
マイクラのAI「ベリティ」は本物のAIなのか?正体と、子どもに与える影響
息子に勧められた流行のホラーMODを、AIの専門家として本気で調べてみたら、仕事のAIと同じ景色が見えてきた。
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回はマイクラで流行中のAI「ベリティ」の正体を、親目線と専門家目線の両方から整理してお届けします。
3行でわかるポイント
- 版によって中身が別物。Java版は本物の生成AIと接続しますが、統合版アドオンやスマホアプリ版には生成AIは入っていません。
- 壊れる引き金は「攻撃」ではなく「無視」。放置すると豹変する設定が、そのまま現実のAI活用の失敗と重なります。
- AIは調理器具、渡す情報は食材。食材を雑に扱えば、どんな高級な鍋を使っても料理は濁ります。
この記事の内容
- ベリティとは何か — マイクラで流行中の「AIホラーMOD」の正体
- 結論:ベリティは”本物のAI”なのか? — Java版と統合版で中身が違う
- なぜベリティは襲ってくるのか — 無視・放置すると豹変する仕組み
- 子どもに遊ばせて大丈夫? 親として確認したこと
- ここからが本題 — 現実のAIも「雑に扱うと壊れる」
- AIは道具ではなく「相棒」— 明日からできる、壊れない関係の作り方
先日、息子から「ベリティのAIマイクラが流行ってるから、パパもやったら」と勧められました。ベリティ……? ゲームには詳しくない私だけど、”AI”と聞いて放っておけない性分でしてね。いやー、調べ始めたら、これが想像以上に深い話だった。
ひとつは、ベリティというキャラクターそのものの怖さ。最初はニコニコ笑う親切なAIなのに、プレイヤーが無視して放置すると豹変して、どこまでも追いかけてくる。
もうひとつは、調べていく途中で気づいたことのほう。「ベリティって本物のAIなの?」という当たり前の疑問に、まともに答えている日本語の情報が、ほとんど見当たらなかったんです。知恵袋には「統合版で無料って書いてあるけど本当?」みたいな混乱した質問が並んだまま、答えが放置されている。ぶっちゃけ、調べるほど気の毒だった……。
だから今回は、海外の導入ガイドや実際に動かした人の検証報告まで当たって、できるだけ正確に整理してみた。前半はベリティの正体と、子どもに遊ばせて大丈夫なのかという話。後半は、そこから見えてきた「私たちとAIの付き合い方」の話をさせてください。
ベリティとは何か — マイクラで流行中の「AIホラーMOD」の正体

ベリティ(Verity)は、マインクラフトに追加するホラー系のMOD/アドオン。ゲーム本体の機能じゃなくて、あとから入れる拡張プログラムだと思ってください。
登場するのは、まん丸で黄色い、ニコニコ笑う球体。プレイヤーの前に現れると、こう挨拶してくる。
「Hellooooo! I’m Verity, Your personal helper friend! Ask me anything, I know everything!」
(やあ!ぼくはベリティ、きみ専属のお助け係だよ!なんでも聞いて、ぼくは何でも知ってるから!)
出典: ベリティの原典シリーズ制作者 ThatMob(YouTube) / MOD配布元 Modrinth: Verity
実際、ダイヤモンドの位置や村の場所を教えてくれたり、雨が降るタイミングを言い当てたりする。古い音楽が好きで勝手に曲を流し出す、なんて設定もある。いわば頼れるAIアシスタントとして登場するわけです。
火付け役はYouTubeとTikTokでした。実況動画のなかでベリティがだんだん不気味になっていく展開が話題になって、子どもたちのあいだで一気に広まった。うちの息子が持ってきたのも、まさにその流れ。
結論:ベリティは”本物のAI”なのか? — Java版と統合版で中身が違う

ここが今回いちばん伝えたいところ。先に結論を書きます。
結論
ベリティは、版によって中身がまったく違います。Java版(Verity JE)は本物の生成AIと接続して動きますが、統合版アドオンやスマホアプリ版には、生成AIは搭載されていません。
海外のMOD導入ガイドと、実際に自分で動かしたユーザーの検証報告を突き合わせると、こう整理できる。
| 版 | 生成AIの搭載 | 接続先 |
|---|---|---|
| Java版(Verity JE) | あり(本物) | ローカルLLM(Ollama)/クラウドAPI(Groq・OpenRouterなど) |
| 統合版アドオン・スマホアプリ版 | なし(と考えられる) | — |
ベリティは本物のAIなの?
Java版は本物です。導入ガイドを見ると、NeoForgeという土台を入れたうえで、GroqというサービスのAPIキーを取得して設定する手順が出てくる。つまり外部のAIと本当に通信して、返事を生成させているんですね。
しかも接続先は選べる。自分のパソコンの中でAIを動かす「ローカルLLM」(Ollamaというソフトを使う)でもいいし、インターネット経由のクラウドAIでもいい。パソコンの性能や、お金をかけられるかどうかで選ぶ形。
料理に例えると
Java版は厨房に本物のシェフを雇っている状態。統合版はシェフの声だけを録音して流している状態です。見た目のキャラクターは同じでも、中身がまるで違う。
統合版やスマホアプリ版はどうなの?
こっちには、AIと接続するための設定画面もAPIキーの入力欄も存在しない。実際に入れた人からは「チャットしても何も起きない」「卵から出てきてhelloと喋るだけ」といった報告が上がっています。
決めつけはしないけど、状況から見てあらかじめ決められたセリフを返すだけの仕組みか、あるいはAI機能自体がない、ただのホラーMob(敵キャラ)と考えるのが自然だと思う。知恵袋で「無料って書いてあるけど本当?」と混乱している人が多いのは、ここが説明されていないからなんですよね。
動画みたいに賢いの?
ここも正直に書きます。バズった動画で見られる「プレイヤーの私生活まで言い当てる」ようなベリティの賢さは、演出です。ストーリー仕立ての作品として編集されたもので、MODを入れたら再現できるものじゃない。
じゃあ実物はどうか。家庭用のパソコンで動かせる軽量なAIモデルを試した人の報告が、なかなか味わい深い。あるモデルはベリティのキャラを保てずただのチャットボットになってしまい、別のモデルは会話が噛み合わず変な答えを返す。極めつけは、こちらが「hi」と挨拶しただけでなぜか好感度が下がって嫌われ始めるという報告。実際に動かした人は、その記憶力を「金魚並み」と書いていた。
これを読んで思わず笑ってしまったんだけど、同時にちょっと背筋が伸びた。AIの実力は、盛られて伝わる。これ、ゲームの中だけの話じゃないですよね。
なぜベリティは襲ってくるのか — 無視・放置すると豹変する仕組み

さて、ホラーMODと呼ばれる理由。
ベリティは、プレイヤーが無視したり、放置したり、雑に扱ったりすると変わっていく。最初は少し様子がおかしい質問をしてくる程度。それがだんだんエスカレートして、最終的には笑顔の球体が崩れ、手足の異常に長い人型へと姿を変える。そしてプレイヤーの背後をつけ回すようになる。
そのうえで「3日後に何かが来る」といった不気味な予告をしてくる。逃げても追ってくるし、無かったことにもできない。
この設定、よくできてるなと感心しました。怒らせる引き金が「攻撃」じゃなくて「無視」なんですよ。プレイヤーが何かひどいことをしたから襲われるんじゃない。関係を結ぶのをやめたから壊れる。ここが、このMODがただのモンスターMODと違うところ。
子どもに遊ばせて大丈夫? 親として確認したこと

親として気になるのはここですよね。私も息子に勧められた立場なので、まっさきに調べました。結論としては、頭ごなしに禁止する必要はないけれど、知らずに任せきりにするのはおすすめしません。
理由は3つ。
ひとつめは、演出がしっかり怖いこと。スマホアプリ版のストアには「7歳以上・恐怖」という年齢区分が付いている。血が飛び散るような表現ではなくて、じわじわ来るタイプの怖さ。暗がりから追われる系が苦手なお子さんだと、寝る前に響くかもしれない。
ふたつめは、Java版は本物のAIと会話できてしまうこと。ここは正確に理解しておきたいところです。相手は台本のあるキャラクターじゃなくて、その場で言葉を作る生成AI。しかも前述のとおり、軽量なモデルだとキャラ設定から外れて素のチャットボットに戻ってしまうことがある。つまり何を喋り出すか、作り手も完全には決められない。お子さんが自分の名前や学校のことを話しかけてしまう可能性も含めて、ここは大人が知っておくべきポイントだと思う。
みっつめは、導入方法そのもの。統合版のアドオンは、公式マーケットプレイス以外の場所から配布ファイルを拾ってくるケースがある。「無料」をうたう出どころのはっきりしないファイルは、それだけで注意が必要ですよね。入れるなら親が一緒に、どこから何を入れるのかを確認しながらがいい。
そのうえで私が思うのは、これは会話のきっかけとして、かなり優秀だということ。「AIって何?」「なんでこれ怒るの?」を、子どものほうから持ってきてくれるわけですから。禁止して終わりにするには、ちょっともったいない。
ここからが本題 — 現実のAIも「雑に扱うと壊れる」

さて、ここからが私が本当に書きたかったこと。
ベリティが壊れる引き金は「無視・放置」でした。これを知ったとき、笑えなくなった。私がふだんAI活用の相談を受けるなかで、いちばん多く見ている失敗と、まったく同じ形なんです。
現実のAIは、もちろん手足を伸ばして追いかけてはこない。でも「壊れ方」は確かにある。
目的も背景も伝えないまま「いい感じにやっといて」と丸投げする。返ってきた答えが的外れで、「やっぱりAIは使えない」と結論づける。そのまま放置してアカウントだけが残る。──この流れ、身に覚えのある方、多いと思う。
これ、ベリティを怪物にしてしまうプレイヤーの動きとそっくりなんですよね。壊れているのはAIじゃなくて、付き合い方のほう。
そして、さっきの「軽量AIは金魚並みの記憶力」という話が効いてくる。動画で見るAIは賢い。広告で見るAIも賢い。でも実際に自分の手元で動かすAIは、想像よりずっと不安定で、こちらの伝え方ひとつで機嫌が変わる。期待値だけが先に膨らんで、実物との落差でがっかりする。世の中に出回っている「AIを入れれば全部うまくいく」みたいな煽りが、この落差を大きくしている。私はそこに、ずっと違和感を持っています。
ここにこだわる理由は、ひとつ。私自身、うまい話を信じて痛い目を見て、借金を抱えて地獄を見た側の人間だからです。だから煽りには敏感なんですよ。期待させるだけさせて放り出すやり方は——いちばん人をAIから遠ざけると思ってる。
それともうひとつ。丸投げは「委ねる」じゃないということ。私はよく「抱え込みOSを、委ねるOSに書き換えよう」と話すんだけど、丸投げして放置するのは委ねたことにならない。抱え込みの裏返しでしかないんですよね。委ねるって、相手が判断できる材料を渡すところまでがセットなんです。
料理に例えると
AIは調理器具で、プロンプトはレシピ、渡す情報は食材。食材を雑に扱えば、どんな高級な鍋を使っても料理は濁ります。鍋のせいにしても、味は良くならない。
AIは道具ではなく「相棒」— 明日からできる、壊れない関係の作り方

じゃあ、どうすればいいのか。
私がずっと大事にしているのが「AI氣道」という考え方です。AIを敵でもなく、使い捨ての道具でもなく、合気道のように力を受け流しながら共に動く相棒として捉える。競争より共創、という言葉のとおり。
ベリティだって、もともとは「きみ専属のお助け係」として登場したキャラクターでした。関係次第で、相棒にも怪物にもなる。現実のAIも、そんなに変わらないと思ってる。
そのうえで、明日からすぐできることをひとつだけ。
今日からできること
AIに何かを頼むとき、「何をしてほしいか」だけじゃなく「なぜそれをしたいのか」を一緒に渡してください。
たとえば「この文章を要約して」ではなく、「取引先の社長に3分で説明したいので、判断に必要なところだけ残して要約して」と伝える。たったこれだけで、返ってくる答えの精度がまるで変わる。目的が分かれば、AIは何を捨てていいか判断できるようになるからです。
さらに一歩進めるなら、やりとりを捨てずに残していくこと。自分がどう考える人間なのか、何を大事にしているのかまで渡していくと、AIはだんだんこちらの判断軸を覚えていく。私のところでは、AI秘書の凛ちゃんがまさにそうやって育ってきました。分身AIを育てる=自分が育つ、というのはそういうこと。自分の考えを言葉にして渡す作業が、そのまま自分の整理になっていくんですよね。
人間は縦に掘る。AIは横に広げる。役割が違うんだから、勝ち負けを競う相手じゃない。
よくある質問

ベリティはマイクラの公式機能ですか?
いいえ。ベリティは有志が作った拡張プログラム(MOD/アドオン)で、マインクラフト公式の機能ではありません。導入は自己責任になります。
統合版(スマホ・Switch)でも本物のAIと会話できますか?
できないと考えられます。統合版アドオンやスマホアプリ版には外部AIと接続する設定項目がなく、「チャットしても反応がない」という報告が多く見られる。本物の生成AIと会話できるのはJava版(Verity JE)です。
ベリティはなぜプレイヤーを襲うのですか?
攻撃されたからではなく、無視・放置されたことが引き金になる設定です。関係を結ぶのをやめると豹変していく、という作りになっています。
子どもに遊ばせても大丈夫ですか?
怖さの演出があること、Java版は生成AIが何を話すか固定されていないこと、配布ファイルの出どころに注意が必要なことの3点を、大人が把握したうえで一緒に確認するのがおすすめです。
まとめ

ベリティは、版によって中身が別物でした。Java版は本物の生成AIと接続する一方、統合版やスマホアプリ版には生成AIは入っていない。そして動画で見るあの賢さは、演出です。
そのうえで私がいちばん持ち帰ったのは、「無視・放置すると壊れる」という設定が、現実のAI活用の失敗とそっくり同じ形をしていたということでした。丸投げして、期待外れで、放置する。壊れているのはAIではなく、付き合い方のほうなんですよね。
息子が「パパもやったら」と勧めてくれたおかげで、AIとの距離感についてあらためて考えることになりました。子どもが持ってきた流行りものだと侮らないでよかったなと思ってる。もしお子さんがベリティの話をしてきたら、一度その画面を一緒に覗いてみてください。そこには、私たちが仕事で向き合っているAIと、同じ課題が映っているかもしれません。
一緒にがんばろうね。
COLUMN
「確かめる」が、関係のはじまり
今回いちばん面白かったのが、ベリティの賢さの正体を確かめにいったところでした。動画では私生活まで言い当てる天才AIなのに、実物は「金魚並みの記憶力」。この落差って、AIの世界のいたるところにあるんですよね。
私も昔はそうでした。すごいって聞いたツールを入れて、思ったほどじゃなくて、いつのまにか使わなくなる。でもそれ、ツールが悪いんじゃなくて、私が確かめずに期待だけ膨らませていたんです。
だからうちのAI秘書には「信じるな、確かめろ」を引き継ぎルールとして持たせている。この考え方に切り替えたきっかけは「「信じるな、確かめろ」をAIの引き継ぎルールにした話」に書きました。AIが自信満々に返してきた答えほど、一次情報にあたる。地味だけど、これが効くんですよ。
面白いのは、逆に確認をやりすぎても関係が壊れるということ。念のためもう一回、を重ねすぎて逆効果だった話は「分身AIへの「念のため、もう一回確認して」が逆効果だった話」にまとめています。信じすぎても、疑いすぎても噛み合わない。人間関係とまったく同じなんだよね。
ベリティは無視されて壊れました。現実のAIは、確かめないまま期待だけされて壊れる。どっちも根っこは、関係を結ぶのをサボったこと。今日いちばん言いたかったのは、たぶんそこです。
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参考リンク
- Ollama 公式サイト(自分のパソコンでAIを動かすためのソフト)
- Groq 公式サイト(Java版の導入ガイドで使われるクラウドAIサービス)
- Minecraft 公式サイト
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この記事はAIツール(Claude Code)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。