。

動画の冒頭の断りは、7,000万円以上を一人が集めたわけではない、というもの。対象は東京国立博物館の源氏物語図屏風の修理。成果は、資金、活動を知る入口、次の企画への連携の3つ。

聞き役の女性は、全部がらでんさんの影響ではない、と確かめます。KANAIさんは、ファンからの額は分からないと答えます。ただ、応援と、博物館が貢献を評価して次の連携を発表したことは事実。

7,020万円は、博物館のプロジェクト全体の結果。らでんさん一人の成果ではありません。動画がそこを最初に分けてくれるので、この先の話を落ち着いて追えるんですよね。

集まった額だけを見ていると、関係が育っていった道のりが見えなくなります。額だけでは見えない。大きな数字は、それだけで話の真ん中に座ってしまう。誰が、いつ、何をして、次に何が続いたのか。そこが抜け落ちるんです。

私は、成果を数字の大きさだけでなく、何が変わったかという状態で見たいんです!誰のおかげかも、混ぜずに見る。誰か一人の手柄にすると、ほかに支えた人の動きが見えなくなるからです。数字は大事。でも、数字だけだと、次に何をすればいいかが分からないままなんですよね。

実際、館内での企画はまだ開催前。来場数や経済効果は、まだ語れない段階だと動画も話しています。分からないことを、分からないまま置いておく。この線の引き方は、自分の仕事の数字を見る時にも使えそうです。

自分の仕事でも、金額や人数の裏にある状態の変化は挙げられます。お客さんの言葉が変わった。来てくれる人の顔ぶれが変わった。そんな小さな変化でも、十分に状態の変化だと思います。

02

応援は頼まれて始まったのではなく、本人が応援したくて始まった

▲目次
頼まれた紹介と、応援したくて出た紹介を上下に分け、後者が寄付、メッセージへつながる図解。下に、始まりは自発、の帯
図解: 自発の応援
男性の解説役と女性の聞き役が並ぶ画面。左上に「関係性が育った経緯 ③博物館の課題に、自主的な応援が重なる」、下部にテロップ「紹介自体は仕事として頼まれたものではなく」
動画キャプチャ: 「紹介自体は仕事として頼まれたものではなく」と解説するテロップの場面(9:47頃)

好きな人が、自分の商品やお店を紹介してくれた。それは頼まれた仕事なのか、それとも本当に好きだからなのか。受け取る側からは、意外と見分けにくいところです。紹介する側の気持ちは、外からはなかなか見えないもの。

動画では、らでんさんは10月の配信で、この屏風の修理の取り組みを紹介したと説明されています。聞き役の女性は、博物館に頼まれた仕事か、と聞きます。

動画の発言(動画の中で・9:44〜)

いや、全然そういうわけではなくて、紹介は仕事として頼まれてるものではなく、ま、本人がシンプルに応援したいからやったということだったんですよね。

答えは、頼まれた仕事ではなく、本人が応援したかったから、というもの。らでんさん本人も、寄付をして応援しています。のちに博物館の依頼で寄せた公式の応援メッセージは、今もクラウドファンディングのページで読めます。

KANAIさんの見方は、寄付をたくさんしたから仕事になったわけではない、というもの。お願いするだけでは、寄付は集まらない。元々の応援の理由に、博物館が答えた形です。

応援は、頼まれて始まったわけではありません。出発点は、本人の自発。好きが先で、動くのは後。その順番が、この話の土台なんですよね。順番が先。頼まれた紹介と、好きで出た紹介は、聞く側にも伝わり方が違うはず。私は、ワクワク夢中に遊び探求する生のプロセスこそが、人と人の共感共鳴や縁につながっていくと考えています!

規模も立場もまるで違いますが、私にも、頼まれずに作ったものがあります。近所の肉のハナマサ芝浦店のために、AIで「勝手に」作ったCM。非公式のもので、2024年8月、TBSの番組で流れました。LIVEでは、このときのことをこう話しています。

私の記事より(肉のハナマサ非公式AIがTBS出演|献立ボットとCM制作の裏側・TBS出演のきっかけは、肉のハナマサ非公式AIだった)

テレビ局の方がめちゃくちゃドハマりして、流してくださったんですけども

頼まれていない応援が、結果として人に届くことがある。ここは、動画と重なるところです。私なら、頼まれていない応援を、見返りがあったかどうかでは測りません。受け取った側には、時間がたってから確かに届くことがある。では、自分が頼まれずに応援してきたものは、何でしょう?

03

博物館の困りごとと、らでんさんの好きはどこで重なったのか

▲目次
博物館の困りごとである修理費の確保と、らでんさんの好きである能面との出会いが重なり、中央に応援が生まれる図解。下に、向く先が同じ、の帯
図解: 困りごとと好きが重なる
スライド「「源氏物語図屏風」が修理を必要とした背景」。①発見の経緯(2024年11月・都内の住宅で発見・取り壊しに伴い所有者から相談)、②作品の損傷、③修理に向けた課題(国宝・重要文化財には未指定・修理に必要な予算の確保が困難)と屏風の写真
動画キャプチャ: 源氏物語図屏風が修理を必要とした背景のスライド(8:40頃)

応援は、応援する側の好きだけでは成り立ちません。受け取る側にも、助けが要る事情があります。では、博物館は何に困っていたのか。らでんさんの好きと、どこで重なったのか。この章は、そこから見ていきます。

スライドでは、屏風は2024年11月に都内の住宅で見つかり、取り壊しに伴い所有者から相談があったもの。傷みは虫食いや、猫によると思われる引っかき傷まで。国宝・重要文化財に未指定で、修理の予算は確保しにくい状態。修理は募集前から始まっていた、という説明です。

らでんさんの原点は、スライドによると、東京国立博物館で見た能面との出会い。聞き役の女性は、好きになった場所だから次の人にも残したいのでは、と話します。

動画の発言(動画の中で・6:11〜)

その自分がその好きっていう気持ちとこの博物館自体を応援する理由っていうのが、ま、ちゃんと繋がってたというのは大きいところかなと思いますね。

KANAIさんの答えは、この博物館を応援する理由が本人の好きと結びついていた、というもの。コラボの要因の1つ、という見方です。

博物館の困りごとと、らでんさんの好きが、同じ場所で重なった。古い屏風を残したい博物館と、能面との出会いをくれた場所を応援したい人。向いている先が、ぴたりと一致していたんですよね。

ここで目が行くのは、受け取る側の仕事です。何に困っていて、なぜ残したくて、集めたお金を何に使うのか。博物館は、そこを言葉にして示していました。ここが分かれ目。応援したい人が、迷わずに手を伸ばせる形。好きな気持ちが強い人ほど、どこから関わればいいかで迷うもの。

好きな場所を応援したい人にとって、お金や声が何に使われるのかが見えることは、そのまま入口になります。見えないままだと、好きな気持ちがあっても、どこに置けばいいのか分からない。気持ちの置き場所があるかどうかで、動ける人の数は変わってくるはずです。

自分の場や商品にも、好きになってくれた人が応援したくなる入口があるかどうか、私は確かめたいと思います。使い道や次の楽しみが、外から見える形になっているか。一度、お客さんの目で見直してみると、意外な抜けが見つかるかもしれません。

04

募集が終わったあとも、取材動画が公開され、展示と館内コラボも予定に入った

▲目次
募集終了の門から、取材動画、特別展、音声ガイド、館内コラボへと道が続いていく図解。下に、締め切りが終点にならない、の帯
図解: 募集のあとも続く
スライド「文化財の修理現場を取材した動画を公開」。「修理の世界」のサムネイルと、出演した儒烏風亭らでんさんたちの名前、動画のURLが並ぶ
動画キャプチャ: 修理現場を取材した動画を紹介するスライド(12:30頃)

応援は、お金が集まった日に終わるものなのでしょうか?博物館のクラウドファンディングでは、募集が締め切られたあとに、次の動きがはっきり見えてきました。取材の動画から展示、館内の企画へと続く流れ。

募集の終了後、修理の現場を取材した動画が公開されました。専門家の解説に、複数のVTuberが質問を重ねていく構成。寄付の使われ方まで見える、という説明です。

画面のスライドでは、対象だった屏風が特別展に並ぶ予定です(東京会場は2027年1月19日から3月14日)。らでんさんは音声ガイドに出演予定。館内コラボも、2027年1月13日から3月22日に開かれます。

動画の発言(動画の中で・21:49〜)

実際にこのクラファンの支援の後にちゃんとこの関わり続けたいって思うような理由をちゃんと作れたっていうのはすごい大きいことかなと思います。

支援のあとも関わり続けたい理由を作れたのが大きい、という話。発表が続き、次の接点がいつもある状態でした。最初からの計画かは分からない、日付と出来事からの分析だ、とKANAIさんは断る。

募集の締め切りが、終点になっていないんです!取材の動画、展示、館内の企画と、次にのぞきたくなる入口が続いていく。お金を出した人が、その先も追いかけられる流れ。一回の応援が、次の出会いへ自然につながっていく形だ。続けることが肝心。私は、耕して、伝えて、つないで、場を提供する水車のようでいたい。一度で終わらせずに、次の入口を渡していきたいと思っています。応援した人が、また来たくなる理由も、そこにあるのかな、と思います。

自分の場でも、最初に出会った人が次にのぞける入口を、ひとつは用意しておきたい。会が終わった直後に、次に何が見られるのかが分かるかどうか。

規模はまるで違いますが、2026年9月24日、3時間のリアルワーク会のあとに、参加者だけへお礼のメールを送りました。中身は4つです。参加後のアンケート、参加者限定のオープンチャット(簡単な質問や相談、作ったもののシェア、つながりを深める場)、作った作品をFacebookグループへ投稿してシェアすること、翌日の朝LIVEをリアルタイムで見てコメントすること。お互いの作品を見合うことが、つながりやコラボのきっかけにもなる、とメールには書きました。

05

関係が広がった5つの理由と、いちばん手前にある本人の経験

▲目次
関係が広がる五つの理由、本人の経験と結ぶ、好きが伝わる積み重ね、困りごとと使い道の説明、専門性と伝える力、支援の後も続く理由、を中央の関係が広がる、へ集めた図解
図解: 関係が広がる五つの理由
男性の解説役と女性の聞き役が並ぶ画面。左上に「KANAIの分析「なぜ成功したのか」」、下部にテロップ「5つのポイントをお話ししたいと思います」
動画キャプチャ: 「5つのポイントをお話ししたいと思います」と関係が広がった理由の分析に入る場面(17:56頃)

同じように応援しても、関係が続く場合と、その場かぎりで終わる場合があります。違いを生むのは、いったい何なのでしょうか?KANAIさんは、ここで自分なりの分析として、理由を5つ並べていきます。

画面に出るスライドの題は、KANAIの分析。ここからは発表された事実ではなく自分の見立てだ、と断ってから、理由を挙げていきます。1つ目は、応援する理由。

動画の発言(動画の中で・17:58〜)

応援する理由っていうのが、ま、本人の経験と紐づいていたっていうのが、ま、すごく大きいかなという風には思ってます。

応援の理由が本人の経験と結びついていた、という話です。能を見て日本美術を好きになった原体験が、理由を具体的にしている。ほかの企業でも、昔から製品を使っていた人なら、組む側にも見る人にも納得感がある、というのがKANAIさんの見方です。

残りの4つは、好きが伝わる活動の積み重ね、博物館が困りごとと使い道を説明していたこと、支援のあとも関わる理由があったこと、施設の専門性と発信者の伝える力の組み合わせです。

応援の理由が、その人の経験とつながっている。これが5つの最初に来るのが、私にはしっくりきます。肩書きより、その人が実際に心を動かされてきた経験。ここが土台。見る人が納得するのも、組む側が安心できるのも、そこからなんですよね。

2026年10月22日、分身AI講座の受講生だけで集まるリアル会がありました。参加者どうしは初対面でしたが、最後には握手をし合うほど仲良くなっていたんですよね。想像以上でした!翌日10月23日の魂磨きで、私はあの場を、自分の言葉でこう振り返った。

私の記事より(分身AI講座のリアル会で、初対面の受講生が自己開示し合い関係が深まった話・自己開示し合うことで、初対面の関係が一気に深まった)

分身AI講座受講生だけのリアル会だから自分の言語化ができていて自己開示し合うことで関係が一気に深まった

自己紹介の中で、子どもの話が出た時に、「うちも」「私も」とつながっていった場面がありました。誰かの自己開示が、次の人の自己開示の入口になる。この往復が、関係を一気に近づけたのだと思っています。

自分の言葉で自己開示し合うと、関係は一気に深まる。競争より共創だと、私は思っています。自分の場で、自己紹介の最初の一言に何が出ると、人は「うちも」と言えるのでしょう?

06

好きでいてくれる人は、フォロワー数より具体的な体験から探す

▲目次
フォロワー数に斜線を引き、具体的な体験を見る。好きな人がいない時から、知ってもらう機会、関心の近い人へ進む図解
図解: 数字より体験を見る
男性の解説役と女性の聞き役が並ぶ画面。左上に「企業が押さえるべきポイント」、下部にテロップ「まず自社や自社商品を好きでいてくれる人」
動画キャプチャ: 「まず自社や自社商品を好きでいてくれる人」と探し方を話す場面(23:45頃)

応援してほしい相手を、つい数字の大きさで選んでしまう。そんな場面は、思い当たりませんか?KANAIさんの次の話は、誰を探すのかという、その手前から始まります。どこから手をつけるかが、具体的に見えてくる話。

自社や施設なら、どこから始めるのか。聞き役の女性の問いに、KANAIさんはこう答えます。

動画の発言(動画の中で・23:41〜)

まずシンプルに自分の会社や自分の商品を、ま、好きでいてくれてる人、昔から好きだった人、そのもの自体に関心がある人を探すっていうところからがスタートになるかなっていう風には思いますね。

好きでいてくれる人、昔から好きだった人、そのものに関心がある人を探すところから、という答えです。やりがちなのは、フォロワー数の多い人を探すこと。相性がよく、前向きに取り組んでくれる人を探せるかが大事だ、と話します。

見るのは反応の回数より、思い入れのある体験をしているか。好きな人がいない時は、関心の近い人に知ってもらう機会を作る。馬刺しを売る会社がSNSで馬刺し好きのVTuberに声をかけ、何人も集まった例も挙がります。

手がかりは、数字の大きさより、体験の具体さ。その人が面白がってきたことや、心を動かされてきた経験の中に、好きの理由はちゃんと出ているんですよね。数字は目に入りやすいし、比べやすい。でも、体験は探しにいかないと見えてこない。そこを見る。

私は、フォロワー数のような数字より、その人がどんな体験をしているかという、具体的な状態を見ます。

ここで大事なのは、知ってもらう機会を作るのが企業の側だということです。好きでいてくれる人がまだいないなら、関心の近い人に、自分の商品を知ってもらう場をこちらから作る。企画の中で取材をお願いする、くらいの小さな声かけから始めていい、とKANAIさんは話していました。待つのではなく、小さく声をかけるところから始める。取り組む側の気持ちが、ぐっと軽くなる話。

最初の1人は、遠くを探さなくても、すでに自分の周りで話題にしてくれている人かもしれません。その人が何を面白がって話しているのか、一度じっくり見てみたい。身近な一人の熱は、遠くの大きな数字より手がかりが多い。まずは、身近な一人から!

自分の商品や場を、すでに話題にしてくれている人を、まず一人、思い浮かべてみたいところです。

07

好きを出しにしない。成果は目的から決めて、切り分けて見る

▲目次
目的ごとに、認知から公式ページへの流入、来場から予約、購入から売上、を並べ、全体の成果と個人の貢献を線で分けた図解。下に、仕事は仕事、の帯
図解: 目的から成果を決める
スライド(企業が押さえるべきポイント)。目的と測定する指標の表: 認知=動画視聴数・公式ページへの流入数/来訪=予約・チケット利用・来館時アンケート/購入=対象商品の購入数・売上/継続=再訪率・継続的な接点。注記「専用URL・アンケート等でコラボ経由の成果を把握」「実施費用も含めて費用対効果を評価」
動画キャプチャ: 成果の測り方のスライド 目的ごとの測定する指標(28:10頃)

好きでいてくれる人に、どこまで頼んでいいのか。迷う場面は、きっと出てきますよね。最後の章は、企業の側が気をつけたいことと、成果をどう見るかの話です。数字の大きさに引っぱられない見方が、ここで出てきます。

やりすぎないほうがいいのは、伝えたいことを台本のように詰め込むこと。個性を残さないと、その人を見る理由がなくなる、とKANAIさんは話します。

動画の発言(動画の中で・27:25〜)

いくら相手が好きだからとはいえ仕事は仕事だと思うのでちゃんとお互いに利ある仕事にしていけるかみたいなところは好きだから無償でやってくれるとか好きだからいっぱい何か協力してくれるというわけではないのでそこに注意は必要かなという風には思いますね。

いくら好きでも、仕事は仕事だ。好きだから対価なしで動いてくれる、という前提にはしない。お互いに利のある仕事にしていく、という注意です。

成果は、コラボの目的から見ます。認知なら公式ページへの流入、来場なら予約、購入なら売上や専用のURL。7,020万円は全体の成果で、紹介のおかげと話すと判断がずれる、と続きます。画面のまとめにも、成果の切り分けが出ます。

好きは、頼む理由にはならない!私はそう考えます。7,020万円も、らでんさん個人の成果ではなく、博物館のプロジェクト全体の成果。好きの気持ちに寄りかかった瞬間、関係は対等ではなくなるんですよね。目的と成果は、先に言葉にしておきたい。誰のおかげかを混ぜずに見るから、次に何をするかも決められる。ここは外さない。成果を正しく切り分けることは、好きでいてくれた人への礼儀でもあると思う。

朝LIVEで私は、趣味が仕事にできるのが、AIのマーケティングとマネタイズのパワーだ、と話したことがあります。好きが仕事につながる、という面だけを切り取ると、好きを売る話にも聞こえるかもしれない。でも、同じLIVEの終わりに、私はこうも話していました。

私の記事より(中高年の推し活は「幸福とリスクの表裏」 Eテレ「視点・論点」と、推し事がお仕事になる話・ただし、好きなことは直接売らない)

好きなことでビジネスにしちゃうと、売るためとか、結局利益のために好きなことをやることになるので

好きなことを、そのまま売り物にすると、好きが利益のための手段に変わってしまう。推すことがお仕事になる、と私は前から言ってきました。それでも、好きなことは直接売らない。ここは、はっきり分けています。動画の、好きを出しにしないという注意とも、近い線の上にある話。私は、相手を依存させず、自立を支える共創を選びます。安売りはしない。でも、囲い込みもしません。私なら、頼む前に、相手にとっての利を先に言葉にします。好きでいてくれる人に頼む時、お互いの利を、どんな言葉にしていますか?

COLUMN

▲目次

頼まれずに始まる応援と、役割を決めて待たない場のつくり方

ひろくんが手を開いて、場とAIと夢中のつながりを紹介している図解。右下に、お役目を決めて待つ、に斜線を引いた札
図解: 夢中がつながる場

動画では、頼まれていない応援が、少しずつ関係に育っていく流れが整理されていました。私が重ねて読んだのは、9月18日の魂磨きで、人の天才性をどう見るかに答えた言葉。

私の記事より(「信じて待つ」をやめた ワクワク夢中の凸凹が自然につながる組織へ・信じて待つをやめた日)

信じて待たない。ワクワク夢中ありのままでいい各々が。繋がる場やAIで自然と滑らかにつながる。

この日の魂磨きで、私は天才性がまだ見えない人について、一つ考えを確かめました。その人が役に立たないのではなく、まだ噛み合う場所や相手に出会えていないだけ。天才性は外から与えるものではなく、ありのままが噛み合った時に現れるものだと、私は考えていました。

ただ、その考えの中にも「待つ」という言葉が残っていました。けれど、この振り返りの中で、私は「待つ」自体を手放した。

誰かが他の人の天才性を見立てて、お役目を決めて、開花を信じて待つ。そんな組織の姿を、私は手放しました。人がお役目を決めてつなぐと、その人を外から見立てた枠に合わせることになるからです。

お役目や天才性は、誰かが割り当てるものではない。各々の夢中が、場やAIを通して自然に出会った結果として起きるものだと、今は捉えています。

といっても、経営者は何もしなくていい、ということではないんです。場やAIの役割は、割り当てることではなく、自然につながりやすくすること。人間は縦に掘る。AIは横に広げる。誰かのお役目を決める人ではなく、私自身もワクワク夢中でありのままの一人でいたいんです!

動画の、頼まれずに始まった応援と、私の「信じて待たない」は、誰かが役割を決めるのではなく、各々の夢中から始まる点で並べて読めます。決めるのは、各々の夢中。自分の場で、誰かの役割を先に決めていないか、一度、振り返ってみませんか?

分身AIについてもっと知りたい方は分身AI.comもチェックしてね!

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. クラウドファンディングの7,020万円は、らでんさん個人の成果ですか?

A. いいえ。7,020万円は、東京国立博物館のプロジェクト全体の成果です。動画の冒頭でも、全部を1人が集めたわけではないと断っています。らでんさんのファンからいくら集まったかは分からない、というのがKANAIさんの説明。詳しくは第1章。

Q. らでんさんの応援は、東京国立博物館に頼まれた仕事だったのですか?

A. 頼まれた仕事ではなく、本人がシンプルに応援したかったから始まった、とKANAIさんは話します。のちに博物館から依頼を受けて、公式の応援メッセージを寄せた、という流れ。詳しくは第2章。

Q. クラウドファンディングの募集が終わったあとも、関係が続くのはなぜですか?

A. 募集の終了後に、修理現場の取材動画が公開されました。特別展の音声ガイドへの出演と館内コラボも、予定されています。KANAIさんの分析では、支援の後に関わり続けたいと思う理由が作れていたことが大きい。詳しくは第4章。

Q. 自社や商品を好きでいてくれる人は、どうやって探せばいいですか?

A. KANAIさんは、フォロワー数より、自社や商品に具体的な思い入れのある体験をしている人を探すと話します。まずは配信やSNSで自然に触れられていないかを見ます。いない時は、関心の近い人に知ってもらう機会を作る、という順番。詳しくは第6章。

Q. VTuberや発信者とのコラボの成果は、何の数字で見ればいいですか?

A. コラボの目的から決めます。認知なら公式ページへの流入、来てほしいなら予約や来場時のアンケート、買ってほしいなら売上や専用のURLで経路を見ます。全体の成果と個人の貢献は分けて見る、というのが前提。目的が先。詳しくは第7章。

MATOME

まとめ

▲目次

動画の流れは、7,020万円の中身から、頼まれずに始まった応援、募集が終わった後も続く関係、そして好きでいてくれる人の探し方へ。

7,020万円は、らでんさん個人の成果ではありません。動画も冒頭で、全部を1人が集めたわけではないと断っていました。あくまで東京国立博物館のプロジェクト全体の成果。ここは混ぜない。

第5章で書いた、分身AI講座の受講生だけのリアル会では、自己紹介で自己開示し合うことで、初対面どうしの関係が一気に深まっていました。動画のらでんさんの応援も、頼まれたのではなく、本人が好きだから動いたところから始まっていました。

好きでいてくれる人との関係を、好きを売る手段にしない。好きなことを直接売らない私にとって、ここはいちばん大事にしたい線。

自分の場や商品を、頼まれてもいないのに好きでいてくれる人がいるとしたら、誰の顔が浮かぶでしょう?ひとり、思い浮かべてみてくださいね。

LINK

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REF

参考リンク

この記事で取り上げた元

VTuberビジネス研究チャンネル【クラファン総額7,020万円】儒烏風亭らでん×東京国立博物館に学ぶ、企業が学ぶ「好き」から始まる関係づくり
https://www.youtube.com/watch?v=w9Zny9NWWCk
公開日 2026年10月29日・長さ 30分45秒(日本語)

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