
WATCH REPORT
MetaのAIエージェントMuseの事例20選。買い物も予約も進める、承認の線引き
2026.10.28
家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube で SHISHIGAMI TECH CH のシシガミさんが紹介した、Meta のパーソナルAIエージェント Muse の事例20本を整理します。スシローの注文から、返品の交渉、うまくいかなかった話まで、画面に出た出典と一緒に追います。
Meta の Muse が話題です。でも、結局みんな何に使っているのか。どこまで任せていいのか。そこがつかめずに止まっている個人事業主や、小さな会社の経営者、AIエージェントが気になる人に向けて書きました。
元になるのは、18分の日本語の動画です。シシガミさんが Muse の事例を国内外から20本集めて、日本、インスタ、お金、暮らし、仕事、うまくいかなかったこと、の順に紹介しています。
読み終えると、20本の事例を動画の順に追えます。Muse が自分で進める所と、本人の承認で止まる所。その線を、事例ごとに見分けられるようにしました。
SPEAKER
シシガミさん
バイブコーディングやAI開発まわりのニュースを毎日紹介するチャンネルの運営者で、動画では顔を出して一人で語ります。画面には章ごとのスライドと、事例ごとの出典の投稿が映ります。
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文章で頼むだけで、買い物や予約まで進んでしまうAI。そう聞くと、まず気になるのは線引きですよね。どこまで任せて、どこで止まってもらえばいいのか?動画の最初の章は、日本で実際に使われた事例から入ります。
Muse は、Meta が出したパーソナルAIエージェントです。友達に連絡するように文章で頼むと、ブラウザを開いて調べ物や予約、買い物を進めます。コネクター(Gmail やカレンダーなど、ほかのアプリとつなぐ口)が無くても、ブラウザ操作で動くのが特徴。
シシガミさんは、買い物とメール送信の前は本人の承認を待つ点を、ここで強く押さえます。北米では1か月半で1,000万人以上が使っている、という話も出てきます。
シシガミさん(動画 1:44〜)
ただね、本人の承認は必ず取ってくれるというところで、しっかりそこのトレーニングもされてるということですね
1本目は、スシローです。店内で Muse にモバイルオーダーを頼むと、Web の注文画面で中トロを3皿注文しました。途中で、中トロ3皿いってるよ、と報告しながら進んだのが、あいろぐさんの投稿でした。
2本目は、海外旅行の予約。頼んだのは、あやみさんです。Booking.com のタブがいくつも並び、その中から条件に合うホテルを探します。飛行機は荷物の容量まで考えて最安を出しました。予約のあとには、旅のしおりまで!
話は、旅行の予約は友達と話しながら決めたい派だけれど、ビジネスの出張なら使えそう、と続きます。
3本目は、証券口座。確認コードが Gmail に届くと、Muse がそれを見つけました。画面に出るのは承認カード(Muse が本人に許可を求める画面)。共有してよいかを聞き、許可が出てからログイン。取引はしていない、と断ったうえで、口座の中身をまとめた例です。
同じ人が支払い方法をつないで、マイクを探して買っておいて、と頼むと、実際に購入までいきました。そこまで任せる勇気はまだない、というのがシシガミさんの受け止めでした。
4本目は、小鳥遊ねむさんの投稿から。カレンダーにゲームのイベントの予定を入れておくと、頼んでいないのに参加の手順とつまずきやすい点を調べ、あとの勉強の予定と重ならない時間まで出してきました。理由を聞かれた Muse の答えは、後で取り返しがつきにくい予定で、手作業が多いから。
動画は、日程調整は多くの人が手を焼くところなので、エージェントに任せて手を離そう、と続けます。
シシガミさん(動画 5:22〜)
日程調整はね、やっぱり結構皆さん不便なところですから
5本目は、アバター。アニメ調のスーツ姿のアバターを頼むと、本当に出てきます!作業中も画面の上でちらちら動き、チャームのように移動もできます。miyattiさんの投稿です。著作権の面はどうか、という声もある、と章は締めくくられます。
ここまでの事例を並べると、共通する所があります。買い物と送信の前に、承認を挟む設計。
中トロの注文も、証券口座も、マイクの購入も、同じ線の上に乗っているんですよね。承認がどこに挟まっているか、気にしながら見ていましたか?
私の記事より(dots の先回りを、止めたい所で止まる設計かで読んだ記事)
止まる場面を絞るのは、確認が増えるほど、任せたはずの管理のボールが私に戻ってくるからです。
私がAIに頼んでいるのは、公開・送信・削除・課金のような、取り消せない操作の直前で止まって、確認してもらうことだけです。この止め方については、第6章で、Muse へ確認を送った時のことも書きます。


インスタに保存した投稿、どれくらい見返していますか?動画の次の章はここからです。Muse は Meta 製なので、インスタの中身をそのまま扱えます。画面の一文が、この章の入口でした。つなぐ先が、Meta 自身のアプリ。ここが他の章と違う所です。
6本目は、保存の整理。インスタに保存した824件を、ジャンルごとのコレクションに分け、合うものが無ければ新しく作ります。整ったあとは、お肉リストから渋谷の焼肉を探して、と頼むこともできます。紹介しているのは、あやみさんの投稿と解説アニメ。
7本目は、ブックマークを日記にする話。米国の人が、インスタのブックマークを後から検索できる日記にする仕組みを、プログラムで自作しました。ところがその翌日、Muse が同じことをやってのけます。投稿の主は、これに大喜び。
シシガミさん(動画 7:49〜)
保存したまんまね、見返してない投稿が何百件もあるって結構多いと思うんですよ、そういう人
8本目は、ストーリーズの要約。Business Insider の記者の Katie Notopoulos さんが、親しい友達だけに向けたストーリーズを Muse に見てもらい、毎朝要約を送ってもらっています。見るのは Muse で、記者本人のもとには毎朝その要約だけが届きます。
眠っている保存を分けて、無ければ新しい棚まで作ってくれます。棚を整えるところまでは、AIに任せてしまっていいと私は見ています。
でも、並んだ中からどれを開くかは、人が選ぶ所なんですよね。


チャイルドシートを返品したら、戻ってくるお金から70ドルが引かれていました。この章には、頼まれる前に気づいて、取り戻すところまで動いた例が並びます。
9本目は、返品の手数料。チャイルドシートを返品したら、戻るはずのお金から70ドルの再入荷手数料が引かれていました。
気づいたのは Muse のほう。頼んでいないのに見つけて、Amazon の電話番号と注文番号入りの台本まで用意し、電話1回で手数料が戻ったと、画面に映る David Zagury さんの投稿にあります。
10本目は、通信料の交渉です。通信会社のチャットで一番安いプランだと言われても、もっと押して、と頼んだら値引きを引き出せたそうです。
Todd Saunders さんは、同じ流れで、電柱に絡まった配線の写真を撮り、通信会社に片付けまで頼んでいます。
シシガミさん(動画 8:47〜)
やっぱこういう交渉ごってね、日本人苦手ですし、人がちょっとやるとちょっと心痛めちゃうところがあると思うんで、こういうのAIにやってもらうみたいないいですね
11本目は、見張り役。6月まで空きがない人気の歯医者で、キャンセル待ちを常に見張らせたら、その日のうちに予約が取れました。
航空会社に粘らせて、上のクラスの席を取った人も。Dan Peguine さんたちの投稿から。
こうした見張りには、スパム行為にならないように、とシシガミさんの注意も添えられています。
この章で、私が目を止めたのは70ドルの話です。
頼まれる前に見つけて、取り戻すための台本まで添えて返す動き。台本つきで返ってくれば、人に残るのは、電話をかけるかどうかの判断だけなんですよね。
といっても、通信料の交渉は話が別です。チャットの向こうには、相手の会社の人がいます。
私なら、相手のいる交渉を任せる前に、相手にとっても成り立つ話かどうかを、先に自分で決めておきます。
取られていたお金に気づく所は、AIへ。相手と押し合う所は、任せる前に一度立ち止まる所。私は、この線で分けます。


電話。フォーム。割れたお皿の代わり探し。家族への知らせ。暮らしの面倒は、どこまでAIに任せられるんでしょう?この章では、外とのやり取りを代わりに進めた例が続きます。
12本目は、電話です。Muse が Volvo に電話をかけ、15分待って、次に空いている整備の予約を聞き出した、有名な事例。
電話番号などの要らない情報は、整備会社に渡さなかったそうです。
画面には、書き起こしは本物で、音声は投稿者が書き起こしから作り直したもの、という注記が添えられています。
アメリカの 404 Media は、Muse の電話の一部はテスト段階で人がかけていた、と報じました(割合は不明)。元の投稿は Matt Schlicht さん。
シシガミさん(動画 11:22〜)
こういう面倒な手続きこそ任せていきたいところですね
13本目は、住まいの修理依頼。アパートの修理依頼のフォームを、手で埋めずに Muse に出させています。
14本目は、割れたお皿。Nikhila Ravi さんが割れた食器の写真を送ると、Muse はブランドとシリーズを特定し、廃盤とわかったうえで、日本の中古市場でビンテージの出品を探しました。
売り手の評判を確かめて、保険つきの配送まで手配。ここまで一続きです。
15本目は、家族への知らせ。画面に出るのは davidlee さんの投稿で、母が転び(無事)、父から長文が届きます。
届いた知らせを開くより先に、Muse が両親の滞在先の電話番号つきで教えてくれたんです。ワンタップで電話して、無事がわかったと投稿にあります。
電話も、フォームも、人の代わりに外へ言葉を出す行為。この章でいちばん見ておきたいのは、ここです。
電話の向こうで話していたのは、AIだったのか、人だったのか?Volvo の注記を、動画は正直に画面に出しています。
電話・フォーム・お皿の手配は、外へ出す用事。母が転んだ時の知らせは、本人へ届く話なので、止める側には入れません。この2種類は、分けて置いておきます。


フリマの出品を3つまとめて見張る人がいて、店の側からAIを試す人もいます。個人の用事の次は、仕事の話です。
16本目は、Andy Scott さんのフリマの副業。出した品をほかの2つのフリマにも出し、合わせて3か所を見張ります。どれかで売れたら、残りからは自動で取り下げ。出品の管理を丸ごと任せている、という投稿でした。
画面に Andy Scott さんの投稿が映ったまま、話はポイ活の方向へ広がります。ポイ活のようにお金を稼ぐ人も出てきそう、という見方です。
17本目は、仲介の商売。時給30ドルの夜間看護師の求人を、Facebook の公開グループ・Marketplace・インスタから探させて一覧にし、分野と働ける場所でマッチングすれば商売になる、という見立てです。紹介したのは Sail さんで、元は別の人のデモでした。
応用先として挙がったのは、ベビーシッター探し。ただしお金にするのは考えもの、とシシガミさんは付け加えます。
シシガミさん(動画 14:31〜)
ミューズをでAIテスターにしてくみたいなイメージですね
18本目で、話は店の側に回ります。画面に出るのは、a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ、米国の大手ベンチャーキャピタル)の Olivia Moore さんの投稿。ブランドや店は、Muse などのエージェントにダミーのアカウントを作らせ、自社の商品がAIからどう見えているかを確かめたほうがよい、という中身です。
締めは、売る側への一言でした。AIが買い物をするなら、AIに選ばれる準備が要る、とシシガミさんはまとめます。
並べてみると、この章には向きが2つあるんですよね。副業や仲介は、AIを使う人の側の話。
18本目だけは、店がAIに見られる側に回る話です。使う側と見られる側が、同じ章で隣り合っています。
私の記事より(自分のサイトをAIエージェント対応の診断にかけて直した記録を書いた記事)
直したあと、診断はモバイルとデスクトップの両方で 2/2 の合格表示になりました。
2026年9月25〜26日、私は自分のサイト ai-kidou.jp を、AIのブラウザ操作エージェントが使えるかの診断にかけました。最初は、モバイルもデスクトップも3項目中1項目の合格。
直したのは2点です。スマホのメニューの属性と、/llms.txt が別の記事へ自動で転送されていたのを止めて、404を返すようにしたこと。直したあとは、どちらも 2/2 の合格表示になりました!
見られる側は、AIが使える形かを実際に確かめて、直すところまで。そこが a16z の話と並ぶ所です。


ここまでは、できた話と、見立てや提言が続きました。残りの2本は、止まらなかった例と、止まった例です。
19本目は、任せきりの失敗です。画面に映るのは、Matt Robb さんの Threads の投稿。中古のキーボードの出品を任せたら、Muse が本人に聞かずに値下げし、住まいの場所まで買い手に伝え、本人のふりで返信までしていた、という中身でした。
最後は、買い手が家の下まで取りに来ています。
シシガミさん(動画 15:03〜)
買手が自分の家の下まで取りに来たみたいな恐怖体験で
投稿には続きがあり、Muse のチームの担当者が本人に連絡して調べた、とも書かれています。画面に並ぶのは、本人に聞かずに値下げ、建物の場所を買い手に伝えた、本人のふりをして着きましたと返信、の3点。
20本目は、日本で試した例。hisashi-ito さんの Qiita の記事が画面に出ます。映画の予約で、過去のメールから好みを選び、チケットぴあで座席まで選んだものの、カードの本人確認で止まりました。1時間たっても終わらず、買えずじまい。
話は Amazon にも及びます。Amazon が Muse を締め出している話に触れつつ、どちらもかな、と断定は避けていました。画面に残る言葉は、最後の一押しは、人が見ておく。
19本目は、止まってほしい所で止まらなかった例。20本目は、止まった例です。並べると、どちらも止まる場所で結果が分かれているんですよね。
19本目で重いのは、値下げより先に、住まいの場所が相手に伝わったこと。これは、あとで元に戻せません。
2026年10月25日、私はAIに頼んで、Muse の私の会話へ、公開済みの自分の記事の確認を1通送りました。
送る前に決めたのは、記事の変更も、公開も、個人情報も渡さないこと。送った文面は、私が承認した文面と一致することを確かめています。
返ってきた答えの一部は、記事にはアプリ名が無い、という読みでした。本文を確かめると、アプリ名は3つ出てきます。そこで、その読みは不正確だと記録しました。記事は変えていません。
任せた後の答えにも、確かめる所は残ります。
止める所が少なすぎると、19本目のように、相手のいる場面まで聞かずに進んでしまいます。
私なら、全部を見ておくのではなく、見ておく所を先に決めておきます。その境界を引くのは、私です。
Q. この動画は、ひと言でいうと何を話していますか?
A. シシガミさんが、Meta の Muse の事例を国内外から20本集め、日本、インスタ、お金、暮らし、仕事、うまくいかなかったこと、の順に紹介した動画です。
Q. Muse とは何ですか?
A. Meta が出したパーソナルAIエージェントです。文章で頼むと、ブラウザを開いて、調べ物や予約、買い物を進めます。
Q. 買い物や支払いは、勝手に進みますか?
A. 動画では、買い物とメールの送信の前は本人の承認を待つ、と話しています。ただし19本目は、本人に聞かずに値下げした例として投稿されています。
Q. インスタとつなぐと、何ができますか?
A. 保存した投稿のジャンル分け、ブックマークを後から検索できる日記にすること、親しい友達だけのストーリーズを毎朝要約してもらうこと、が紹介されています。
Q. 日本で試すと、どうなりましたか?
A. 映画の予約で、座席まで選んだものの、カードの本人確認で止まって買えなかった例が紹介されています。
動画は、日本の5例から始まり、インスタ、お金、暮らし、仕事と店の側、うまくいかなかった2例へと進みます。20本から見えたこととして挙がったのは、頼む前に先回りして動くこと、人とのやり取りを代わりにやることの2点でした。
この動画から私が持ち帰ったのは、画面の言葉どおり、買い物と送信は承認してから、という順番です。面倒な用事を1つだけ頼んで、取り消せない操作の直前で止まってもらう。任せた後の答えも確かめます。
私自身が Muse に頼んだのも、公開済みの自分の記事の確認だけでした。変更も公開も個人情報も渡さないと決めて、承認した文面と送った文面が一致することを確かめてから送っています。
COLUMN
先回りするAIの手前で、人が持つのは境界

シシガミさんは、聞かれてから動くのではなく、気づいたら先に動いてくれるところが、この20本の特徴だと話します。頼む前に動くAI。それなら人は何を持つのか。そこが気になります。
8月30日に書いた私の魂磨きの記事に、こう書いています。魂は渡さない、込めるもの。委ねることを掘った回です。
私の記事より(魂は渡さない、渡すのは実行のボールだけと書いた魂磨きの記事)
委ねる前に磨くのは魂で、委ねた後に量産されるのはボール。
委ねる前に磨くのは魂です。委ねた後に量産されるのは、ボールのほう。手放すのは、実行と量産のボールなんです。
で、Muse が先回りして動くのも、ボールのほうですよね。予定を調べるのも、手数料を見つけるのも、実行の話。魂が先に走っているわけではありません。
だから、出す・止める・任せるの境界を決める最後の一手は、本人が持ちます。ここは、先回りされても手元に残す所。
動画で先回りされていたのは、予定の調べ物、引かれていた手数料、家族への知らせでした。どれも、実行のボールの話です。頼む前に動いてくれるのは、助かる所。そのぶん、魂を込める所と、ボールを渡す所を、自分の言葉で分けておく必要が出てきます。任せる範囲が広がるほど、この分け方の出番は増えていきます。ここを曖昧にしないことが、ボールを渡す前の準備です。
自分の仕事なら、先回りしてほしいのはどこで、最後に自分の目で見たいのはどこでしょうか?
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自動で進む仕事のどこで止めて人が決めるか、整理した記事。
自分のサイトを、AIエージェント対応の診断で見て直した記録の記事。
魂は渡さない、手放すのは実行のボールだけ、と書いた魂磨きの記事。
参考リンク
今回紹介した動画の本編です。時刻つきの発言は、ここで確かめられます。
今回紹介した動画
| チャンネル | SHISHIGAMI TECH CH |
| 出演 | シシガミさん |
| 公開日 | 2026年10月27日 |
| 長さ | 18分19秒(日本語) |
| URL | https://www.youtube.com/watch?v=x_xBQZVsQTo |
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