
書評|AI氣道
40代にとって大切な17のことの要約、本田健さんが全17章で問う時間とエネルギーの選び直し
本田健(きずな出版)
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。

今回は、本田健さんの『40代にとって大切な17のこと』(きずな出版)を取り上げます。人生の折り返しに立った40代へ、何を大切にし直すかを17の章で問いかける本です。
40代は忙しい。仕事があり、家族があり、親の介護も始まる。著者は、この年代をいちばん苦しい時期だと認めます。そのうえで、ここから先をどう生きるかを一緒に考えてくれる。この本を、次のステージへの「招待状」だと書いているんですよね。
読んでほしいのは、毎日の役割に追われて、自分の時間が後まわしになっている40代です。読み終えると、時間とお金とエネルギーをどこに注いできたかが見えてきます。何を選び直すか、その手がかりも残ります。
この本のポイント
- 40代の苦しさは当然で、一生は続かないと割り切る
- 朝いちばんのエネルギーの行き先に、これまでの選択が出る
- 好き・得意・できそうなことの先に、人生の目的の扉がある
AIエージェントに渡す依頼文|朝の行き先と、好き・得意・できそうを整理する
下の依頼文をコピーして、Claude CodeやCodexに貼ってみてください。紙に書いた朝の記録や、好き・得意・できそうなことのメモを一緒に渡せば、時間の配り方の案とリストの整理を手伝ってもらえます。返ってきた答えはそのまま信じず、自分の目で読み直してくださいね。どれに心が震えるかを決めるのは、AIではなく自分です。枠の中にはこの記事のURLが入っていて、記事を読んだAIから短い質問が届きます。答えると、自分の環境に合わせた追加のプロンプトまで返ってきます。
▶ タップして依頼文を開く
本田健さん『40代にとって大切な17のこと』の書評記事を読んだ。実践編の内容を自分に当てはめて整理したいので、手伝ってほしい。
【記事のURL】
40代にとって大切な17のことの要約、本田健さんが全17章で問う時間とエネルギーの選び直し
最初に、このURLの記事を読んでください。読めない時は、読めなかったと伝えて、この依頼文に書いた内容だけを材料にしてください。
【目的】
・起きてから最初の1時間に、エネルギーが何に向かっていたかを振り返る(第8章)
・自分の時間を、残ったら使うのではなく先に確保する形を考える(第8章)
・好きなこと、得意なこと、できそうなことを、できるかどうかは置いて並べ、整理する(第17章)
【やってよいこと】
・下に貼るメモ(朝の記録、好き・得意・できそうなことの書き出し)を読む
・朝の行き先を、親、子ども、仕事、健康、朝食のように名前をつけて分ける
・朝の行き先から、これまで何を選んできたように見えるかを、言い切らずに書く
・「土曜日の午前中は自分の時間」のように、先に取っておく自分の時間の案を出す
・好き・得意・できそうなことを、似たもの同士でまとめる
・メモだけでは判断できない所は、推測で埋めずに質問する
【守ること】
・パスワード、鍵、口座番号など秘密の情報は求めない。メモに入っていたら使わず、消すよう伝える
・家族や知人の名前など、第三者の個人情報は求めない。「家族」「職場の人」のような書き方にしてもらう
・カレンダーの予定を変える、ファイルを消す、メッセージを送る、何かを買う操作はしない。必要に見えても、確認だけ・案として書くだけにする
・本や記事に無い数字、主張、手順を足さない
・どれに心が震えるかは決めない。印をつけるのは本人に任せる
・追加のプロンプトに足してよいのは、私の環境に合わせた言い方と手順だけです。この依頼で禁じたことは、追加のプロンプトの中にも同じように書いてください。
【追加のプロンプト】
上の作業が終わったら、次の4つを1つずつ質問してください。答えが返ってから次の質問へ進んでください。
・この記事の話を、自分のどの仕事や場面に当てはめたいか
・その場面で、AIに渡せる物は何か(資料、記録、メモなど)
・最後に自分の目で確かめたい所はどこか
・私が使っているAIエージェントや道具は何か(名前、使えるファイルや記録の範囲など)
答えをもとに、私の環境でそのまま貼って使える追加のプロンプトを、1〜3本つくってください。記事のURLを、各プロンプトの中に入れてください。
【返す形】
1. 朝の行き先の一覧(行き先の名前と、メモにあった具体例)
2. 先に確保する自分の時間の案
3. 好き・得意・できそうなことのまとめ(似たもの同士のグループ)
4. 足りない情報についての質問
5. 私の環境で使える追加のプロンプト(1〜3本。記事のURL入り)
【メモ】
(ここに朝の記録(できれば数日分)と、好き・得意・できそうなことの書き出しを貼る)『40代にとって大切な17のこと』を読む入口は「招待状」の一語

本は「はじめに」から始まり、17の章を経て「おわりに」で閉じます。各章は短い節に分かれています。第6章、第15章、第17章には、自分で書き込むリストや年表の欄もあります。
語り口はやわらかいです。著者自身の結婚と離婚、娘の誕生、作家としてのピンチも出てきます。上から教える本というより、少し先を歩く人の話に近い。
今回取り上げたい論点は、エネルギーの使い方です。第6章の楽しみ。第8章の朝いちばんと予算。第13章の優先順位。第17章の目的の扉。この4か所では、本の問いを私の記録と読み比べます。
40代の背骨は「何にエネルギーを注いできたか」を見直すこと

著者の見立てでは、40代は時間もお金も足りなくなるピークです。それでも、いまの人生はこれまでの選択の結果だ、と本は言います。押しつけられたように見える毎日も、選んできたものの積み重ね。だから選び直せる。
この背骨に、章が肉づけされていきます。時間、お金、エネルギーは限られている。何に注ぐかで、優先順位が決まる。その先に、人生の目的が見えてくる。17の章は、この流れをいろいろな角度から照らしています。
私は1980年生まれです。この本が語りかける40代の、まっただ中にいます。
だから今回は、本の問いを自分に向けて読みました。手元にあるのは、2025年1月時点で公開していた私の文章と、2026年9月に言葉にした振り返りです。本の主張と噛み合う章でだけ、それを並べます。
全17章の要約|40代の苦しさから人生の目的の扉まで

ここからは本の順番どおりに追います。流れを大きく分けると、苦しさと家族(第1〜4章)、下りと楽しみ(第5〜6章)、仕事とエネルギー(第7〜9章)、人とのつながり(第10〜12章)、選び直す(第13〜16章)、そして目的の扉(第17章)です。
はじめに 40代、この時代をどう生きますか?
20代、30代のころは、目の前にいくつもの可能性の扉が見えていた。著者はそう振り返るところから始めます。40代で幸せかと聞かれると、多くの人は「不幸とはいえない」と曖昧に答える。この先に大きな変化もないと思っている。
変化を望まないのも、一つの選択です。人生は、選択した通りになっていくからです。
仕事に打ち込んできた人は、家族や自分がおろそかになっていなかったか。育児や介護をしてきた人は、自分の時間を後まわしにしていなかったか。変えるか変えないかを考える時間を持とう、という呼びかけです。
「これからは、自分のための人生を生きてもいい」
本田健『40代にとって大切な17のこと』はじめに
著者自身の歩みも書かれています。結婚と離婚、再婚、娘の誕生。育児セミリタイアの4年間。長野やボストンへの移住。40代はリーマンショックで方向を見失い、再起を誓って出した本がシリーズ200万部を超えた。
この序章は、40代を選び直しの入口として置き直します。
第1章 人生で、いちばん苦しいのが40代
親の介護が始まる。子どもの進学でお金もかかる。自分のための時間もお金もない、そのピークが40代だと著者は見ています。
仕事の限界も見え始めます。「もっとできるんじゃないか」という気持ちと現実のあいだで、ストレスや虚しさが生まれる。子会社へ役員として移った知人が、自分ももう終わりだと寂しくなった話も出てきます。
40代に何を意識するかで、50代以降がまるで違う。自分で仕事を生み出せる人と、そうでない人の差が開く10年です。
ただ、この苦しさは一生続かない。人は期限が分かれば耐えられます。毎朝のお弁当づくりがつらかった人が、最後の日に涙したというブログの話は胸に残ります。忙しかった頃を懐かしむ老人ホームの人たちの声も出てくる。

だから「不幸な感覚があって当然」と割り切ると、かえって楽になる。問われているのは、苦しさとの付き合い方です。
第2章 仕事と家族に人生を奪われない
40代は、仕事や家族の役割、子育てに自分を失いやすい。愛する人のためにしていたことが「モンスター」になって、自分を呑み込む。著者はそう書きます。
原因は役割の重なりです。子どもに対しては父親や母親として、職場では会社員として、兄弟姉妹のあいだでは長男や長女としての責任がある。PTAや町内会の役員を引き受ければ、その役割も加わります。一つひとつは軽くても、重なると重くなる。

職業は自分でイエスと言った役割です。でも、長男・長女の役割にイエスと言った覚えはない。
そこで著者は、役割を「犠牲」と「喜び」に分けてみるよう勧めます。ヘルパーさんを頼む、兄弟姉妹で分担する。「そんなことはできない」をいったん捨て、どうすればできるかを考える。いきなり切り出さず、根まわしで進める。自分一人も、誰か一人も犠牲にならない道を探すわけです。
犠牲感をためこむと、大切な人に怒鳴るような形で噴き出す、という指摘もあります。何にノーと言い、何にイエスと言うか。ここが章の芯です。
第3章 自分のリズムを見つける
人には「生き方のノリ」がある。これが出発点です。30代から職業のノリが染みつき、40代になると雰囲気だけで職業が分かるほどになる。医者には医者の、銀行員には銀行員のノリがあります。
著者はノリをリズムと言い換えます。真面目なリズムだけで生きると、真面目なことしかできなくなる。だから、ときには空気を抜いて新しいリズムを入れてみる。一方で、「〜らしくない」をわざと目指すと、その職業のノリがくれるギフトを受け取れなくなることもある、とも書いています。
感情のリズムでは、ハイすぎる相手には自分をローにしてみる。生活は朝型か夜型か。仕事は、パソコンにじっくり向かう型か、人と会う型か。自分のノリに合うスタイルができると、ゾーンに入れるといいます。いまのノリは、自分を幸せにしているか。章はそう問いかけます。

第4章 家族とお別れの準備をしておく
40代は、両親との別れを体験する年代です。著者は、親に聞いておきたい問いを4つ挙げます。子どもである自分を好きだったか。大切に思っていたか。生まれてよかったか。生まれたとき、うれしかったか。
著者自身も、アルコール依存症で荒れていた父に何度も聞き、「お前が息子でよかったと思っている」という言葉を引き出したそうです。感謝や尊敬は、最後かもしれない気持ちで伝える。母からの電話に怒って答えたのが最後の会話になり、悔やみ続けた人の話も出てきます。
別れは子どもとの間にも来ます。思春期の子は、同じ家にいてもホームステイのゲストのようになる。飛行機の離陸にたとえて、子が飛び立ちやすい体勢を前もって整え、親が上手に離れておく。

兄弟姉妹とは、正月やお墓参りの取り決めがないと、つながる機会がなくなる。
最後は、自分が死ぬ可能性です。40代がいちばん想定していないのは、じつは自分の死だと著者は言います。食生活が偏り、睡眠不足のまま、健康診断もしていない人もいる、と。別れを前提に、いま何を伝えるか。それを考えさせる章です。
第5章 これからの「下りの人生」に備える
10代・20代は夢を描き、30代は挑戦する。ここまでは山を登る感覚です。著者は人生を観覧車にたとえます。40代でゴンドラは頂点に達し、ここから初めて「下りの人生」を体験する。
体の衰えが出ても、悟れるわけではありません。時間に追われ、子どもには避けられ、親からは文句ばかり。人生はいつもゴチャゴチャしている。そう知っておくと、自分の扱いが楽になります。
そこで出てくるのが【自分取扱説明書】です。前著で示した17の質問に、40代の自分として答え直す。好きなもの、苦手なもの、エネルギーを消費するもの、回復させるもの、ワクワクすること。変わった自分も、変わらない自分も、どちらも認めます。

病気療養やひきこもりを経験した人、家庭や子どもがいないことに引け目を感じる人にも、著者は言葉を向けます。取扱説明書は、自分がダメだと証明するものではない。手持ちのカード、つまり才能の中で幸せを見つけるゲームなのだ、と。
あなたの人生の意味は、あなたが決めていいのです。
同書 第5章
人生の意味を、自分で引き受ける。そのための章です。
第6章 楽しいことしか考えない
著者は、人生で楽しいのは25歳から55歳ぐらいだと考えています。この30年がドラマの起きやすい時期です。まだ体も元気な40代は、人生をいちばん楽しめる10年だといいます。
だから、毎日の楽しみと喜びを増やす。明日人生が終わっても、後悔しないように。本には、40代でできたら楽しいことを書き込むリストもあります。すぐにできないことでも構わない、と。

一方で40代は、不幸を感じやすい年代でもある。30代は忙しさで麻痺していて、40代でそれがとけ、現実がはっきり見えるからです。
だから、現実にがっかりするより楽しむ感性が要る。パートナーと、もう一度恋愛を楽しむ。パーティーや仕事の誘いを「忙しいから」で断らない。社会のブラックホールに吸い込まれないよう、自分の時間を確保する。楽しいことを本気で選んでいるか。ここが問いです。
私の場合|ワクワクすることしか再開しなくてよかった
この章を読んで、2026年9月に言葉にした一文が重なりました。
ワクワクしないコトが途切れたことでワクワクすることしか再開しなくてよい状態になった
2026年9月に私が言葉にした振り返り
同じ日の振り返りでは、AIを触っていたときの手応えも言葉にしています。「シンプルにAIを触ってて楽しくより長文や画像や音楽やLPなど成果物がカタチになりやすく意図以上にできてワクワクした」。
いま読み返すと、本田さんの「楽しいことしか考えない」と向きは同じです。ただ、私は本の方法で楽しみを増やしたわけではありません。ワクワクしないことが途切れたから、残ったワクワクだけを選べた。順番が逆なんですよね。
それでも、この章の問いは効きます。楽しいことを選んでいるつもりでも、その中身を言葉にできているか。私の場合は、意図以上に形になる手応えでした。うーん、楽しいの中身は、人によってまるで違うのだと思います。
第7章 仕事との距離を上手に保つ
まず、一生でどれくらいの時間、仕事をやりたいかを自問する。家賃がなければ生活費はそれほどかからない。相続した家や、自治体が貸し出す空き家を使う道もある。著者は、仕事から離れる選択肢にも触れます。
この章でいちばん効くのは「バランスをとる努力をやめる」です。仕事も家族サービスも趣味もほどよく。そう考えた途端、全部が中途半端になってストレスになる。時期によって仕事が多くても、家庭が多くてもいい。そのほうが気分が楽になります。

まわりの人が、悪意なく時間とエネルギーとお金を奪っていくこともある。著者はそれを「人生泥棒」と呼びます。
40代になれば、実力も生涯賃金も見えてくる。だから冷静に分析する。経理では駄目でも、営業で輝く人もいます。仕事を収入の手段と見るか、楽しみと見るか、人生の意味と見るか。どれも正解です。仕事との距離は、自分で決めていい。
第8章 自分のエネルギーの予算配分を考えておく
40代は、選んできた道で時間の過ごし方が人それぞれです。体を壊して長く入院し、「1回休み」を経験した人もいる。子育てで忙しい人も、介護で故郷へ戻る人もいる。
では、自分は何にエネルギーを使っているのか。著者の答えはシンプルです。朝を見ればいい。親を起こしに行く人は親に、仕事から始める人は仕事に、エネルギーが注がれています。
朝から何にエネルギーを使っているのかを見ることによって、自分が人生でどういう選択をしてきたのかということがわかります。
同書 第8章
そしてそれは、誰かに無理やりされたことではない。自分の選択だ、と著者は念を押します。
次に、お金だけでなく、時間とエネルギーにも自由に使える「予算」を考える。例は、土曜日の午前中は自分の時間にする、というもの。毎月、楽しみに使う額も最初に決めてしまう。予算は、先に取る。取っておかないと、ちょっとした用事や誰かのために奪われてしまうからです。

自分にエネルギーを使うとは、魂が震えるような、ワクワクしてしかたがないことに注ぐこと。そのうえで著者は、好きなことにどれだけ時間を使えるのかを冷静に考えておくよう促します。仕事をしている人は、起きている時間の大部分を仕事関係にとられる。自分の楽しみに回せる時間は、思ったより残らないんですよね。
カロリーにたとえると、食べたもののほとんどが基礎代謝に消え、何も残らない状態です。だからこそ、限られた中で何に先に配るかを決めておく。
私の場合|2025年1月の朝は、PCの起動から始まっていた
この問いを、2025年1月時点で公開していた私の文章に当ててみます。「私の一日」という見出しで、朝をこう書いていました。
「社長兼業主夫の朝は早い。」寝静まる家族を起こさないように寝室を抜けて、トイレと洗顔を済ませ、体重を測る。一杯の麦茶を飲むと、オフィスへ直行してPCを起動する。
今日のスケジュールを確かめ、クライアントから緊急の要件が無いかメールを開く。運営するWebサイトのアクセス数や反響も確認する。同時に、朝のフレッシュな頭でマインドマップを書く。夢で見たアイデアも、忘れないうちに。
ここまでが、当時の文章に書いてある事実です。
いま本田さんの問いで読み直すと、朝いちばんのエネルギーは仕事とアイデアに注がれていました。PCを起動して最初に向き合うのは、クライアントからのメールとサイトの数字。同時に、頭の中の構想をマインドマップに書き出しています。
家族を起こさないようにという気づかいはあります。それでも、朝の最初の時間は仕事の側にある。これが当時の私の選択だった、という読みです。
朝の数行から言えるのは、最初の時間の行き先までです。それでも、書き出すだけで選択の形が見える。著者の言う通りでした。
第9章 自分を投資案件として見る
親が資産家だった、宝くじが当たった。そういう人を除けば、いちばんの資産は自分自身だ。著者はここから始めます。手元のお金を貯金しておくのか、自分に使って新しいスキルを身につけるのか。株などは大損もあるけれど、自分への投資はゼロにならない、という見立てです。
さらに、自分を社会にどう送り込むか、どんな仕事をさせるかを、プロデューサーの目で考える。著者自身も、文章を書くことについて、いろいろな講座で学んだそうです。

定年のとき、すぐに稼ぐ力がある人と、貯金や年金に頼るしかない人では、楽しさが違う。だから今の仕事をしているあいだに、人事・経理・マーケティング・営業のような、お金を生むスキルを長期投資の感覚で磨く。
椅子やパソコン、カフェのお茶代のような環境への投資もある。学び直しや留学、転職も大きな投資になり得ます。分不相応だと感じるくらいの投資が、次のレベルへ連れていく。自分の価値を、どう育てるか。
第10章 保証人になれる親友を持つ
保証人になってはいけない。多くの親が子に教えることです。著者は、リスクを避ける教えとしては正しいと認めます。そのうえで、少し違う考え方を示します。
誰かと出会ったとき、この人の保証人になれるか、という視点で相手との距離を考えてみる。すると、自分と相手の信頼の深さが分かりやすい、というのです。
大事なのは、実際に保証人になりなさいという話ではない、と同じ章に明記されていること。保証人は比喩で、信頼の深さを測るものさしとして置かれています。お金のIQ的には正しい教えでも、EQ的には少し寂しい。そんな言い方も出てきます。
続いて、知人・友人・親友を分けます。知人は、名前と職業くらいを知っている人。友人は、食事や映画、観劇を一緒にシェアできる人。親友は、相手が聞きたくないことも言い、それをお互いに受けとめられる人です。

社会的な立場ができるほど、親友はつくりにくくなる。関係ができていないうちに厳しいことを言えば、失敗する。まず自分の心を開き、相手が開いたらノックする。信頼は、段階を踏んで育つ。
第11章 応援される人になる
成功する人には、全力で応援してくれる人がいる。お互いに100の力で応援すれば、100×100で1万になる関係ができる、と著者は書きます。
応援の深さのたとえが具体的です。SNSで「いいね」を押すのは知人。本が出たら本当に買うのが友人。黙って100冊買って、まわりにプレゼントするのが親友。お店を開いた人には、お祝いのメッセージだけでなく、人を連れていくのが友人です。
応援を求めるなら、自分は本気で応援しているかを先に問う。

昭和の醤油の貸し借りは、ふだんの挨拶や立ち話があったから成り立っていました。人づき合いを面倒に思うのは、自分が安全でいたいから。そこを一歩越えると、人生は広がる。断られても、気にしなければいい。家族とも職場とも違う「サード・プレイス」のような友人がいると、人生は楽しくなります。
人望のある人は、こまめに連絡し、ご馳走し、人を紹介し、助言をしている。話を聞くだけでも人望は高まる、とも。応援される前に、応援しているか。
第12章 人間関係の資産を増やし、負債を減らす
友人や知人とは、気づかないうちに見えない「資産」と「負債」を共有している。評判の悪い人と友達だとマイナスになる。誰からも慕われる人と友達だと、自分の株まで上がる。
人間関係の負債は、不義理を謝ったり、過去を清算したりすることで軽くなります。「あのときはスミマセンでした」と謝るだけで済むことも多い。それが資産に変わることもある。

親友の資産や人脈が増えれば、自分の資産も増える。夫婦にも同じことが言えて、成功は掛け算になります。著者は長期投資の目で、親友たちと「グループで成功していく」ことを勧めます。
例は、著者のメンターであるジョン・グレイやジャック・キャンフィールドが長く続けているメンズグループ。大学や企業のOB会、ロータリークラブも、感覚的にこれを実践しているといいます。誰とつき合い、何を清算するか。人間関係を帳簿の目で見直す章です。
第13章 「人生の優先順位」をつけ直す
限られた時間とお金とエネルギーをどう使うかは、自分で選ぶしかない。パートナーシップを深めたいなら、仕事の時間を減らしてデートを増やす。がんになった親との最後の時間を選ぶなら、自分の時間を減らす。
優先順位が決まると、親に「今週は行けない」と言えるようになる。具合が悪いと呼ばれて行ってみたら、電球の交換だった。そんな話も出てきます。親の本音は、顔が見たいだけなのだ、と。
「してあげる」が義務や役割になった途端、テンションが下がる、という指摘も鋭いです。ゴミを出そうと思った矢先にイライラ声で頼まれると、カチンとくる。実家に着くなり遅いと責められると、もう来るものかと思ってしまう。
「やってあげてる」になっていないかを確かめよう、と著者は書きます。
ゼロ・リセットでは、自分に問いを立てます。どこで生まれ、どう育ったのか。いままで何をしてきたのか。いま何をしているのか。何でもできるとしたら、将来何をしたいのか。
ゼロ・リセットするためには、余分なものは捨てることです。
同書 第13章
「何もしない」をやってみる、とも書きます。入院して絶対安静だった著者の友人は、回復してから、あんなに何もしなかったのは幼稚園以来だと笑ったそうです。
著者はそれを神様から与えられた休日にたとえ、同じ休日なら自由に過ごすほうがいい、と言います。海で1時間、何も考えずに波を見るのが著者流です。
最後に、将来どこにいたいのか、その一点を決める。コップの水を「もう半分」と見るか、「まだ半分」と見るか。自分がそこにいる姿を思い浮かべ、気分が上がるかで場所を探します。何を上に置くかを、自分の手で並べ直す。

私の場合|順位は家族が上、ずれていたのは抱え込み
優先順位という言葉は、実は2025年1月時点で公開していた私の文章にも出てきます。「優先度の高いものから一時一事で集中して取り組みます」。順位をつけること自体は、当時から書いていたんですよね。
では、何を上に置いていたのか。2026年9月の振り返りで、私は「前から家族第一だった。けど仕事を抱える癖で抱え込んでた」と言葉にしています。
いま読むと、本田さんの言うつけ直しとは少し形が違います。順位は前から家族が上でした。ずれていたのは順位ではなく、仕事を抱え込む癖のほう。
そして、余分なものを捨てる段階。私はそこを、自分で選んでいません。
抱え込まず手放してよいことを手術や入院で物理的な強制断捨離で気づいた
2026年9月に私が言葉にした振り返り
強制で通ったから言えるのは、手放してよいことは確かにあった、ということです。本田さんの問いは、それを自分の手で先に選べるか、と聞いているように感じます。
第14章 ひとり旅に出る
小さい頃に行きたかった場所を思い出してみる。著者はギリシャやニューヨークを例に挙げ、好きな小説やマンガの舞台に行ってみるのも楽しい、と書いています。著者の兄夫婦は、野生のキリンを見にケニアへ行ったそうです。
ダーツの旅のように、行き先を先に決めてしまってもいい。すぐ行けなくても、リストを作ってネットで調べるだけで、旅の楽しさは味わえます。
忙しい40代にこそひとり旅を、と著者が勧める理由は、ゼロ・リセットがしやすいからです。家にいると、一人の時間は取りにくい。理想は数日から1週間でも、日帰りや隣の街でいい。普通電車で知らない駅に降り、お茶を飲むだけでも満喫できる。

お金を理由に、できないと考えない。値段ではなく、気分や心地よさで「それがいいから」選ぶ。ひとり旅は、自分の時間とお金とエネルギーを自分のために使う、象徴的な行動だと位置づけられています。
一人の時間には、自分の「いいところ」と、いじめや倒産、病気など、つらかったことの両方を振り返る。自分のために時間を使う。その練習の場がひとり旅なのだと思います。
第15章 過去から、幸せの記憶を取り出す
40代は、自分の病気や仕事のつまずきが出やすい時期です。子どもが学校でうまくいかなくなる、親や兄弟姉妹の介護が必要になる。何の問題もない一日はほとんどない、と著者は認めます。
そのうえで勧めるのが「自分年表」です。10歳までに起きたことや、親がどうだったか。小学校時代のことに続けて、中学・高校ではまったものや10代・20代の夢を書く。恋愛や住んでいた場所、就いた職業も、何歳のときだったかを添えて書き込みます。
さらに、うまくいったことや大失敗、ビビったこと、誰かに助けてもらったことや自分が助けたことを並べ、最後にこれからの人生を書く。一つずつ整理すると、点と点がつながっていきます。

さらに、両親や祖父母が若かった頃を想像する。父と母、それぞれの両親で、計6人の人生があって自分がいる。6人は自分の中の応援団であり、同時に資産と負債でもある。
もし6人が同じ年齢で同じ車に乗っていたら、何を話すか。会社を起こそうという話になるかもしれない、と著者は書きます。過去を、意味の見える形に並べ直す。
第16章 未来の自分にワクワクする
30代になると、20代の希望が「マイルドな絶望」に変わっていく。40代では、人によってはその絶望が決定的なものになる。構想力、創造性、交渉力、行動力。どれかが足りないと分かって、打ちのめされる。フリーランスも同じだと著者は書きます。
だから50代からの人生を、なんとなくでいいのでイメージしておく。自分の店を持ちたい。海外に移住したい。転職したい。家族に叱られそうな外野の声はいったん置いて、自分の気持ちを感じ、あきらめない。
今は「人生二毛作」の時代です。40代・50代での転職や再婚も、めずらしくありません。
誰と一緒にいたいか、誰と仕事をしたいかも考えます。一緒にリスクをとれる人、何かを一緒につくり出せる人、自分がサポートする人、サポートしてもらえる人。
最後に、目の前に二人の未来の自分を立たせます。幸せな60代を生きる自分と、いまの延長線上の平凡な自分。どんな風が流れてくるかを感じてから選ぶ。

延長線上に安心感があるなら、それを選んでもいい。未来を感じてから選ぶ。その順番が、この章の持ち味です。
第17章 人生の目的の扉を開ける
過去を思い出し、好きなこと、得意なこと、できそうなことを挙げる。カウンセリングができる、アドバイスができる、サポートができる、料理ができる。実際にできるかは置いておいて、可能性を目で見えるようにする。その中に人生の目的が隠れている、と著者は言います。

才能には10の原型がある、とも書きます。ヒーロー、起業家、職人、教師、コネクター、商売人、エンターテナー、プロデューサー、癒やす人、戦士。たいていは、いくつかの掛け合わせで開花する。だから、面白そうと思うことは何でもやってみる。
あなたには、「これをやらないと死ねないこと」は、ありますか? もし、いま思いつかなければ、それを考えるところから始めましょう。
同書 第17章
著者自身の例は、英語の本をアメリカで出すことでした。きっかけがつかめず、何度もあきらめかける。そのたびに「これをやらなかったら、死ねない」と思い直したそうです。2001年に小冊子を配るところから始め、2019年に英語の本を出版した。
スカイダイビングならすぐにできても、本には時間がかかる。だから20年かけるつもりで始める。
心が震えることは、人生の目的につながる。震えないなら、まだ運命の出会いを果たしていないだけかもしれない。扉は一つとは限りません。へこんだこと、悲しかったこと、嬉しかったこと、ワクワクしたこと。感情の起伏があったところに扉はある。
目的を見つけていないと、子どもが巣立った後の空の巣症候群や、定年後の無気力に陥りやすい、とも著者は書きます。扉を一つずつ開けていく。17の話は、ここに集まります。
私の場合|「大好きな事、得意な事」はもう書いてあった
好きなこと、得意なことを挙げてみよう。この問いへの答えは、2025年1月時点で公開していた私の文章に、もう書いてありました。
「生まれ変わってもやりたい、24時間没頭したい、お金を払ってでもやりたい大好きな事、 得意な事、人から喜ばれる、社会に貢献できる」。同じ行には「商いは飽きない。生涯現役。」とも書いています。
いま読み返すと、好きと得意のあとに、人から喜ばれる、社会に貢献できる、まで一続きに並んでいるのが目に留まります。できそうなことのリストより、少し先まで書いていたのかもしれません。
ただ、扉は一つとは限らない、と本田さんは書きます。あの一文は当時の私の答えで、扉の全部ではない。そう読んでおきたいです。
おわりに できることから始めよう!
読み終えて、20代のワクワクが戻ってきたと思えたなら、作者というより一人の友人として嬉しい。著者はそう書き出します。
40代で、もう若くないと意識した途端、人生が終わったように感じやすい。でも実際は、可能性に満ちている。50代・60代の人たちは、40代に戻れるなら何でもできると思っています。40代が、20代に戻れたらと思うのと同じです。
けれど、20代には経験が足りない。いろいろあった40代だからこそ、その経験を生かして可能性を開ける。自分が望むことを、できるところから始める。その分別が40代にはある、と本は結ばれます。
エネルギー配分を40代の毎日に落とす実践

読んで終わりにしないために、手を動かす形にまとめます。どれも本に出てくる問いを、紙に書ける大きさにしたものです。
朝いちばんの行き先を書き出す
第8章の問いです。起きてから最初の1時間に何をしたかを、数日分書いてみる。親、子ども、仕事、健康、朝食。行き先に名前をつけると、それが選んできたものだと見えてきます。
時間とエネルギーの予算を先に取る
土曜日の午前中は自分の時間、のように先に決める。月の楽しみに回す額も、最初に分けておく。残ったら使う、ではなく先に取る。ここが肝です。
役割を「犠牲」と「喜び」に分ける
第2章から。いま担っている役割を全部書き出し、横に犠牲か喜びかを書く。犠牲と喜びの線を引くと、根まわしすれば分担できそうな役割も見えてきます。第13章の「やってあげてる」になっていないかの確認も、ここで一緒にできます。
できそうなことを紙に並べる
第17章から。好きなこと、得意なこと、できそうなことを、できるかどうかは置いて並べる。心が震えるものに印をつける。並べた一覧をAIに渡して、似たもの同士でまとめてもらうのも手です。AIは整理を手伝う道具。どれに心が震えるかを決めるのは自分です。
全部やらなくていいんですよね。おわりにで著者が書く通り、できるところから一つで十分です!
『40代にとって大切な17のこと』のよくある質問

どんな人に向いている本ですか?
仕事、家族、親の介護などの役割に追われて、自分の時間が後まわしになっている40代に向きます。病気療養やひきこもりの経験がある人、家庭や子どもがいないことに引け目を感じている人にも、著者は言葉を向けています。
『40代にしておきたい17のこと』と同じ本ですか?
別の本です。今回の本は『40代にとって大切な17のこと』で、きずな出版から出ています。題名がよく似た『40代にしておきたい17のこと』という本もあります。本文で著者が触れているのは、以前に出した『20代にしておきたい17のこと』のほうです。探すときは「にとって大切な」の部分で見分けてください。
保証人になることを勧めている本ですか?
勧めていません。第10章の保証人は比喩です。相手との信頼の深さを考えるための視点で、実際に保証人になりなさいという話ではない、と同じ章に書かれています。
17章を全部実践しないと意味がありませんか?
そんなことはありません。おわりにの題は「できることから始めよう!」です。気になった章を一つ選び、紙に書き出すところから始めれば十分です。
まとめ|40代の扉は、エネルギーの行き先を見るところから開く

『40代にとって大切な17のこと』は、40代の苦しさを当然のものとして認め、そこから選び直しを促す本です。時間もお金もエネルギーも限られている。だから、朝の行き先を見る。予算を先に取る。優先順位をつけ直す。好きと得意の先にある扉を開ける。
この本から一つだけ持ち帰るなら、朝いちばんの行き先を書き出す一手だと思います。書けば、選んできたものが見える。見えれば、選び直せる。40代のうちに、それを自分の手でやれるかどうか。本が渡してくる招待状の中身は、そこにあります。
コラム|2025年1月の私も「意味づけるのは自分次第」と書いていた
第5章で本田さんは、人生の意味は自分で決めていい、と書いています。この一文の横に、2025年1月時点で公開していた私の文章の一節を置いてみます。

そこには、こう書いてありました。「どんな事でも失敗を恐れずトライ。チャレンジして失敗したら? 勝利も敗北もそこにあるのは結果だけ。 結果を成功なのか失敗なのかを意味づけるのは自分次第。」
いま読むと、本田さんの言葉と向きが重なります。結果そのものに、成功や失敗の札は付いていない。札を付けるのは自分だ、という書き方です。
同じ向きの一言を、2026年9月の振り返りでも答えています。場面は、2025年の文章とは別です。
意味づけする。
9月27日の魂磨きでの私の答え
第5章は、意味を自分で決めて「いい」と許す言葉です。2025年1月の私は「自分次第」と書き、9月の一言は「する」と言い切っています。
許す言葉、自分に戻す言葉、動く言葉。自分で意味を決めるという同じ論点が、三つの言い方で並ぶんですよね。
あ、もう一つつながる所があります。第17章で本田さんは、へこんだことや悲しかったことにも、人生の目的の扉があると書いていました。
結果に意味をつけるのが自分なら、つらかった出来事も扉として読み直せる。当時の一文と本の最後の章が、ここで同じ方向を向きます。
40代のいま、どの扉から開けるか。それもきっと、自分次第なんですよね。
分身AIと過ごした最初の100日の記録は、分身AIと歩んだ100日の全まとめにあります。分身AIについては、分身AI.comにまとめています。
参考リンク
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