WATCH REPORT

MVPとビジョンの違い、全部入りの理想形を最初の版に絞る考え方

2026.10.24

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくん(@passion_tanaka)です。今回は、YouTube のチャンネル クウキデザイン | Kuuki Design の動画で、製品のビジョンを実際に出せる最初の版に落とし込む考え方を、一人で話す回を紹介します。

新しい製品やサービス、社内のAIの仕組み。構想まではできたのに、実際に出せる形に落とす所で手が止まっている。AIに任せたら、大きな構想をそのまま作ろうとして困った。そんな個人事業主や、小さな会社の経営者・担当者に向けて書きました。

19分の動画です。話し手は1人。ビジョンと最初の版は別物であること、MVPの誤解、時間・人・お金の限界とサンクコスト、社内ダッシュボードの例、経験とAIに任せる時の注意を、この順に話します。

読み終えると、話し手の考え方を動画の順に追えます。

SPEAKER

動画の話し手(クウキデザイン)

動画に一人で出演して話します。チャンネルの紹介によると、シリコンバレーでAI製品の設計をしてきた人が運営しています。動画の中では、駆け出しのデザイナーだった頃の経験や、AIにアプリを作らせた経験にも触れます。

3行でわかるポイント

  1. 話し手は、ビジョンは全部入りの理想形で最初の版とは別物と話し、MVPは安い物の寄せ集めではなく、問題を解く最小構成だと説明します。(第1章・第2章へ)
  2. 時間・人・お金の限界を先に見る。社内ダッシュボードなら材料から始め、用途を2、3個に絞る、と動画は続きます。(第3章・第4章へ)
  3. 私なら、ビジョンは全部入りのまま描き、最初に出す一部を、誰の何の問題を解くかで決めてからAIに渡します。(第4章・第5章へ)

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01

ビジョンと最初の版は別物。全部入りの理想形は、そのままは作れない

▲目次
「ビジョンと最初の版」の図解。「全部入りのビジョン」「技術の壁と予算の壁」「最初の版」の三つの札が矢印で並び、下の帯に「最初の版はビジョンの一部」
図解: ビジョンと最初の版は別物
動画の図解。ビジョン、技術的にできること、予算的にできること、の三つの円が重なり、重なった所がファーストバージョン
動画キャプチャ: ビジョンのうち、できる部分だけが最初の版になる図(1:48頃)

市場を調べて、解く問題を決めて、理想のスペックまで描きました。ここまで来た人が、次に落ちる罠は何でしょう?動画は、その罠の話から始まります。

新しい製品や社内のAIの仕組みを考えている人へ。現実と理想は分けて考えよう、と話し手は切り出します。

市場を調べ、誰のどんな問題を解くかを決め、最強のスペックまで考えた人は偉い。ただ、そこから先もかなり大変。そんな入り方でした。

動画の話し手(動画 0:58〜)

製品開発に関わったことがない人、関わったことがあっても経験が薄い人がよく落ちる罠があるんですね。ビジョンと実際にリリースするファーストバージョンはだいぶ違うことが多いという現実です。

動画の言うビジョンは、全部入りの理想形。理想的な状況とユーザーで、全てが理想通りに運ぶ前提で描かれます。技術や現実の壁があって、ビジョンそのままの最初の版を作れる確率はほぼ0%、と話します。

続くのは、駆け出しのデザイナー時代の話。テクノロジー企業で働いた頃は、考えたデザインの5%か10%ほどしか実装されないのが普通だったそうです。当時は、設計通りに作ってほしいと思っていた、と振り返ります。

動画の話し手(動画 2:01〜)

実際に私が考えたデザインの5%とか10%くらいしか実装してもらえなかった

経験を重ねて分かったのは、完璧な物を設計するだけでは一人前ではない、ということ。製品として出せる物が何かを定義する必要がある、と話は進みます。

使えるエンジニアの時間と人手には、限りがあります。全部入りを一気に作れば、完璧にするまで2〜3年。失敗したら回収できない大損失になる、と話し手は説明します。

設計する側の手は2択。限界を認めた上で実装できる物を設計するか、自分の考えた最強のアプリをチームに渡し、設計どおりに実装されるのを祈るか。後者だと、そのまま世に出ることはない、と言い切ります。

ビジョンと最初の版がずれるのは、手を抜いたからではありません。それが普通のこと。話し手がまず伝えているのは、この一点です。

私は、ビジョンを描くと全部入りになる側の人間です。1つの話題から、アイデアが10個!食べ物もアイデアも、全部捨てたくないんですよね。体でも頭でも絞れません。手放したいのに、手放せない性分。

だから、全部入りで描くこと自体は、悪いことだと思っていません。私は、そう描くしかない側なので。

問題は、描いたビジョンをそのまま最初の版として作り始めることなんです。技術と予算の壁を通した最初の版は、ビジョンとは別に持つ必要があります。

では、ビジョンを捨てるのか?答えは逆。最初に出す一部を、別に決めるだけです。

全部入りのビジョンは捨てずに描いたまま、最初に出す一部だけを別に決めます。

02

MVPの誤解。安い物の寄せ集めではなく、問題を解く最小構成

▲目次
「MVPの誤解」の図解。「自動車(ビジョン)」「エンジンとハンドルだけ」「自転車(本来のMVP)」の三つの札と水彩画。下の帯に「安い寄せ集めではなく、問題を解く最小構成」
図解: MVPの誤解
動画の図解。AからBへ移動したいニーズに対し、ビジョンの自動車、エンジンとハンドルだけのよくあるMVP、自転車の本来のMVPを並べる
動画キャプチャ: 自動車、よくあるMVP、本来のMVPを並べた図(6:45頃)

MVPと言って出した製品が、なぜ失敗しがちなのか。小さく作ったから?動画の答えは、別の所にあります。

MVPは、ミニマム・バイアブル・プロダクトの略。最小限の構成で問題をどう解決するか、その組み合わせを製品にした物です。送り出すのは、実際に問題を解決できる物だ、と話し手は説明します。

ところが、MVPは誤った使われ方が多い。MVPと言って出した製品が、失敗しがちだそうです。

動画の話し手(動画 5:28〜)

けれども、なんで失敗するのかって言うと、問題を解決できる最初の構成じゃなくて、ただの1番安く簡単にできるものだけをこうこじつけて組み合わせて出してるからなんですね。

例は、AからBへ移動したいというニーズ。ビジョンは自動車。予算で自動車を一から作れないからと、エンジンとハンドルだけを出しても、買ってもらえません。これが失敗するMVP、と動画は説明します。

必要なのは、AからBへ移動できる何か。自転車なら、自動車より簡単に設計でき、安く作れます。

動画の話し手(動画 6:52〜)

そして自動車ほどは性能が出ないけれども、でもAからBへ移動したいというユーザーのニーズは解決できるわけです

最低限でも愛される製品を作ること。その意味で、MLPという言葉も出てきたそうです。Googleでも使われていた、と話します。

動画の話し手(動画 7:04〜)

だから最低限でも愛される製品を作らなきゃいけないっていう意味でMLPっていう言葉が出てきたんですよ。

流行ったり流行らなかったりはしたものの、中身はMVPを本来の意味でどう運用するかに行き着く。それが話し手の整理です。

失敗の原因は、小さく作ったことではありません。安く簡単な物を寄せ集めて、問題を解く形になっていないこと。話し手が指しているのは、そこです。

私は、メールとLINEを同じ読者にまとめる仕組みを、AIに頼んで作り込みました。メール確認のリンクや合言葉の送信など、全部で6つの手を足しました。結果、読者が自分で、メール確認という文を送る形に。私は、ユーザー認証をあの形で行うのは絶対NG、と差し戻しました。配信サービスの公式ヘルプにあったのは、標準の手順。同じシナリオを指定したメールフォームと、サンキューページのLINE友だち追加ボタンだけで統合される手順です。私がAIに返した言葉は、複雑にしないこと、ゼロベースで常に本質を見ること、でした。

動画の失敗は、安い寄せ集めで問題が解けない側。私の失敗は、作り込みすぎて手が増えた側。向きは逆です。

でも、行き着く所は同じなんですよね。基準は何か?安さでも量でもありません。

読者の問題が解けるか。読者の手が、少なくて済むか。私の場合、手が増えたのは、読者がメール確認という文を自分で送る所でした。

自動車を作ろうとして、自転車で足りた、と気づいた時が、最初の版の出発点です!

03

時間・人・お金の限界を先に見ること。最初の版で使い切ると、泥沼になる

▲目次
「時間・人・お金の限界」の図解。「限界を知る」「5、6個に絞る」「サンクコストを避ける」の三つの札と水彩画。下の帯に「最初の版で使い切らない」
図解: 時間・人・お金の限界
動画の場面。赤い大きな文字でSunk costと出て、費やしたコストが惜しくて投資を続けてしまう泥沼だと説明する字幕
動画キャプチャ: サンクコストを説明する場面(9:00頃)

ビジョンを描き終えたら、次に何から手をつけますか?機能の一覧を広げたくなる所です。動画がその手前に置くのは、手元にある時間と人とお金の限界を見ることでした。

ビジョンや戦略は、全部入りの理想状態を決めます。そこから、使える資源の限界を考えます。話し手は、そう順番を示します。

エンジニアの人手と自分の時間、予算、出す期限。時間と人とお金、その限界がどこにあるかを先に考えておく、という話でした。

動画の話し手(動画 8:06〜)

エンジニアとか自分自身がどれくらい時間をかけられるのか、予算はどれくらいあるのか、いつまでにこのアプリをリリースしなくちゃいけないのかとかですね。時間、人、お金、ま、この限界がどの辺りにあるのかをまず考える必要があります。

完璧に解決しようとすると、機能は10、20、30と必要になりがちです。ただ、実装できるのは5、6個ほど、と話し手は言います。

動画の話し手(動画 8:41〜)

最初から20とか30とかいわゆる完璧を目指した実装をするべきではないんですね。

最初の版でお金と時間を使いすぎると、失敗した時のサンクコストが莫大になります。すでに使ってしまったコストのこと。

方針を変えて壊し、作り直すことができません。壊れた製品の上に機能や改善を上乗せするしかなくなり、泥沼にはまります。動画は、そう説明します。

画面に出るのは、費やしたコストが惜しくて、取り返すためにさらに投資を続けざるを得なくなる泥沼、という説明。人がよくギャンブルでハマる心理的な罠、とも書かれていました。

動画の前半で、話し手は、今ある資源で許容できるリスクを取り、60〜80点ほどの物を出して様子を見るのが最善手、とも話しています。

限界を先に見るのは、あきらめることではないんですよね。失敗した時に立て直せるだけの余力を、手元に残しておくこと。泥沼の話に当てはめると、限界を見ておく意味ははっきりします。

余力が残っていれば、方針を変えて作り直す道も残ります!逆に、最初の版で全部を使い切ると、その道ごと手放すことになります。限界を先に見るのは、この道を残しておくためだと思うんです。

2026年10月12日、あるツールを自作できるか試す依頼で、私は、そのツールを丸ごと作る、と選びました。設計は12版まで進み、完成画面の絵は8組まで作りました。それでも、動く物は0。

設計の版も、完成画面の絵も、どれだけ増えても、動く物の数には入りません。出せる形になって、初めて数に入ります。数えるなら、動く物の方です!

描いた分は、手元に積み上がって見えます。でも、使える人がいなければ、出せる最初の版にはなっていません。ここは、数え方を分けて持っておきたい所です。

60〜80点で出す話は、私の完璧主義とそのまま重なります。心は100%、出すのは80%。もっと良くしたいのが本能で、一人だと磨きすぎて冷めてしまう側です。

もっと良くしたい本能は、そのまま。その代わり、出す点数のほうを先に決めておく。決めておけば、どこで磨く手を止めるかが、作る前に見えます。

限界を先に見ることと、出す点数を先に決めること。どちらも、最初の版で使い切らないための手当てです。

最初の版に、時間とお金を使い切っていませんか?

04

社内ダッシュボードの例。材料から始めて、用途を2、3個に絞る

▲目次
「ダッシュボードの例」の図解。「材料を見る」「用途を2つか3つに絞る」「最小の部品を決める」の三つの札と水彩画。下の帯に「データとコンテンツから始める」
図解: ダッシュボードの例
動画の図解。製品担当者・デザイナー・エンジニア・エグゼクティブの4種類のダッシュボードを並べる
動画キャプチャ: 4種類のダッシュボードを並べた図(11:25頃)

会社の数字を一目で見たい。そう考えて全部入りの画面を描くと、何が起きるのでしょう?動画は、社内用のダッシュボードを例に、ここまでの話を順に当てはめていきます。

ダッシュボードは、会社の数字を一目で見られる画面です。全部入りの設計案は、データや指標の取得元、データベースの構築、サーバー、API、たくさんのUI、グラフ。話し手は、そう並べます。

実装でよくある流れは、データベースにアクセスする土台づくりだけで1〜2か月。さらに、データが汚いことも多く、表記のばらつき、抜け、重複を整える時間もかかる、と話します。だから、短い期間で取れるデータはかなり限られ、そのデータでビジネスに役立つ指標をどこまで作れるかが現実的な話だ、と言います。

UIでも、製品担当者用、デザイナー用、エンジニア用、エグゼクティブ用の4種類にする話になりがち。すると複雑怪奇になり、手を広げすぎて、やることが山積みになる、と話します。

落とし込み方の1つ目は、限られた金・人手・スケジュールで、何ができるか、どんな材料が取れるかを最初に見ること。料理でいう材料で、データとコンテンツが一番大事、と話し手は言います。

2つ目は、完璧ではないが、エグゼクティブ用かエンジニア用に絞れば誰にでもある程度役に立つ、という仮説を持つこと。または、ターゲットのユーザーを絞って、その人の問題だけを確実に解決する道もあります。

動画の話し手(動画 12:07〜)

仮説を持つんですよ。要は70点80点ぐらい90点以上目指さない。完璧じゃないけどそこそこ役に立つもの。

3つ目は、ユーザーと、誰がどう使うかを絞ること。用途が4つか5つあって、ユーザー像が3種類以上いるなら、どこかおかしい、と話し手は言います。

4つ目は、最重要のユーザー層の最重要のユースケースで、解決する問題と出したい価値を戦略として決めること。すると、解く問題が2、3個に絞られます。

動画の話し手(動画 12:38〜)

ファーストバージョンなら主な使用用途は2つか3つに絞るのを私はお勧めしてます。

その問題に対する最小構成を決めます。最初のデータとコンテンツ、それを使う機能、操作や閲覧のためのUIやグラフ。いつも、何を見せるか、何を料理するかを見てから、必要なUIを決める、という順番でした。

ダッシュボードの例は、描ける画面から決める話ではないんですよね。取れる材料から決める、という順番の話。前の章の限界の話を、そのまま画面づくりに当てはめた形です。

材料を先に見て、用途を2、3個に絞ります。絞る先は、一番大事なユーザーの、一番大事な用途。そこに合っていれば、出来が80%でも出していいと考えています。

用途を絞ると、要るデータも、要る画面も、一緒に減ります!減った分だけ、最初の版に届くまでの道が短くなります。

絞らずに4種類のダッシュボードを描くと、手が増えます。手が増えるほど、何のための画面なのかが見えにくくなります。全員に応えようとした画面は、誰の問題も解けないまま残ります。

80%で出すのは、残りの20%を捨てることではありません。出した後に足す余地として、手元に残しておく。まず完了させて、使った人の手応えを見てから、次を足せばいいと思うんです。

材料を見て、用途を絞って、80%で出す。完了させる力は、絞った先にあります。

05

AIに丸ごと任せないこと。誰のために、何を解くかは、人が決めて渡す

▲目次
「AIに渡す前に決めること」の図解。「誰のためか」「何を解くか」「何をやらないか」の三つの札と水彩画。下の帯に「やらないことを先に決める」
図解: AIに渡す前に決めること
動画の図解。データとコンテンツ、機能、UIの3段の積み上げ。字幕は最小構成の部品
動画キャプチャ: 最小構成の部品の図(15:45頃)

大きなビジョンを描いたら、そのままAIに渡して作ってもらえばいい。そう考えたくなりますよね。でも、渡した構想が大きいまま形になって返ってきたら、どうしますか?最後の章は、経験の話から始まり、AIに任せる時の注意、何をやらないかへと進みます。

最初の版の作り方を決めるには、経験が要る、と話し手は言います。駆け出しのデザイナーは、広げた構想を実装できる最小構成に落とせず、誰も実装できない最強のダッシュボードを設計しがちだそうです。

今はAIのおかげで、誰もがデザインをしています。経験がないと、最初のビジョンをそのまま製品にしようとして、焦点がボケ、手数が増え、何のための製品か分からなくなる、という話でした。

動画のまとめはこうです。ビジョンは全部入り、最初の版は一番大事なユースケースに絞って、問題を最小構成で解く。最小構成の部品は、データとコンテンツ、それを使う機能、ユーザーが操作して見るUIの3点です。

動画の話し手(動画 16:06〜)

大きなビジョンを小さくて非常に尖った製品に落とし込む考え方。これはAIは基本的にできません。

話し手は、AIにアプリを作らせている経験から話します。大風呂敷を広げたビジョンをそのままAIに投げると、AIはそのまま作ろうとする、と。

AIのコーディングエージェントなら、段階に分けてはくれます。ただ、問題を解決できる最初の版が出てこないことが、ほぼ100%、と話し手は言います。

だから、落とし込みは人間が頭を使い、誰のために、何のために必要かを整理して、AIに渡す。渡すのは、一番大事なユーザーが誰か、その人の用途、解決する問題の定義です。

話し手は、システム設計やデザイン思考ができない人は、これから自分の仕事をAIに取って代わられる可能性が高い、とも話します。

デザイン思考は、少ない手間で効果を最大にする考え方でもあります。最小の投資、最小のコスト、最小の機能で、問題を最も効果的に解くこと。そのために戦略が要り、何をやるかより何をやらないかを決めることが大事だ、と話は進みます。

動画の話し手(動画 18:21〜)

戦略でこれは絶対にやらないって定義しておくことによってプロジェクトがどんどんどんどん高額化複雑化していくのを防げるんですね。

動画の話し手(動画 18:32〜)

ショットガンのように適当に自分の製品をぶつけるんじゃなくて、まるでレーザーのように絞ってそこに一点集中すればそこは突破できる可能性がかなり高まります。

この章で動画が並べているのは、AIに渡す前に人が決めておく物です。誰のためか。何を解くか。何をやらないか。決めるのは、この3つ。

大きな構想ほど、この3点が言葉にならないまま渡りやすいんですよね。描いた人の頭の中では、分かっているつもりになれますから。

動画の言う、最小の機能で問題を解く、は、2026年10月6日の夜の振り返りで私が答えた、シンプルイズベストが一番だという気づきと、同じ向きです。

第2章の差し戻しも、同じ向きでした。読者の手を最小にして同じ読者にまとめる、という目的から先に調べていれば、6つの手は要りませんでした。何をやらないかを決める、は、調べる順番の話でもあります。

AIは、渡された構想を、渡された大きさのまま作ろうとします。絞るのは、人間の仕事。

誰のために、何を解くか。そして、何をやらないか。ここを先に決めてから渡すと、渡す物が小さくなって、先が尖ります!

決めないまま渡すと、AIが手を動かすほど物が増えていきます。増えた物の中から、何のための物かを探し直すのは、結局、人の側です。

やらないことは、後になるほど決めにくくなります。作った物が増えるほど、手放す物も増えるからです。渡す前に、この3点を1行ずつ書き出せますか?

描くのも人、切り出すのも人。AIに渡すのは、切り出した後の、小さくて尖った1つです!やらないことの一覧は、その1つの輪郭になります。

誰のために何を解くかと、やらないことは、AIに渡す前に先に決めます。

FAQ

よくある質問

▲目次

Q. 動画は、ビジョンと最初の版の違いを、どう話していますか。

A. ビジョンは全部入りの理想形で、最初の版はその一部だけを形にした物です。ビジョン通りの最初の版を作れる確率はほぼ0%、と話し手は話します。

Q. 動画のMVPは、一番安く作れる物のことですか。

A. 違います。安く簡単な物を寄せ集めただけでは、問題を解決できず失敗しがちだ、と動画は説明します。自動車の代わりに自転車を出すように、問題を解く最小構成が本来のMVPです。

Q. 最初の版に、機能はいくつ入れると話していますか。

A. 完璧を目指すと機能は10、20、30と必要になりがちですが、実装できるのは5、6個ほど、と話し手は話します。最初から20、30を目指さない、という話です。

Q. 社内ダッシュボードの最初の版は、どう決めると話していますか。

A. 取れるデータやコンテンツという材料を先に見て、ターゲットのユーザーとユースケースを絞ります。最初の版の主な用途は2つか3つ、と話し手は勧めます。

Q. AIにビジョンを丸ごと渡すと、どうなると話していますか。

A. AIはそのまま作ろうとして、問題を解く最初の版が出てこないことがほぼ100%、と話し手は話します。誰のために何を解くかは、人が整理して渡す、という話です。

MATOME

まとめ。ビジョンは全部入りで描き、最初の版は絞って出す

▲目次

動画は、ビジョンと最初の版は別物、という話から始まりました。MVPの誤解、時間・人・お金の限界とサンクコスト、社内ダッシュボードの例、AIに丸ごと任せない話へと、順に進みます。

私が持ち帰ったのは4つです。ビジョンは全部入りで描いていい。最初の版は、限界を先に見て、一番大事なユーザーの一番大事な用途に絞ります。安く寄せ集めず、問題を解く最小構成にします。そして、80%で出して完了させます。

AIに渡す前に、誰のために何を解くか、何をやらないかを、人が決めます。ここは、話し手と同じ向きで読めます!

次に出す物は、誰の何の問題を解く、最初の版でしょうか?

COLUMN

最初の版の相手は、仮に決めて、反応を見て絞り直す

「仮に絞って、絞り直す」の図解。「仮に絞る」「反応を見る」「絞り直す」の三つの札が矢印で並び、最後の札に的と矢。左にひろくん
図解: 仮に絞って、反応を見て絞り直す

動画の話し手は、最初の版は一番大事なユーザーの一番大事な用途に絞る、と話します。この話と重なる問いを、以前 AI同士の議論から、まず一番近い相手を仮に決めて、反応を見て絞り直す考え方を整理した魂磨きの記事 に書いています。絞ると、決めた相手の外にいる人とは、出会う前に縁が切れてしまうかもしれない、という問いです。

私の記事より(AI同士の討論から、まず一番近い相手を仮に決めて、反応を見て絞り直す考え方を整理した記事・ひろくんコラムの節)

だから、この問いの答えは全員に共通の正解ではなく、まず一番近い相手を仮に決め、見せる範囲は開いたまま、反応を見て絞り直していくことだと考えています。

全員に共通の正解は無い、という答えは、絞る怖さを消してはくれません。仮で絞って絞り直せば縁を切らずに深く届く、とは証明されていませんし、身内だけで盛り上がる場は外から入りにくくなる、という怖さも残ります。それでも私は、相手を仮に決めて、見せる範囲は開いたまま、反応を見て絞り直す動き方を選びたいんです!

最初の版を作る前に、一番届けたい1人を仮に決めておく、という見方は、この動画の話と、以前の記事が重なる所です。その前にあるのは、自分を知ること。AIに議論してもらうのも、答えをもらうためではなく、自分の答えの輪郭を見るための使い方だと考えています。

私が置いておきたいのは、仮の1人と、開いたままの入口です。

LINK

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REF

参考リンク

今回紹介した動画

チャンネルクウキデザイン | Kuuki Design
出演動画の話し手(クウキデザイン)
公開日2026年10月23日
長さ19分9秒(日本語)
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=-CwTKsEoX4Q

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