
BOOK REVIEW
マーケティング5.0の要約と書評
コトラーの全12章を人間中心で読む
全12章から考える、人間のためのテクノロジー
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。
AIで何ができるか。新しい道具に触れると、できることが増えるのは楽しいですよね。ただ、その先にいる人の顔が見えなくなると、便利な仕組みを作ったはずなのに、使う人も働く人も困ってしまいます。
AIを導入しても、顧客や働く人の負担が軽くならない。そんな経営者向けに、マーケティング5.0とは何かを、本の順に解説します。
今回取り上げるのは、『コトラーのマーケティング5.0』。フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワンの共著です。
恩藏直人さんが監訳、藤井清美さんが翻訳しています。日本語版は朝日新聞出版から2022年に刊行されました。出版社の書誌情報でも確認できます。
正直、この本の面白さは、技術の名前がたくさん出てくること以上に、技術を選ぶ前の考え方にあります。出発点は人間です。
世代の違い、社会の分断、使う側の不安まで扱ってから、データやAIの活用に進みます。この順番がいい!
この記事でわかること
- マーケティング5.0を支える規律と、現場での活用方法
- 世代間ギャップからアジャイルまで、全12章のつながり
- 学歴で仕事の選択肢が狭まった経験や、仲間との開発から私が考えたこと
- 顧客の困りごとを一つ選び、人と技術の役割を決める始め方


コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略
フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン 著
Amazonで本書を見る※Amazonアソシエイトのリンクです。リンク経由でご購入いただくと、当サイトに紹介料が入ります。
マーケティング5.0の要約と書評|コトラーの人間中心を読む

本書の副題は「デジタル・テクノロジー時代の革新戦略」。ここでいう5.0は、使う道具の新しさを競う数字ではありません。
人間中心という3.0の考え方と、デジタルの力を生かす4.0の考え方を、どう結び付けるか。その戦略を考える本です。
全体を読む手がかりは、二つの規律と三つの活用です。規律は、データに基づいて判断することと、変化に応じて素早く動くこと。その土台の上で、予測する、相手の状況に合わせる、人間の力を拡張する、という活用が育ちます。
データドリブン、アジャイル、予測、コンテクスチュアル、拡張。五つの用語を同じ高さで暗記するより、土台と使い方に分けると見通しがよくなります。
顧客を理解する材料がなければ、予測も的外れです。気付いたことを直せなければ、データを集めても体験は変わりません。
本は四部構成です。第1部で全体像を示し、第2部で人と社会の課題を考える。第3部では組織の準備と技術、顧客体験を扱い、第4部で五つの構成要素を具体化します。ここから、その順番で読んでいきます。
第1章|マーケティング5.0は、技術と人間中心を結び直す

第1章の題は「マーケティング5.0へようこそ」。本書は、人間を模倣する技術を使い、顧客体験の全体で価値を生み、伝え、届け、高めることを考えます。
AIを広告制作に使うだけで終わる話ではありません。購入前の相談から、使い始めた後の支援までが視野に入ります。
技術が助ける場面も幅広いです。データを判断の材料にする。行動の結果を予測する。現実の場面にデジタルの支援を重ねる。現場の人を助ける。そして、実行と改善を速める。技術の一覧を眺める前に、どの場面を良くしたいかを決める必要があります。
基本的には、マーケティングはテクノロジーを活用することで、データドリブン〈データに基づいた〉、プレディクティブ〈予測に基づいた〉、コンテクスチュアル〈文脈に合った〉、オーグメンティッド〈人間の能力を拡張する〉、そしてアジャイル〈俊敏な〉 になれる。
出典:本書・第1章/Kindle位置No.421のハイライトと照合
この五つをつなぐ軸が、人間のためという目的です。機械が何を代行できるかだけでは、半分です。使う人の不安は何か。働く人の強みはどこにあるか。そこを見て初めて、任せる範囲が決まります。
いやー、道具の紹介から入らないのがいいんですよね。人間を理解する作業は、技術が進んでも省略できません。むしろ、できることが増えるほど、何のために使うかを問われる。その入口を置く章です。
第2章|世代間ギャップを、年齢だけで片付けない

第2章は「世代間ギャップ」。ベビーブーマー、X世代、Y世代、Z世代、アルファ世代を扱います。
企業は二つの目標、すなわち現在の価値創造を最大化することと、未来に向けてブランドのポジショニングを開始することとのバランスをとる必要がある。
出典:本書・第2章/Kindle位置No.527/Kindleハイライトと照合
企業で意思決定する人と、これから顧客になる人では、育った環境やデジタルとの距離が違います。同じ広告や接客でも、自然に感じることが変わるのです。
本書では、世代の交代とマーケティングの変化を重ねて読めます。製品を中心にした考え方から、顧客へ、人間へ、そしてデジタルを通じた関係へ。
ただし、新しい世代が現れた瞬間に、以前の顧客がいなくなるわけではありません。今の顧客と、これからの顧客の両方を見る必要があります。
もう一つの軸が、人生の段階です。基礎を作る時期、仕事の最前線にいる時期、次の世代を育てる時期などで、求めるものは違います。
同じ年齢層でも、立場が違えば困りごとは違う。世代の傾向は入口にしても、目の前の人を決め付ける結論にはできません。
私がこの章から持ち帰るのは、相手が何歳かを知ったところで、理解を終えないことです。
どこで迷い、誰と相談し、何を自分で決めたいのか。その生活の場面まで見ないと、便利さの意味を取り違えてしまいます。
第3章|富の二極化から、誰に進歩が届くかを考える

第3章の「富の二極化」は、技術の進歩が誰に届くかを問い掛けます。雇用、暮らし方、考え方、消費の姿まで分断が広がると、企業が見ている市場の形も変わります。平均的な顧客像だけでは、見えない人が増えてしまうのです。
価値観の実践は、慈善的寄付や博愛的行為のレベルで止まってはならない。サプライチェーンや製品開発や流通から人的資源慣行に至るまで、事業戦略全体に影響を及ぼさなければならないはずである。
出典:本書・第3章「富の二極化」・「社内からの圧力」の節/Kindleハイライトと照合
本書がここで重ねるのが、包摂性と持続可能性です。包摂性は、これまで取り残されていた人にも参加の道を開くこと。
持続可能性は、環境や社会を傷めずに事業を続けられるかという視点です。余裕ができたら行う社会貢献として、事業の外へ置いていません。
たとえば本書は、先進国向けの大きな医療機器を小さくした、持ち運べる機器の例を挙げます。
従来の設備に届かなかった人を起点に作った解決策が、別の市場でも価値を持つ。相手の制約から設計を考え直すことが、革新にもつながります。
私の場合|得意なことより、学歴を先に見られた
私は、学歴で仕事の選択肢が狭まり、辛かった経験があります。パソコンが好きで得意だったので、その仕事をしたかった。
でも、学歴で落ちました。自分を表現したいのに、学歴で判断されるのが悲しかったのです。
この話で私が思い出すのは、能力の前に入口が閉じている感覚です。得意なことがある。
やってみたい仕事もある。それでも、仕事につながるところまで届かない。デジタルの技術が存在することと、一人の人がその力を使って参加できることは、同じではありません。
一方で、そのおかげで学歴のいらない仕事を経験し、経営者の道が強制的に開けたのは、よかったと思っています。
辛かったことも、その後に開けた道も、両方あります。
この経験を、社会全体の富の格差と同じものだとは考えません。ただ、入口にある条件で、人の可能性が見えなくなることは考え続けたいです。
新しいサービスを作る時、使える人の便利さだけを見ていないか。得意なことを持つ人が参加できる入口になっているか。
技術で参加の道を増やしたい。そう考える時に、私には自分の仕事探しの経験があります。
「できることは何か」を聞く前に、その人を外へ置いてしまわない。その視点を、この章の包摂性と並べて受け取りました。
第4章|デジタル・ディバイドは、つながれば解決するのか

第4章は「デジタル・ディバイド」。接続できる人とできない人の差に加えて、技術を歓迎する人と不安を抱く人の隔たりを扱います。
ネットにつながったからといって、信頼まで生まれるわけではありません。使い方への不安や、選べない感覚は残ります。
本書は、技術の可能性とリスクを両方並べます。学びや暮らし、健康、持続可能性を支える可能性。
その一方にある、仕事の変化、プライバシー、偏った情報、依存などの問題です。どちらかを消してしまうと、使う側が抱えている迷いを理解できません。
人間対マシンという二分法には終止符を打つ必要がある。
出典:本書・第4章「絶え間ないエンゲージメントを提供する」の節・図4-2直前
本書が考えるのは、技術と人との関わりを組み合わせることです。自動で素早く済ませたい場面も、人と話して安心したい場面もある。
接点を一つに固定せず、相手が選べるようにする。その設計までが顧客体験に入ります。
でね、便利だから使ってほしい、と説明するだけでは届かないことがあります。相手が手放したくないものは何か。
自分で決められる余地はあるか。不安を邪魔ものとして扱わず、設計の材料にする章だと読みました。
第5章|デジタル化への準備度は、企業と顧客の両方で見る

第5章は「デジタル化への準備度が高い組織」。企業が新しい仕組みを導入できるかだけでは足りません。顧客がそれを使えるか、使いたいかも、同じように見ます。本書は、この二つの軸で現在地を整理します。
企業はそれぞれ異なる戦略を作成、実行する必要があるだろう。
出典:本書・第5章/Kindle位置No.1646/Kindleハイライトと照合
両方の準備度が低い「オリジン」。企業側が高く、顧客側が低い「オンワード」。
顧客側が高く、企業側が低い「オーガニック」。両方が高い「オムニ」。名前より、どちらの準備が足りていないかを見ることが大事です。
顧客が対面でのやり取りに価値を感じているなら、移行する意味を体験で示す必要があります。
顧客はデジタルに慣れているのに企業側が追い付いていないなら、組織の力や基盤を整える課題が先にあります。準備度が高い企業には、新しい顧客体験を切り開く仕事が見えてきます。
ここで気を付けたいのは、業界名で自社を固定しないことです。本の業界例は、執筆時点の説明です。
顧客層や提供方法が変われば、現在地も変わります。立派な将来像だけで走らず、相手と自社の足元を確かめる。この章は、そのための地図になります。
第6章|ネクスト・テクノロジーは、目的から組み合わせる

第6章は「ネクスト・テクノロジー」。AI、自然言語処理、センサー、ロボティクス、複合現実、IoT、ブロックチェーンなどが登場します。
どれも一つずつの流行語として覚えると、情報量に圧倒されます。顧客のどんな体験を助けるか、という軸で読むと整理できます。
言葉によるやり取りを助ける技術。現実の状況を捉える技術。動作を支える技術。実物を置く前に、見え方や使い方を試せる技術。本書は、人間の働きとの対応も示しながら、技術を組み合わせた可能性を説明します。
その背景には、処理能力、公開されたソフトウェア、インターネット、クラウド、モバイル、データの蓄積などがあります。単独の発明だけで突然すべてが変わった、と読むより、使える条件が重なってきたと読むほうが、組み合わせる発想につながります。
本書が挙げるIKEAのAR活用も、家具が部屋に合うかを想像しづらい、という場面と結び付けると分かりやすいです。技術の名前より、迷っていたことが見えるようになる点に価値があります。
あ、そうだ。この本にある技術の見通しを、そのまま現在の性能保証として読むのは避けたいです。
これは2022年刊行の日本語版です。私が受け取るのは、製品選びの最新一覧より、技術を顧客の困りごとへ結び付ける考え方です。
第7章|新しい顧客体験に、人間が判断する場所を残す

第7章は「新しい顧客体験」。本書には、ロボットを導入したホテルで、かえって人間の仕事が増えた事例が出てきます。
機械を置けば体験が良くなるとは限らない。困った時にどう支えるかまで設計しないと、便利さは完成しないのです。
顧客の行程を見る手がかりが、5Aです。認知、訴求、調査、行動、推奨。
商品を知ってから、調べ、選び、使い、人に話すところまでを見渡します。購入ボタンを押した時だけが、企業と顧客の関係ではありません。使い方が分からない時も、修理を頼む時も体験は続きます。
この全体に、人と機械の役割を組み合わせます。本書は、データ、情報、知識を扱う機械の力と、背景を読み、洞察し、知恵を働かせる人間の力を整理します。
数字の異常が誤りなのか、新しい変化なのか。意味を判断するには、現場の文脈が欠かせません。
私の場合|料理や子育てで腑に落ちたことと照らす
私は、新しいことを受け取る時、今までの体感で腑に落ちている構造と照らして、消化します。料理や子育てで、自分の体験と知識が知恵になっていることが、その足場です。
「あ、これと一緒じゃん」と閃く。そういう理解の仕方があります。
知識を知っていることと、自分の中でつながることは違います。私がここで大事にしたいのは、覚えた言葉を増やすことだけで終わらない理解です。
すでに体験して腑に落ちたことと、新しい話の構造が重なる。そこで、考えなくても直感や無意識で動ける感覚があります。
もちろん、直感がいつも正しいという話ではありません。本の機械と人間の整理を、人間なら間違わないという保証に変えるつもりもありません。
私が持つ体験を、データの代わりに置くわけではないのです。数字で見えることと、体験から問い直せることを一緒に置きたい。
たとえば顧客体験を考える場面でも、集計だけでは意味が一つに決まらないことがあります。その時に、どの場面で起きたかを聞き直す余地が欲しいです。
自分の経験に照らして考え、必要なら解釈を直す。その役割まで道具へ預けると、私が使う意味が薄くなってしまいます。
で、機械が得意な整理を頼むほど、人間は考えなくてよくなるのか。私はむしろ、何を大事に受け取るかを問われると思います。私には、この章がそうした役割分担の話として読めました。
第8章|データドリブン・マーケティングは、目的を決めて始める

第8章は「データドリブン・マーケティング」。大量にデータを集めれば、顧客理解が深まる。
そう単純には進みません。本書は、年齢や地域などから分類する方法と、個々の行動から細かく理解する方法を扱い、それぞれの使いやすさと限界を示します。
デジタル時代には、問題はデータの不足ではなく、重要なデータをどのように特定するかである。
出典:本書・第8章/Kindle位置No.2537のハイライト内
出発点は、具体的な目的です。顧客の離脱を理解したいのか、次に必要な支援を知りたいのか。
目的が変われば、見るべきデータも変わります。まず目的を絞る。必要で、入手できるデータを探す。そして、統合して活用できるようにする。道具選びより先に、この順番があります。
使える材料は、ソーシャル、メディア、ウェブ、販売時点の記録、IoT、顧客とのやり取りなど多様です。
ただし、集めたものがそのまま正しい材料になるわけではありません。欠けや重複、扱う権限、本人のプライバシーまで見なければ、判断の土台が揺らぎます。
ビッグデータと市場調査は、互いに補完し合い、強化し合うべきである。
出典:本書・第8章/Kindle位置No.2443のハイライト内
数字と、相手の声。片方を選んで片方を捨てる話ではないのがいいですね。行動の記録から変化を知り、調査や対話で背景を確かめる。その往復があって、データは顧客を理解する材料になります。
第9章|予測マーケティングは、未来を言い当てる魔法ではない

第9章は「予測マーケティング」。過去のデータから、次に起きそうなことを考えます。
本書の導入に出てくるのは『マネーボール』の世界です。経験者の目だけで判断するのでなく、データを意思決定に生かす。その発想を、顧客、製品、ブランドの判断へ広げていきます。
説明される方法は一つではありません。結果と要因の関係を調べる回帰モデル。好みの似た人の情報から勧める協調フィルタリング。入力と出力の間にある関係を学ぶニューラルネットワーク。それぞれ、どんな問いに答えたいかで使い方が変わります。
重要なのは、予測を結果の保証にしないことです。過去の情報が足りない場合も、条件が変わる場合もあります。
本書でも、実際の結果とのずれを見て、モデルを調整する考え方が示されます。予測を出して終わりではありません。
私なら、予測の数字だけを見せるより、何を材料にしているかと、結果をどう確かめるかを一緒に見たいです。数字が細かく出るほど、正解に見えやすいからです。
次の行動を助ける道具として使い、起きた結果から学び直す。その位置に置くと、過信せずに生かせます。
第10章|コンテクスチュアル・マーケティングは、今の場面に合わせる

第10章は「コンテクスチュアル・マーケティング」。長い名前ですが、相手の状況に合った支援を届ける考え方です。
誰が、どこで、今何を必要としているのか。センサーやAIなどを組み合わせ、現実の接点で役立つ情報や体験を届けます。
本書は、情報を届けるところから、やり取りをする段階、さらに体験へ深く入り込む段階まで扱います。
Sephoraのバーチャルな化粧の試用なども、本の事例です。画面で完結する機能の面白さだけでなく、店頭での相談を含む体験とのつながりが見えてきます。
ただ、状況を知ることと、気持ちを決め付けることは違います。顔や行動から何かを推定できても、本人が話していないことまで確定した扱いにしてよいとは考えません。私は、相手が説明したり、別の選択をしたりできる余地を残したいです。
また、これは小売店だけの話でもありません。本書は、機械の状態を捉える保守など、企業間の場面にも視野を広げます。
必要な時に、必要な支援が届く。文脈に合うとは、その場で相手の役に立つことなのです。
第11章|拡張マーケティングは、人の力を引き出す

第11章は「拡張マーケティング」。ここでの拡張は、人間の力を技術で支えることです。
本書は、人とコンピューターが組んで力を発揮するチェスの話から入ります。人間が残るか機械が残るかという競争だけでは、見えない組み合わせがあります。
営業の行程にも、役割分担があります。初期の情報提供や見込み客への対応を自動化できても、最後の複雑な相談では人の専門性が生きます。顧客支援でも、セルフサービス、チャットボット、担当者への引き継ぎを、つながる仕組みとして考えます。
ここで、私は引き継ぎの部分を大切に読みました。自動の回答で解決しない人が、同じ説明を繰り返して疲れてしまう。
それでは人間の力を拡張したことになりません。必要な情報が担当者にも届き、続きから相談できるか。接点のつなぎ目に、体験の差が出ます。
本書が働く人の体験、EXにも目を向けるのは、そのためです。従業員が困るところを把握する。
役立つ支援を考える。導入した後の学びや変化も支える。顧客の画面だけをきれいにして、裏側で働く人が疲れる仕組みでは、良い体験を続けられません。
なるほど、人間中心はお客様だけを指す言葉ではないんですね。対応する人にも、力を使いやすい環境が必要です。
技術を入れたかより、顧客は前へ進めたか、働く人は助かったか。私には、その二つを一緒に考える章でした。
第12章|アジャイル・マーケティングは、小さく試して直す

第12章は「アジャイル・マーケティング」。本書では、ZARAの小さな単位での生産や市場への対応などを例に、変化へ素早く応じる組織を考えます。
ここで見たいのは、速さだけではありません。現場の情報を受け取り、判断し、次の行動へつなぐ仕組みです。
構成要素として、リアルタイムの分析、小さな部門横断チーム、組み替えられる仕組み、並行して進める仕事、小さな試作と検証、外部との協働が示されます。
顧客の反応が届いても、担当部署を順番に回るだけでは変えられない。その距離を縮める考え方です。
小さく作るのは、雑に出すためではありません。確かめたい課題を絞り、反応を受け取れる形にするためです。
本書のワークシートも、課題や機会、解決策、担当と進め方、結果の確認を結び付けます。動く裁量と、振り返る約束を一緒に持つことが大事です。
私の場合|実装から、新しいアイデアが返ってくる
高崎さんとの朝LIVEで、私のイメージどおりにAIシステムを作ってきてくれたことがあります。それを見て、ますますアイデアが湧いて、ワクワク夢中になりました。
私のアイデアを実装しながら、新しいアイデアも付け加えてくれる。その繰り返しで、どんどん更新される過程が楽しかったのです。
この場面では、実装を受け取って、私のアイデアがさらに湧いていました。作ってもらったものから、次のアイデアが生まれていました。
最初に言ったことをそのまま完成させるだけなら、受け取れなかったものがあります。実物が返ってくることで、こちらの考えも動くのです。
パーパスが近く、共鳴していて、波長が合う。高崎さんが、自分のペースで人を気にせず、ありのまま手を動かしていること。
それが私の凸凹にも噛み合って、お互いがワクワク夢中のフロー状態になっていました。この場面の手触りは、そこにあります。
この章と重ねて考えたいのは、実物を通じて考えが動き、相手からの付加で次の一歩が変わる、という部分です。
早く作る人が一人いる。それだけで、この往復を説明するのは足りません。
相手が自分の力を出せて、私もそこから受け取れる。管理のために動きを細かく決め過ぎると、その良さまで狭めるかもしれません。小さなチームに裁量が必要だという話を、私はこの場面と照らして読みました!
巻末の謝辞と恩藏直人さんの解説まで読むと、人間中心、デジタル、そしてテクノロジーの活用という流れが見えてきます。
新しい道具を増やす前に、考え方、戦略、実行をつなぐ。そのために全12章が並んでいると受け取りました。
実践編|顧客の困りごとを一つ選び、人と技術の分担を書く

全部の技術を調べてから始めようとすると、入口が遠くなります。まず、顧客が止まっている場面を一つ選んでください。
資料を読んでも選べない。使い方が分からない。問い合わせの返事を待っている。実際に確認できる場面から始めます。
その一場面を、一枚に書き出します。誰が、どこで困っているか。何を見れば状況が分かるか。技術が支える所と、人が受け取る所はどこか。そして、何が良くなれば続けるか。この四つを、同じ紙に並べてください。
たとえば問い合わせ対応を考えるなら、よくある質問の整理や回答候補の提示と、個別の事情を聞く対応を分けられます。
自動の回答で解決しない時、どこから人へ相談できるかも書きます。自動化する所と、人へ相談できる道を、セットで考えてください。
確かめる時は、処理が速くなったかだけで終えないでください。顧客が次へ進めたか。
対応する人の負担はどう変わったか。数字に加えて、その場で困ったことも聞きます。小さく試し、結果を見て直す。五つの構成要素を、一つの接点でつなげる入口になります。
マーケティング5.0のよくある質問

Q. マーケティング5.0は、最新AIツールの使い方の本ですか?
A. 特定の製品の操作を学ぶ本ではありません。AIなどの技術を、顧客体験と人間の力を高めるためにどう使うかを考える戦略の本です。技術の具体例は執筆時点のものとして読み、導入時の性能や条件は別に確認してください。
Q. マーケティング4.0との違いは何ですか?
A. 本書は、3.0の人間中心と4.0のデジタルによる力の付与を統合するものとして、5.0を位置付けます。デジタルへの移行を踏まえ、予測、状況に合う支援、人間の能力の拡張を、データと俊敏な組織で支えることを扱います。
Q. 顧客対応を、すべて自動化する考え方ですか?
A. 人と機械を組み合わせる考え方です。情報の整理や素早い応答を技術が支え、複雑な相談や背景の理解では人の力を生かします。自動の回答で進めない時の、人への引き継ぎも大切です。
Q. 小さな会社では、何から始めればよいですか?
A. 顧客が困っている接点を一つ選び、目的、見るデータ、人と技術の分担、結果の確かめ方を書き出すところから始められます。必要なデータを正当に扱えるか、顧客と働く人が無理なく使えるかも、一緒に確認してください。
まとめ|マーケティング5.0で問われるのは、技術の先にいる人

マーケティング5.0は、人間のために技術を使う戦略です。データドリブンとアジャイルという土台の上で、予測、コンテクスチュアル、拡張を生かす。世代や社会の違い、顧客と組織の準備度まで含めて読むと、五つの用語が一つにつながります。
私には、学歴で望む仕事の入口が狭まった経験があります。料理や子育てで腑に落ちたことと、新しい知識を照らす感覚もあります。
仲間の実装から、さらにアイデアが返ってきた場面もありました。技術だけを見ていると、その人が参加できるか、その人の力が生きるかを見落とします。
読み終えて私が手元に残したい問いは、一つです。その進歩の先に、人の顔が見えるか。
まずは顧客が困っている一場面から、人と技術の分担を書いてみてください。使う人にも働く人にも助けになるかを、確かめながら育てていきたいですね!
ひろくんコラム|任せた先に、自分の力が戻ってくるか
私の場合|肩の荷が下りた後を、置き去りにしない
本書を閉じて、私が確かめたくなるのは、AIに任せた後の自分です。嫌いなことや後回しにすることを、私はAIにやってもらっています。
任せる範囲を増やすことと、自分がやりたいことへ向かえること。その二つがつながっているかを、見ていたいのです。

以前の魂磨きの記事、「母に似てきたズボラな私。嫌いなことと後回しは、AIに任せて、肩の荷を下ろしていい」には、任せた後の私の言葉を載せています。
肩の荷が下りてワクワクすることによりエネルギー湧く
私が受け取りたいのは、この先の力です。作業が片付いても、確認ややり直しに追われ続けるなら、肩の荷が下りたとは感じにくい。
任せた数だけでは、私の中に戻った余力を測れません。やりたいことへ向かえるかも、一緒に見たいです。
第11章の拡張マーケティングを、この言葉から読み直すと、働く人の体験が身近になります。
顧客への対応を助ける道具は、使う人の力も引き出せているか。忙しくなった部分を、見えない所へ押しやっていないか。
人間のためのテクノロジー。その人間の中に、使っている自分も入れていい。新しい機能を足す前に、肩の荷が下りたかを確かめる。私は、そこから技術との付き合い方を育てていきたいです。
分身AIと過ごした最初の100日の記録は、分身AIと歩んだ100日の全まとめにあります。分身AIについては、分身AI.comにまとめています。
参考リンク
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この記事はAIツール(Codex)を活用して制作しています。構成・文章生成・画像制作にAIを使用し、最終的な内容の確認・編集・公開判断はひろくん(田中啓之)本人が行っています。「分身AIひろくん」(bunshin-ai.com)とは別のコンテンツです。