
WATCH REPORT
村上龍の訃報の日、小説と好きな言葉を箕輪さんの動画で整理する
2026.10.24
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくんです。今回は、『箕輪世界観チャンネル。』の動画『村上龍が教えてくれたこと』を、語られた順に整理します。
作家の村上龍さんの死去が、2026年10月23日に幻冬舎BOOKSの公式Xで発表されました。亡くなったのは10月17日。享年74歳、自宅でのことでした。
動画は屋外でのひとり語りで、長崎県立佐世保北高校の前で撮影されています。長さは36分。2026年10月23日に公開されました。この動画では話している人が名乗らず、チャンネル名から箕輪厚介さんとみられます(推測)。以後は箕輪さんと書きます。
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GPTs研究会に参加する(無料・9,000名突破!)出典: 村上龍が教えてくれたこと

動画は、龍さんの母校の前の路上から始まります。場所の説明と、知った経緯。最初の話は、訃報を聞いた電話のことでした。
箕輪さんは、長崎県立佐世保北高校の前にいる、と話します。後ろの高校は、村上龍さんの母校だと語っています。
訃報は、見城さんからの電話で聞いた、と話しています。見城さんは、この動画で『敗者の凱旋』の著者として語られる人です。普段なら電話が来ることはないと思う、と前置きして、その理由を語ります。
箕輪さん(動画の中で・0:21〜)
村上りさんが亡くなって、え、その不法を、え、僕はあの賢城さんにの電話で、え、聞きました。
引用の中の「村上りさん」は村上龍さん、「不法」は訃報、「賢城さん」は見城さんのことです。見城さんの本『敗者の凱旋』が最終のゲラチェックの段階にあり、龍さんに捧げる文章を急に差し込む、という連絡で知ったという話です。
佐世保には、ちょうど仕事で来る予定になっていました。その巡り合わせを受けて動画を回している、と語っています。
箕輪さん(動画の中で・1:16〜)
そんな偶然というか巡り合わせないなということで今動画回してます。
偶然と、巡り合わせ。訃報を知った経緯と佐世保に来る予定が重なったことが、この動画を撮るきっかけになっています。
龍さんは一番好きな作家だ、と箕輪さんは話します。自分の価値観の元は、龍さんの作品によってつくられたのではないか、とも語ります。今日は、自分にとって龍さんがどういう作家で、どんな影響を受けたかを話す、と続けます。

龍さんの作品との出会いは、中学1年の読書感想文の課題図書からでした。話は、最初に読んだ1冊と、自分のお金で買った1冊へ進みます。
最初に読んだ作品は、多分『69』だ、と箕輪さんは話します。1969年の佐世保北高校が舞台の作品。中学1年の読書感想文の課題図書として読んだそうです。
数ページ読んで、適当に感想文を書くつもりでした。ところが読み始めたら面白く、最後まで読んだ、と話しています。作品は、高校でバリケード封鎖をして無期限謹慎になる青春の無茶を、ポップに明るく描いたものだと語ります。
箕輪さん(動画の中で・6:15〜)
なんかそのバリケード風鎖もなんこうかっこいいから面白いからやるみたいな女の子にモてそうだからやるとかそういう感じなんだよね。
引用の中の「風鎖」は、封鎖のことです。正義のためではなく、格好よさや面白さ、女の子にモテそうだという理由で動く。そこが良かった、と箕輪さんは語っています。
それまでは、小説は真面目でつまらないものだと思っていたそうです。その中で、小説が面白いと初めて思った、と話しています。
次に手に取ったのが『5分後の世界』でした。多分、自分のお金で買った最初の小説だ、と話しています。『69』が面白かったから買ったという話です。
部活の記憶も出てきます。社会人になってから、中学のサッカー部の友達に「お前ハーフタイム本読んでたよな」と言われ、思い出したそうです。
箕輪さん(動画の中で・8:57〜)
小説というものを無さぼるように読んだ経験は5分後の世界ぐらいだよねっていうぐらい
引用の中の「無さぼる」は、貪ることです。小説を貪るように読んだ経験はこの作品くらいだ、と箕輪さんは話します。それほど没入した1冊が、『5分後の世界』でした。

反体制や反逆。龍さんの作品は、一見そのテーマで貫かれているように見えます。ただ、正確に言うと少し違う、と箕輪さんは話します。
龍さんはエッセイで、与党を悪く言います。一方で、文句を言うだけの野党側の人にも、同じように文句を言います。だから反権力ともいえない、という話。
箕輪さん(動画の中で・11:36〜)
反権力ってわけでもないの。じゃなんだつった時に反従族みたいな感じなんだよね。
反従族は、反従属のことです。学校、会社、社会、常識。そうしたものに無自覚に従うこと、言われたからやること、相手が強いから従うこと。龍さんはそれを強く軽蔑している、と箕輪さんは語ります。
エッセイでも小説でも、そこは変わらないそうです。自分の意思を持たず、生きるエネルギーを失って、惰性で生きる人。龍さんは、そういう人を軽蔑して書く、とのことです。
箕輪さん(動画の中で・12:06〜)
こう言われたからそれをやるとか相手が強いから従うとかそういうものをすごく軽別してんだよね、村上龍は。
軽別は、軽蔑のことです。小説では、強い存在に媚びを売る人が、最後は格好悪く死ぬ、と箕輪さんは話します。従う相手は作品ごとに違い、『69』なら学校。
反対に、支配するものへ怒りと全身のエネルギーで抵抗する存在。龍さんの作品では、そうした人が輝かしく、魅力的に描かれる、と語っています。
箕輪さんの語る反従属は、自分を支配するものに抵抗するという形の話です。私の側は、外から決まった正しさや整った理屈より先に、自分の体に違和感がないかを確かめる、というやり方です。
箕輪さんは、中学の卒業文集に書いた、満員電車に乗らない理由を挙げます。今思うと村上龍的すぎて恥ずかしい、と話しながら、高校時代を振り返ります。学ランの下には、システムに逆らう意味の英語が書かれたTシャツ。龍さんの小説に、強い刺激を受けた部分だったそうです。

数いる小説家の中で、自分や企業家が一番好きなのは龍さんだった、と箕輪さんは話します。ここからは、経営者の目から見た好きな理由。
理由は、文学の世界で完結していなかったこと。龍さんは、文学的なものの中だけで話を閉じなかったそうです。重んじたのは、テクノロジーと経済、と語っています。
箕輪さん(動画の中で・19:13〜)
文学の世界で文学的なもので完結してる人じゃなくて、りさんはやっぱテクノロジーとか経済っていうものを重視したんだよね。
りさんは、龍さんのことです。例に挙がったのは『希望の国のエクソダス』と『13歳のハローワーク』。前者は、中学生がインターネットを使って、大人たちをひっくり返していく話。後者はミリオンセラーで、13歳からどんな仕事に就けるか考えろ、と現実的なことを語りかけます。経営者を迎える番組の司会にも、話は及びました。
作家は幻想性を保つために、あえて現実と接続しないこともあるそうです。龍さんは、現実だろう、と考えた人だったと箕輪さんは話します。経済があり、その中で動く人間の心。物語は経済抜きにも、テクノロジー抜きにも語れない、という話です。
次は、村上春樹さんとの違い。ラジオで聞いた話として語られます。龍さんは恐縮しながら、春樹さんは人の心の動きや葛藤を普遍的に描くことに長けている、と話したそうです。
箕輪さん(動画の中で・22:53〜)
現実、圧倒的な現実がそこにあるっていうそれを描きたいんだみたいな描くのが僕なんだって言った時にあ、だから俺りさん好きなんだって思って
違いの例は、中央線の線路沿いに佇むおじさん。春樹さんなら、自我の揺れや内面の葛藤を描きます。龍さんなら、会社にリストラされたのだと描きます。内面の葛藤もあるうえで、そこにある動かしがたい現実。それを描きたい、という話です。
現実の経済やテクノロジーが無い表現には、感情移入できない、と箕輪さんは話します。それは単純に仕事ができないからでしょ、お金が無いからでしょ、と思ってしまうとのこと。文芸だけでなくビジネスに興味を持ったのも、龍さんの小説が現実と接続していたから、と語っています。
好きだった理由であり、刺激を受けた部分。そこをごまかさずに描くことに、龍さんの作品のリアリティを感じる、と箕輪さんは話します。

好きな言葉が2つある、と箕輪さんは話します。1つめは自分に言い聞かせてきた言葉で、2つめは『すべての男は消耗品である。』の中の一節です。
1つめは、受験や仕事、就職の時に、いちばん自分に言い聞かせてきた言葉だそうです。頑張っていた時期に繰り返した一文でした。
箕輪さん(動画の中で・26:26〜)
自分が何を欲しいか分からないやつは欲しいものを手に入れることは絶対にできないって言葉で
目標を強く描けなければ、実現するはずがありません。だから、何をやりたいのか、どうなりたいのかを、できるだけ解像度を上げて考える。漠然と幸せを願っても仕方がない、と箕輪さんは語っています。
欲しいものを知ることについては、私は以前に 欲しい道具を思いつける頭を扱った、箕輪さんの投稿の整理 を書いています。何をしたいかには自分でしか答えが出せない、という向きでまとめた記事です。
私の記事より(AIの使い方より先に、“欲しい道具”を思いつける頭になる|箕輪厚介さんの投稿から考えた発想の順番)
操作は誰でも同じように覚えられるけれど、「それを使って何をしたいか」は、自分にしか答えが出せない問いだったんです。
何を欲しいか分からない、という動画の言い方と、したいことは本人の中でしか決まらない、という引用の言葉は、同じところを指しています。答えを持っているのは本人です。
2つめは龍さんの言葉です。多分『すべての男は消耗品である。』というエッセイの中に出てくる、と前置きして、人生に大切なことを3つ挙げます。死なないこと、楽しむこと、世界を知ること。
箕輪さん(動画の中で・27:30〜)
全ての男は消耗品であるってエッセの中で出てきたんだけど、人生に大切なのは死なないこと、楽しむこと、世界を知ること、この3つだって言ってて
死なないことは、死んだら終わりだからです。楽しむことは、龍さんの作品に何度も出てくる、キラキラしていろというメッセージに重なる、と箕輪さんは話します。キラキラしているのは、自分の意思で生きている人。立場に甘んじず、自分を支配するものに対して自由でいる人のことだそうです。
箕輪さんの、欲しいものを知るは、目標を強く描くことです。私の側は、他人を気にせず、やりたいことをやりたいだけ夢中でやる、という考え方です。
最後は、世界を知ること。いろんな場所へ行き、いろんなものを知ることだと語り、どれもとても好きな言葉だ、と箕輪さんは話します。

動画の後半は、箕輪さんが編集している見城さんの本『敗者の凱旋』の話に移ります。この本の中身が、順を追って語られます。
発売は12月の頭になると思う、と話しています。龍さんに捧げる見城さんの文章も、この本に入るそうです。
同じ本については、見城さんの新刊『敗者の凱旋』のゲラ作業が語られた対談の整理 を以前に書いています。ゲラ作業が話題になった対談を、私がまとめた記事です。
私の記事より(AIの企画はなぜつまらないのか。箕輪厚介さんとけんすうさんの対談から、自分の現場の事実をAIに渡す方法を考える)
箕輪さんは、朝7時ごろから見城さんと電話をしながらゲラ作業をしました。
2つがつながるのは、同じ本だという一点です。その対談は10月5日の公開でした。この動画では、その本に龍さんに捧げる文章が差し込まれた、と箕輪さんが話しています。
見城さんは龍さんと同じ世代で、学生運動の時代を生きた人です。命を落とすまではやり抜かず、親や就職のことを考えて、大人の世界で生きる道を選んだ。そのために自分は敗者だと考えている、と箕輪さんは話します。
ただ、死ぬ瞬間に、世間の評価と関係なく、自分はやり切ったと自分で思えれば、敗者として凱旋できる。そういうことを書いた本だそうです。
箕輪さん(動画の中で・31:44〜)
自分はやり切ったと世間の評価とか周りがどういう方とか関係なく自分はやりきたと自分自身が思えれば歯医者として凱旋できるということを書いた本で
引用にある歯医者の語は、敗者のことです。人間はいずれ死にます。だから全員が敗者で、勝者は一人もいない。そのうえで、敗者であることを受け入れ、個としての筋を貫けるかどうか、という話です。
貫き切ったかどうかは、最後に自分だけが分かる、と箕輪さんは語ります。人間だから、ときには妥協もする。そうも言い添えています。
箕輪さん(動画の中で・33:53〜)
自分が自分の子としての筋を自分なりに貫いたと自分が思えるか。ただそれだけだとそれが歯医者の凱旋の条件だっていう本で
お金をいくら稼いだか、周りから認められたか、で決まるものではありません。個としての筋を自分なりに貫いたと、自分で思えるか。それが敗者の凱旋の条件だ、と語っています。
箕輪さんの条件は、個としての筋を貫いたと自分で思えるかどうか。それが分かるのは最後に自分だけです。私の側は、軸がぶれず偽りがないかを、自分で確かめる、という見方です。
偶然佐世保に来ていたので、龍さんの母校の前で話をした、と箕輪さんは振り返ります。龍さんに影響を受けなかったら、今の自分の人間性はなかったと断言できる、と話します。最後は、佐世保にいる偶然に触れて、動画は終わります。
COLUMN
▲目次人の目を気にしない、の手前にあったもの

第3章の反従属と、第5章のキラキラしていろ。この2つの話のあとに、私の魂磨きの記録から2か所だけ引きます。
私の記事より(人の目、昔は気にして、経験を積んで、いまはありのままに行動する・昔と今の、人の目)
「より経験も積んで人の目を気にするより自分をありのまま行動できるようになった」
無自覚に従うことへの軽蔑という話に、私が重ねられるのは、人の目を気にする度合いの変化です。人の目を今より気にしていた昔と、気にするよりありのまま行動できる今。昔、夢中で遊んでいてコインが吸われた時は、お金が無駄になったかなと悔やみました。いまは、後悔も経験のひとつと見ています。
私の記事より(人の目、昔は気にして、経験を積んで、いまはありのままに行動する・動き出す手前の言葉の向き)
「自分も人の目を気にせずにワクワク夢中にありのまま遊び探求したい」
娘たちが遊ぶ姿を見て、私の口から出てきたのは、人の目を気にせずにワクワク夢中にありのまま、という言い方でした。LIVEでコメントに答えるうちに、話が思いがけない方へ広がることも、私にはワクワクすることです。
コラムで引いた2か所を含む、魂磨きで残したその日の記録は、人の目、昔は気にして、経験を積んで、いまはありのままに行動するに書いています。
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Q. この動画は何を語っていますか
A. 見城さんからの電話の話に始まり、『69』と『5分後の世界』、反従属、経営者として好きな理由、好きな言葉2つ、『敗者の凱旋』まで、6つの場面を箕輪さんが順に語っています。詳しくは第1章。
Q. 話しているのは誰ですか
A. 動画の中では名乗りません。チャンネル名の『箕輪世界観チャンネル。』から、箕輪厚介さんとみられます(推測)。佐世保北高校の前でのひとり語りです。詳しくは第1章。
Q. 好きな言葉の2つは何ですか
A. 1つめは、何を欲しいか分からなければ欲しいものは手に入らない、という言葉です。2つめは『すべての男は消耗品である。』の中の、死なないこと、楽しむこと、世界を知ること、と箕輪さんは話しています。詳しくは第5章。
Q. 『敗者の凱旋』の条件とは何ですか
A. 世間的な成功やお金ではなく、個としての筋を自分なりに貫いたと、自分で思えるかどうか、と箕輪さんは語っています。それが分かるのは最後に自分だけだそうです。詳しくは第6章。
箕輪さんは、龍さんの母校である佐世保北高校の前で、見城さんからの電話の話から語り始めました。
最初に読んだのは、多分『69』でした。自分のお金で買った最初の小説は、多分『5分後の世界』だったそうです。
龍さんは反権力ではなく反従属だった、というのが箕輪さんの見方です。
経営者として好きな理由は、現実と経済から目をそらさず、ごまかさずに描いたことでした。
好きな言葉は2つ。何を欲しいか分からなければ欲しいものは手に入らない、という言葉と、死なないこと、楽しむこと、世界を知ること。
『敗者の凱旋』の条件は、個としての筋を自分なりに貫いたと、自分で思えるかどうか。動画では、そう語られました。
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参考リンク
今回整理した動画の本編です。時刻つきの発言は、ここで確かめられます。
今回整理した動画
| チャンネル | 箕輪世界観チャンネル。 |
| 出演 | 動画の中では名乗っていません(チャンネル名から箕輪厚介さんとみられます・推測) |
| 公開日 | 2026年10月23日 |
| 長さ | 36分07秒(日本語) |
| URL | https://www.youtube.com/watch?v=uMYMUkykKXw |
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