WATCH REPORT

ハーネスエンジニアリングとは何か、AIの使い方6つの呼び名を順番に整理します

2026.10.22

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube のチャンネル 社長のAI相談室 by StockSun の動画で、安部直樹さんが、AIの使い方の6つの呼び名を、ホワイトボードの前で順に説明する回を紹介します。

AIを仕事に使っているうちに、プロンプト、コンテキスト、ハーネスと、呼び名がどんどん増えていきます。どれを知っていれば足りるのか、正直、迷いませんか? ハーネスエンジニアリングとは何か。その答えまで、通しで動画を見る時間がない人にも、読めるように書きました!

動画は23分。ホワイトボードに並んだ6項目を、AIの使い方が広がってきた順に説明する回です。プロンプト、コンテキスト、ハーネス、オーケストレーション、ループ、グラフ、そして呼び名が増えすぎる話まで、動画の順に紹介します。何か一つだけ持ち帰るなら、自分がAIに何を渡しているかを言葉にすることです。

読み終えると、何を渡し、どこで止め、誰が決めるかを、自分の言葉で言えるはず。

SPEAKER

安部さん

動画でホワイトボードの前に立って説明する人です。安部直樹さん(AI・DX推進大臣)。

3行でわかるポイント

  1. 動画は、AIの使い方を、プロンプト、コンテキスト、ハーネスの順に、役割、文脈、制限と足していく流れで説明します。(第1章・第2章・第3章へ)
  2. 続いて、AIにAIを使わせるオーケストレーションと、結果を次の周の材料にするループが出てきます。ループは止まるルールを先に決める、と安部さんは話します。(第4章・第5章へ)
  3. 私なら、呼び名を覚える前に、何を渡し、どこで止め、誰が決めるかを自分で決めます。(第6章・第7章へ)

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01

プロンプトエンジニアリング。役割を与える使い方は、今も入口に残る

▲目次
プロンプトは全てではなくなった、という図解。役割を与えて頼む、良い答えが出た時代、今は全てではない、の3つの札が左から右に並ぶ
図解: 役割を与えて頼む。プロンプトの位置
ホワイトボードにプロンプトからグラフまで6つのエンジニアリングの名前が縦に書かれ、画面上部にAIはどう使われてきたのか、と出た動画の場面
動画キャプチャ: 動画の冒頭、ホワイトボードに6つの呼び名が書かれた場面(0:02頃)

ホワイトボードに並ぶ6項目は、上から順に、AIの使い方が足されてきた並びです。最初の1つは、いちばん知られた呼び名。そこから話が始まります!

動画は、聞き手の一言から始まります。この動画はAIの歴史ですか、と聞き手。安部さんの答えは、AIの使い方の歴史ですね、でした。

歴史と言うと少し難しいので、要はどう使うといいのかの話。経営者が会食で得意げに話せる知識を届ける回で、AIの深い所にはあまり入りません。表の浅い所を雰囲気で話す、という前置きつきです。

世間では、プロンプトエンジニアリングがメジャーだと思われています。ただ、今はそれだけでは会食の話題になりません。これは少し古い、という見方です。

これは前回の動画の続きでもあります。AIに他のAI(Claude Code から Codex や Grok)を使わせる話と、AIにプロンプトを作らせる話をした、と振り返ります。

動画編集なら間を詰めるカット、広告運用なら電話番号から届け先を作るやり方、SEOなら検索の決まりに沿う記事づくり、Xなら返信がつくと広がりやすいこと。どの仕事にも、それぞれのノウハウがあります。AIの使い方も同じで、どう使えばより良い答えが出るかを人間は研究してきた、と話は続きます。

動画で説明する人(動画 1:26〜)

AI をどういう風に使っていくとより良いアウトプットが出るかっていうのを人間は研究してきたわけですよ。

画面のホワイトボードには、最初から6項目が並びます。1つ目が、プロンプトエンジニアリング。世界で一番優秀なマーケターです、と役割を与えて売上を伸ばす施策を聞く使い方で、2024年の後半はこれが全てで、ノウハウの最先端だった、と話します。

売上を伸ばす方法をそのまま聞くより、世界最高の経営コンサルタントです、と役を前に置く方が良い答えが出た時代。今はその時代ではないんですか、と聞き手が聞き返すと、答えは、今はその時代ではありません、でした。

プロンプトでAIの人格を固定して、その人格に乗せて答えを出させる考え方。今も、高校生にも分かるように、学生の気持ちに沿って、新卒でも分かるように、といった形で使います。ただし、全てではない、という位置づけです。

呼び名が増えていくのは、使い方が足されてきた順番だから。動画のホワイトボードは、その足し算の跡なんですよね。

名前を知っているかより先に、AIに何を頼みたいかを自分の言葉で言えるか。分かれ目はそこ。

02

コンテキストエンジニアリング。会社の現状を文脈として渡す

▲目次
文脈を渡すほど答えが良くなる、という図解。売上・事業・担当者の書類をAIに渡すと、答えの質が上がる流れ
図解: 会社の状況を文脈として渡す
青いネットワークの映像の上に、入力できるトークンが増えて渡せる情報が増えました、と字幕が出た動画の場面
動画キャプチャ: 字幕に、入力できるトークンが増えて渡せる情報が増えました、と出た場面(5:05頃)

プロンプトの次に出てくるのが、文脈を渡す考え方です。同じAIなのに、渡す中身で答えが変わるのはなぜでしょう? 話は、会社の現状を渡すところへ進みます!

2つ目は、コンテキストエンジニアリング。コンテキストは文脈のこと。日本語で言えば文脈エンジニアリング、とダサく言い直して、笑いを取る場面です。

プロンプトだけの第1世代の次に、会社の現状を渡す考え方が出てきた、と説明します。売上、事業、マーケの状況、担当者など。文脈を渡すほど、答えの質が上がるという話です。

会社の様子を何も渡さずに施策を聞くより、どんな事業で、どんな状況で、これから何に取り組む予定かまで渡す。渡すほどAIは理解しやすくなる、と説明されます。

背景にあるのは、AIの精度が上がって入力できる量が増えたこと。渡せる情報が増えたので2025年に広まった、と話します。今も使うけれど、メインではない、とも。

年については、毎日が濃すぎてあまり覚えていない、という前置きつき。聞き手が、最近なんですね、と返すと、去年でもAIの世界ではずっと昔の感覚、という話になります。

話は、名前のかっこよさも大事、というところへ移ります。文脈開発ではダサいので、コンテキストエンジニアリング。この名前を覚えて帰ってください、と笑いを取る場面ですw

動画で説明する人(動画 4:19〜)

かっこよさっていうのは大事なんですね。ネーミングとして。これで文脈開発とか言ったらダサいわけですよ。コンテキストエンジニアリング。これを覚えて帰ってください。

文脈は、量だけで効くものではありません。どれだけ今の物か。そこで効き方が変わります。

私は2026年10月1日の記録に、AIが私の最近の自由入力177件を読まず、8月1日時点の軸で質問を作ってきたことを残しました。自由入力は、AIの質問に選択肢を選ばず、私が自分の言葉で書いて返した文のことです。

79ステップが古い、違うのがあるだろ、と返して、今の物差しを確かめ直させました。

原因は、最新の私の言葉を一次で読まず、過去の軸で質問したこと。そう記録に残しています。

9月23日にも、最終更新が8月12日のメモを材料にしていました。

私の記事より(AIの使いこなしを、文脈とゴールを渡して、良い答えが出る確率を上げる方法として読んだ記事・文脈を渡す。経歴と価値観、やってほしいこととやらないでほしいことの節)

私がAIに渡している決まりの一つに、記憶に無い時は、無い、と答える、自分の知識で埋めない、があります。決まりとして置いている一文。

文脈には、やってほしいことだけでなく、やらないでほしいことも入ります。この一文は、その後者の一つ。渡す文脈の中身は、手順より先に決まりで決まります。

渡したのに質が上がらない、という時は、渡した文脈が今の版かを疑います。渡した文脈が古ければ、答えも古い軸のまま返ってきます。

文脈は、一度渡して終わりではなく、更新していくもの。

私なら、文脈を渡す前に、その文脈が今の版かを確かめます。

03

ハーネスエンジニアリング。やってはいけないことを、できなくする

▲目次
ハーネスはAIのガードレール、という図解。やってはいけないことをできないようにして、命令した作業だけをさせる流れ。道路のガードレールと犬につける胴輪の絵
図解: やってはいけないことをできなくする
白黒の画面で、ホワイトボードの前に立つ人の下に、トークンをすごく消費する、と字幕が出た動画の場面
動画キャプチャ: 字幕に、トークンをすごく消費する、と出た白黒の場面(7:03頃)

AIに任せる仕事が増えるほど、指示していない所まで動いたらどうするのか、と気になりませんか?動画は、そこを、できなくする仕組みとして説明します。

3番目は、ハーネスエンジニアリング。ハーネスは、犬につける物や、工事現場で身につける物のことです。ガードレールがなければ、AIはどこへでも行けます。敷けば、その外には出られません。AIがやってはいけないことを、できなくする考え方。

安部さんが例に挙げるのは、Claude の今の姿です。勝手に通販サイトで大量購入などができないのは、Claude がハーネスをつけているから。

動画で説明する人(動画 6:29〜)

ただこれなんで今ってできないようになってるかって言うと、クロードがハーネスをつけてるからですね。

利点は、人間が命令していないことを勝手にやらなくなること。AIに入力できるトークンの量は決まっていて、無限ではありません。ハーネスがないと何でもできるので、全部やってしまい、トークンを多く使います。その作業だけに絞れば、消費が減り、解決も速くなる、と話します。

名前がつく前から、みんなが同じことをしていたんです。名前は後からついた、という流れ。2026年に入って流行ったものの、すでに古い、と安部さんは言います。

動画で説明する人(動画 7:31〜)

ただそれに名称がついたっていうだけですよね。自分がやってたものに名前がついたっていう。自分がやってたのはこれだったんだっていう。

正直、呼び名が後からついても、やっていたことの中身は変わらないんですよね。ガードレールは、名前がなくても道を守る物。

私は2026年10月6日に、AIの dot に読むだけの棚卸しを頼みました。Gmail の直近30日で、検索で見つかった候補が2,997件。

そこから出てきたのは、対応待ちが3件と、終わったか分からないものが23件でした。

候補の中で、重要なやり取りとして上がってきたのが34件。棚卸しの対象はメールだけではなく、カレンダーと Drive にも及びました。

読むだけの依頼なら、dot は確認なしで進行。Mac でコマンドを動かす依頼と設定変更では、dot のほうから私に確認を求めてきました。

送信、返信、削除、予定変更、下書き作成は、指示文で禁止。dot の報告でも、どれも0件です。

私の記事より(Hermes Agentとdotsの違いを、ハーネスと渡す権限から整理した記事・仮想PCに渡す権限を、箱の中に絞る話の節)

外に出る操作は、指示文で閉じました。送信も削除も、させない形です。読むだけなら、外には何も出ていきません。

私は送信も削除も、指示文でさせない形にしました。動画のハーネスは、設定でできなくする仕組みで、手段は違います。向かう先は同じ。AIの外に出る手を、人が先に閉じておくことです。

dot は報告の中で、全部の本文を読んだわけではない、全部見つけられたとは断言しない、と自分で書いていました。私は、取りこぼしはある前提で、結果を受け取りました。

出すか、止めるか、任せるか。その線を引くのは人の側です。順番は、線が先で、任せるのが後!

任せる範囲が広がるほど、止める線は先に引いておきます。

04

オーケストレーション。AIにAIを使わせて、答えの違いを聞く

▲目次
オーケストラの指揮者のように、指揮役のAIが他のAIに考えさせて答えを聞いて判断する、という図解
図解: AIにAIを使わせる
暗い地球儀の映像の中央に、AIごとの個性、と出た章タイトルカード
動画キャプチャ: 章タイトルカード、AIごとの個性(9:40頃)

同じお題を、4つのAIに考えさせます。すると、答えはそろうのか、割れるのか?動画は、ここをオーケストラの指揮者にたとえて説明します。

4番目は、オーケストレーション。指揮官のようなイメージで、AIにAIを使わせる考え方です。

安部さんが挙げるのは、Claude Code に、Codex、Grok、Gemini の使用権と、Claude のサブエージェントを渡して、Claude に指揮させる形。Grok にはコーディング、Codex には全体のマネジメント、Gemini には調査。別々の作業を分けることも、1つのお題を4つのAIで考えさせることもできます。

新規事業をやるかどうかを4つのAIに聞くと、答えは割れます。賛成、反対、中立。4つの話を集めて、Claude が判断する流れ。

答えが違う理由は、開発の歴史の違い。1990年生まれの男子でも、生まれた環境で性格が違うのと同じ、と安部さんは例えます。引っ張ってくる情報も、AIごとに違います。

優秀な人なら、1人でも新規事業は成功します。4人でやれば、別々のアイデアが出てきます。時と場合によるんです。

小さな案件や動画の台本で、複数のAIに議論させるのは時間の無駄。1つのAIが作り、レビューだけ他のAIにもらう使い方もあります。

動画で説明する人(動画 10:49〜)

人間に例えるとできる人が1 人で作っちゃってであとはなんかレビューしてもらうだけとかでもいいわけですよね。

雰囲気でAIを使っているなら、用語だけ知っておけばいい。オーケストレーションで考えて、と言えれば、それで指示が出せる、という話です。

いやー、複数のAIに聞く意味って、答えを増やすことではないんですよね。私が見たいのは、割れ方。

賛成と反対が並ぶと、分かれ目が見えてきます。1本の答えだけでは出てこない材料。

先に公開した記事で、私は同じ素材から、作り方だけを変えて、記事を2本書かせました。

比べたのは、1体のAIが最初から最後まで書いた版と、下調べを3体で並列に行い、別のAIが構成を選び、別のAIが採点して書き直させた版。

匿名にして3人の審査員に読ませた結果は、3対0でした。ただし、読ませる力だけなら、負けた側が上でした。

私の記事より(グラフエンジニアリングを動かして、1体で書いたAIと記事を読み比べた記事・使った道具の節)

今回は書く側と採点する側を別の会社のAIにしました。同じモデルだと自分の癖を見逃すので。

動画の、レビューだけ他のAIにもらう話と重なります。同じモデルだと自分の癖を見逃す、という理由がそのまま並びます。

勝ち負けがはっきり出ても、読ませる力では負けた側が上。数字だけで採らない理由は、ここにあるんです!

複数のAIに聞いても、一つの仕事の持ち主は一人に決めます。

意見は何本あっても構いません。採否を決める持ち主だけは、一人に決めておきます。

05

ループエンジニアリング。結果を次の周の材料にして、止めるルールを決める

▲目次
ループは結果を次の周の材料にする、という図解。1周目の結果を次の周で深掘りし、止めるルールを先に決める。砂時計と輪になった矢印の絵
図解: 結果を次の周の材料にする
ホワイトボードの前で話す人の下に、すごく良い調査レポートができる、と字幕が出た動画の場面
動画キャプチャ: 字幕に、すごく良い調査レポートができる、と出た場面(13:51頃)

答えが割れたら、次はさらに1周です!ここから先を、動画はループと呼びます。

5番目は、ループエンジニアリング。安部さんは、今年出てきた概念だけれど、みんな使っていた、と話します。

オーケストレーションで、賛成2、反対1、中立1と出た時、そこで終わらせる人はいません。改めて調べる、それがループ。人間も、上司に資料を直されて直します。品質は上がるけれど、時間はかかります。

動画で説明する人(動画 11:39〜)

ちょっとここら辺から怪しくなってくるんですよ。これもですね、今年出てきた概念ですね。ただ、ま、これも言わせていただくと、みんな使ってたんですよ。使ってはいたんですが、名称がついたっていう。

SEOのリサーチなら、1周目で拾ったキーワードを、次の周で深掘りする流れ。10周すると調査レポートの質が上がり、ディープリサーチはループそのもの、という見方です。

以前の GPT は、質問するとすぐに返事が来ていました。今のAIエージェントは違います。ひとつの作業で10分から15分かかり、一晩動かすこともあって、10ループして、という使い方をする、と話されます。

2ループにすれば、1ループの倍の時間。どのくらいの精度がほしいかで、何ループさせるかを人が決めます。10ループと言っても、2〜3ループで終わることも多いんです。

次のループで反証させる、2ループ以上同じ内容が続いたら止める、といった決め方。ループが止まるルールを決めておくこと。これはハーネスともつながっています。

毎回ループさせるのは愚かで、ここぞという時だけ。簡単な居酒屋探しなら1周で足りる、という例つきです。

新宿で会食に合う個室の居酒屋を探す仕事は、プロンプトや、相手と値段を伝えるコンテキストの話。口コミの点数で絞るならハーネスも入り、結構複雑に絡み合っています。

ループの本体は、回す数ではありません。止める条件。ここが決まっていないと、何周回しても終わりが見えないんですよね。

私は、9月7日に公開した記事でも書いたとおり、AIが完了しましたと報告してきても、鵜呑みにしません。完了の報告には、必ず検証結果をセットで求めています。中身は、数字や、実際に動かした証拠。

できましたの一言だけを信じると、結論を出す責任が、気づいたら全部私の所に戻ってきます。だから、できたことがどう確かめられるかを、先に決めておくんです。

私の記事より(ループエンジニアリングを、人間の役割と完了条件から読んだ記事・Loopを構成する7つの要素の節)

だから、迷ったら止まって聞く、という境界線だけをちゃんと決めておきます。

動画の、ループが止まるルールを決めておく話と通じます。回し始めるより先に、止まって聞く境界線を引いておく順番。

見るのは、回すたびに前より良くなっているか。

で、簡単な仕事は、1周で十分です。

周を重ねるたびに、前より良くなっていること。それが、私が回す意味だと思っています。

06

グラフエンジニアリング。作業を分けて、専用のAIにつなぐ

▲目次
グラフは作業を分けてつなぐ、という図解。作業を分けて専用のAIに任せ、つないでレビューする流れ。下の帯に、分身は自分に甘い、と描かれている
図解: 作業を分けて、専用のAIにやらせる
暗い地球儀の映像の中央に、サブエージェント、と出た章タイトルカード
動画キャプチャ: 章タイトルカード、サブエージェント(18:19頃)

グラフと聞いて、棒グラフや折れ線を思い浮かべませんか? 動画のグラフは、表の話ではないんです。作業を分けて、つなぎ直す考え方。前の章のオーケストレーションとの違いも、ここで見えてきます!

動画では、6番目にグラフエンジニアリングが出てきます。表のグラフではなく、作業を分けて、分けたものをまとめる考え方。それぞれの作業を繋いでいきましょう、という言い方です。

例は動画編集。競合調査、ネタ出し、台本、撮影、カット、編集、アップロードを、それぞれ専用のAIにやらせて、つなぎます。サブエージェントに役割を与える形です。

聞き手は、オーケストレーションと似た感じがします、と返します。発想は社員に仕事を分けるのと同じで、昔からある当たり前の話。AIで経営する会社のような話が広まった頃に、名前がついた言葉です。

Claude を主に使う人は Claude のサブエージェント、Codex を主に使う人は Codex のサブエージェントに役割を与えます。2024年ごろには、作業を分業させてノーコードでつなぐ概念が流行っていた、と安部さんは話します。

サブエージェントの作業物は、オーケストレーションで他のAIにレビューさせて、また元に戻す。サブエージェントに渡す時も、プロンプトやコンテキストを添えています。全部つながっている、という整理です。

安部さんは、サブエージェントを自分の分身、影分身だと言います。性能が同じなので、レビューが甘くなります。自分で作った資料は確認が適当になり、部下が作った資料なら1から見ます。そのたとえです。

動画で説明する人(動画 19:06〜)

で、サブエージェントは自分の分身なんで、基本的には自分が作ったっていう風に認識してるんですよね。だからレビューとかが甘くなるんですよ。

他のAIは人格が違うので、レビューが厳しくなります。他の視点がほしい時はオーケストレーション。サブエージェントを使うのがグラフ、他のAIを渡すのがオーケストレーション、という区別です。

ここで受け取りたいのは、分けて任せるほど、つなぎ目が増える、という一点です。動画編集の例も、工程ごとに専用のAIを置く形でした。分けた数だけ、増える受け渡し。その受け渡しを、誰がどこから見るのでしょう?

影分身のレビューが甘くなる話。同じ目で見たら、同じ所を見落とします。

私は日記の記事をAIに書かせたあと、別の会社のAIに検収させたことがあります。2026年10月8日の記事は、1回目の検収で6件の指摘が出ました。

中身は、逐語でない引用、未確認の断り、読者が開けない出どころ、など。直した2回目は指摘0件で、公開に進みました。

10月21日の記事は、1回目で、事実と合わない所が11件。件数や時刻の誤りでした。

私の記事より(Graphエンジニアリングを、AI活用5段階の中で整理した記事・Graphの使い方は2本立ての節)

複数のAIが同時に動いて、最後の確定だけ人間がやる。5段階の話は、この記事の作り方そのものでもあるんです。

作った物を、作った本人とは別のAIに見てもらい、最後に確定するのは人。ここが、動画の整理と同じ向きです。

正直、サブエージェント(動画でいう影分身)は同じ目で見るので、甘くなるのは自然なことなんですよね。その甘さを見つけるのも、人の側の役目です!

分けて任せるほど、最後に確かめる目を、別にひとつ。それが私のやり方です。

07

バズワード化する呼び名。半年ごとに更新されても、6項目で足りる

▲目次
名前は後からついただけ、という図解。半年ごとに新しい名前が付いても、使っていれば行き着く使い方で、6つ知れば足りる、という3つの札
図解: 名前がついただけ
暗い地球儀の映像の中央に、バズワードの末路、と出た章タイトルカード
動画キャプチャ: 章タイトルカード、バズワードの末路(21:15頃)

動画の最後は、呼び名が増えすぎる話です。○○エンジニアリングが、次々に出てきます。どこまで覚えれば足りるか、その答えもここで出ます。動画の結論は、意外なほど軽いんです。

画面には、章タイトルカードで、バズワードの末路。○○エンジニアリングという言葉は、半年に1回更新されすぎて怪しい、と安部さんは言います。

何々エンジニアリングの言葉が流行りすぎて、フラクタルエンジニアリングというパロディまで登場。次はこれが来る、とふざけて書いた人がいます。安部さんは、自分もそんなに調べていないが、と前置きしつつ、その言葉を見た瞬間に調べたら、パロディでギャグだった、というオチですw

オーケストレーションにはエンジニアリングの語が付いていない、と断りも入ります。AIの業界は言葉が増えすぎて、どうでもよくないか、という空気にまでなっています。そういう風潮にすらなってきている、と続けます。

6項目を知っておくと、今の自分が何をしているかが分かりますし、オーケストレーションでループして、という指示も出せます。ただ、この指示はあまり使わない、と付け加えつつ、概念としては、今回の6項目まで知っておけば足りる、という締めです。

サブエージェントも、ずっと昔からみんなが使っていたもの。昔と言っても、今年か去年のレベルです。

AIを使っていると、こうした方がいい、という使い方に、いずれたどり着きます。それに名前がついただけ。プロンプトの言葉すら知らないのは恥ずかしい、という声が出ます。ただ、プロンプトを書く作業そのものは、今はやらず、AIに作らせる、と続きます。

最後は、知れて本当に良かった、という一言。プロンプトをAIに作らせ、そのプロンプトもまたAIに作らせる、と言葉を重ねて、動画の本編は終わります。

呼び名は、使い方の足跡に後からつく札。先に道があって、名前は後から立つんですよね。

フラクタルエンジニアリングの件は、笑える話です。でも、新しい札が出るたびに、今の自分の使い方のどこに当たるかを一度だけ見れば、それで足ります。

用語を知るのは、話の入口をそろえるため。大事なのは、自分の仕事のどこに当たるかを、自分の言葉で言えることです。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. 動画では、AIの使い方をどんな順番で説明していますか。

A. プロンプト、コンテキスト、ハーネス、オーケストレーション、ループ、グラフの6項目を、AIの使い方が広がってきた順に説明しています。

Q. ハーネスエンジニアリングとは、何のことですか。

A. AIがやってはいけないことを、できなくする考え方です。動画では、犬につける物や、工事現場で身につける物にたとえ、ガードレールのイメージで説明されています。

Q. オーケストレーションとグラフは、どう違うのですか。

A. 他のAIを渡して指揮させるのがオーケストレーション、サブエージェントに作業を分けるのがグラフ、と区別されます。影分身どうしではレビューが甘くなる、という話も出ます。

Q. ループを回す時は、何を決めておくと話されていますか。

A. ループが止まるルールです。次のループで反証させる、2ループ以上同じ内容が続いたら止める、などの例が出ます。

Q. 呼び名はすべて覚える必要がありますか。

A. 動画では、概念としては今回の6項目まで知っておけばいい、と話されています。AIを使っていて行き着く使い方に、名前がついただけという説明です。

MATOME

まとめ。呼び名は流れても、何を渡し、どこで止めるかは自分で決める

▲目次

動画は、プロンプトから始まり、コンテキスト、ハーネス、オーケストレーション、ループ、グラフへと広がって、最後に呼び名のバズワード化で締めくくられます。

持ち帰ったのは、文脈は今の版かを確かめること、止める線は先に引くこと、意見が何本あっても採否は一人が決めること。そして、回すたびに前より良くなったかを見ること、分けて任せるほど確かめる目を別に置くことです。

でね、次にAIを使う時の順番は、何を頼みたいかを言葉にして、今の文脈を渡し、止める線を引いて、それから任せる、です!

次にAIへ頼む時、止める線は、先に決まっていますか?

COLUMN

呼び名より、縦に掘る深さ

名前より縦に掘る深さ、という図解。任せる範囲を決める、先に見る所を書く、任せて見て直す、の3つの札と、手のひらを開くひろくん
図解: 名前は増えても、縦に掘る深さは別にある

○○エンジニアリングの呼び名は、半年ごとに更新されていきます。その横に置きたい一節が、プロンプトの前にある観を、分身AIと共に育つ4つの段階で書いた記事 にあります。

私の記事より(プロンプトの前にある観を、分身AIと共に育つ4つの段階で書いた記事・縦に掘った深さが原液になるの節)

AIは横に、いくらでも広げられる。情報を集める、文章を量産する、似たパターンを並べる。これはAIの圧勝。私が一生かかっても勝てない。

横の広がりは、AIの得意分野。呼び名が次々に増えるのは、その広がりが速いからなんですよね。

私の記事より(プロンプトの前にある観を、分身AIと共に育つ4つの段階で書いた記事・ここから私の話:縦に掘った深さが原液になるの節)

縦に掘った深さ。それが原液で、それが今のAI時代に、人間が残せる一番強いものだと思ってる。

縦に掘った深さ。動画も、概念としては6項目まで知っておけばいい、と話していました。だとすれば、増やすのは覚える呼び名の数ではありません。AIに渡す中身を、経験や判断の奥まで掘るほうです。奥まで掘った中身は、呼び名が変わっても、そのまま次の道具に持ち越せます。

新しい呼び名を見かけたら、名前を覚える前に、自分が今AIに何を渡しているかを1行で書き出してみてください。その1行が書けないままだと、呼び名をいくつ覚えても、返ってくる物は同じだと思いませんか?

LINK

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REF

参考リンク

今回紹介した動画

チャンネル社長のAI相談室 by StockSun
出演安部さん
公開日2026年10月21日
長さ23分26秒(日本語)
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=byDOKvAbYl8

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